社会保険労務士田村事務所 事務所便り 『のぞみ』 平成22年3月号
会社の経費節減と社員のモチベーションとの関係
◆インターネットによる調査
NTTレゾナント株式会社は、昨年12月に、インターネットを利用した
「コスト削減と働くモチベーションに関する意識調査」を実施し、
先頃、その結果を発表しました。
調査の対象は、従業員数10名〜299名の中小企業に勤めている
20代・30代の社員であり、524件の有効回答があったそうです。
ここでは、この調査結果について見ていきましょう。
◆どんなコスト削減が行われているか?
2008年秋の世界同時不況以降、様々なコスト削減の取組みが各社で
行われていると思いますが、
「あなたの会社でどのようなコスト削減が実施されましたか」という
問いに対する回答(複数回答)は、次の通りでした。
(1)コピー費の削減(カラーコピーの禁止、出力自体の抑制等)…58.8%
(2)残業禁止による残業代削減…41.8%
(3)交通費の削減(出張の抑制、タクシー代削減等)…41.2%
(4)交際費の削減(お客様の接待抑制、禁止等)…34.2%
(5)通信費の削減(会社携帯電話の取りやめ、携帯代金の自己負担等)…27.1%
(6)オフィス家賃の削減(オフィス移転オフィス縮小等)…18.9%
◆6割以上がモチベーション低下
また、「コスト削減によって業務が非効率になったと感じたことがありますか」という
質問に対して
「ある」と答えた人は52.1%、
「ない」と答えた人は47.9%でした。
そして、「コスト削減によって働くモチベーションは下がると思いますか」と
いう問いに対しては、
「大変思う」が22.1%、
「思う」が39.1%、
「思わない」が31.1%、
「全く思わない」が7.6%という結果となり、
「大変思う」「思う」を合わせると、6割以上の人が
「コスト削減によりモチベーションが下がる」と
感じているということになります。
◆重要なのは「お金の使い方」
業績が悪いときに「コスト削減・経費節減」を考えるのは
会社として当然のことでしょう。
しかし、業務を担っている社員のモチベーションが下がり、
働く環境が悪くなってしまっては何にもなりません。
コストのかけ方や経費の使い方だけが社員のモチベーションに
繋がるものではありませんが、今の厳しい時代、「切り詰めるべきもの」と
「お金をかけるべきもの」をきちんと見極め、社員のやる気をアップさせるような
「お金の使い方」が求められるのではないでしょうか。
「若年者の失業率」と「学生の内定取消」の状況
◆世界的にも高い若年層の失業率
国際労働機関(ILO)の調査結果によれば、
2009年における若年層(25歳未満)の失業率は17.7%
(前年比4.6ポイント悪化)となったそうです。
全世代平均の失業率は8.4%ですので、これを大幅に上回っています。
特にユーロ圏では21.0%、米国では15.6%と非常に高くなっています(日本では8.4%)。
日本でも、企業から内定を受けていない今春卒業予定の大学生が10万人以上いるとも言われ、
大きな社会問題となっています。
◆内定取消企業名の公表基準
昨年1月、厚生労働省は、会社の都合で一方的に学生の内定を取り消した場合、
ハローワークと学校に通知するようにとの規則を定めました。
また、「新卒者の内定取消企業名の公表」の基準について、
以下の5項目を示しました。
(1) 2年度以上連続で内定取消を行った。
(2) 同一年度に10人以上の内定取消を行った。
(3)事業活動の縮小が余儀なくされているものと明らかには認められない。
(4)学生に内定取消の理由を十分に説明していない。
(5)内定を取り消した学生の就職先確保の支援を行わなかった。
上記のいずれかに該当するような悪質なケースでは、
企業名が公表されることになっています。
昨年度の内定取消者の数は2,143人(447事業所)で、
企業名が公表されたのは15社でした。
◆「内定取消」と「内定辞退」
最近は、「企業による内定取消」なのか「学生による(自主的な)内定辞退」なのかが
あいまいで、トラブルになるケースも多いようです。
例えば、企業が学生に多額の補償金などを手渡して、なかば強引に「内定辞退」を迫ると
いったケースです。
内定取消については、解雇に比べると「合理性」や「相当性」が緩やかに認められると
いえますが、判例(大日本印刷事件・最高裁昭和54年7月20日判決)では、
内定取消が認められるのは、
「内定当時知ることができず、また知ることを期待できないような事実があり、
それを理由に内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と
認められ、社会通念上相当として是認できる場合」に限られるとしていますので、
内定取消を行う場合にはこの点に注意しなければなりません。
厚生労働省から発表された緊急助成金
◆建設業に関連した緊急助成金
厚生労働省は、「建設労働者緊急雇用確保助成金」の創設を
2月8日に発表しました。
この助成金には「建設業新分野教育訓練助成金」と「建設業離職者雇用開発助成金」の2種類が
ありますが、
前者は「建設事業主」を対象としたもの、
後者は「建設業以外の事業主」を対象としたものとなっています。
◆建設事業主を対象とした「建設業新分野教育訓練助成金」
この助成金は、建設労働者の雇用を維持しながら、
建設業以外の事業に従事するために
必要な教育訓練を実施した中小建設事業主に対して
助成金を支給するものであり、
支給額は次の通りです。
(1)教育訓練の実施経費の3分の2(1日当たり20万円。60日分を限度
(2)教育訓練を受講した労働者の賃金に対し、1人につき1日7,000円(上限。60日分を限度)
なお、教育訓練を開始する日の2週間前までに、労働局等に訓練計画を届け出る必要があり、
支給申請は、教育訓練が終了した日(賃金締切日が定められている場合は直後の賃金締切日)の
翌日から1カ月以内に行う必要があります。
◆建設業以外の事業主を対象とした「建設業離職者雇用開発助成金」
この助成金は、建設業以外の事業主で、45歳以上60歳未満の建設業離職者を
公共職業安定所等の紹介により、継続して雇用する者として雇い入れた事業主に対して
助成金を支給するものです。
支給額は次の通りであり、雇入れから6カ月経過後および1年経過後に
半額ずつ支給されます。
(1)中小企業事業主…90万円
(2)中小企業事業主以外の事業主…50万円
なお、支給申請は、雇入れの日から6カ月経過日の
翌日から1カ月以内に行う必要があります。
◆支給要件等の詳細
支給要件等の詳細は、下記の厚生労働省ホームページで
確認することができます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000045nx-att/2r985200000045po.pdf
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