地球型惑星・・・岩石でできた惑星
地球型惑星は、
岩石や金属からできた惑星です。
水星、金星、地球、火星があります。
地球型惑星は、身近な天体ですが・・・
水星は、
最小の惑星です・・・木星のガニメデと、土星のタイタンは、なんと、水星より大きいです。
近日点移動という現象があります・・・
これは、一般相対性理論によって、
「太陽の重力により時空が歪んだ結果」として説明されるそうです・・・
ホット・ジュピターという、太陽系外惑星は、
主星の恒星から、0.015 AUから0.5 AUしか離れていませんが( 水星は0.39AU )、
やはり、近日点移動がみられるのでしょうか?
水星の軌道離心率は、約0.21と、
太陽系惑星の中で最も大きく、楕円軌道を描いています・・・
エキセントリック・プラネットという、軌道離心率の大きな( 0.1以上 )太陽系外惑星に似ていますね。
(ホット・ジュピターは、軌道が真円に近いです。)
水星の1太陽日は、176日です・・・
水星の1日は、なんと、水星の一年(88日)より長いですね。
尚、水星の自転と公転は、 2:3 の共鳴関係にあります・・・
なぜ、1:1ではないのでしょう?
金属核の割合が大きいです
カロリス盆地は、なんと、直径1,300kmのクレーター群からなります・・・
恐竜絶滅の原因として有力な、小惑星(直径10-15 km)の衝突で生じた、
チクシュルーブ・クレーターの直径が約160Kmから考えると、
非常に大きな(多数?)天体が衝突したようですね。
表面の平均温度は、179℃ですが、永久影には、氷があります。
比較的強い磁気圏を持ちます・・・
自転が遅いのに、どうやって磁場ができるのでしょう?
金星は、
地球の姉妹惑星とも呼ばれますが・・・
自転軸が倒立しており、なんと、他の惑星と逆方向に自転しています。
地表の平均温度は、464℃ですが、雲の頂上は−45℃です。
250万年前にも火山活動が起きたようです。
金星の大気は、二酸化炭素が主で、太古の地球と似ているとされます。
大気圧は、地表で90気圧もあります。
しかし、高度約50〜65kmでは、気圧と温度が地球とほとんど同じです・・・
金星の大気中に、生命がいるかも???
ちなみに、なんと成層圏に存在する生物があるようです。
デイノコッカス・ラディオデュランスは、5千グレイの放射線に対して耐性を持ちます。
黄砂で日本に運ばれてくる納豆菌もいるようなので、
太古の地球でも、原始生命は、原始大気中の、黄砂のような砂塵や原始雲?の中で誕生した・・・もしれませんね。
金星では、硫酸の雨がみられますが・・・
Picrophilus oshimae ( 〜pH -0.06 )という好酸性菌は、なんと、pH 0以下でも生育できます。
スーパーローテーションという、大気の上層部の風は、わずか4日で金星を一周します・・・
金星の自転周期は243日なので、非常に高速ですね・・・
そういえば、金星の1太陽日は、117日と、昼夜が非常に長いですが・・・
高速の風は、昼夜の温度差によるのでしょうか???
地球は、
表面に液体の水が大量に存在し、
人類を含む、多様な生物が生存します。
表面は、月の潮汐力による弾性変形によって、伸縮します。
タイタンの地表気圧は、なんと、地球の約1.45倍です
窒素が多い点は、地球に似ていますね。
タイタンの電離圏には、ソリンがある可能性があるそうです・・・
初期の地球は、ソリンの豊富な彗星から、生命の誕生に必要な、最初の有機化合物が供給された、
という説もあります・・・
逆に、ソリンの豊富な彗星が、太陽系の外からやってきて、原始地球になったのも???
ちなみに、氷に富む太陽系外惑星が、惑星系の内側に移動した場合、
表層に厚い海を持った、海洋惑星になる可能性が考えられているそうです・・・
太陽系の、より外側を回っていた氷惑星(氷衛星?)が、内側に移動して原始地球になったかも???
衛星は、月ですが
惑星に対する衛星の直径比率が、地球の約1/4と、非常に大きいです。
ちなみに、月の自転周期(公転も)は、27.3日ですが・・・
地球に比べて、とても遅いのはなぜでしょう?
