行政書士試験の難易度や合格率、合格点について、法律系資格で比較しながらご紹介します!

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行政書士試験の難易度
行政書士試験の難易度・合格率・合格点【法律系資格で比較!】

更新日:2021年9月19日

行政書士試験の難易度・合格率・合格点

 行政書士は、「街の法律家」として、社会的役割と業務の幅を拡大してきており、今、注目されている国家資格のひとつです。

 この行政書士試験に挑戦してみよう!と思われている方も多いかと思いますが、そもそも行政書士試験って、難しいんじゃないの?そう簡単に合格できるものなの?と不安に感じてらっしゃるのではないでしょうか。

 そこで、このページでは、他の法律系資格との比較も交えながら、行政書士試験の難易度や合格率、合格点について、ご紹介していきたいと思います。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。在職中に、行政書士、宅建士、マンション管理士、土地家屋調査士などの資格試験に合格し、10年以上にわたって当サイトで情報発信している。

執筆者 大西雅明のプロフィール写真(行政書士、宅建士、マンション管理士、土地家屋調査士などの合格証書)
執筆者紹介

行政書士試験の難易度・合格率

行政書士試験の合格率の推移

 行政書士試験の難易度を測る指標として一番わかりやすいのが、合格率です。

 行政書士試験の合格率は、下表のとおり、おおむね10%前後で推移しています。

 一般的に合格率10%といえば、「難関資格」の部類に入ってくるかと思います。

 直近の2020年実施分で見ると、受験者数 41,681人のうち4,470人が合格しており、合格率は10.7%となっています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
H23
(2011)
66,297 5,337 8.1%
H24
(2012)
59,948 5,508 9.2%
H25
(2013)
55,436 5,597 10.1%
H26
(2014)
48,869 4,043 8.3%
H27
(2015)
44,366 5,820 13.1%
H28
(2016)
41,053 4,084 10.0%
H29
(2017)
40,449 6,360 15.7%
H30
(2018)
39,105 4,968 12.7%
R1
(2019)
39,821 4,571 11.5%
R2
(2020)
41,681 4,470 10.7%
出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター

行政書士試験はなぜ難しいのか

 では、行政書士試験は、なぜこんなに合格率が低く、難易度が高いのでしょうか。その理由として、次のようなことが考えられます。

理由@:試験範囲が広く、足切り点が設けられている

 まず、難易度が高い理由として考えられるのは、試験範囲が広く、足切り点が設けられているという点です。

 合格点について詳しくは後述しますが、行政書士試験は、法令科目として、

  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法(会社法)
  • 基礎法学

 があり、一般知識科目として、

  • 政治・経済・社会
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

 などがあります。

 このように、法律系資格でありながら、法令系科目だけでなく、「一般知識等」という科目まであるということです。

 そして、法令科目と一般知識のそれぞれに足切り点が設けられていますので、いくら法令科目で満点を取ったとしても、一般知識で足切り点を超えられなければ合格することができない、ということになります。

 ですので、行政書士試験は、試験範囲が広く、その広い範囲の知識を確実に一定レベル以上習得する必要があることになります。

 このため、行政書士試験は、難しいということに繋がってくるわけです。

理由A:出題形式が多様

 次に、行政書士の難易度が高い理由として考えられるのは、択一式だけでなく、記述式や多肢選択式といった多様な形式で出題されるという点です。

 一般的な資格試験では、択一式のマークシート方式のみ、というパターンが多いかと思いますが、行政書士試験では、択一式だけでなく、多肢選択式と記述式の出題もあります。

 確かに、五肢択一式のマークシートが出題の中心にはなりますが(全体60問のうち54問)、多肢選択式が3問、記述式が3問出題されます。

 多肢選択式というのは、問題文が穴埋めで出題され、「1〜20の選択肢から空欄ア〜エに当てはまる語句を選択せよ」といった出題です。

 そして、記述式というのは、「設問に対する回答を40字程度で記述せよ」といった出題です。

 このように、多様な形式で出題されますので、単純に正誤が判断できさえすればいいような択一対策をするだけでなく、別途、多肢選択式の問題を解くための訓練をしたり、記述式対策のために、自分で文章を書く訓練をしたりする必要があります。

 このため、しっかりとした受験対策ができなかった場合は、なかなか合格点を超えることができず、合格できないということになってきます。

行政書士試験の難易度を法律系資格で比較

行政書士試験の難易度を法律系資格で比較したグラフ

 では次は、行政書士試験の合格率を、他の有名な法律系資格で比べると、以下のような位置づけになります。

資格名 合格率
司法書士 約 4%
社労士 約 5%
行政書士 約10%
宅建士 約15%

 このように、司法書士は4%しか合格率がなく、明らかに難関資格ですし、社労士も5%の難関です。

 一方、行政書士は、10%ほどの合格率があり、超人気資格の宅建士の15%という合格率より、やや難しいというぐらいの位置づけです。

 ですので、行政書士は、難関資格ではありますが、法律系の国家資格と比較した場合は、中くらいの標準的な難易度と言えます。

 ただし、実際のところ、10%という合格率自体は、10人受験すると、9人は落ちる試験だということになります。

 そう考えると、大抵の人は落ちるというふうにも感じてしまいますね。。ということで、法律系国家資格の中では難易度は「中くらいの標準的な難易度」とはいえ、十分な受験対策が必要と言えます。

行政書士の難易度を偏差値で比較

行政書士の難易度を偏差値で比較したグラフ

 行政書士試験の難易度を測る指標として、偏差値を利用するという方法もあります。

 偏差値というのは、平均点を50とし、受験者全体の得点分布に基づき算出される数値ですので、受験者の属性がまったく異なる資格試験を跨いで、各資格試験の偏差値を算出するというのは、本来は不可能です。

