Tresure Chest of Musty Dusties 第2号  1977年発行

定価_円・全58頁第2号

TCMD02■特集:The Coasters を貴方に
■特集:The Tarbans を貴方に
■ニューオリンズのR&Bを再認識しよう
■幻のピュアソウル番組「World of Soul」・誌上再現
■オールディーズ・コーナー
■TOP 10・$5~6 Only
■貴重な日本盤を集めよう
■言いたい放題コーナー
■日本で唯一のR&Bグループ、ザ・キングトーンズに期待する
■Letter(読者からのお便り紹介)

私が初めて出会った本誌はこの第2号でした。発行当時に購入したものですが、いつ・どこで購入したのかまったく記憶にありません。そもそも何故この雑誌が手元にあるのかすら思い出せません。よく今まで持っていたもんだと感心しています。さて、毎号本誌では1~2グループの特集を組み、その号の表紙に登場させるという、とても分かりやすい作りとなっていました。この第2号だけは例外で、表紙はThe Spanielsですが特集はThe Coasters・The Tarbansとなっています。当然この雑誌の性格上バイオやヒストリーの掲載はもちろん、加えてJerry Leiber・Mike Stoller(ともにAtlantic創設者・ソングライター・プロデューサー)との関連にも触れています。Atlanticが買収(傘下で管理)したSpark(Lester Sillと上記の二人が共同で設立)というロサンゼルスのレーベルにいたのがのちのThe Coastersとなるのはご存知ですね。もうひとつの特集ではThe Turbansを紹介しています。この頃の紙面は、手書き文字もあちこちにあって、手作り感が随所に見られてとても愛着を感じます。後年、発行機関も変わってより商業誌にというかSoul On誌に近い作りになっていきますがそれはもう少しあとの事なのでその機会に。ということで次は桜井ユタカ氏がDJとしてラジオ関東からオン・エアされていた「ワールド・オブ・ソウル」という番組を誌上で再現し、放送された曲名をリスト・アップ。さらにその回の番組のテープを貸し出すというコーナーが「幻のピュア・ソウル番組~」です。この号では1974年分を取り上げていますが、こんな番組があったことは全く知りませんでした(本誌が発行された1977年の時点ですでにこの番組は終わっていたようですが、OKAMA研究会では全部の回を録音したと書かれています)。「TOP 10・$5~6 Only」は非常に面白いコーナーで、50~60年代のオリジナル・レコードを買うよりも、安く手に入る再発盤でいっぱいグループを知ろうという企画で、当時入手可能な色々なアルバムを紹介しています。この頃のこういった記事はファンにはとても参考になった記事だったと思います。次の「貴重な日本盤を集めよう」では当時の日本におけるDoo Wop関連のお皿のリリース状況がわかりますね。ここで紹介されているのはニューヨーク・ボーカル・グループ・コレクション(Roulletteカタログから10枚・76年に発売開始)とモータウン・オリジナル・シリーズ(1975年に発売開始)です。私もこれで初めてDoo Wopを知り、多くのアルバムを聴く事ができたわけであります。ざっと第2号はこんなところでしょうか。広告の数もまだまだ少なく「Dread's・Excello・レインボーレコード・チャーリー・Opus 1」だけです。もっとあとの号とくらべてみると面白いかもしれません。それからのちに記事を投稿するようになるThe Chanelsはまだ登場していません。少人数での制作にもかかわらず濃~い内容の雑誌を送り出したOKAMA研究会に拍手喝采なのでありました。