ギリシア神話

 

 

ギリシア神話

 世界の始まり

 ティーターンの神々

 オリュンポスの神々

 人間の起源

 英雄の誕生

 英雄の神話

 

 

ギリシア神話は、古代ギリシアから語り伝えられる神話で、

古代ローマローマ神話とも、密接に関係します。

 

起源は、紀元前15世紀頃(約3500年前)に、さかのぼると考えられています。

この頃、ヒッタイトで、製鉄技術を伴う、最初の鉄器文化が発祥したようですが・・・

人間の起源の、鉄の時代に対応するのでしょうか?

 

太陽系の惑星は、

水星ヘルメース、金星アプロディーテー、地球ガイア、火星アレース、木星ゼウス

土星クロノス、天王星ウーラノス、海王星ポセイドーン、です。

 

黄道十二星座(黄道が経過している13星座のうち、へびつかい座を除いた12の星座)の、

 おひつじ座      Aries            アルゴー号の金羊

 おうし座         Taurus         ゼウスが変身した白い牡牛 エウローペー

 ふたご座        Gemini          ディオスクーロイ兄弟

 かに座           Cancer       ヘーラクレースヒュドラー退治に登場した化けガニ。尚、ヒュドラーは、うみへび座になりました。

 しし座            Leo              ヘーラクレースが退治したネメアの獅子

 おとめ座        Virgo            アストライアーデーメーテールまたはペルセポネーとする説もあります)

 てんびん座     Libra            アストライアー天秤

 さそり座         Scorpio        オーリーオーンを殺したサソリ

 いて座           Sagittarius    ケイローン

 やぎ座           Capricorn     アイギパーン

 みずがめ座    Aquarius       ガニュメーデースの持つ水がめ

 うお座            Pisces          アプロディーテーとその子エロースが変身した

 も、ギリシア神話に登場します。

 

 その他、物語、絵画、音楽等、様々な所に影響を与えています。

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ギリシア神話

古代ギリシアより語り伝えられる神話で、ローマ神話にも、影響を及ぼしています。

 

起源は、紀元前15世紀頃に、さかのぼると考えられています。

 

紀元前9世紀または8世紀頃ホメーロスによる二大叙事詩、

イーリアスと、オデュッセイアは、口承形式の神話の傑作とされます。

 

神話を、文字で体系的にまとめたのは、紀元前8世紀の詩人、ヘーシオドスです。

神統記において、神々の系譜を、世界の始まり

仕事と日々において、人間の起源を、

名婦列伝において、英雄達の誕生を、語りました。

 

ローマ帝政期では、紀元1世紀の詩人、オウィディウス・ナーソによる、変身物語があります。

 

古代における、もっとも体系的なギリシア神話は、

紀元1世紀頃アポロドーロスによる、ビブリオテーケーとされます。

 

ミュケーナイ時代に、線文字Bが存在していましたが、暗黒時代に、この文字は失われました。

 

しかし、紀元前8世紀頃、フェニキア文字を元に、古代ギリシア文字が生まれ、

ギリシア神話は、この文字で記録されました。

 

後には、ローマの詩人や文学者が、ラテン語によってギリシア神話を記述しました。

 

ギリシア神話は、三種の物語に大別されます。

世界の起源

神々の物語

英雄達の物語

 

英雄達の物語の分量が非常に多いのは、

王族や豪族、名家と呼ばれる人々が、自分たちの家系に権威を与えるため、

神々や、その子である「半神」としての英雄や、古代の伝説的英雄を祖先として系図作成を試みた、という説があります。

 

尚、ヘレニズムは、ギリシア人(ヘレネス)の祖、ヘレーンに由来します。

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世界の始まり

古代ギリシア人は、世界の始まりは、原初の時代より存在したもの、と考えていたようです。

 

ヘーシオドス神統記によると、次のような始原の神々が誕生しました。

 

まず、カオス空隙)と、

そのうちに存在する、

胸広きガイア大地 ほぼ地球に相当 )、 ティーターンの神々 オリュンスの神々 人間の起源 ポルキュース

暗冥のタルタロス奈落)と、   ティーターンの神々

最も美しい神エロース)です。 アプロディーテー その他のオリュンポス神

 

カオス?から、更に、

エレボス幽冥)と、

ニュクス)が生じました。

 

エレボスニュクスからは、

アイテール天空)と、

ヘーメラー)が生じました。

 

