次の日は、テラスの片づけをした。

 ソンジェと、色とりどりの花をいっぱい咲かせていたテラスは、荒れ放題になっていた。
 不思議な事に、重い鉢がひょいと軽くなり、枯れた木や古い土もすいすい片付いた。

 その後、新しい花や木を買いに出かけた。
 (あれ?こんな花、買ったかな?今日は、何か不思議な事だらけ。ちょっと頑張りすぎて疲れちゃったのかも)


 夕食は、見違えるように綺麗になったテラスで食べた。

     (ソンジェとも良くここで食べたっけ)

 また涙が溢れた。
 シャワーを浴び、“今日は不思議な事が一杯あった”と、ソンジェに報告をし、ベッドに入った。

 夢を見た。
 ソンジェの腕の中にいる夢。
 次の朝、とてもやすらいだ気持ちで目覚めた。

     その日から私は、何故か淋しくなくなった。

 買い物に出ると、肩や腕に温もりを感じ、ご飯を食べる時も、テレビを見る時も、眠る時でさえ淋しくなかった。

     “一人じゃない”そんな気がしていた。

 (もう一度先生の所に行った方がいいのかな?)
 そう思ったりもしたけれど、私は確信の様なものを感じ始めていたので、それを試してからでもいいと、行かなかった。

P22へ  トップへ P24へ
前へ トップ  次へ