Esperanto



Esperanto Rock Orchestra

    1.On Down The Road
    2.Never Again
    3.Perhaps One Day
    4.Statue Of Liberty
    5.Gypsy
    6.City
    7.Roses
    8.Move Away

    Raymond Vincent:violin
    Bridget Lokelani Dudoit:vocals, acoustic guitar
    Glenn Shorrock:vocals, guitar
    Janice Slater:vocals
    Bruno Libert:keyboards
    Tony Malisan:drums
    Tony Harris:viola, sax
    Gino Malisan:bass, flute
    Joy Yates:vocals, flute
    Brian Holloway:guitar, piano
    Timothy Kraemer:cello, piano
    Godfrey Slamon:2nd violin

 ベルギー人のRaymond Vincentを中心にイギリス人・イタリア人などの混成多国籍バンドで、世界共通語として考案されたエスペラント語をバンド名にしているところも洒落ている。73年に発表されたこの1stアルバムは弦楽四重奏団を丸ごと抱えた12人編成のビッグ・バンドで、タイトルどおりのロック・オーケストラである。しかしクラシカル又はシンフォニックといった趣は皆無であり、プログレの範疇で語れる作品は2ndのみだと思う。
 さすがクラシック畑の人が編曲したと思わせるアレンジの妙を感じることができるが、楽曲自体は特に評価できるものではないと感じる。そういう意味でも、このアルバムは小手調べの段階にあるのかもしれない。

 

Danse Macabre

    1.The Journey
    2.The Castle
    3.The Duel
    4.The Cloister
    5.The Decision
    6.The Prisoner
    7.Danse Macabre

    Raymond Vincent:1st violin
    Glenn Shorrock:backing vocals
    Brian Holloway:guitar
    Bruno Libert:piano, organ, ARP Odyssey, vibes, harpsichord, backing vocals
    Tony Malisan:drums
    Gino Malisan:bass
    Keith Christmas:lead vocals
    Tony Harris:viola
    Timothy Kraemer:cello

 74年発表の2ndはメンバー数も少し減り、派手できらびやかな見せるビッグ・バンド・スタイルから、少し暗くシリアス調のロック音楽を落ち着いて聴かせるスタイルに変わったように思える。特に1曲目なんかは、現代音楽的ノリでグイグイと引っ張り込まれるような演奏は素晴らしい。他の曲もプログレ的色合いが強く、アレンジも冴えている。
 表題曲(Danse Macabre)はサンサーンスの「死の舞踏」のロック版で、原曲よりもスピード感があり、ロック特有のビート感とストリングスの音色があいまって切れに切れまくっている。非常にカッコイイ。

 

Last Tango

    1.Eleanor Rigby 2.Still Life
    3.Painted Lady
    4.Obsession
    5.The Rape
    6.Last Tango

    Tony Malisan:Drums
    Gino Malisan:Bass
    Bruno Libert:Keyboards
    Roger Meakin:Vocals
    Kim Moore:Vocals
    Raymond Vincent:1st Violin
    Godfrey Salmon:2nd Violin
    Timothy Kraemer:Cello

 75年の3rd。前作はプログレ然とした感じであったが、このアルバムの印象は1stに近いと思える。ロック版オーケストラという初期の構想がこのアルバムで完成されたと考えて良いのではないだろうか。1曲目(Eleanor Rigby)はビートルズの曲であるが、逝ってしまいそうなほどキツいストリングス・アレンジが凄い。その他の曲も曲自体の出来が良く、それに加えてアレンジが冴えまくっている。全体的にプログレっぽくは無いが、本当に素晴らしい音楽だと思う。個人的には中高音域に特徴のあるKim Mooreの声質が少し苦手で、前作同様Keith Christmasに歌って欲しかった。