またニュクスは、単独で、

タナトス)、

ヒュプノス睡眠)、

オネイロス)、

ヘスペリデス夕刻・黄昏黄金の林檎で有名です)を生み出しました。

 

更に、ニュクスは、

モイライ運命)、

ネメシス応報)、

エリス闘争・不和)も生み出しました。

エリスは、トロイア戦争の遠因を作りました。

エリスから、アーテー破滅。ゼウスの娘という説もあります。)を含む、様々な忌まわしい神々が生まれたとされます。

尚、エリスという、準惑星があります。

 

ガイアは、単独で、

星散りばめるウーラノス)、天王星

ポントス)、 

ウーレアー)を生みました。 

 

ガイアはまた、ウーラノスとの間に、様々な神々を生み出したとされます。

その後、ウーラノス、クロノス、そしてゼウスにわたる、三代の王権の遷移があります。 ティーターンの神々 オリュンスの神々

 

ガイアポントスとの間に、タウマースネーレウスポルキュースケートーエウリュビアー)が生まれました。ネーレウス(英雄)

タウマースから、

ネーレーイデスや、イーリス)、

ハルピュイアイ三人のゴルゴーン姉妹等が生まれました。 異形の神・怪物

トップ 世界の始まり

 

 

ティーターンの神々

最初に、ウーラノスが、ガイアの夫であり、原初の神々の父であり、神々の王でした。

 

キュクロープスヘカトンケイルも、ウーラノスとガイアとの間の子供ですが、

ウーラノスは、その醜さを嫌い、彼らをタルタロスに幽閉してしまいました。

 

これに怒ったガイアは、末子クロノスに命じて、アダマスでできた鎌でウーラノスの男根を切り落とさせ、ウーラノスを追放しました。

 

こうして、クロノスは、ウーラノスより世界の支配権を奪い、第二代の王権を持つことになりました。

 

クロノスとティーターン神

クロノスの王権の元で、世界を支配・管掌する神々となりました。

 

ウーラノスとガイアの子供で、クロノスの兄弟姉妹達は、ティーターンの神々と呼ばれ、

オリュンポス十二神に似て、主要な神々は、ティーターンの十二の神といいます。

 

1クロノス                          : 主神大地及び農耕の神 (時間の神、Khronosではありません。) 土星

2レアー女神                   : 1クロノスの妻大地の女神

3オーケアノス                 : 長子、海流の神。 エウリュノメー プレイアデスの七柱 河神 リュカーオーン アイエーテース

4コイオス                      : 11ポイベーとの子に、レートーアステリアー姉妹がいます。

5ヒュペリーオーン               : 太陽神・光明神12テイアーとの子に、エーオース)、セレーネー)、ヘーリオス太陽)、がいます。 ロデー アイエーテース

6クレイオス                         : 

7イーアペトス                     : 3)オーケアノスの娘のクリュメネーとの子に、アトラースプロメーテウスエピメーテウス、等がいます。

8テーテュース女神           : 3)オーケアノスの妻。

9テミス女神                    : 法律・掟の女神。 ホーライとモイライ デウカリオーン

10ムネーモシュネー女神    : 記憶の女神。 ムーサイ

11ポイベー女神                  : 4)コイオスの妻。

12テイアー女神                  : 5)ヒュペリーオーンの妻。

です。

 

後にティーターンは、オリュンポス神族に敗れ、タルタロスに落とされました。

 

神々の王クロノスは、父同様、子にその権力を奪われるという予言を受けたため、

クロノスはこれを恐れて、レアーとの間に生まれてくる子供をすべて飲み込みました。

 

レアーはこれに怒り、密かに末子ゼウス、を身籠もり、出産しました。

 

ゼウスが成年に達すると、父親クロノスに、叛旗を翻しました。

オリュンポスの神々 ゼウスの子供(神) ゼウスの息子(英雄) 英雄の神話 青銅の時代

 

まず、クロノスに薬を飲ませ、彼が飲み込んでいた、ゼウスの姉や兄達を吐き出させました。

 

クロノスは、

ヘスティアー、デーメーテール、ヘーラーの三女神、

次に、プルートーン(ハーデース)と、ポセイドーン、

ゼウスの身代わりの石、を飲み込んでいたので、

順序を逆にして、これらの石と神々を吐き出しました。

 

