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土地家屋調査士試験の難易度は?合格率や偏差値・勉強時間で徹底比較!

独学で資格取得 - 目指せ!土地家屋調査士 -
土地家屋調査士試験の難易度【合格率や偏差値・勉強時間で徹底比較!】

更新日:2023年3月10日

土地家屋調査士の難易度・合格率

 土地家屋調査士は、不動産登記制度を支える両輪の資格として、司法書士と共に、社会的に重要な役割を担っています。

 とはいうものの、そもそも土地家屋調査士という資格はあまりメジャーな資格ではないため、この試験が難しいのかどうか、あまりご存じないのではないでしょうか。

 そこで、このページでは、土地家屋調査士試験の難易度について、合格率や偏差値、合格に必要な勉強時間などを使って、他資格と比較しながらご紹介していきたいと思います。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。宅建士、行政書士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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土地家屋調査士の難易度は?

 それでは、土地家屋調査士試験の難易度を測る指標として、まずは合格率から確認しておきたいと思います。

※ 前提として、このページでは、土地家屋調査士試験の「午後の部」について記載していきます。「午前の部」は、測量士補や建築士の資格を保有していれば免除になる試験であり、実際に受験する人はほとんどいないのが現状です。

合格率は8〜9%で推移

土地家屋調査士の合格率の推移

 土地家屋調査士試験の合格率は、おおむね8〜9%前後で推移しています。

 この合格率は、かなり難しいという印象を受けますね。

 直近の2022年実施分で見ると、受験者数 4,404人のうち424人が合格しており、合格率は9.6%となっています。ここ数年、合格率は緩やかな上昇傾向にありましたが、2022年度は厳しい結果になりましたね。

土地家屋調査士試験の合格率の推移
年度 受験者数 合格者数 合格率
平成25年
(2013年)
4,700 412 8.8%
平成26年
(2014年)
4,617 407 8.8%
平成27年
(2015年)
4,568 403 8.8%
平成28年
(2016年)
4,506 402 8.9%
平成29年
(2017年)
4,600 400 8.7%
平成30年
(2018年)
4,380 418 9.5%
令和1年
(2019年)
4,198 406 9.7%
 令和2年
(2020年)
3,785 392 10.4%
令和3年
(2021年)
3,859 404 10.5%
令和4年
(2022年)
4,404 424 9.6%
 出典:法務省

合格率を比較!行政書士や宅建よりも難しい

合格率を宅建・行政書士などの人気資格と比較したグラフ

 次に、土地家屋調査士試験の難易度を宅建・行政書士などの不動産系・法律系の人気資格と比較してみたいと思います。

不動産系・法律系資格の難易度の比較表
資格名 合格率
司法書士 約 4%
社労士 約 6%
土地家屋調査士 約 8%
マンション管理士 約 9%
行政書士 約10%
宅建 約 15%
管理業務主任者 約 20%
賃貸不動産経営管理士 約 30%

 このように、一般によく耳にするような宅建・行政書士などの不動産系・法律系資格で比較してみても、土地家屋調査士試験は、やはり高い難易度だということがわかりますね。

 難しいとよく言われる行政書士や宅建よりも、さらに難しい試験です。

 実際のところ、合格率8%ということは、100人受験すると、92人は落ちるということになりますからね。。

 そう考えると、ほとんど全員が落ちる試験というイメージになってきます。

 ということで、土地家屋調査士試験は、国家資格の中では難易度は高く(合格率が低く)十分な受験対策が必要な試験だと言えます。

難易度が高い理由

 では、土地家屋調査士試験は、なぜこんなに難しいのでしょうか。

 私自身、合格までに2年かかりましたので、その私が感じる理由としては、以下の3つが挙げられます。

土地家屋調査士の難易度が高い理由
  • 記述式試験の対策は独学では困難
  • 制限時間内に択一式と記述式を解き切るのは至難の業
  • 択一式と記述式の基準点(足切り点)を超えるのが厳しい

 それでは、上記の理由について、1個ずつ詳しく見ていきたいと思います。

理由@:記述式試験の対策は独学では困難

 土地家屋調査士試験の大きな特徴は、「記述式(書式)」試験があるということです。

 国家試験の中には、択一式のマークシートのみという試験も多く存在しますし(宅建、マンション管理士など)、記述式がある場合でも、択一がメインで一部だけ記述というパターンも多いですよね(行政書士など)。