ちなみに、金星の自転周期は、243日と、極めて遅いですが、
地球との会合周期と同期しています(会合周期は金星の5.001日)、
また、火星の自転周期は、24.6時間と、地球と非常に近いです。
木星の移動(グランド・タックモデル)が関係するのでしょうか?
火星は、
地球の外側の軌道を公転しています。
木星の移動により、火星が成長できなかった可能性があります。
過去の火星に、プレートテクトニクス作用があった可能性があります。
赤く見えるのは、地表に酸化鉄(赤さび)が含まれるためです・・・
さびができるということは、水があった可能性がありますが、
大昔は、火星にも、大量に液体の水があったのでしょうか?
尚、現在の火星の表面には氷があり、ヘラス盆地に液体の水が存在する可能性があります。 火星の海
火星の表面は、主に玄武岩と安山岩の岩石からできていますが・・・
玄武岩は、地球では海洋地殻の成分ですね。
ちなみに、約27億から19億年前の地球で形成された、縞状鉄鉱層は、
海水中の鉄イオンと反応して、酸化鉄となり、沈殿したものだそうです・・・
太古の火星には、シアノバクテリア様の生命がいたかも???
尚、火星生命の有無に関しては、真偽不明ですが、
ALH84001隕石・大気中のメタン、があります。
火星にも、地質時代には海(液体の水)があった可能性があるようですが・・・
地球がなるぐらいなら、火星も、スノーボールアイスになったことがあるのでしょうか?
謎は、深まるばかりです。
太陽に最も近い公転軌道を周回している惑星です。
太陽系惑星の中で、大きさ、質量ともに最小です。
水星よりも大きな衛星に、木星のガニメデと、土星のタイタンがあります。
衛星や環はありません。
太陽に非常に近いため、日の出前と日没直後しか観察できません。
多数のクレーターがあり、月と非常によく似た環境と考えられます。
赤道面での直径は、4,879.4km(地球の38%)。
水星の体積は、地球の5.5%ですが、
水星の金属核は、42%(地球は17%)もあります。
平均密度は、5.43g/cm3で、地球と比べわずかに小さいです。
核の比率が大きい割に、密度が高くないのは、
小さな水星は、自重によって圧縮される割合が低いためです。
水星中心部の圧力は、約25-40万気圧です(地球は、366万気圧)。
水星の鉄の存在比は、
太陽系の他の天体よりも大きいです。
これには、以下の説があります。
1.巨大衝突説
水星は、太陽系形成初期に、原始惑星と衝突したために
元々の地殻とマントルの大部分が吹き飛んで失われ、
延性を持つ金属核が合体したという説。
尚、水星軌道では選択的に金属が集まりやすかったという、選択集積説もあります。
2.蒸発説
当初水星の質量は現在の約2倍でしたが、
原始星段階の太陽が収縮するにつれて、活動が活発化してプラズマを放出し、
水星付近の温度が2,500 - 3,500 Kから1万K近くまで加熱されました。
そのため、表面の岩石が蒸発して、岩石蒸気となり、
原始太陽系星雲風によって吹き飛ばされたために、地殻部分が薄くなったという説。
3.太陽風説
原始太陽系星雲からの太陽風が、
水星表面に付着していた軽い粒子に抗力を生じさせ、奪い去る現象が重なったという説。
水星の自転周期は、58日15.5時間。
水星の公転周期は、87日 23.3時間。
公転面は、地球の公転面(黄道)に対して7度の傾きがあります。
そのため、水星の太陽面通過は、黄道に水星があるタイミングに限られ、
平均7年に1度しか観測されません。
太陽からの距離は、0. 58億km( 0.39AU )。
軌道離心率は、約0.21で、太陽系惑星の中で最も大きく、
近日点が 約0.31 AU (46 ×106 km) で、
遠日点が 約0.47 AU (70 ×106 km) という、
太陽を焦点の一つとする、楕円軌道を描いています。
軌道の近日点は、太陽の周りを周回する形でゆっくりと移動しています(水星の近日点移動)。 トップ
観測値は、ニュートン力学による計算値より、100年あたり43秒大きいです。
この43秒は、一般相対性理論によって、「太陽の重力により時空が歪んだ結果」として説明されます。
