家庭教育誌「ないおん」は、教育・子育ちをテーマに毎月こころのお便りをお届けしています

ないおん2月号(2018年2月1日発行)は

新しい年が明けて3週間、本誌がお手元に届く頃は大寒の入りでしょうか? そして立春が間近になりました。
さて新春早々、まことに嫌なニュースが飛び込んできました。
成人式当日、横浜の着物販売レンタル「はれのひ」に晴れ着を予約していた人たちが、当日店舗が閉鎖されていて、少なくとも予約していた200人以上が晴れ着を着られず、その内約100人は成人式に参加しなかったそうです。
1970年頃の人権研修で、成人式の平服参加が叫ばれたことがありました。遠い昔の話ですが、家が貧しくて晴れ着が買えない人が、成人式に出たくても出られなかった時代です。今はレンタルもあります。それにしても何十万円もの代金を払い、きちんと手続きも済ませ、胸躍らせて出かけました。出鼻をくじく悪行に、許せないのは本人やその家族ばかりではなかったでしょう。
「成人の日」は、古くは男子の「元服」や女子の「袖留」などの儀式にも由来し、戦後は1948(昭和23)年に国の祭日として制定された、国民みんなが新成人を祝い励ます祝日だからです。

八王子市、多摩少年院の「もう一つの成人式」の記事を読みました。例えば「はれのひ」のような大人社会に裏切られて非行に走り、今年少年院で成人を迎えた若者たちの涙の成人式です。
家族が持ち寄った新成人の幼少年期の写真が上映されました。無心の笑顔、澄んだ瞳、お母さんとのツーショットなど。袖で涙をぬぐう新成人の姿があり、ハンカチを目に当てる家族の姿がありました。続いて家族が書いた、息子に向けた手紙が代読されました。
「親の事情でつらい思いをさせてごめんね」「寂しい気持ちにさせてごめんね」「私の子に産まれてきてくれてありがとう」等々。
みんな涙を流しています。新成人と在院生が、大橋卓弥の「ありがとう」の歌を合唱しました。

なまぬるい風に吹かれながら
東京の空眺めてたら
遠くで暮らしているあなたの事を
ふと思い出す 元気ですか?
夢を追いかけて離れた街
見送ってくれたあの春の日

頼りなかったぼくに
「後悔だけはしないで」と
優しい言葉ぬくもりその笑顔
ずっと覚えているよ
そして忘れないよ
今 心からありがとう

出来が悪くていつも困らせた
あなたの涙何度も見た
素直になれずに罵声を浴びせた
そんなぼくでも愛してくれた
今になってやっとその言葉の
本当の意味にも気づきました

辛くなったときは
いつでも帰っておいでと
いつも僕の味方でいてくれた
心配かけたこと支えてくれたこと今 心からありがとう  (後略)

育ち合う真心の保育の、力強い一歩を歩みたいものです。

幼稚園・保育園版

育心

二月のお楽しみ   編集者/塚村真美

塚村真美先生の『育心』を拝読して、私も早速、卵を立てる実験に挑戦してみました。
卵といえばほぼ毎日、朝食などでお目にかかる食材です。卵焼きに目玉焼き、半熟のゆで卵……。調理の時などはコロコロ転がり、落ちて割れてしまわないよう取り扱いにも要注意です。
「こんな丸い形状のものが、果たして机の上に立つのかな?」と、半信半疑で卵を手に取り、リビングのテーブルの上に立てて、支えた手を、そーっとはなしてみました。
すると、信じられないことに、なんと一発で卵が立ちました。これには本当にびっくりです。(二回目以降は全く成功しませんでしたが……)
塚村先生は「思い込んでいたことがひっくり返ると、愉快な気分です。」と、楽しく前向きな記事でご紹介くださいました。
私はこの卵立てのように、世の中のさまざまなことを「出来ないもの」と思い込んだり、「そうに違いない」と勝手に決めつけたりして過ごしていたのです。
ものごとを「ひょっとして出来るのではないか」「こんな見方もあるのではないか」と、仏さまの智慧の眼に照らされ、自分の決めつけではない視野で見られるようになりたいと思いました。