 ところが、土地家屋調査士試験は、択一と記述の配点はちょうど半々という形で、がっつりと記述式試験が実施されることになっています。

 記述式では、電卓を駆使して求積し、三角定規を使って図面を作成し、そして登記申請書を書き上げるというところまでが求められます。

 ですので、この記述式の対策が、独学ではかなり困難というのが難易度を上げているひとつの理由と考えられます。

 つまり、独学で挑戦した人は、ことごとく撃沈されるということです。

理由A:制限時間内に解き切るのは至難の業

 土地家屋調査士試験は、2時間30分の試験時間の中で、20問の択一式と2問の記述式を解くことになっています。

 択一式に何分、記述式に何分という時間配分は決められていないため、各自のペースで解いていけばいいわけですね。しかし、これが大きな落とし穴になるおそれが。。

 つまり、択一式に時間をかけ過ぎて、記述式を最後まで解く時間がなくなってしまう、、というのがよくあるパターンです。

 私も二度、土地家屋調査士試験を受験しましたが、本当にギリギリでした。この時間制限は、マジでヤバいです。

 このように、限られた時間の中で択一式を解き、記述式まで書き上げるというのは、至難の業なのです。。

理由B:択一式と記述式の基準点(足切り点)を超えるのが厳しい

 択一・記述のいずれか一方が基準点(足切り点)を割ってしまうと、それだけで不合格になってしまうというのも、厳しいところですよね。※基準点については、後述します。

 ですので、択一も記述も、どちらも平均点以上をしっかりと取らないといけないというのも、土地家屋調査士試験の難易度を上げているひとつの要因だと考えられます。

基準点・合格点とは

 土地家屋調査士試験には「合格点」のほかに、「基準点」というものが設けられています。

 この基準点というのは、択一式と記述式それぞれの最低の合格基準点(足切り点)のことです。

 土地家屋調査士試験の午後の部の配点は、択一式は50点満点、記述式も50点満点とされています。

 この「択一式」、「記述式」のそれぞれに合格基準点(足切り点)が設けられいずれか一方が基準点に満たない場合は、それだけで不合格になってしまいます。

 採点の流れとしては、まず「択一式」が採点され、その点数が基準点を下回ると、その時点で不合格となります。

 そして、「択一式」の基準点をクリアした場合に、はじめて「記述式」の採点をしてもらうことができ、「記述式」の基準点もクリアすることができれば、最後に総合得点(「択一式」+「記述式」)で合格者が決定されるという採点方式です。

基準点・合格点の推移

 これまでの基準点・合格点の推移は、下表のようになっています。

土地家屋調査士試験の基準点・合格点の推移
年度 択一式基準点
(50点満点)
記述式基準点 
(50点満点)
合格点
平成25年
(2013年)
30.0 30.0 71.5
平成26年
(2014年)
35.0 30.0 74.5
平成27年
(2015年)
32.5 30.0 73.5
平成28年
(2016年)
30.0 31.5 74.5
平成29年
(2017年)
37.5 36.0 81.0
平成30年
(2018年)
35.0 33.5 81.0
令和1年
(2019年)
32.5 33.0 76.5
 令和2年
(2020年)
32.5 30.0 71.0
令和3年
(2021年)
32.5 30.5 73.5
令和4年
(2022年)
37.5 34.0 79.5

 このように、概ね基準点はそれぞれ6〜7割程度、そして合格点7〜8割程度で推移していることがわかります。

 択一も記述も、最低6〜7割は取る必要があり、合格するためには合計で7〜8割の得点が必要ということになりますね。

偏差値を使った土地家屋調査士の難易度ランキング

土地家屋調査士試験の偏差値を比較

 土地家屋調査士試験の難易度を測る指標として、偏差値を利用するという方法もあります。

土地家屋調査士の偏差値は64

 偏差値というのは、平均点を50とし、受験者全体の得点分布に基づき算出される数値ですので、受験者の属性がまったく異なる資格試験を跨いで、各資格試験の偏差値を算出するというのは、本来は不可能です。

 しかし、「資格難易度ランキング」というサイトにおいて、公表されている合格率や合格点などの情報や傾向に基づき、 独自に資格試験の偏差値が算出され、公表されています。

 ここに掲載されている偏差値によると、土地家屋調査士試験の偏差値は64とされています。

 偏差値60以上は、「難関資格」とされますので、土地家屋調査士は、まさに難関資格ということになりますね。

偏差値を宅建・行政書士などの人気資格と比較

 次は、宅建・行政書士などの人気資格の偏差値と比較してみたいと思います。

 「資格難易度ランキング」に掲載されている偏差値によると、主要な不動産系・法律系資格の偏差値は以下のようになっています。

不動産系・法律系資格の偏差値の比較表
資格名 偏差値
司法書士 72
社労士 65
行政書士 65
土地家屋調査士 64
マンション管理士 61
宅建 57
管理業務主任者 55
賃貸不動産経営管理士 41
 出典:資格難易度ランキング