水星の自転と公転は、 2:3 の共鳴関係にあります。
つまり、太陽の周囲を2回公転する間に3回自転します。
水星の公転軌道の離心率が比較的大きいため、共鳴関係は安定しています。
共鳴があるため、水星の恒星日(自転周期)は、58.7日なのに対して、
水星の太陽日(水星表面から見た太陽の子午線通過の間隔)は176日と、3倍になっています。
公転周期が約88日なので、
「水星の1日」は、「水星の2年」に等しいです。
誕生直後の水星は、8時間程度の速さで自転していましたが、 トップ
太陽の潮汐力によって次第に遅くなったとされます。
共鳴関係が2:3となった原因は不明です。
水星の赤道傾斜角(自転軸の傾き)は、惑星の中で最も小さく、0.027度以下です。
これは2番目に傾斜が小さい木星(約3.1度)に比べても、1/300と非常に小さいです。
水星の核は、
半径約1,800 kmです。
これは惑星半径の3/4に相当し、
水星全体では、質量の約70%が鉄やニッケル等の金属、30%が二酸化ケイ素でできています。
地球の内核と外核のように、固体と液体に分離している可能性があります。
マントルは、
岩石質で、核の周りを、厚さ 600km 程度で覆っています。
これは他の岩石惑星と比べ非常に薄いため、
マントルの対流が小規模となり、
惑星表面に特有の影響を及ぼした可能性が指摘されています。
地殻は、
厚さ100-300kmと推測されています。
水星の地表は、月の地表と似ており、
数十億年単位の時間を経て形成される、月の海のような平滑面や、
全球を覆う多数のクレーターが存在しています。
カロリス盆地は、惑星直径の1/4以上に相当する、
直径1,300kmのクレーター群からなります。
これは、後期重爆撃期に、彗星や隕石が、大気がない水星に、
衝突を繰り返すことでクレーターを形成し、
当時まだ活発だった火山活動によって、盆地がマグマで埋まって形成されたと考えられます。
水星の表面は、異なる時代にできた、二つの表面によって覆われています。
若い方の表面は、溶岩により形成された軽い地表で、古い地表よりクレーターが少ないです。
これは、月の高地-海の関係に似ていますが、
水星にみられる新旧の地表の違いは、月の場合ほど明確ではありません。
リンクルリッジという、
広範囲に散在し、高さ約2km、長いものでは500kmにもなる断崖(線構造)も、特徴的な地形です。
これは、水星の内部が冷却され、半径が1-2km縮む過程で形成されたしわと考えられていますが、
太陽の潮汐力の影響という異説も存在します。
太陽の潮汐力は、地球が月に与える力の約17倍と推測され、
そのため水星では、赤道部分が膨らむ潮汐変形が起きています。
水星の表面には、鉄酸化物の存在量が、
他の地球型惑星と比較して少なく、重量比1-3%程度しかありません。
ナトリウム分が多い斜長石や、鉄をあまり含まない輝石(頑火輝石)が主です。
表面の平均温度は、
452K(179℃)ですが、
温度変化は、90-100 Kから700 Kもあります。
水星は公転と自転が共鳴しているため、
近日点で、特定の2ヵ所が南中を迎え、最高温度の700Kになります。
この場所は熱極と呼ばれ、カロリス盆地とその正反対側が当たります。
遠日点では、500K程度になります。
日陰部の最低温度は、平均110Kです。
太陽光は、地球の太陽定数の4.59-10.61倍に相当し、
エネルギー総計では、3,566 W/m2となります。
このような高温でも、氷が存在します。
極に近く、深いクレーターの中には、太陽光が当たらない永久影となる部分があり、
温度が102K以下に保たれています。
水の氷が存在する可能性が最も高いと考えています。
水の氷の量は、10×1014-10×1015kgで、
レゴリスが覆うことで昇華から防がれていると考えられます。
尚、地球の南極に存在する氷は、4×1018kg、
火星の南極には、10×1016kgの水の氷があるようです。
水星の氷の起源は不明ですが、
彗星の衝突または水星内部からの放出で生まれたという説が有力です。
水星の大気
水星は重力が小さいため、長く大気を留めておくことは困難です。
しかし、ごく薄く、分子同士の衝突がほとんどない、無衝突大気が確認されています。
