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社会保険労務士田村事務所        事務所便り  『のぞみ』        平成21年7月号


一般用医薬品販売に関する規制緩和の影響

 


◆医薬品販売の規制緩和

今年6月から「改正薬事法」が施行され、これまで薬剤師に限られていた一般用医薬品


(大衆薬)販売の規制緩和がなされました。深夜の急病等の際も、今まで購入することができ


なかった薬を手に入れやすくなり、それに伴い消費者にとっては多くの利点が期待されますが、


併せて懸念される問題もあります。




 

◆「改正薬事法」の内容

一般用医薬品を副作用リスクなどに応じて「第一類」から「第三類」までの3段階に分類し、


リスクの低い第二類・第三類は新資格の「登録販売者」を置けば販売ができるというものです。


第一類には胃腸薬等、第二類には風邪薬等、第三類にはビタミン剤等が含まれます。


このため、コンビニエンスストアや24時間営業のスーパーなどでの購入が容易になり、


急な発熱や腹痛などの場合にも時間を気にする必要がなくなります。対象は大衆薬の9割を


占めるといいますから、購入できる場所が増えれば近隣の店舗で販売競争も激化し、

今までよりも安価に購入できるという期待もあるでしょう。


事実、大手スーパーなどでは、一般メーカー品より1〜2割安い大衆薬の新製品販売を

さっそく開始しました。これに対抗してドラッグストア業界大手なども、登録販売者を活用して

24時間営業の店舗を増やすとしています。



 

◆法改正に伴い心配される問題

一方、これまでインターネットなど通信販売で大衆薬を売っていた業界は、

猛反発しています。対面販売をしないリスクなどが指摘され、通信販売で扱える

商品が原則的に「第三類」に限定されてしまうからです。ネット販売を行っていた

大手会社は、今年5月末に「営業権の侵害」を理由に国に対して訴訟を起こしました。

他のネット業者からも提訴の動きが広がる可能性があるようです。



2年後の改正薬事法完全施行に向けて経過措置はあるものの、今までネット購入を

していた離島の居住者や特定の薬を継続して利用していた人にとっては、自身の身体に


関わることであり、今後どう対応していくかが問題となっています。


その一方で、店舗での販売に関しても「登録販売者にどこまで症状を相談できるかが

不安」という声が上がっています。実際、体質や体調に合わない薬を安易に服用してしまう

可能性も懸念されており、利便性を良くしても安全性がおろそかになってしまっては

本末転倒です。自分の身体を守るために、消費者自身が納得したうえで購入方法を選択する

必要があると言えるでしょう。





災害・事故などに対応する [事業継続計画(BCP)]

 

◆強毒性だけでなく弱毒性にも対応

最近の新型インフルエンザの流行の影響もあり、大手企業を中心に、

重要業務への影響を最小限に抑えるための「事業継続計画(BCP)」の

拡充が進んでいます。

企業が持つBCPの多くは自然災害や強毒性の鳥インフルエンザの流行を

想定していたため、大手通信社や流通企業などは、弱毒性インフルエンザの

場合にも対応できる、詳細な計画作りを進めているようです。


 

BCP」とはどんなものか?

事業継続計画(BCPBusiness Continuity Plan」)とは、災害・事故などの

非常事態発生時に、企業や自治体が重要業務をできるだけ中断せず継続させるための

計画です。仮に中断した場合であっても、目標とする復旧時間内での業務再開を目指します。

計画には、地震などの自然災害、情報システム障害、テロなどあらゆるリスクを織り込む

必要があります。欧米では1990年代以降、社員の不祥事なども想定リスクに加えてBCP

作成する企業が増えました。

日本でも大手企業を中心に導入事例が増えつつありますが、地震や台風などの対策を

主眼としているケースが多く見られます。ある新聞社が「人と防災未来センター」(神戸市)と

共同で200811月下旬から12月中旬にかけて実施した調査では、新型インフルエンザの大流行に

備えてBCPの策定に動いている大企業は62%で、このうち「策定済み」は15%、「策定予定」は47%でした。



 

◆企業により異なる対応

これまでのほとんどの企業のBCPは、「強毒性」の鳥インフルエンザを想定しています。

そのため、「弱毒性」と言われる今回のインフルエンザに対しては機械的な運用を避けて

柔軟に対応しています。業務を停止すれば市民生活に大きな影響を与えることになる電力・

ガス、医薬品業界などは、詳細な行動計画を策定しており、それに基づいて段階的に対策を

進める考えです。


一方、多くの人が集まる鉄道や流通業などでは対応が分かれています。ある鉄道会社は、

まとまったBCPは策定せず、防災対策など、個々にマニュアルを用意し、今回は職員に予防の

手引きを配付しましたが、大流行時の対応は盛り込まれておらず、「運行については国からの

指示に従う」方針です。


遊園地を運営する企業では新型インフルエンザ対策も含めたBCPの策定を検討していますが、

休業するかどうかの判断基準はまったく未定で、「行政の指導を仰ぎながら柔軟に対応する」と

しています。また、空港と都心を結ぶ鉄道を運行する企業は「業務の優先順位付けなどを検討中で、


早急に対応策を完成させる」方針です。

 

