Tresure Chest of Musty Dusties 第6号  1972年発行

定価_円・全58頁第6号

TCMD06 ■特集:Don Julian - The Medowlarks 最新作まで26年の足跡を辿って
■特集:Lee Andrews and The Hearts story 1954-1959
■一晩にしてR&B史を楽しむ方法
■R&Bグループに於けるネーミングのお話
■Penguin Box
■Tresure Magazine Best Selections R&B Alubum
■イギリスのLPシリーズ R&B Charlie をきく
■シャネルズ・コーナー
■RELIC Records "The Golden Groups" new seriesを聴く その1
■Welcome "The Venus" on Stage

特集の一つめは桜井ユタカ氏が執筆しています。やはり中心はDooTone・Dootoレコードのお話しになります。Dootoneといえばまず思い起こすのがThe Penguinsですが、このThe Meadowlarksも味わいがあっていいと思います。桜井氏のいつもの執筆なのでシングル盤情報でほぼ埋め尽くされた内容でした。もう一つの特集は、これも私の大好きなハーツです。つのだひろのメリー・ジェーンですっかり有名になった「Long lonely Night」ですが、他にもいい作品がいっぱいあります。グループの公式なアルバムというのは存在しないので、いわゆるベスト盤的なLPをお持ちの人も多いのではないでしょうか。いつもながら、シングル盤に関してはディスコグラフィが充実しています。LP盤も代表的な3枚(いずれもリバイバル・ブーム以降にリリースされたものです)が紹介されていました。あなたは異色のライブ盤はおもちですか。「ひと晩にしてR&B史を楽しむ方法」って何?とお思いでしょうね。私もそうでした。これは寒い冬に外に出るのは面倒だから、友達3人くらいがおのおの好きなオムニバスLPを持ち寄って聞き比べてみよう、といった趣旨です。当時東芝からリリースされていた「アメリカを聴こう」というシリーズがあったのですが、それの紹介をかねての記事でした。シリーズでリリースされたのは「ロックン・ロール誕生」「ブラック・ヒット・パレード 1」「同 2」「ベスト・オブ・ドゥーワップ」の4枚でした。これを順番に聞いていくとR&B史 をなぞっていけるというわけでした。「ネーミングのお話」はテリーさんが執筆しています。こんな一文がありました。「Doo Wopグループ・クレイズイの皆様におススメのLPを紹介するならば、RELICの"The Golden Groups"シリーズであろう。現在(81年12月)16枚出ており、内容がスゴイ!ほぼマニアックな50年代〜60年代初頭から60年代中期にかけてのドゥー・ワップ・グループを一堂に集めており、ライナー・ノーツもテッテー的にタメになり嬉しい。」と書かれています。永井氏のコラムは81年11月にアメリカで見たThe Dellsのショーについてベタぼめで、「ぜひ新宿ルイードで呼んでもらいましょう」まで書いています。さらにそのときの見たThe Dramaticsについて「ドラマティックスはヒドイ!冷たい言い方をするようですが、もうダメね」だそうです。Tresure誌の紹介する新着アルバムはやはりSoul Onとは一線を画しています、もう完全に私好みのものばかりといっていいくらいのセレクトです。正規盤・ブートレッグ関係なしに載せてあります、ファンジンのいいとこですね。今号のシャネルズ・コーナーは81年の夏に行なったロサンゼルスのWhiskey a go go出演のお話を鈴木氏が書いています。この公演の話はアメリカ側からのオファーだった事や、The Coastersのメンバーが見に来た事、翌日にはLeon Hughes(The Coastersのオリジナルメンバーのひとり)がやってきて一緒にステージに立った事などとても興味深いレポートでした。