レッツゴー! 保育カウンセリング⑨

人との交流をネットに預けていませんか
教育カウンセラー 子ども家庭教育フォーラム代表/富田富士也

富田富士也先生の『レッツゴー!保育カウンセリング⑨』は、人とのネットに頼らない交流の大切さについて取り上げてくださいました。
先日偶然見たテレビ番組で、ある弁護士さんが「近年はインターネットによる苦情の書き込みで、色々な相談が増えた」ということについて話されていました。
ネットに書き込まれている内容が大変過激なので、どんな強面の人かと思って実際会って話をすると、非常に口数が少なく大人しいタイプの人が多く、じっくり話を聞くことに徹すると、ほとんど解決できていく、とのことでした。
富田先生は「人とは、人間関係とは、変わり続ける無常の存在である」という、仏さまの教えをお示しくださっています。スマホ社会であればこそ「対面し肉声で対話」する日常が広がれば、座間市でおきた痛ましい事件や、ネットの書き込みに心を痛めることもなくなる、と痛感させられました。

私の雑記帖

仏さまのお話を聞く   前川保育園/鷲尾吉子

今月の『私の雑記帖』は、鷲尾吉子先生が、保育の中で子どもたちとの関りを通して、仏さまの世界にであっていかれた心温まるコラムです。
保育の現場でであう、子どもたちの姿や眼差しに包まれていると、私もさまざまなことに気づかされ、仏さまの世界に生かされている自分を実感する瞬間があります。「まことの保育」は、仏さまの話を子どもたちに教え込むことではなく、自分自身の生き方を問いながら、「仏の子」たちと一緒に聞かせていただくことなのですね。尊い原稿をありがとうございました。

実演仏典童話

やさしい王さま   文・鎌田 惠/絵・野村 玲

今月の『実演仏典童話』は、優しい王さまの捨身のこころに照らされ、争いに明け暮れる隣の国の王さまの固く冷たい心が溶かされ、仏さまのお慈悲の世界に導かれていくというお話です。

寺院版

声に聞く

涅槃寂静印に学ぶ   元龍谷大学学長/北畠典生

今月の『声に聞く』は、2月の「涅槃会」にあたって、北畠典生先生が「涅槃寂静印」と「無住処涅槃」について解説していただきました。
この二つの内、「無住処涅槃」は、如来さまのお働きなのですね。
「涅槃」と言えば、単にお釈迦さまのお亡くなりになった日のことをいうのだとばかり思っていましたが、深い意味があったことを学ばせていただきました。
そういえばお釈迦さまは、阿弥陀如来さまがこの世に現れてくださった方であると、どこかのご法話で聴聞させていただいたことがあります。
阿弥陀如来さまは、右足を一歩踏み出し、右手は「我に任せよ」と喚びかけ、左手は「必ず救う」と誓っていてくださるお姿です。
無量の大悲をもっておられる故に、悟りの世界に安住しないで、いつでもどこでも私に寄り添い、見護っていてくださると領解させていただきました。
今回掲載させていただいた「涅槃図」(龍本寺蔵)には、たくさんの人や動物たちが嘆き悲しんでいる様子が、細部まで描かれていて、お釈迦さまの入滅がどういうことであったのか、あらためて教えていただきました。

いのちみつめて

第35回 ご縁に育てられて ~垣見映夏さん~
文・森 千鶴/版画・西川史朗

今月の『いのちみつめて』は、垣見映夏さんのお宅に伺ってお話を聞かせていただきました。垣見さんのアトリエには、垣見さんが製作途中の絵画が置いてありましたが、垣見さんは「仏さまを描かせていただきたいのに、どうしても人間の顔になってしまいます」と仰っていました。
垣見さんの、いろいろなことを受け容れていく柔らかさと、たいへんなことを前向きに明るく乗りこえていかれる強さ。
ぜひまた絵を描き終えられたら、見せていただきたいと思いました。

北陸や東北地方の皆さまには、豪雪の御見舞を申し上げます。 寒さ厳しい折からお元気で。
合 掌

平成30年1月18日 ないおん編集室(~編集室だよりから抜粋~)

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