ゼウス達、兄弟姉妹は、クロノスと、その兄弟姉妹であるティーターンの一族と戦いました。

これを、ティーターノマキアーティーターンの戦争)といいます。

 

ゼウスは、雷霆(らいてい)を投げつけて、ティーターン達に勝利しました。

 

その後、ティーターン族をタルタロスに幽閉し、百腕巨人ヘカトンケイレス)を番人としました。

 

勝利したゼウス達は、互いにクジを引き、

その結果、ゼウスは天空を、ポセイドーンは海洋を、ハーデースは冥府を、その支配領域としました。

 

しかし、ガイア(大地)は、ティーターンをゼウスたちが幽閉したことに怒り、ギガース巨人。ギガンテス)達を生み出しました。

ギガース達は、ゼウス達一族に戦いを挑みました。

ゼウス達は苦戦しましたが、激しい争いの末にこれを打ち破りました。

これを、ギガントマキアー巨人の戦争)といいます。

 

しかし、ガイアは、更に、怪物テューポーンを生み出しました。

テューポーンは、圧倒的な強さを誇りましたが、

オリュンポス神族の連携によって、遂に敗北し、滅ぼされました。

 

こうして、ゼウスの王権が確立しました。

トップ ティーターンの神々

 

 

オリュンポスの神々

オリュンポス十二神

その他のオリュンポス神

ニュンペーと精霊

異形の神・怪物

 

ゼウスの王権が確立し、コスモス(秩序)が世界に成立しました。 

ゼウスは、神々の王朝の、第三代の王です。

 

神々は、オリュンポス山頂の宮殿にあって、絶えることのない饗宴で日々を過ごしているとされます。

 

神々は不死であり、神食アムブロシアー)を食べ、神酒ネクタル)を飲んでいるとされます。

オリュンポスの神々

 

オリュンポス十二神

ゼウスの王権の元、世界の秩序の一部をそれぞれ管掌するこれらの神々は、オリュンポスの神々とも呼ばれ、

主要な神は、オリュンポス十二神といいます。  ティーターンの十二の神

 

十二の神は、二つの世代に分かれ、

クロノスとレアーの息子・娘(ゼウスの兄弟姉妹)に当たる、第一世代の神々と、

ゼウスの息子や娘に当たる、第二世代の神々がいます。

 

第一世代の神

1ゼウス                             : 秩序(コスモス)の象徴でもある、神々の父木星十二神の子供 ゼウスの子  

2ヘーラー女神                    : 1)ゼウスの妻。結婚と母性、貞節の女神

3)ポセイドーン                     : 海と地震の神。妻は、アンピトリーテー海王星十二神の子供 ポセイドーンの子

4デーメーテール女神          : 豊穣の女神。娘は、ペルセポネー イーアシオーン

5ヘスティアー女神              : 炉の女神

5柱に、

 

第二世代の神として、

6)アポローン                        : 芸能・芸術の神、羊飼いの守護神にして、光明の神。妹は12)アルテミス。 ポローンの子

7)アレース                           : 戦の神火星

8)ヘルメース                       : 1)ゼウス等、神々の使いで、旅人、商人等の守護神水星

9)ヘーパイストス                  : 炎と鍛冶の神(古くは雷と火山の神)。

10)アテーナー女神               : 知恵、芸術、工芸、戦略の女神

11)アプロディーテー女神       : 愛と美と性の女神金星

12)アルテミス女神                : 狩猟・貞潔、後に月の女神。兄は6)アポローン。恋人はオーリーオーン

7柱です。

 

また、5)ヘスティアーの代わりに、ディオニューソス豊穣とブドウ酒、酩酊の神)が十二神に入ることもあります。

 

ハーデースと、その后ペルセポネーは、地下(クトニオス)の神とされ、

オリュンポスの神ではありませんが、主要な神として、十二神に数えることがあります。

 

アテーナイのパルテノン神殿小壁には、十二の神の彫像が刻まれています。

ディオニューソスが十二神に入っています)

オリュンポスの神々

 

その他のオリュンポス神

オリュンポスの十二神や、他の有力な神が、エロースの力によって、互いに交わることによって生まれた神です。

広義のティーターン一族も、オリュンポスの一員となっています。

 

