丁度、パーティもお開きになったみたいで監督達が出て来た。
「社長も愛さんも何処に行ってたんですか?二次会に行きますけど、一緒に行きませんか?行きましょうよ」
飲んで、歌って、騒いでいたら
「社長と愛さんて、真珠とえりかみたいじゃないですか?この際、彼らみたいに婚約しちゃったらどうです?」
「・・・実はね、もう結婚してるんだ」
「えー!」
「いつ?」
「正月に」
「何で隠してたんですか!?」
「隠してるつもりはなかったけれど、話す機会もなかったから」
「でも愛さん、指輪してないじゃないですか」
「してますよ。ほら」
「結婚指輪って左手じゃないですか?何故右手に?」
「それはね・・。たとえば、彼女とデートする時、監督は彼女のどちら側にいるのが好き?」
「あまり深く考えた事ないですけど」
「私は、彼の左側にいるのが好き。だから、右手でいいの」
「良く解からないですけど・・?もしかしてそのリングは?」
「そうでーす。これは社長の誕生石、社長のは私の誕生石」
「まったく。本当に真珠とえりかですね」
二次会で騒ぎ過ぎたのか、帰りにお腹が痛くなった。
「シンお腹痛い」
「大丈夫?何か変な物食べた?」
「そんな痛さじゃないんだけど、疲れたのかな?」
「じゃぁおんぶしてやるよ」
「やれやれ、ほんとに・・。ごちそうさま」
「愛、明日の段取りを復習してみて」
「明日は、シンが仕事に行った後、Nさんが迎えに来てくれて、案内してもらって、Nさんを空港まで送って、タクシーで帰って来る。以上」
「本当に大丈夫?心配だな」
「大丈夫。携帯もあることだし」