Tresure Chest of Musty Dusties 第3号  1978年発行

定価_円・全60頁第3号

TCMD03 ■特集:The Five Satins を貴方に
■特集:Rochell and The Candles を貴方に
■特集:Joe Jones を貴方に
■幻のピュアソウル番組「World of Soul」・誌上再現
■My Collection・Dynamite Doo Wopps vol.1
■貴重な日本盤を集めよう
■言いたい放題コーナー
■ザ・キングトーンズ・インタビュー
■Letter from The Chanels
■Letter(読者からのお便り紹介)

私の大好きなThe Five Satinsの大特集号。彼らのかなり複雑なバイオも分かりうる限り詳細に書かれており大変参考になります。もちろんディスコグラフィも充実の全20ページ。続くRochie and The Candles 特集も同じく力作となっています、ほんとうにOKAMA研究会の方には脱帽です。もうひとつの特集Joe Jonesはニューオリンズで活躍したソロ・シンガーでTalk too muchで知られた人ですがみなさんはご存知ですか。今号のWorld of Soulは1974年10月17・31日放送分となっています。My CollectionのタイトルはなぜかSoul Onと同じタイトルデザインを使用、ご愛嬌というところでしょうか。貴重な日本盤を集めようのコーナーではImperial・United・Vee Jayの名盤シリーズを紹介しています。Smily Lewis:I hear you knocking・Sherly and Lee:Let the good times roll・The Spiders:I Didn't wanna do it・Garnet Mimms:Cry baby・The Jive Five:I'm a happy man・Marv Johnson:More・The Clovers:Love potion no.9・The Spaniels:Goodnite・The Dells:Oh, what a nite・The Eldorados:Crazy little mama…とまぁコレ全部日本盤で、しかもほぼ同じ時期にリリースされたものですからスゴイものです。おかげさまで私もこのシリーズでなんとかそのサウンドに触れる事ができましたが、ますます金欠になりました。今回で終わりとなる「言いたい放題」に次回からの予告として「Penguin Joe and Flamingo Terry」両氏によるコーナーの開始が告知されています。さらに「桜井ユタカ」氏の原稿執筆も同じく予告されています。キング・トーンズとのインタビューでは当時の貴重な話を聴くことができます。特にTony Williams(元The Plattersの二代目のリード・シンガー)の来日公演でバッキッグを担当することになったいきさつ等は興味津々でした。そしておそらく日本のDoo Wopファンの前に、そしてファンジンとはいえ初めて書籍にThe Chanels(のちにラッツ・アンド・スターと改名)の名前が登場したのは本誌のこのコーナーだと思います。OKAMA研究会も今号発行の数ヶ月前に彼らを知っており、彼らもまたこのTresure誌を知っていたようです。当時の彼らはまだレコード・デビュー前(デビューは翌79年の4月?)で、内容は「グループのこれまでの流れと音楽性の紹介」といったものです。また編集部も注目している…といった趣旨で取り上げていました。次号より鈴木雅之氏が記事を執筆していきます。彼等のデビューによって日本では初めての(そして最後か!)Doo Wopブーム(良くも悪くもであります)が起こります。The Chanelsに次いでベテランThe Kingtonesもニュー・シングルをリリースしたり、海外からThe Drifters・The Shirellesを招いての公演(Japan Doo Wop Carnival)開催などなど。レコードも貴重なアルバムがシリーズでどんどんリリースされたり…と嬉しいような、複雑な時期がはじまるのでした。最後に編集後記で永井博氏の「A Long Vacation」(CBSソニー出版)が発売されたという事が書いてありました。コレ本当に素敵なイラスト&エッセイブックでした、今ではなかなか見つからないかもしれませんが。