ゼウスの子供

ゼウスの最初の妻は、智慧の女神メーティスです。

メーティスとの間に、娘、アテーナーをもうけました。

尚、ゼウスは、メーティスが妊娠したのを知ると、メーティスを飲み込みました。

アテーナーは、誕生時、ゼウスの頭部から武装して出現したとされます。

 

二番目の妻、テミスとの間に、

ホーライの三女神(時間(季節)の女神アストライアー(ディケー)等)と、 おとめ座・てんびん座

モイライの三女神(運命の女神)、をもうけました。

 

ゼウスの正妻、ヘーラーとの間には、

アレース

ヘーパイストスアプロディーテーの夫です)、エリクトニオス

青春の女神ヘーベー

出産の女神エイレイテュイア、をもうけました。

尚、ヘーパイストスは、ヘーラーが1人で生んだという伝承もあり、

更に、エウリュノメーテティスに、養育されました。

 

デーメーテールとの間には、冥府の女王ペルセポネーをもうけました。 おとめ座 オリュンポス十二神

 

天空の女神?ディオーネーとの間に、アプロディーテーをもうけました。 うお座 アイネイアース

アプロディーテーは、クロノスが切断した父ウーラノスの男根を海に投げ入れた時に生じた泡より自然に生じたとの説もありますが、

オリュンポスの系譜上は、ゼウスの娘です。

また、エロースは、アプロディーテーとアレースの息子という説もあります。

 

コイオスの娘、レートーとの間に、

アルテミス女神と、

アポローン、 アポローンの子

の姉弟の神をもうけました。

 

アトラースの娘、マイアとの間に、ヘルメースをもうけました。

 

オーケアノステーテュースの娘、エウリュノメーとの間に、カリテス優雅=カリス)の三女神をもうけました。 ヘーパイストス

 

ムネーモシュネーとの間に、九柱の芸術の女神ムーサイムーサ)をもうけました。

 

カドモスの娘で、人間であるセメレーとの間に、ディオニューソスをもうけました。 アリアドネー

 

十二神の子供

ゼウスを例外として、息子や娘が少ないか、いない場合がほとんどです。

 

ポセイドーンは、比較的に息子に恵まれていますが、

アンピトリーテーとの間に生まれた、トリートーンペンテシキューメーヘーリオスの妻、ロデーを除くと、

怪物や馬や乱暴な人間が多いです。

尚、海王星の衛星、トリトンの名前は、トリートーンが由来です。

 

美の女神、アプロディーテーは、数多くの子供を生みました。 

彼女の夫は、ヘーパイストスとされますが、

アレースとの間に、ハルモニア調和)、デイモス恐慌)とポボス敗走)の兄弟がいます。

娘のハルモニアは、カドモスと結婚しました。

尚、火星の衛星の名前は、デイモス(ダイモス)と、ポボス(フォボス)が由来です。

 

他のオリュンポスの有力な神々、

ハーデース、ヘルメース、ディオニューソス、ヘーパイストスには、目立った子がいません。

 

アポローンは、恋人の数も多いですが、神となった子はいません。

彼の子ともされる、オルペウスアスクレーピオスが、例外的に死後、神となりました。

オリュンポス十二神

 

広義のティーターンの子孫

イーアペトスの子、アトラースは、天空を背に支え続けるという苦役を受けました。

アトラースが石となったなごりが、アトラス山脈とされます。

オーケアノスの娘、プレーイオネーとの間に、プレイアデスの七柱の女神をもうけ、彼女達は、星座として輝いています。

アトラースの孫に、ヘルメースがいます。

 

同じく、イーアペトスの子、プロメーテウスは、戦争には加わりませんでしたが、 

ゼウスを欺した罪で、カウカソスの山頂で、生きたまま鷲に毎日肝臓を食われるという罰を受けていました。 人間の起源 デウカリオーン

しかし、ヘーラクレースが鷲を殺したので、彼は解放されました。

 

ヒュペリーオーンテイアーの子に、エーオース、セレーネー、ヘーリオス、がいます。

エーオースは、星神アストライオスとの間に、

西風ゼピュロス

南風ノトス

北風ボレアース等の風の神と、

多数の星の神を生みました。

 

アテーナーの傍らにある、ニーケー勝利)も、ティーターンの娘ですが、ゼウスに味方しました。

 

ポントスの息子である、海の老人ネーレウスの末裔は、

ネーレーイデス海の娘達)となり、ニュンペーとして活躍します。

ポセイドーンの妻、アンピトリーテー十二神の子供

アキレウスの母、テティスは、ヘーパイストス

海の女神です。

 

