BY 月華美心  
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初夏のシチュー



彼がシャワーを浴びている最中、私はシチューを温めなおしていた。
ワンルームマンションの狭いユニット式バスは、彼にとってとんでもなく窮屈らしく
バスタイムを終えて蛇口を閉めると、飛び出すように出てきた。

「あっつ〜!」  
肌に水を弾かせて、ほとんど裸のままで  
「ごめん ビール取って!」
そう言い放ち、ベランダへ直行する。

熱々のシチューに火を止め、冷製パスタにしてあげれば良かった、と 
内心後悔しながら彼の元へ冷たく冷えたビールを持って行く。

待ちきれない、といった感じで引き取られ、“プシュッ” と勢いよく音を立てて
開けられたビールは、一気に彼の喉へと流し込まれていた。

初夏の西日は彼の裸体の水玉をキラキラと輝かせ、私をドキドキさせる。

「シチューの気分・・・じゃないよね・・」
背中の汗に話しかける。
「え?いいよ。なんで?」
「・・・」
「それよりさぁ・・ その前に・・・」

いつものようにソファの下に子供のように座り込んで私にドライヤーを手渡す。
全く無防備な彼に、ソファの上からスイッチをColdにして髪をすく。
私に寄りかかり、目を閉じて、安堵の呼吸を感じるこの瞬間。 
彼をとても愛おしい と思う。

さらさらの髪を指ですきながら冷たい風を当て、火照った背中や腕にも
同じ風を注いでいく―
昨日の嘘も朝の不機嫌な態度も スベテ チャラ・・・。

「ねぇ。もう乾いてんじゃない?」
ちょっと小憎らしい彼は年下・・・

「え・・あ、ごめんね。 体 冷えちゃった?」
「ん。あったかいシチュー食べるから大丈夫だヨ」

かれは小鳥のような口づけが上手い。

そして私はまた更に 彼が愛おしくなる ―― 

 

 

まりんの処方

彼女はいつ彼が去って行くか不安でたまりません。
だからいつも気を遣い、細かく優しさを降り注ぎ母になり、
彼を必要以上に甘やかしてしまいます。
最初はこれで、Sweetな時間を楽しめるでしょう。
ただ、ずっと彼の母親の役にはまっていると、いつしか彼は
“女”を求めて、狩りへ出掛けて行ってしまいます。
愛しさのつのる彼を、“年下の男の子”とくくらないで、
男性としていつも見直す事で、自分自身もいつまでも女性で
いられるのではないでしょうか?

お勧めエッセンスはクラウィー/マウンテン・デビル

自分の愛情に自信を持って、彼を「男」として愛し、
自分も「女」でい続けよう。

 

 

 

 
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