<晋と愛の場合>

 『初めての恋』は、愛夢が創りあげた物語だ。
 まさか僕が真珠のようになるなんて、考えもしなかった。
 でもそれが、今はとても心地良い。

 愛がいてくれると思うと、力が沸いてきて、忙しくても頑張る事が出来る。
 愛のすることすべてに一喜一憂し、愛が腕の中にいる時は何故か、守られている様な気がするんだ。

 君は前に、“住む世界が違う”と言ったけれど、僕達二人に、違う世界なんてありはしない。
 あるとすればそれは、命を終える時だけだ。


 僕と愛の『初めての恋』は、海に夕日が沈むように、静かに命を終えるその日まで、いや、違う世界に行ってもずっと『初めての恋』であり続ける。

 「愛、君だけを愛しているよ」

 「晋、私も晋だけを愛してる」

The End

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