社会保険労務士田村事務所 事務所便り 『のぞみ』 平成22年1月号
「確定拠出年金」の
使い勝手が良くなる?
◆「適年」の受け皿として
厚生労働省は、「確定拠出年金制度」(日本版401k)を拡充するため、
関連法の改正案を来年の通常国会に提出する方針を明らかにしています。
同省では、今でも多くの中小企業が採用している「適格退職年金制度」
(2012年3月末に廃止予定)の受け皿として、この確定拠出年金が大いに
活用されることを期待しているようです。
◆確定拠出年金の特徴と導入の背景
確定拠出年金は、拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、
掛金とその運用収益との合計額をベースに年金給付額が決定される
年金制度です。
厚生年金基金や適格退職年金などの企業年金制度は、給付額が約束されると
いう特徴がありますが、離転職時の年金資産の持ち運びが十分確保されて
おらず労働移動への対応が困難であることなどが指摘されていました。
そこで、公的年金に上乗せされる部分における新たな選択肢として、
2001年10月に確定拠出年金制度が導入されました。
◆予定されている主な改正内容
確定拠出年金には、企業のみが掛金を拠出する「企業型」と、
個人のみが掛金を拠出する「個人型」がありますが、来年予定されている
改正はこのうち「企業型」に関するものであり、主な内容は次のとおりです。
(1)個人による掛金拠出を認める(ただし個人の掛金は企業の拠出額以下とする)
(2)加入年齢を引き上げる(積立期間の上限を「60歳」から「65歳」に変更する)
なお、「企業型」の確定拠出年金の導入件数は、2008年3月末時点で3,043件(加入者数311万人)です。
◆果たして加入件数は増えるか?
確定拠出年金は、運用が悪化すれば個人の年金受給額は当然減ってしまうものの、
企業にとっては、追加負担を求められることが基本的にはないというメリットがあります。
上記の改正により、厚生労働省のねらい通りに加入件数が増えていくのか、
注目しておきたいところです。
「中小企業緊急雇用安定助成金」の変更点、「雇用保険法」の改正案
◆民主政権で何が変わった?
民主政権に変わり、雇用関係に関しても様々な動きがあります。
ここでは、中小企業にとって影響の大きい「中小企業緊急雇用安定助成金」の変更点と
「雇用保険法」の改正案を取り上げます。
◆「中小企業緊急雇用安定助成金」の変更内容
「中小企業緊急雇用安定助成金」の支給要件が次のように緩和されています。
(1)助成金対象の拡大
これまで、出向労働者を出向元に復帰させた後、6カ月を経ずに再度出向させた場合には
助成金の対象外であったものが、対象とされました。
これは、平成22年11月29日までの時限措置とされています。
(2)生産量要件の緩和
生産量要件(従来は「売上高・生産量の最近3カ月間の月平均値がその直前3カ月または前年同期に
比べ5%以上減少していること」)に、
「売上高・生産量の最近3カ月間の月平均値が前々年同期に比べ10%以上減少し、
直近の決算等の経常損益が赤字であること」が加えられました。
この要件は、対象期間の初日が平成21年12月2日〜平成22年12月1日の間にあるものに限られます。
◆「雇用保険法」の改正案
厚生労働省は「雇用保険法」の改正原案をまとめ、その内容を明らかにしました。
来年の通常国会に改正案を提出し、来年4月からの施行を目指すとしていますので、
今後の動向に要注目です。
(1)加入に必要な雇用見込み期間の短縮
雇用保険への加入の際に必要とされる雇用見込み期間について、
現行の「6カ月以上」から「31日以上」に短縮するとしています。
この適用拡大により、新たに255万人が雇用保険の加入対象になると
試算されています。
(2)雇用保険料率の引上げ
労使折半とされている雇用保険料率について、
現行の「0.8%」から「1.2%」に引き上げるとしています。
(3)未加入扱いの遡及期間の延長
保険料を納付したにもかかわらず手続上の問題により未加入扱いとなった人の
遡及期間について、現行の「2年まで」から「2年超」とするとしています。
相次ぐ里子虐待と里親制度の課題
◆突きつけられた重い課題
最近、新聞などでも取り上げられていますが、「里親による里子への虐待」が
後を絶たないようです。恵まれない子どもを自らの意思で引き取って育てる、
善意で成り立つはずの里親制度に、重い課題が突きつけられています。
◆里親には何が要求されるか?
そもそも里親制度とは、保護者がいなかったり、児童虐待などを受けたりした
子どもの養育を、児童相談所を通じて一般の夫婦に委託する制度です。
里親の希望者は、書類審査と面接、研修を経て里親登録を行います。
しかし、深い愛情を持って里子を受け入れたとしても、実際にはその養育は
並大抵のものではありません。実の親からの虐待、ネグレクト、
施設での長期集団生活などにより十分な愛情を受けてこなかった子どもたちは、
愛情不足でうまく対人関係を築けない「愛着障害」のケースが多く、このため、
里親の関心を引こうとあらゆる手段を使って困らせようとする傾向があるそうです。
家庭内での暴力行為や万引きといった行動が特に多いのも、そういった理由からです。
また、あいさつや食事、歯磨きなどの基本的な習慣も身に付いていないケースが多いようです。
これらのことに腹を立てず、じっくり根気よく教えていくことが里親には要求されますが、
躾のために大声で叱ることが、近所からは「虐待しているのでは?」と思われるのではないかと、
周囲の目を気にして悩む里親の方もいるようです。
◆里親委託率の向上に向けて
このような難しい問題を抱え、「悩んでいる里親を支援する制度が十分ではない」と
いう指摘がなされています。この背景には、里親同士の交流が進まず、経験者が悩みを
共有する場が乏しいことなどがあるようです。
こうした状況の中、厚生労働省は、平成21年度末までに里親の委託率を8.1%から15.0%に
上げる数値目標を立てました。それに伴い、今年4月からは「改正児童福祉法」が施行され、
「里親認定登録制度の見直し」「里親支援の強化」「養育里親の研修の義務化」
「里親手当の増額」など、里親制度の内容が拡充されています。
家庭内で深い愛情をもって養育されることが子どもたちにとって大切ですので、
里親支援についてのより充実した対応が望まれます。
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