宅建士ってどんな資格?宅建士の業務の概要をご紹介します!

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宅建士(宅地建物取引士)の業務概要
宅建士の業務の概要(宅建士とは)

 宅建試験の合格を目指すにあたって、宅地建物取引士(宅建士 又は 宅建)というのがどのような業務を行う資格なのか、ある程度知っておいた方がよいかと思いますので、ここでは、宅建士の業務の概要について、ご紹介したいと思います。

執筆者 大西雅明
市役所に22年間勤めた元公務員。在職中に、宅建士、行政書士、マンション管理士、土地家屋調査士などの資格試験に合格し、10年以上にわたって当サイトで情報発信している。

執筆者 大西雅明のプロフィール写真(宅建士、行政書士、マンション管理士、土地家屋調査士などの合格証書)
執筆者紹介

宅建士とは

 宅建士とは、正式には、宅地建物取引士といいます。

 この宅建士は、土地や建物に関する専門的な知識を持った不動産取引のプロフェッショナルとして、土地や建物の売買又は貸借といった不動産取引を安全・円滑に実現することを、その業務としています。

 宅建士は、法律の規定により、宅地建物取引業者(宅建業者)、いわゆる不動産屋さんですね。その不動産屋さんの事務所ごとに、従業員5人に1人以上の割合で設置することが義務付けられています。

 また、不動産取引の際に、宅建士にしかできない3つの独占業務があるため、不動産取引において宅建士はとても重要な役割を担っています。

 なお、宅地建物取引士の資格は、平成27年4月の法改正により、「宅地建物取引主任者」(この頃は、宅建主任者とも呼ばれていましたね。)から「宅地建物取引士」に変更されました。

 これによって士業の仲間入りを果たし、現在は、「宅建士」又は「宅建」と呼ばれるようになっています。

 士業の仲間入りを果たしたタイミングで、統一的に「宅建士」と呼称されるようになるかと思いましたが、これまでの長年の名残で、いまだに「宅建」という呼び名の方が一般に使われることが多いですね。

宅建士になるには(宅建士の資格登録)

 宅建士として業務を行うためには、1年に1回実施される宅建試験に合格した後に、都道府県知事の登録(資格登録)を受け、かつ、当該知事の発行する宅地建物取引士証の交付を受ける必要があります。

 この登録を受けるためには、宅建業の実務経験が2年以上あるか、又は、国が実施する登録実務講習を受講すること、そして、登録の欠格要件に該当していないことが要件とされています。

 また、宅建試験の合格後1年を超えている場合は、宅地建物取引士証の交付を受けるために、法定講習の受講が必要となります。

 なお、「宅建試験の合格」と「都道府県知事の資格登録」は、いずれも一生有効ですので、宅建試験に合格後、登録せずに放置していても全く問題ありませんし、資格登録まで済ませて宅地建物取引士証の交付を受けずに放置していても問題ありません。

 しかし、「宅地建物取引士証」は、有効期間が5年になっていますので、宅建士として業務を続けるためには5年ごとに更新手続き(法定講習の受講)が必要となりますので、注意が必要です。

宅建士の業務(3つの独占業務)

 それでは、宅建士の独占業務について説明したいと思います。宅建士の独占業務は、以下の3つの業務となります。

重要事項の説明

 不動産の取引は高額なものとなりますので、トラブルを未然に防止するため、宅建業者は、不動産の購入や賃貸の契約前に、物件に関する重要事項について、宅建士から買主(借主)に必ず説明させなければならないこととされています。

 この「重要事項」というのは、所在地、売主(貸主)、土地・建物の用途やその制限、電気・ガス・水道の整備状況など、不動産を取引するうえで、買主(借主)が正しい判断をするための材料となる重要な事項をいいます。

 例えば、家を建てるために土地を購入する場合に、法令上の制限で建物が建てられなかったら意味がありませんよね。購入した後に気づいたのでは遅いですから、後でトラブルにならないように、必ず契約を締結する前に、重要事項を説明することが義務付けられています。

 この重要事項説明という重大な任務を任されているのが、宅地建物取引士(宅建士)というわけです。

重要事項説明書への記名・押印

 重要事項を説明する際は、その重要事項を記載した書面「重要事項説明書」を交付して説明を行う必要があり、この重要事項説明書について、宅建士が、不動産取引のプロフェッショナルとして、誤りがないか責任をもって確認した上で、記名・押印を行うこととされています。

