「ここからの眺めが本当に好き」彼の肩にもたれ、テラスで夜景を見ていた。
この部屋で一緒に暮らすようになって、どのくらい経つだろうか?
ソンジェは、ドラマの事やH.Pの事、事務所の事など、山の様な仕事をこなしながら、私との時間も大切にしてくれた。
今日は、テラスに花や木をいっぱい植えた。
重い鉢をひょいと動かし、古い土や、枯れた木をすいすいと片付け、花を植え、テラスは見違えるように素敵になった。
「夕食はここで食べない?」
二人で準備にかかり、ゆっくりと食事をし、くつろいでいた。
ソンジェは、本当に優しい人。
“優しい=頼りない”というイメージがあったりするけれど、彼はとても頼もしく、いつでも私を守ってくれるし、何より、私だけを愛してくれる。
彼は、神様がくれた、最後の贈り物なのかもしれない。
毎日が夢のようで、今、静かに命を終えても悔いは無いと思う位、私は、幸せだった。
そう思っていたのは、私の方だったのに・・・・・。
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