ポントスの一族である、虹の女神イーリスは、神々の使者として活躍しています。 世界の始まり

オリュンポスの神々

 

ニュンペーと精霊

地上は、ガイアの世界であり、ガイアそのものとも言えます。

 

地上には、陸地と海洋があり、更に、河川、湖沼、森林、野原、泉等があります。

 

地上は、人間が暮らす場所ですが、また数多くの動物や植物が棲息し、繁茂する場所でもあります。

 

太古より、地上には、様々な精霊も存在していました。

精霊の多くは女性であり、彼女達は、ニュンペー(ニンフ。花嫁)と呼ばれました。

ニュンペーは、神々や精霊、人間と交わって子を生むと、母となり、妻ともなりました。

多くの英雄が、ニュンペーを母として誕生しています。

 

地上の世界には、男性の精霊も存在しました。

彼らは、上半身は人間の姿に近いですが、下半身が馬や山羊であったり、額に角があったりします。

 

彼らは山野の精霊で、

1パーンアイギパーン、山羊の姿のパーン)、やぎ座

2ケンタウロス

3シーレーノス

4サテュロス、等があります。

 

1パーンは別格で、オリュンポス神の一員でもあります。

 

2ケンタウロスは、半人半馬の姿で、下半身はでした。

ケイローンは別格で、医術に長け、不死でした。 いて座

 

3)、4シーレーノスサテュロスは、同じ種族と考えられ、前者はに似て年長であり、後者は山羊に似ていました。

 

地上の多数の河川には、オーケアノステーテュースの息子である、河川の精霊や神がいました。

アーソーポス河神、スカマンドロス河神アケローオス河神があります。

アーソーポス河神の娘に、アイギーナアンティオペーがいます。

オリュンポスの神々

 

異形の神・怪物

始原の神や、神とその子孫の中には、怪物と呼ばれる存在があります。

 

ゴルゴーン三姉妹は、ポルキュースとケートーの娘で、

末娘のメドゥーサを除くと不死でしたが、頭部の髪が蛇でした。 ペルセウス

 

その姉妹である、三柱のグライアイは、生まれながらに老婆の姿でしたが、不死でした。

 

ハルピュイアイ(ハーピー)も、タウマースの娘達で、女の頭部に鳥の体を持っていました。

 

セイレーンは、人を魅惑する歌で、滅びをもたらします。

 

キュクロープス一眼巨人)や、ヘカトンケイル百腕巨人)は、ガイアが原初に生んだ子供ですが、異形の者でした。

 

ガイアは、また、様々な「怪物」の父とされる、テューポーンを生み出しました。

 

エキドナは、上半身が女で、下半身が蛇の怪物で、テューポーンの間に、多数の子供が生まれました。

獅子の頭部に山羊の胴、蛇の尾を持つ、キマイラ

ヘーラクレースに退治された、ヒュドラー(水蛇)。かに座

冥府で番人を勤める、多頭で犬形の、ケルベロス等です。

エジプト起源のスピンクスも、エキドナの子とされます。

 

ポセイドーンは、

デーメーテールとの間に、名馬アレイオーンをもうけました。

メドゥーサとの間に、天馬ペーガソスや、クリューサーオール(黄金の剣を持つ者)をもうけました。 ペルセウス

トップ オリュンポスの神々

 

 

人間の起源

古代より、ギリシア人は、人は土より生まれた、との考えを持っていました。

神が、人間の族を創造したのではなく、自然発生的に、人間は往古より大地に生きていたとの考えがありました。

 

オリュンポスの神々も、ティーターンも、元々は、ガイア(大地)の子であるため、

人間は、ガイアを母とする、神々の兄弟、ということになります。

 

異なる所は、神々は不死にして、人間に比べ卓越した力を持ちます。

 

五つの時代

神々が創造した、人間の族もあります。

 

最初の金の種族は、神々にも似て、幸福で、平和で、長寿でした。

 

しかし銀の種族銅の種族と、次々に神々が新しい種族を造ると、先にあった者に比べ、後から造られた者は、すべて劣っていました。

銅(青銅)の時代には、争いが絶えず、このためゼウスは、大洪水によって、この種族を滅ぼしました。

 

