社会保険労務士・行政書士 田村事務所トップへ




個別労働紛争解決基準としての労働判例シリーズ


                      非正規従業員の労働時間特に

1.ポイント



 1年の期間の定めのある労働契約が毎年更新され、

途中中断することなく雇用関係が継続している場合には、

労働基準法39条の適用の上では継続勤務したものと解され

未消化の年休も翌年度に繰り越しが可能になる。



2.モデル裁判例


  国際協力事業団(年休)事件 東京地判平9.12.1 労判729‐26



(1)事件のあらまし


 X1は昭和62年4 月1 日より現在まで、

X2は平成3 年7 月8 日より平成8 年12月22日まで、

使用者Y の語学講師として労働期間1 年の契約で

毎年繰り返し雇われてきた。

ところで、X1は平成7 年度中に13.5日の年休を、

X2は12日の年休を行使して休業した。

ところが、使用者Y は、

X1については3.5日を、

X2については2 日を欠勤扱いにして

その分の賃金を控除した。

そこで、X1とX2は、使用者Y に対して、

10日を超える日数の年休による休業を欠勤扱いにして

賃金を控除したのは違法であるとして、

控除された賃金の支払請求等をなしたものである。



(2)判決の内容


労働者側勝訴

 その理由を要約すると以下の通りである。


 @1年単位の労働契約であっても毎年更新がなされて途中中断することなく

雇われている場合
には、労基法39条の年休日数の算定においては

継続勤務したものと解すべく、X1とX2は各年度ごとに同条2 項の規定に

基づいて算出される日数の年休与えられなければならない


 A当該年度に消化されなかった年休は、時効により消滅しない限り

翌年度に繰り越され、翌年度以降も行使できる。


 B使用者Y がX1とX2に対し、訓練期間と訓練期間との間に

長期の休暇を与えていたが、この休暇を労基法所定の年休と

解することはできない。


 C従って、使用者YがX1とX2の付与日数以上の年休行使を欠勤扱いに

して賃金を控除したことは違法である。


3.解 説

(1)パート労働者と年休

 パート労働者についても、働いて賃金を得る者であることから

労働基準法の適用がある。

従って、労動基準法はパート労働者の年次有給休暇についても

通常の労働者の所定労働日数との比例での特別の休暇日数を

定めている(労基法39条3 項)。

 この点パートタイム労働指針においても、事業主は短時間労働者に

対して労働基準法に定まる年休を与えるものとしている。




(2)労基法39条1項の「継続勤務


 また、労基法39条1項の「継続勤務」とは、

労働契約の存続期間を意味する。

従って、「継続勤務」に該当するか否かは勤務の実態に

則して実質的に労働者としての勤務関係が継続しているか

否かにより判断すべきものとされている

東京芝浦食肉事業公社事件 東京地判平2.9.25 労判569‐28、

日本中央競馬会事件
 東京地判平7.7.12 労判679‐38、昭63.3.14基発150号)。

従って、本件のように期間の定めのある労働契約でもそれが更新され

実質的には引き続き使用されているものと判断される場合には、

「継続勤務」があるものと認定されやすいものといえる。


 もっとも、同一使用者との労働契約であっても、従前の労働契約と

新しい労働契約との間において勤務内容・勤務時間等に差がある場合

には、契約の更新がなされても「継続勤務」と認定されない場合も

ある

(前掲東京芝浦食肉事業公社事件判決)。











   行 政 書 士 田村事務所
     社会保険労務士田村事務所
               
       〒531-0072     大阪市北区豊崎三丁目20−9 (三栄ビル8階)
   
     TEL(06)6377−3421         FAX(06)6377−3420
  
     E−mail tsr@maia.eonet.ne.jp URL http://www.eonet.ne.jp/~tsr   


                                         行 政 書 士
               所長  特定社会保険労務士 田村 幾男

                     

           お問合せは、下記メールをご利用下さい
     
                                             





            

                      行 政 書 士 田村事務所
                                            社会保険労務士田村事務所の営業区域

     (大阪府)
      大阪市(北区・中央区・西区・浪速区・天王寺区・都島区・旭区・鶴見区・城東区・東成区・生野区・平野区・東住吉区
       全区
            住吉区・阿倍野区・西成区・住之江区・大正区・港区・此花区・福島区・西淀川区・淀川区・東淀川区)
     
      豊中市・吹田市・箕面市・池田市・茨木市・摂津市・高槻市・枚方市・交野市・寝屋川市・守口市・門真市・大東市

      四条畷市・東大阪市・八尾市・藤井寺市・柏原市・羽曳野市・松原市・富田林市・大阪狭山市・河内長野市・和泉市

      堺市・高石市・泉大津市・岸和田市・貝塚市・泉佐野市・泉南市・阪南市・
     
       島本町・美原町・忠岡町・熊取町・田尻町・岬町  

    (兵庫県)

      神戸市・尼崎市・伊丹市・川西市・宝塚市・芦屋市・三田市・西宮市・明石市・加古川市・高砂市・姫路市・
      
      播磨町・稲美町・猪名川町


社労士に委託するメリット      トピックス      トピックス(2)     国民年金・厚生年金保険      健康保険制度
社会保険労務士業務  取扱い法律一覧      個人情報保護方針      就業規則    社会保険労務士綱領の厳守      
助成金概要      助成金診断について      リンク集へ       報酬額表     最新NEWS  サービス提供地域
田村事務所へようこそ   田村事務所運営理念  社労士業務(その二)  特定社会保険労務士    産業カウンセラー
代表者プロフィ−ル   田村事務所アクセス   大阪の社労士からの、発信    お問合せ
     キャリア・コンサルタント

 あっせん代理      改正雇用保険法    メンタルヘルス対策      中小企業労働時間適正化促進助成金

短時間労働者均等待遇推進等助成金         均等待遇団体助成金   外国人雇用状況届出制度      常用雇用転換奨励金

                                                                           社会保険労務士田村事務所トップへ

本ページトップへ



          お願い:当事務所のホームページの記載事項に関しましては、充分に細心の注意を払い記載しておりますが、

           万が一記載内容により、発生した損害につきましては、責任を負い兼ねますので、ご留意・ご了承下さい。
          

             copyright(c)2007-2008 Ikuo Tamura All Rights Reserved 社会保険労務士田村事務所