熱を持ち、みるみる腫れてきていた。

 「ここで待つように」と言って、食料品売り場で氷をもらい、「病院に行こう」と車に乗せた。
 応急に固定をし、氷で冷やし、先生に電話を入れながら、車を出した。
 その時、その人の携帯も鳴っていた。


 「もしもし、美崎です。先生いらっしゃいますか?あっ、先生、美崎です。おやすみのところすみません。急患さんなんですけど、診て頂けないでしょうか?手首なんですけど、捻挫か骨折か解からないんです。熱を持って腫れています。10分程で着きます。ただ、韓国の方なので、言葉が・・・。はい、すぐに行きます」


 「どこへ行くんだ?どうした?怪我?大丈夫か?ちょっと待って。・・・・・大丈夫だ。どうやら彼女は、お前を病院へ連れて行こうとしているみたいだ。彼女に代わって。もしもし、彼の連れの者です。後をついて行きますので。え?じゃぁ、かけなおします」


 私は、運転中だからと、携帯番号を教えた。
 マイクをつけ、車の色と車種、ナンバーを教え、次の信号を右折、二つ目の信号を左折と道案内しながら、勤め先の整骨院に着いた。
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