金の時代と銀の時代は、おそらく空想の産物ですが、

次の青銅の時代と、これに続く、

英雄(半神)の時代と、鉄の時代は、人間の技術的な進歩の過程を跡づける分類、という説があります。

 

プロメーテウスと最初の女

太古にあって、人間は、未開で無知であり、飢えに苦しみ、寒さに悩まされていました。

 

プロメーテウスが、人間の状態を改善するために、ゼウスが与えるのを禁じたを人間に教えました。

 

ゼウスは、報復として、パンドラ(すべての贈り物の女)という、美貌の女性を作り出し、

プロメーテウスの弟のエピメーテウスに送りました。

彼は、パンドラの美しさに兄の忠告を忘れ、妻としました。

 

パンドラは、エピメーテウスに、そして人間の種族に災いをもたらし、不幸を招きました。 デウカリオーン

トップ 人間の起源

 

 

英雄の誕生

 ゼウスの子

 アポローンの子

 ポセイドーンの子

 その他

 

現在である鉄の時代の前に、英雄の時代があったとされます。

 

英雄とは、古代ギリシア語でヘーロースといいますが、この言葉の原義は、守護者・防衛者です。

 

しかし、ホメーロスでは、君公とか殿の意味で、支配者・貴族・主人について、使用されていました。

 

ギリシアの英雄は、半神とも称されますが、

多くが神と人間の間に生まれた息子で、半分は死すべき人、半分は不死なる神の血を引きます。

 

英雄達は、華々しい勲にあって生き、

死後は、神となって天上に昇ったり、楽園(エーリュシオンの野)に行ったりして、憂いのない浄福の生活を送ったとされます。

 

英雄は、都市の創立者として子孫を守護し、

また時に、敵対する者の子孫に、末代まで続く呪いをかけました。

英雄の誕生

 

ゼウスの子

英雄は、古代ギリシアの名家の始祖であり、祭儀や都市の創立者であり、名祖ですが、

その多くは、ゼウスの息子です。

数々の王家が、神の血を欲しました。

 

エジプト王エパポスは、アルゴスのヘーラーの女神官で、牝牛にされた、イーオーとの間に生まれました。

エウローペーや、

ペーロス(更にペルセウス)、

アゲーノールは、エポバスの子孫に当たります。

 

ラケダイモーン(スパルテー)の名祖ラケダイモーンは、プレイアデスの、ターユゲテーとの間に生まれました。

ラケダイモーンの娘、エウリュディケーは、ダナエーの母で、ペルセウスの祖母に当たります。 ヒュロス

 

ペルセウスは、アルゴス王アクリシオスと、エウリュディケーの娘、ダナエーとの間に生まれました。 ペーロス

メドゥーサ退治で有名です。この時メドゥーサの体から天馬、ペーガソスクリューサーオールが飛び出しました。

ペルセウスと、エチオピアの王女アンドロメダーの子に、

ヘーラクレースの祖父、エーレクトリュオーン

ペルシア王家の祖ペルセース、等がいます。

 

ヘーラクレースは、エーレクトリュオーンの娘、アルクメーネーとの間に生まれました。 プロメーテウス エキドナ

つまり、ペルセウスのひ孫にあたります。

妻に、デーイアネイラがいます。

十二の難題の物語が有名です。かに座・しし座

天の川や、古代オリンピックにも関係するようです。

尚、ヘーラクレースの子孫を、ヘーラクレイダイといいます。

 

トロイア戦争の原因となった、メネラーオスの妻、ヘレネー、 

アガメムノーンの妻、クリュタイムネーストラー

ディオスクーロイ兄弟カストールポリュデウケース。死後、ふたご座になりました。)は、

アイトーリア王、テスティオスの娘、レーダーとの間に生まれました。

 

アルカディア王家の祖、アルカスは、アルテミスに従っていたニュンペーの、カリストーとの間に生まれました。

一説によると、カリストーは熊にされ、おおぐま座になり、アルカスは、こぐま座になりました。

カリストーの父は、リュカーオーンです。

 

トロイア王家の祖、ダルダノスと、

デーメーテールの恋人となった、イーアシオーンは、

プレイアデスの一人である、エーレクトラーとの間に生まれました。

 

クレータ島の王ミーノースと、ラダマンテュスは、エウローペーとの間に生まれました。 ナクソス アガメムノーン オーリーオーン

 

