次の日は、段取り通り、Nさんの案内で、買い物をしたり、食事をしたり、観光をしたりして楽しい一日を過ごし、Nさんを空港まで送って行った。

 帰ろうとした時、電話がかかった。

 「仕事が早く片付いたから、迎えに行くので少し待っていて」

 少しその辺りを歩いていたら、またお腹が痛くなってきた。
 ベンチに座って、シンが来てくれるのを待っていた。
 「あれ?あっちゃんと違う?どうした?顔色が悪いで」
 「あれ?どうしてここに?」
 「仕事。あっちゃんこそなんでここに?」
 「ちょっとお腹が痛くなって。出続きせなあかんでしょ。早く行って。もうすぐ迎えに来てくれるから・・」

 前夫と彼の友達だった。

 「こんなとこにほっとかれへん。交代で行くから」
 「ありがと。でも大丈夫やから。早く行って」
 「心配せんでも大丈夫や。横になった方がええんと違うか?」
 「そうさせてもらう」少し横にならせてもらう事にし、電話をかけた。


 「シンどこ?お腹痛い。早く迎えに来て」
 「今、駐車場だ。すぐ行くから頑張って。このまま電話してるから。何処にいる?」
 「何か池みたいなとこの側」
 「解かった。もう入り口だから。すぐ行くから」
 「うん。待ってる」

 「愛、大丈夫か?」
 「シン・・・」
 「ありがとうございます。妻がお世話になりまして」
 「妻って・・・。あっちゃん、この人が?」
 「愛、知り合い?」
 「娘達の父親とそのお友達。偶然ここで会って。遅れたらいけないし、シンがすぐ来てくれるからいいって言ったんだけど」
 「あなたが・・・。付いてて下さって、どうもありがとうございました」

 「愛、歩けるか?」
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