水星の気圧は、10-7 Pa(10-12気圧)程度と推測され、
成分は、水素、ヘリウムが主で、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、酸素等も検出されています。
大気組成は一定しておらず、絶えず供給と放出を繰り返しています。
太陽風の粒子を水星磁場が捕捉したものと考えられ、やがて宇宙空間に拡散されていきます。
地殻で生じる放射性崩壊は、ヘリウムや、ナトリウム及びカリウムの供給源の一つです。
水蒸気も存在しており、
水星の表面が崩壊して生じたものと、
太陽風の水素と岩石由来の酸素が、スパッタリングを起こして生成されるもの、
永久影にある水の氷が昇華して発生するものがあります。
水星は、自転速度が59日と遅いですが、
比較的強い4.9×10−12Tの磁気圏(地球の約1.1%)を持ちます。
磁場は、地球と同じく双極子ですが、
地球にみられるような、磁場の軸と自転軸とのずれはほとんどありません。
磁場は、ダイナモ効果で生まれている可能性があります。
水星の核は、純粋なニッケルや鉄が融解するほどの高温を維持していないと考えられていますが、
硫黄等の不純物が0.2 - 5%核に混入すると、融点が低下し、
地球と同様に、固体の内核と液体の外核に分離する可能性があります。
この場合、液体の外核は、厚さ500 kmと推定されます。
水星の公転軌道の離心率が高いことから、太陽が及ぼす潮汐力の影響も考えられます。
他に、核とマントルの境界で生じる、熱電作用があります。
水星磁場は、水星の周囲で磁気圏をつくり、太陽風による宇宙風化作用に抵抗します。
一方、水星磁場は、「漏れやすい」ようです。
惑星磁場の磁力管が、太陽風によって引っぱり出される現象(磁束輸送事象)は、
磁場の壁に穴をあけて、そこから太陽風が吹き込む事態を起こします。 磁気再結合
太陽に近い方から2番目の惑星です。
地球に最も近い公転軌道を持つ惑星です。
地球型惑星で、
大きさと平均密度が最も地球に似た惑星であるため、
地球の姉妹惑星、とも呼ばれます。
地球から見ると、金星は明け方と夕方にのみ観測でき、
太陽、月についで明るく見える星であることから、
明け方に見えるのが「明けの明星」、
夕方に見えるのが「宵の明星」といいます。
英名のVenusは、ローマ神話のウェヌス(ヴィーナス。ギリシア神話のアフロディーテ)から命名されました。
赤道面での直径は、12,103.6 km。
表面積は、4.60 ×108 km2。
質量は、4.87 ×1024 kg(地球の0.8)。
平均密度は、5.20 g/cm3。
金星の自転周期は、
243日と、極めて遅いです。
尚、2012年、16年前より6.5分遅い周期で自転しています。
赤道傾斜角は、177度で、
自転軸がほぼ完全に倒立しているため、他の惑星と逆方向に自転しています。
(自転と公転の回転の向きが逆なので、金星の1日は地球の117日)。
地球等金星以外の惑星では、太陽が東から昇り西に沈みますが、
金星では西から昇って東に沈みます。
金星の自転がなぜ逆回転をしているのか不明ですが、大きな星との衝突の結果と考えられています。
軌道面に対してほぼ垂直であるため、
気象現象の季節変化はほとんどないと推測されています。
金星の自転は、地球との会合周期と同期しており、
最接近の際に、地球からはいつも金星の同じ側しか見ることができません
(会合周期は金星の5.001日)。
公転周期は、225日。
平均公転半径は、1.08億km(0.72AU)。
公転軌道は、太陽系の惑星の中で最も真円に近いです。
金星表面は、
地球や火星と比較すると、起伏に乏しいとされます。
大きな平野を持つ高地が3つ存在します。
イシュタル大陸は、オーストラリア大陸ほどの大きさで北側に位置します。
この大陸には、金星最高峰であり、高さ11kmのマクスウェル山があります。
南側の大陸は、アフロディーテ大陸と呼ばれ、南アメリカ大陸ほどの大きさです。
南極地域には、ラダ大陸があります。
高地の面積は、金星表面の13%を占めますが、
この他に、金星表面は、
中程度の高度を持つ平原(金星表面の60%)、
最も低い低地(同27%)の、
