Tresure Chest of Musty Dusties 第8号  1982年秋発行

定価800円・全52頁第8号

TCMD08 ■特集:All About The Impressions
■West Coast Group編 第2回 Jayhawkins / Vibrations
■シャネルズ・コーナー
■Tresure Magazine Best Selections R&B Alubum
■沖縄の心 Interview HeartBeats
■編集部から

本誌の約七割を割いてのThe Impressionsの大特集号です。一枚や二枚は棚に並んでいませんか。特に初期作品は今でもよく聞きます。Doo Wopでもない、かといってフィリーサウンドのような甘さでもない。たぶんこの時代においてまったく新しい世代のサウンドです。歌の内容もシンプルなラブソングにとどまらず黒人を非常に意識した作品づくり(Curtis Mayfieldによるところが大きいのはご存知ですよね)、どれもが新鮮で、なによりファンにとっては「ソウル」を感じられるグループと言えます。シングル盤を中心とした「インプレッションズ・ストーリー」、「アルバム・パーフェクト・コレクション」等のバイオ的な記事はさすがのTresure誌です、圧巻です。テリーさんの「イムプレッションズのそっくりさん大集合」ではThe Five Stairsteps・The Esquires・The Harmonics・The Festivals等が紹介されています。リスナーそれぞれに好きな時代の彼等があるでしょうが、初期作品はもちろん、Loving Powerというアルバムもよく聞きます。皆さんはいかが。The Impressionsについてまとめて「わかりやすく」書かれたものは案外見当たらないので、本誌はそういう意味でもいい特集だと思いました。第2回目のウェストコースト・グループはThe Vibrationsです。桜井氏は「たとえばThe Olympicsなんかと同一視して、軽く見てしまう傾向があるけれど、実はそれが誤りで、レコードをじっくり聞くとそれがわかる」と書いています。私はまさにその通りに軽く見ています。Shout!というアルバムしか聞いた事がないからですが、Checker盤を聞いてみたいけど高すぎました。日本ではほぼ無名な存在ですよね、あちらではどうなんでしょうね。シャネルズ・コーナーはグループ活動がより多忙になってきたために、編集部が彼等をインタビューするという形式になっています。これもシャネルズの当時の人気ぶりがうかがえるエピソードです。新着日本盤では82年6月から11月にかけてリリースされた「ルーツ・オブ・リズム・アンド・ブルース・シリーズ」の紹介です。Vee-Jay原盤で10枚の圧巻のシリーズです。私もオークションでまとめてお安く入手できました。中でもR&BファンにはJohny Otis Show・Shouter・Jazz Blues・New Orleans・Lady Singers・Vocal Groups編が興味の持てる内容です。最後の「Vocal Groups編」では40〜50年代にかけてのグループ作品集でDoo Wopより少し以前のグループ入門編としてもいいかもしれません。