 しかし、公表されている合格率や合格点などの情報や傾向に基づき、仮の偏差値を独自に算出するといったことがなされています。

資格名 偏差値
司法書士 72
社労士 65
行政書士 65
宅建士 57
出典:資格難易度ランキング

 この数値によると、行政書士試験の偏差値は65とされており、偏差値60以上は「難関資格」とされています。

 このように、合格率で難易度を比較した場合と同様に、司法書士より難しく、宅建士より易しいという位置づけになります。※社労士とは同値になっています。

 ですので、やはり行政書士は、難関資格ではあるけれども、法律系国家資格の中では、標準的な難易度と言えそうですね。

行政書士試験の合格点

 このように、行政書士試験は難関資格とはいえ、標準的な難易度になっているということを見てきましたが、次は、合格する基準について確認しておきたいと思います。

絶対評価が採用されている

 一般に、国家試験では「相対評価」で合否が決まる試験が多く、あらかじめ何%又は何人を合格させるか決められているケースが多くなっています。

 ところが、行政書士試験では、「絶対評価」が採用されており、何点以上正解すれば合格、という合否の決め方になっています。このため、毎年の合格率に変動が生じることにもなっています。

 行政書士試験は、下表のように、試験科目と出題形式に応じて配点が決められています。

試験科目 出題形式 出題数 満点 小計 合計
法令等 5肢択一式
(4点/問)
40問 160点 244点 300点
多肢選択式
(8点/問)
3問 24点
記述式
(20点/問)
3問 60点
一般知識等 5肢択一式
(4点/問)
14問 56点 56点

合格点は、6割の正解

 合格点は、「法令等」が50%以上、かつ、「一般知識等」が40%以上、かつ、全体の得点が60%以上(=180点以上)とされています。

 つまり、合計点で60%以上が合格ラインですが、ただし、足切りが設けられており、法令等で50%と一般知識等で40%は得点しておかなければならないということになります。

 なお、2006年度試験以降、合格点については、試験問題の難易度を評価し、補正的措置が加えられることがあるとされています。(実際に、この補正措置が加えられ、合格点が引き下げられたのは、2014年度試験のみです。)

 いずれにしても、行政書士試験では、「6割」を正解できれば合格できるということです。

 そう考えると、なんとなく合格できそうな気がしてきますよね!ちなみに、宅建試験では、7割程度が合格ラインになってきますので、それと比べても、もっと間違えて大丈夫なわけです。

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行政書士の難易度と合格に必要な勉強時間

行政書士の難易度と合格に必要な勉強時間の相関グラフ

 行政書士試験を含め、資格試験の難易度は、試験に合格するために必要な勉強時間と、ある程度の相関関係があります。

資格名 合格率 必要な勉強時間
司法書士 約 4% 3,000時間
社労士 約 5% 1,000時間
行政書士 約10% 500時間(〜800時間)
宅建士 約15% 300時間

 このように、難易度の高い(合格率の低い)資格試験ほど、合格に必要な勉強時間も多くなっていますね。

 司法書士は、3,000時間の勉強時間が必要とされており、合格するまでに平均3〜4年かかると言われています。

 社労士試験は1,000時間ですが、司法書士と同様、平均受験回数は4回程度と言われています。

 一方、行政書士は、必要な勉強時間は500時間程度(800時間の説もあり)で、受験回数も2回前後が平均とされています。ですので、一発合格者もかなり多く存在するということになります。

 一発合格を目指して社会人が働きながら勉強することを考えると、500時間の勉強時間を確保するためには、1日に1時間ぐらいはすぐに確保できるとして、2時間もそこそこ頑張ればなんとかなるかと思いますが、3時間というのは、私自身の経験上、かなり無理をしないと確保できないかと思います。

 そこで、1日に2時間を確保するとすれば、500時間÷2時間=250日⇒8ヶ月強という計算になります。

 ですので、半年〜1年程度というのが、必要な勉強期間になってくるのではないでしょうか。

行政書士は独学でも合格可能!

 では、行政書士試験には、独学でも合格可能なのでしょうか。

 私自身は、行政書士試験には独学の学習で合格しました。

 行政書士試験は、独学であっても、テキスト1冊をしっかりと読み、問題集(過去問)を複数回繰り返すだけで、短期合格も十分に可能な資格だと思います。

 行政書士試験に独学で合格するための勉強方法などについては、行政書士は独学で合格できる!【おすすめ勉強法】のページをご参照ください。

 また、独学におすすめのテキスト等については、行政書士の独学におすすめのテキストのページでご紹介していますので、そちらを参考にしてください。

行政書士の難易度について【まとめ】

 以上のとおり、行政書士の難易度について見てきました。

 最後に、ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。

行政書士の難易度まとめ
  • 合格率は約10%で難関資格
  • 試験範囲が広く、足切り点が設けられていることや、出題形式が多様なことが、高い難易度の理由と考えられる
  • 合格率は10%、偏差値も65で難関資格だが、法律系の国家資格で比べると、中くらいの標準的な難易度に位置付けられる
  • 6割正解すれば合格できる
  • 合格するには500時間(800時間の説もあり)の勉強時間が必要
  • 独学でも合格可能!

 このように行政書士試験は、合格率10%・偏差値65という難関資格であり、10人中9人は落ちる試験です。

 しかし、法律系の国家資格としては、標準的な難易度です。

 そして、絶対評価が採用されており、6割正解すれば合格できる試験です。

 ですので、独学で挑戦するにしても、講座を受講するにしても、500時間程度の勉強をしっかりとこなせば、誰でも合格することができる資格だと思っています。

 是非、行政書士試験の合格を目指して頑張ってください!

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