タンタロスは、アトラースの娘、プルートーとの間に生まれました。 ペロプス

タンタロスは、神々に寵愛されましたが、冥府で劫罰を受ける定めとなりました。

尚、タンタルは、タンタロスにちなんで命名された元素です。

 

アイアコスは、アーソーポス河神の娘、ニュンペーのアイギーナとの間に生まれました。テラモーン

 

テーバイ王アンピーオーンゼートスは、アーソーポス河神の娘とされる(別の説ではスパルトイの子孫)アンティオペーとの間に生まれました。

ゼウスの子 オリュンポス十二神 英雄の誕生

 

アポローンの子

オルペウスは、ムーサの一柱、ウーラニアーとの間に生まれました。

(別説では、ムーサ・カリオペーとオイアグロスの子です。)

 

医神、アスクレーピオスは、ラピテース族の王の娘、コローニスとの間に生まれました。

 

予言者、モプソスは、予言者テイレシアースの娘、マントーとの間に生まれました。

 

ナクソス島の名祖ナクソスは、ミーノースの娘、アカカリスとの間に生まれました。

オリュンポス十二神 英雄の誕生

 

ポセイドーンの子

アテーナイの王で、ミーノータウロス退治等で有名な、テーセウスは、アテーナイ王の娘、アイトラーとの間に生まれました。 パイドラー

 

狩猟の神、アルテミスの恋人で、死後オリオン座となった、狩人オーリーオーンは、ミーノース王の娘、エウリュアレーとの間に生まれました。

(ガイアの息子ともされます)。 さそり座

 

双生の兄弟、ネーレウスネーレウス神とは別)とペリアースは、テューローとの間に生まれました。

 

テュロス王(フェニキア王)アゲーノールと、

エジプト王ペーロスの双子は、

エパポスの娘で、ニュンペーである、リビュエーリビュアー)との間に生まれました。

尚、ペーロスの子孫に、ペルセウスがいます。

 

アカイア人の祖アカイオス

プティーアの名祖プティーオス

ペラスゴス(ペラスゴイ人の祖とは別人)は、

ラーリッサとの間に生まれました。

 

オルコメノスのミニュアース人の名祖とされる、ミニュアースも、ポセイドーンの子(孫?)とされます。

オリュンポス十二神 英雄の誕生

 

その他

アテーナイの神話的な王、エリクトニオスは、ヘーパイストス(とアテーナー?)の子とされます。

 

リュカーオーンは、アルカデイア王、ペラスゴスと、オーケアノスの娘メリボイア、またはニュンペーのキューレーネーの子とされます。

ゼウスによって、に変えられました。

リュカーオーンの子供達が原因で、大洪水が起こったとされます。

娘に、カリストーがいます。

 

アイネイアースは、アプロディーテーと、アンキーセースとの子です。

トロイア陥落後、諸方を放浪して、ローマにたどり着きます。

尚、ウェルギリウスが著した、ラテン語叙事詩、アイネーイスによると、

アイネイアースの息子、アスカニオスイウールス)は、ローマの名家、ユーリア氏族の祖とされます。

 

コルキス王アイエーテースは、ヘーリオス太陽)と、オーケアノスの娘であるペルセーイス(女神)との子です。

彼は、金羊毛皮をめぐる冒険譚、アルゴー号の航海譚に登場します。おひつじ座

 

トロイア戦争の英雄、アキレウスは、ペーレウスと、海の女神テティスの子です。

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英雄の神話

ギリシア神話に登場する多くの人間は、英雄・半神の時代に属しています。

 

英雄たちの時代の始まり大洪水伝説

プロメーテウスの息子、デウカリオーンは、エピメーテウスパンドラの娘、ピュラーを妻にしますが、

この時に大洪水が、起こったとされます。青銅の時代 リュカーオーン

大洪水後、一説によると、テミスにより、人間の種族は再び回復できました。

 

洪水を生き延びたデウカリオーンは、ギリシア人の祖となる、長子、ヘレーン等、多くの息子・娘をもうけました。 ギリシア神話

 

デウカリオーンの息子・孫には、ドーロス、アイオロス、アカイオス、イオーン、がいたとされ、

それぞれが、ドーリス人、アイオリス人、アカイア人、イオーニア人の名祖となったとされますが、これは歴史的な背景はないと思われます。

 

