こうして、奇妙な同居生活が始まった。
ご飯を食べる時も、テレビを見る時も、前のように二人一緒。
ただ眠る時だけは、一人ソファーで寝た。
次の日もその次の日も。
彼が会社に行っている間に、ここを出て行けばそれで済むのに、何故かそれも出来ずにいた。
四日目の夜、彼は酔って帰って来た。
(ソンジェは、酔って帰る事なんてなかった)
仕方なく、ベッドに寝かせ、服を脱がせてパジャマを着せた。
「由、行かないで」
「離して」
「由、何故気付いてくれない?僕は由の所へ戻ると言っただろ?」
「映画のストーリーじゃないのよ」
「この身体に慣れるのに、時間がかかったけど、戻ってきたんだ」
「違う!あの日、肩のアザと、私の愛を全部持って、ソンジェは死んだのよ」
「由、こっちを見て。僕を見て。顔は少し違うけど、僕だよ。解からない?」
その優しい目を見た時、すーっと力が抜けた。
「ソンジェ・・?」
「やっと解かってくれた?由、戻ってきたよ」
ソンジェの腕の中にいた。
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