3つに区分されています。
上記の大地形の他に、
コロナと呼ばれる円形に盛り上がった地域や、
中心から放射状に盛り上がりを見せるノバ、
パンケーキ状に丸くひろがった台地や、
断層や褶曲が入り組むテセラ等の、
小地形が数多く存在します。
このうち、コロナやノバ、パンケーキ状の地形は、
火山活動によって形成されたと考えられています。
金星ができたのは約46億年前ですが、
表面の大半は、数億年前に形成されたとされ、
過去に活発な火山活動があったことを示す地形が多く存在します。
比較的最近(数百年から250万年前)にも、火山活動が起きたようです。
尚、金星の地形には、日本神話等、各民族の神話の女神や精霊の名が冠せられています。
クレーターには、卑弥呼等、各国語の女性名が付けられています。
大気と温度 →金星の大気
金星には二酸化炭素を主成分とし、わずかに窒素を含む大気が存在します。
大気圧は非常に高く、地表で約90気圧です。
金星の自転は、非常に遅いですが、
熱による対流と大気の慣性運動のため、昼と夜で、地表の温度差はありません。
大気の上層部の風が4日で金星を一周していることが、金星全体へ熱を分散するのを助けています。
スーパーローテーションは、金星最大の謎の1つとされます。
雲の最上部では、時速350kmもの速度で風が吹いていますが、
地表では時速数kmの風が吹く程度です。
しかし金星の大気圧が非常に高いため、地表の構造物に対して強力に風化作用が働きます。
更に二酸化硫黄の雲から降る硫酸の雨が、金星全体を覆っていますが、雨は地表に届きません。
雲の頂上部分の温度は−45℃ですが、
温室効果のため、地表の平均温度は464℃です。
大気の上層から、オゾン層を発見されました。
上空125kmの所に、気温-175℃の極低温の場所があります。
この低温層は、2つの高温の層に挟まっており、
夜の大気が優勢な部分が低温になっていると考えられています。
この極低温から、二酸化炭素の氷が生じているとも考えられています。
金星の両極付近で、巨大な渦が観測されています。
太古の地球は、
現在の金星に似た、濃厚な二酸化炭素の大気を持っていたとされます。
しかし、地球では、二酸化炭素が海に溶け、更に、炭酸塩として岩石に組み込まれて、
大気中から二酸化炭素が取り除かれた、とする説があります。
窒素は1.5%程度だったとされます。
太陽に近い方から、4番目の惑星です。
地球の外側の軌道を公転しています。
英名のMarsは、ローマ神話の神マルス(ギリシア神話の軍神アレース)から命名されました。
火星が赤く見えるのは(レッド・プラネット)、表面に地球のような水の海がなく、
地表に酸化鉄(赤さび)が大量に含まれているためです。
火星の生命
火星は、かつては現在よりも生命に適した環境だったという証拠が存在しますが、
実際に生命体が生存していたかどうかは不明です。
ALH84001隕石に、過去の生命活動の証拠が含まれているという説もありますが、合意は得られていません。
また、火星の大気に、メタンがごく微量存在している原因について、
現在も生命活動が進行しているという説もありますが、反論もあります。
現在の火星は、ハビタブルゾーン内にあるという説があります。
赤道面での直径は、6,794.4 km(地球の半分)。
質量は、6.42 ×1023 kg(地球の約 1/10)で、
火星の地表での重力の強さは、地球の40%です。
平均密度は、3.93 g/cm3。
太陽系の惑星移動のモデルである、グランド・タックモデルによると、
木星は、火星形成前に、一度火星軌道程度まで太陽に近づき、後に現在の軌道に落ち着いたとされます。
その際、火星の構成に使用されたであろう質量の小天体を、はじき飛ばしてしまったため、
火星が十分成長できなかった可能性があります。
火星の自転周期は、24.6時間と地球と非常に近く、
火星の1日(1火星太陽日)は、24時間39分35.244秒です。
赤道傾斜角は、25.19 度。
地球と同様、太陽に対して自転軸を傾けたまま公転しているので、火星には季節が存在します。
公転周期は、687.0 日(1.88年)。
平均公転半径は、2.28億km(1.5AU)。