アイオロスの子孫

孫娘のテューローからは、

子孫として、ピュロスの王都を建造した、ネーレウス

その子で、トロイア戦争の智将、ピュロス王ネストールがいます。

 

アイオロスの娘婿である、アエトリオスの子孫には、カリュドーン王オイネウス、がいます。

 

オイネウスの子には、

メレアグロス

テューデウス

デーイアネイラ、がいます。

 

メレアグロスは、カリュドーンの猪狩りで有名です。

デーイアネイラの夫は、ヘーラクレースであり、

二人の間に生まれたヒュロスは、スパルテー(スパルタ。ラケダイモーン)王朝の祖です。

 

ペロプスの子孫

タンタロスの息子、ペロプスは、神々の寵愛を受けて、ペロポネーソスを征服しました。

 

ペロプスの子に、ミュケーナイ王アトレウスがあります。

 

アトレウスの子孫(子)に、

ミュケーナイ王アガメムノーンと、

その弟スパルタ王メネラーオスがいます。 

尚、彼らは、ミーノースカトレウスの孫)の子孫でもあります。

 

アガメムノーンは、トロイア戦争のアカイア勢総帥であり、クリュタイムネーストラーの夫で、

メネラーオスは、戦争の発端ともなった、美女ヘレネーの夫です。

 

アガメムノーンの子が、ギリシア悲劇の、オレステース、エーレクトラー、イーピゲネイアです。

 

ペロプスの孫で、アルカトオスの娘、ペリボイアは、サラミス王テラモーンの妻であり、

二人の間の息子が、大アイアースです。

 

尚、テラモーンは、ゼウスとアイギーナの子、アイアコスの息子です。

テラモーンの兄弟である、ペーレウスの息子が、アキレウスです。

 

テーバイ王家とクレーテー王家

リビュエーは、ゼウスイーオーの孫娘です。

 

フェニキア王アゲーノールは、リビュエーと、ポセイドーンの間に生まれました。

アゲーノールの子に、

テーバイ王家の祖である、カドモスと(一説には、アンピーオーンとゼートスが創建したとされます)、

クレーテー王家の祖とも言える、エウローペー、がいます。

 

カドモスと、ハルモニアの娘には、セメレーがあり、

セメレーとゼウスとの間に、ディオニューソスが生まれました。

 

カドモスの孫に、テーバイ王ペンテウスがいます。

 

カドモスの別系統の孫に、ラブダコスがあり、彼はラーイオスの父です。

ラーイオスの息子が、オイディプースです。

オイディプースには、イオカステーの間に、娘アンティゴネー等がいます。

 

アゲーノールの娘、エウローペーは、クレーテー王アステリオスの妻ですが、

白い牡牛に姿を変えたゼウスとの間に、ミーノースが生まれます。 おうし座

 

ミーノースの子に、カトレウスアリアドネーパイドラー、がいます。

カトレウスの孫には、アガメムノーン、がいます。

アリアドネーは、ディオニューソスの妻となりました。

パイドラーは、テーセウスの妻となりました。

 

トロイア王家

アガメムノーンを総帥とする、アカイア勢(古代ギリシア人)に侵攻され、

十年の戦争の後、陥落したトロイアは、トロイア戦争の舞台として有名です。

 

戦争の発端となった、パリスの審判や、

トロイア陥落の決め手となった、トロイの木馬は有名です。 エリス

 

ホメーロスの二大叙事詩、イーリアスと、オデュッセイア、に登場します。

イーリアスは、十年に及ぶ戦争の物語で、アキレウス等が登場します。

オデュッセイアでは、戦争の終結後、帰国しようとしたオデュッセウスが嵐に出会い、様々な苦難を経て、故郷へと帰る物語です。

 

トロイアの支配者は、ゼウスを祖とする、ダルダノスの子孫です。

 

ダルダノスの孫が、トロースで、トロイアの名祖です。

 

トロースには三人の息子があり、ガニュメーデースイーロスアッサラコス、です。

 

ガニュメーデースは、オリュンポスの酒盃捧持者となりました。みずがめ座

 

イーロスは、老トロイア王、プリアモスの祖父です。

プリアモスの子に、

英雄、ヘクトール

パリスの審判で有名な、パリス(アレクサンドロス)、

(真実だが、信じてもらえない)予言で名高い、カッサンドラーがいます。

 

アッサラコスは、アンキーセースの祖父で、

アンキーセースの子が、アイネイアースです。

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