 この偏差値ランキングによると、難関資格として有名な行政書士や社労士は65とされていますので、土地家屋調査士は、そういった資格に近い難易度といえそうですね。

土地家屋調査士試験に必要な勉強時間を比較

土地家屋調査士試験の合格に必要な勉強時間を比較

 次は、土地家屋調査士試験の難易度を測る指標として、「合格するために必要な勉強時間」から比較していきたいと思います。

必要な勉強時間は1,000時間

 まずは、土地家屋調査士試験についてですが、土地家屋調査士試験に合格するためには、一般的に1,000時間の勉強時間が必要と言われています。

 私自身も、この一般的な時間数と同様に、約1,000時間の勉強で合格できましたので、概ね1,000時間というのは信用できる数値だと考えられます。

合格まで1年半かかる

 では、この1,000時間という勉強時間を達成し、実際に合格するまでには何年かかるのでしょうか。

 一般的に、合格までに必要な勉強期間は、1年半程度と言われています。

 実際に私自身も、1年目に8ヶ月、そして2年目にも8ヶ月で、合計16ヶ月の勉強期間でしたので、一般に言われるとおり、ほぼ1年半の勉強期間で合格することができました。

勉強時間を宅建・行政書士などの人気資格と比較

 では次は、不動産系・法律系の人気資格と、合格に必要な勉強時間を比較してみたいと思います。

 土地家屋調査士試験を含め、資格試験の難易度は、試験に合格するために必要な勉強時間と、ある程度の相関関係があります。

不動産系・法律系資格の難易度と勉強時間の相関表
資格名 合格率 必要な勉強時間
司法書士 約 4% 3,000時間
社労士 約 6% 1,000時間
土地家屋調査士 約 8% 1,000時間
マンション管理士 約 9% 500時間
行政書士 約10% 500時間
宅建 約 15% 300時間
管理業務主任者 約 20% 300時間
賃貸不動産経営管理士 約 30% 100時間

 このように、難易度の高い(合格率の低い)資格試験ほど、合格に必要な勉強時間も多くなっていますね。

 つまり、上述の偏差値の比較や合格率の比較と同様、土地家屋調査士試験は、高い難易度ということになります。

独学で土地家屋調査士に合格するのは難しい?

 以上のように、土地家屋調査士試験は、とても難しい試験です。この試験に、通信講座や予備校を使わずに、独学で合格することはできるのでしょうか。

独学は無理ではないが、おすすめできない

 私自身は、土地家屋調査士試験には独学の勉強で合格しました。ただし、市販の教材は非常に限られており、ネットで情報をかき集めながらの勉強は本当に苦労しました。

 ですので、独学の勉強は、あまりおススメできないというのが正直なところです。。

 それでも独学で挑戦したいという方は、土地家屋調査士の独学におすすめのテキスト・問題集のページで、独学で合格するためのテキスト等や使用方法を紹介していますので、そちらを参考にしてください。

独学で勉強しても予備校と変わらない費用がかかる危険性も・・・

 ただし、実際のところ、完全な独学で合格することは不可能に近いと考えています。

 なぜなら、作図や電卓などに関して、丁寧に解説されている市販教材がほとんど存在しないからです。

 このため、記述に関しては、最低でも予備校の単科講座の受講は必要になってくるかと思います。

 さらに、本試験レベルの問題演習の量をこなすために、答練の受講も必要になってきます。

 そうなってくると、オールインワンの通信講座や予備校に申し込むのと変わらない費用がかかってきます。。それならば、最初から予備校に申し込んだ方がいいんじゃないか、、と思えてきます。

 完全な独学からオールインワンの通信講座まで、それぞれの費用を表にまとめてみましたので、参考にしてください。

勉強法 費用
完全な独学 5万円
完全な独学+答練 10万円
半独学
(択一は独学、記述は単科講座を受講)
15万円
半独学+答練 20万円
オールインワンの通信講座 25〜30万円

土地家屋調査士の通信講座おすすめランキング

土地家屋調査士の難易度まとめ

 以上のとおり、土地家屋調査士試験の難易度について見てきました。

 最後に、ここまでの内容をまとめると、以下のようになります。

土地家屋調査士の難易度まとめ
  • 合格率は約8〜9% でかなり難しい(行政書士や宅建よりも難しい)
  • 択一・記述それぞれの基準点(約6割)をいずれもクリアした上で、合格点(約7割)の正答が必要
  • 記述式(求積・作図・申請書作成)が、がっつりと出題される
  • 偏差値は64で国家資格の中では難関レベルに位置付けられる
  • 合格するには1,000時間の勉強時間が必要
  • 勉強期間は1年半程度が一般的
  • 独学で合格するのは難しい

 土地家屋調査士試験は、国家資格としては、かなり難しい難易度の試験であり、100人中92人は落ちるという難関試験です。

 正直なところ、独学で合格するのは、かなりの困難を極めることが予想されます。

 ですので、思い切ってオールインワンの講座を受講するか、少なくとも単科講座の受講は必要になるかと思います。

 独学で合格を目指す場合は、土地家屋調査士の独学におすすめのテキスト・問題集(過去問)のページを参考にしてください。

 独学の学習が不安な方は、土地家屋調査士のおすすめ予備校・通信講座へどうぞ!

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