こんな元旦を迎えたのは何年ぶりだろう?いや、おそらく初めてだ。
毎年、どこかのパーティでカウントダウンをし、酔いつぶれ、フラフラと部屋にもどり、初日の出を拝み、そのまま眠りに付く。
ここ何年もそれが恒例となっていた。
今年は、愛する人と二人で、カウントダウンをし、その人を腕に抱き、初日の出を拝むこともなく夜が明けた。
カーテンの向こうには、日の光を浴び、キラキラと輝く穏やかな海が広がっているのだろう。
(これは、夢かもしれない)
カーテンを開けようと、起き上がろうとして、僕は止めた。
(夢なんかじゃない)
左腕の軽いしびれ感と、身体に触れる温もり、かすかに聞こえる寝息が、現実だと教えてくれた。
(そうだ、今日は二人で初詣に行こう。神様にこの報告と感謝をしに行こう)
愛の髪を撫でながらそう決めた。
でもそれも、もっと遅い時間でいい・・・・・・。
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