◆大手だけでは意味がない

大手企業では進み始めたBCPの策定ですが、大手企業は多くの業務で中小企業に依存しています。

そのため、感染拡大を防ぐにはサプライチェーン全体に予防措置を徹底する必要があります。

今後は、中小企業でも対応策が必要になりそうです。



 

政府による取組みの効果? 出生率が3年連続上昇

 


◆3年連続で「合計特殊出生率」が上昇

先日、厚生労働省から「人口動態統計」が発表されましたが、

これによると、2008年における合計特殊出生率(女性が生涯に産む子どもの数)は

1.37」となり、2007年の「1.34」を上回ったそうです。2006年に6年ぶりに

上昇して以来、これで3年連続の上昇となりました。出生数は1091,150

(前年比1,332人)でした。



同省では、晩婚化を背景に30歳代の出産が増えていることや、減少していた

20
歳代の出産が下げ止まり傾向にあると分析していますが、
これまでの政府による

「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」への取組みが、いくらか功を


奏しているようです。




 

◆これまでの取組み

政府はこれまで、「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」を設け、

「ワーク・ライフ・バランス憲章」や「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を

策定するなど、積極的に少子化対策に取り組んできました。


そして昨年の7月には「仕事と生活の調和の実現に向け当面取り組むべき事項」(http://www8.cao.go.jp/wlb/government/top/toumen/pdf/s1.pdf)を発表し、以下の項目を掲げました。


(1)企業の取組みの見える化……企業が策定の「一般事業主行動計画」の公表促進

(2)企業向けアドバイザー養成……「仕事と生活の調和アドバイザー」養成の支援

(3)推進企業ネットワークの構築……企業における推進者によるネットワーク作り

(4)男性の働き方を変える……男性の育児休暇取得の促進、実践事例の提供・紹介

(5)データベースの構築……好事例の収集および内閣府ホームページにおける掲載

(6)国家公務員の取組み(隗より始める)……政府全体として労働時間の短縮推進

 

◆今後の法改正の動き

現在、以下の内容を盛り込んだ「改正育児・介護休業法案」が国会にて審議されて

います。この法律が成立して施行されれば、各企業の取組み方にもよりますが、

さらに「ワーク・ライフ・バランス」が進んでいくかもしれません。


・短時間勤務制度の義務化


・所定外労働の免除の義務化


・子の看護休暇制度の拡充

・パパ・ママ育休プラス(仮称)

・父親の育児休業取得の促進

・労使協定による専業主婦()除外規定の廃止

・介護のための短期休暇制度の創設

・紛争解決の援助・調停の仕組み等の創設

    公表制度・過料の創設

 

中小企業の生き残り策として注目を集める「第二会社方式」

 

◆「第二会社方式」とは?

近年、経営状態が厳しくなった中小企業による「第二会社方式」の

活用件数が増加傾向にあるようです。


この「第二会社方式」とは、経営困難に陥っている企業の中でも

収益性のある事業部門について、事業譲渡や会社分割の方法によって

別法人(第二会社)に分離し、赤字部門を残した旧会社を清算することに

より事業の継続を図るものです。


この方式を活用した事業再生は、不良債権のリスクを負わずに損金算入の

手続きが容易なことから、金融機関やスポンサーの協力が得やすいという

メリットが大きく、非常に注目されています。



 

◆デメリットはないのか?

上記の「第二会社方式」については、これまで、

以下のようなデメリットが指摘されていました。

(1)第二会社において事業継続に必要な運転資金を確保するために、

       多額の資金調達を必要とすること。

(2)事業の継続に必要な資産の移転にあたって、税負担が発生すること。

(3)第二会社により継続を図る事業が行政官庁の許認可等の対象となっている場合、


      改めて許認可等の取得申請が必要となること。

 

◆デメリット解消のための法改正

今年の4月22日に成立した「改正産業活力再生特別措置法」により、

上記のデメリットが解消されることになりました。つまり、

「必要な事業資金に対する金融支援」、「登録免許税・不動産取得税負担の軽減」、

「特例による営業上必要な許認可の承継」が認められるようになったのです。


改正法はすでに4月30日に公布され一部施行されていますが、

主要事項の施行は今年7月以降になるとみられており、

今後、指針等も発表される予定です。これから、この「第二会社方式」を活用する



中小企業がますます増えてくるかもしれません。

 

 









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