にぎやかに食事が進み、嬉しくて、酔いが回るのも早かった。
 酔ったスタッフが、ソンジェのシャツにシミを付け、シャツを脱いだ彼を見て、由さんが叫んだ。

 「ソンジェじゃない!あなたは誰?何故、ソンジェの振りをしているの?」
 「由?どうした?僕だよ」
 「違う。ソンジェじゃない」
 「由さん、どうしたの?さっきまで由さんもソンジェだって」
 「悪いな。混乱しているみたいだ」

 スタッフ達を帰し、ソンジェと由さんを部屋に送って行った。

 彼は、鍵を開け「お茶でも入れるよ」と、洗面所で手を洗い、うがいをして「何してるの?早く座って」とキッチンに行った。

 私は、洗面所で手を洗い、うがいをした。
 (外から帰った時、こうするのは、私がソンジェに教えた)

 キッチンでお茶を入れる姿も、ソンジェそのものだった。
 社長には、コーヒーをブラックで。
 私達の分は、大き目のペアカップに、彼はコーヒーを、私にはミルクティを入れてくれた。

 「由さん、どう?前と同じ味?」
 「ソンジェの味・・(でもソンジェじゃない)」
 「とにかく、二人で納得いくまで話をして。僕は失礼するよ」

 社長が帰った後も、私は混乱していた。
 彼は、何から何までソンジェだったから。

 彼は、テラスに出て
 「ひどい事になってるな。由、今度の休みに、また前のように、花をいっぱい植えよう」
 そう言って鉢を片付け始めた。
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