契約書(37条書面)への記名・押印

 宅建士が重要事項説明書に基づき重要事項を説明し、買主(借主)が納得した後、契約を締結する際に、宅建士が責任を持って、契約書の記載内容に間違いがないかどうか確認をして、記名・押印をすることとされています。

 以上が、宅建士が独占的に行うことができる3つの業務です。

宅建士の活躍の場

不動産会社(宅建業者)

 宅建士は、不動産会社(宅建業者)が主な活躍の場であることは言うまでもありませんが、それ以外に、建築会社、金融機関、不動産管理会社のような業界においても活躍の場が広がっています。

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建築会社

 自社で建築した物件を販売する際に宅建の資格が必要となるため、建築会社においても宅建士の資格が必要とされています。

金融機関

 銀行などの金融機関では、不動産の担保価値を評価して融資する機会が多いため、宅建士の知識が有効とされています。

 また、都市銀行の多くはグループ会社に不動産販売会社を有しているため、宅建士の資格が重視されています。

不動産管理会社 

 不動産管理会社では、不動産分譲の仲介を行い、管理までも自社で行う会社が多くなっているため、宅建の資格は有益とされています。

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「宅建士」と管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士との業務内容の違い

 不動産業に関連する4大資格として、宅建士のほか、管理業務主任者、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士があります。

 これら4つの資格は密接に関連しているため、それぞれのどこがどう違うのか、わかりにくいかと思います。

 そこで、簡単に表で整理してみましたので、正確ではない表現もありますが、参考にしていただければと思います。

不動産業関連
4大資格
主な業務の内容
宅建士

不動産(土地・建物)の取引(売買・交換・貸借)の代理・媒介業務

<3つの独占業務>

・重要事項の説明

・重要事項説明書への記名・押印

・契約書(37条書面)への記名・押印

管理業務主任者

分譲マンションの管理業務

<4つの独占業務>

・管理受託契約に関する重要事項説明

・管理受託契約に関する重要事項説明書への記名・押印

・管理受託契約書への記名・押印

・管理事務に関する報告

マンション管理士

分譲マンションの管理に関する指導、アドバイス、コンサルティング等の業務

<独占業務なし>

賃貸不動産経営管理士

賃貸マンションの管理業務

<賃貸住宅管理業者登録制度における業務(独占業務ではない)>

@管理受託契約に関する重要事項説明

A管理受託契約に関する重要事項説明書への記名・押印

B管理受託契約書への記名・押印

 以上のように、簡単に表にまとめてみましたが、違いがわかりにくいのは、「管理業務主任者」、「マンション管理士」、「賃貸不動産経営管理士」の3つの資格ではないでしょうか。

 まず、この3つの資格を区別する大きなポイントは、業務の対象が「分譲マンション」なのか「賃貸マンション」なのかというところです。

 「管理業務主任者」と「マンション管理士」は、「分譲マンション」を業務の対象とするのに対し、「賃貸不動産経営管理士」は、「賃貸マンション」を業務の対象としています。

 ちなみに、宅建士は、分譲マンションも賃貸マンションも、どちらも業務対象となります。

 では、マンション(分譲・賃貸)を例にとって、4つの資格の業務範囲を確認してみたいと思います。

 まず、新築マンションが建った場合、分譲マンションであれ賃貸マンションであれ、入居者の募集をする場面は、宅建士の業務範囲となります。

 分譲マンションであれば、「売買」という不動産取引の代理・媒介業務になりますし、賃貸マンションであれば、「賃貸」という不動産取引の代理・媒介業務になります。

 次に、マンションを管理する場面(管理受託契約の締結)を考えた場合、分譲マンションの管理であれば、管理業務主任者の業務範囲になりますし、賃貸マンションの管理なら、賃貸不動産経営管理士の業務範囲となります。

 そして、分譲マンションの場合は、通常の管理事務に加えて、区分所有者全員で構成されたマンション管理組合の運営の問題や、大規模修繕や建替えなど区分所有者同士の合意形成を図りながら計画的に工事の施工を進めていかなければならないといった問題などが発生しますので、このような難しい問題を解決するためにマンション管理士が登場するというわけです。

 その後、さらに分譲マンションを転売したり、新たな入居者と契約を締結したりする際には、宅建士が再び登場するというような形で、これら4つの資格は密接に関連しているということが、おわかりいただけるかと思います。

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