火星の表面積は、1.44億km2(地球の約 1/4)で、
地球の陸地面積(約1.5億km2)とほぼ等しいです。
火星の表面は、
主として玄武岩と安山岩の岩石からできています。
多くが、厚さ数m以上の細かい塵で覆われています。
火星の磁場の観測から、
火星の地殻が向きの反転を繰り返すバンド状に磁化されています。
磁化バンドは、幅160km、長さ1,000kmにわたっています。
磁化のパターンは、地球の海底に見られるものと似ており、
過去の火星に、プレートテクトニクス作用があった可能性を示しています。
火星の地形は、
北半球は、溶岩流によって平らに均された平原が広がっています(水による侵食説もあります)。
南半球は、太古の隕石衝突による、窪地やクレーターが存在する高地が多いです。
最大のクレーターは、ヘラス盆地です。
火星には水と二酸化炭素の氷からなる極冠があり、火星の季節によって変化します。
二酸化炭素の氷は、夏に昇華して岩石からなる表面が現れ、冬に再び氷となります。
オリンポス山は、楯状火山で、標高27kmの太陽系最高の山です。
マリネリス峡谷(全長4,000km、深さ7km)は、太陽系最大の峡谷です。
火星の標高差は、約31kmで、
オリンポス山の山頂 27km が最も高く、
ヘラス盆地の底部、標高基準面の約 4km下が最も低いです。
一方、地球の最高点と最低点(エベレストとマリアナ海溝)の差は19.7kmです。
両惑星の半径の差を考えると、火星が地球より3倍も凸凹があります。
火星の海(液体の水)
かつてメリディアニ平原で、生命存在可能な環境が、何度か作られていた可能性があるようです。
氷の湖?も発見されたようです。
液体の水は、火星の大気は希薄で、大気中の水蒸気圧が小さいため、
すぐ蒸発してしまうので存在できません。
液体の水が存在できるのは、ヘラス盆地等限られた場所のみです。
地表での大気圧は、約750Pa(地球の約0.75%)。
大気の組成は、二酸化炭素が95%、窒素が3%、アルゴンが1.6%で、
他に酸素や水蒸気等の微量成分を含みます。
メタンも存在します。
水の氷からなる雲もあります。
ギリシア神話で、軍神アレース(マルス)の戦いに同行した、
息子のフォボス(「狼狽」の意)、ダイモス(「恐怖」の意)から命名されました。
ダイモスより大きく、内側の軌道を回っています。
フォボスは、ダイモスと共に、火星の重力に捕獲された小惑星と考えられています(捕獲説)。
しかし、フォボスの軌道離心率、軌道傾斜角が、ともに小さい軌道を説明するには、
捕獲後に、軌道エネルギーを散逸させるプロセスが必要です。
整った軌道を説明するために、
火星への天体衝突で生じたデブリ円盤内で、集積した天体とする説もあります(ジャイアントインパクト説)。
フォボスは、太陽系の衛星の中で、最も主星に近く、
火星の表面から、6,000km以内の軌道を回っています。
公転速度( 7時間39.2分 )は、火星の自転速度よりも速いため、
1日に2回、西から上り、東へ沈みます。
フォボスは、徐々に火星に引きつけられており(1.8m/世紀)、
3,000万年から5,000万年後に、
火星の表面に激突するか、破壊されて、火星の環となると考えられています。
フォボスの自転は、火星の潮汐力によって、公転と同期しています。
一つの峰と、十数個のクレーターが確認されています。
密度が低いため、空隙や氷を内部に含む可能性があります。
フォボスより小さく、外側を公転します。
フォボス同様、火星の重力に捕捉された小惑星と考えられており、
密度も非常に小さいです。
高い伝導性を持つプラズマ中で、磁場のトポロジーが再配置され、
磁場のエネルギーが、運動エネルギーや熱エネルギーに変換される物理過程です。
地球磁気圏の磁気リコネクションは、オーロラを発生させます。
電気伝導体や半導体等の金属中において、
熱流の熱エネルギーと、電流の電気エネルギーが相互に及ぼし合う効果です。 参考、圧電効果
ゼーベック効果 :物体の温度差が電圧に直接変換される現象。
ペルティエ効果 :電圧から温度差を作り出す現象。
トムソン効果 :金属上で温度差がある2点間に電流を流すと、熱を吸収したり発生したりする効果。
があります。