ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています            介護予防とタイミング ” 

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  Top page  活動内容   看取り     モリー先生との火曜日

マーク                      介護予防とそのタイミング

 私の住んでいる街は、現在人口1万8千人位の小さな人工島です。
街を歩いていますと色々な人達と出会います。
「前かがみで小股で歩く人」「ひょこひょこ」と膝を折りながら歩く人、眼の焦点が
定まらないように歩く人、前しか見えずに歩く人などなど。

 このような方は、介護認定を受けているのでしょうか?
それとも介護保険制度を知らないか、知っていても利用の方法を知らないのか。
心配になり今ここで介護保険を利用し、介護予防に気を配れば現状維持かそれ以上によくなると思います。

 マーク  介護予防のタイミング 

 いつの時点で介護保険を利用したらいいのか。
 最近は介護認定が厳しくなったという言葉をよく聴きます。
 しかし、認知症でも身体の不具合でもタイミングを逸しますと目に見えて不具合の程度
 が進行するのです。特に一人暮らしのかたは、不安と孤独感で進みは早いように思えて
 なりません。


 一人住まいの方で最近寂しさを訴える方とお知り合いになりました。

 逢う度に「寂しさ」「病気になった時の心配」などを話されていました。
 介護保険制度のことをお聴きしました。制度はご存知でしたが、その利用方法と具体的な
 手続きはどうしていいのかも判っていませんでした。

 この方は、現状の状態で介護保険を利用するのか、もう少し進んで周りの人々が判るよう
 になってから手続きすることがいいのか難しい問題と思いますが、私は、
 地域包括支援センターに連絡し、主治医の方の進めを頂き介護認定を受ける手続きをしま
 した。

 “地域包括支援センター”そのものを知っているようであまり知られていないのです。
 あるところの成年後見制度の説明会で「地域包括支援センターを知っていますか」
 の問いかけに手が上がる方が非常に少なくびっくりしたことがあります。



1)介護認定に立会

 この女性の方は、不安症候群のように物事を心配する方です。
 認定員の前ですごくしっかりと  答える、字は書けるなど認定結果が心配でしたが、
 さすがは、認定員です。その方の内面的な部分  をよく観察されていまして、「要支援1」
 と認定されました。
 残念ですが、要支援1の意味と何処に行けばそれが利用できるのかが判っていません。
 このようなことが介護保険制度の利用の時期を逸するのではないでしょうか。

2)契約 

 早速近くの地域包括支援センターに繋ぎました。
 その方は素晴らしくゆっくりと話を聴き、高齢女性の方の話がそれるようになるとゆっくり
 と話を元に戻していました。相手が、安心感をもつように仕向けていました。
  ここで契約を締結したのですが、一人住まいの方でこのような煩雑な契約を結ぶことが
 可能でしょうか。

3)もう一つの契約

 今度は、介護事業所とのケア内容の打合せと契約です。
 これも具体的には相手(事業所)の いいなりになることでしょう。
 高齢者を守る観点でケアプランを立ててくれる方だといいのですが、そうでないと自分の
 意思が反映しないように思えました。
 今回は、地域包括支援センターの女性の方が立会い、ゆっくりとケアにつき話し合い、
 説明して いました。

4)タイミング

 この女性の方は、タイミング的に非常に良かったと思いますし、関係した方々が素晴らし
 かったからよかったのでしょう。
 このタイミングを逸しますと、知らず知らずのうちに認知症も身体不具合も進んでしまう
 ことでしょう。そして一人暮らしに支障が出てきます。
 (孤独死・火の始末・不衛生などなど)

 高齢者施設でも観察していますともう少し早く支援し、適切な介護予防がなされていれば
 ここまで 進んでいないと思われる方々が多くいます。
 国にお金がないということで、認定を厳しくすることで進行させてしまってお金を使うの
 か、タイミング良くお金を使うのか、どちらがいいのでしょうか。 


 成年後見制度は、判断能力が定かでない方に適応されますが、判断が確かでも
 (自分の意思がしっかりしていても)体力的に不具合が出てきた場合には利用できるよう
 になればと考えています。その方がより以上に「残存能力の活用」「自己決定の尊重」
 「ノーマライゼーション」が生かされるのではないのでしょうか。 


 任意後見制度を利用すればいいと言いますが、生活が裕福でないと利用できませし、
 これも認知症が発症しないと権限がなく、もう少し早く権限を持てるようにしたいもの
 と考えています。


 民法643条の委任契約がありますが、この法律で全ての人々が支援されると
 考えていません。むしろごく一部の方しか救われないことでしょう。
 福祉は、国が創るものではありません。私達国民が創りだすものです。

                         シニア ライフ アドバイザー
                                 岡島貞雄



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