このページでは、土地家屋調査士試験の書式対策として、地積測量図の作図方法について解説していきます。
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土地の書式問題(地積測量図)の解き方
土地の書式問題では、まず、問題文を読んだ上で、地積測量図を作図できるところまで作図してしまってから、座標を求める方法を検討していくという流れが効率的です。
- @地積測量図の定型的な事項を記入する
- A与えられた情報で地積測量図を作図する
- B座標の求め方を検討し、座標を求める
- C地積測量図を仕上げる
地積測量図の定型的な事項を記入する
地積測量図の作図は、はじめに定型的な事項を記入してしまいます(後で記入しようとすると、忘れてしまうおそれがあるため)。
@地番 A土地の所在 B方位 C単位 D縮尺 E申請人 F作成者 G境界標の種類 H基本三角点等の名称及び座標値 を、ボールペンで記入します。(問題文の指示により、Hは省略する場合もあります)
※ 右上の「地積測量図」と記載されているところに、あらかじめ「土地所在図」とも併せて書かれている場合で、土地所在図が不要なときは、横線で消します。逆に、必要な場合は、「土地所在図兼地積測量図」となるように、「兼」の文字を追記します。
与えられた情報で地積測量図を作図する
次に、問題文に記載されている座標の情報等に基づき、地積測量図を、できるところまで作図(シャープペンで下書き)していきます。
ただし、問題のパターンによっては、作図を後にした方がよい場合もありますので、そのあたりはケースバイケースとなります。
例えば、与えられた座標値から、簡単な計算だけですべての座標値を求めることができそうな場合は、先に座標を求めてから作図することになります。
ただ、最近の試験の出題で、そのような問題が出ることはまずないと思いますので、基本的には、先に作図をする習慣をつけておいた方がよいと思います。
座標の求め方を検討し、座標を求める
そして、途中まで下書きをした地積測量図を眺めながら、座標の求め方を検討していきます。
ここで、なぜ先に作図をした方がよいかというと、作図をして初めて判明する事実があるからです。
例えば、ある直線とある直線とが直角に交わっているとか、X軸に水平な直線であるとか(これは座標値を見ただけでもわかりますが、、)、など、座標値を求めるためのヒントが隠されているからです。
地積測量図を仕上げる
そして、すべての座標値が求められたところで、地積測量図を仕上げていくことになります。
なお、座標値を求める方法については、市販の参考書や問題集に、いくらでも解説がありますので、当ページでは省略します。
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地積測量図の書き方(作図方法)
では、実際に、三角定規を使って地積測量図を作成する方法について、ご紹介したいと思います。(使用する三角定規や滑り止めの工夫、シャープペン、ボールペン等については、土地家屋調査士のおすすめ三角定規・ボールペン・三角スケール・コンパス)のページをご覧ください。)
ここでは、平成19年度の土地家屋調査士試験の土地の問題を事例として、作図していきます。(地積更正のための地積測量図です。)
筆界及び基準点は、次のとおりです。
筆界 | X座標 | Y座標 |
F | 218.55 | 215.11 |
E | 207.51 | 220.79 |
D | 205.68 | 216.45 |
C | 204.73 | 211.98 |
G | 216.88 | 208.43 |
M1 | 200.00 | 200.00 |
M2 | 206.10 | 224.47 |
(1) 基本動作
地積測量図を作成する際は、左側のLECの定規を固定し、右側の東京法経の定規を上下に動かすようにします。(LECと東京法経の組合せである必要はありませんが、私の場合、たまたまこの組合せで作図をしています。)
一旦、地積測量図の作図を始めたら、左側の固定している定規は、絶対に動かないように、気をつけておかないといけません。
また、地積測量図を作図する際は、まず、シャープペン(2H 0.3mm)で下書きをしてから、最後にボールペンで清書するという流れになります。
(2) 基準線を引く
@ 基準線を引くための準備として、定規を用紙に対して水平・垂直にするため、東京法経の定規のラインを、用紙の枠線に水平になるように合わせます。このとき、作図する座標値の最大値・最小値が収まるように見当をつけて、定規を配置するようにします。
A X軸の基準線を引きます。
B Y軸の基準線を引きます。
C 基準線に、10m単位で数値を記載します。(座標値の最大値、最小値が収まるように)
(3) 座標をプロットする
@ X座標の値を、X軸上(LECの定規上)で探し、そこにシャープペンの先を置いた状態で、東京法経の定規をそのシャープペンまでスライドさせて当てます。そして、軽く印をつけます。
A Y座標の値を、Y軸上(東京法経の定規上)で探し、マークをつけます。
これを繰り返し、すべての座標値をプロットします。
(4) 座標間を結線する
@ プロットした点と点を、順次、結んでいきます。
A 結線ができあがると、こんな感じになります。
(5) 辺長を求める
@ 地積測量図には、辺長を記載する必要がありますので、電卓で辺長を求めます。(辺長の求め方は、「T 電卓の使用方法」をご参照ください。)
なお、ここでは、便宜上、筆界の座標値を地積測量図の左側のページに鉛筆で記載していますが、これについては解答の指示に従ってください。(「省略して差し支えない」と指示がある場合は、問題用紙の余白などにメモとして書いておけばよいですし、「記載すること」と指示がある場合は、ボールペンで解答用紙に書く必要があります。)
A 電卓で求めた辺長の数値と、作図した辺長とが一致しているかどうかを、三角スケールを当てて確認します。一致していれば、その辺長を書き込みます。もしも一致しない場合は、座標値のプロットが誤っているか、電卓の計算が誤っているかのどちらかですので、再確認します。
(6) ボールペンで清書する
@ すべての辺長の記入が終われば、筆界線をボールペンで清書します。このとき、線の終点にボールペンの先を押し付けて用紙を少し凹ませてから、始点から終点に向かって線を引くようにすれば、終点の凹みでボールペンが止まり、余分な線を描かずに済みます。
A 筆界の符号、辺長、地番を、ボールペンで書き込みます。
B 最後に、シャープペンで書いた下書きの線と文字を、消しゴムで消します。この時、ボールペンが乾いていないと、せっかくの解答用紙が汚れてしまいますので、しばらく時間を置いて、乾いたことを確認してから消すようにします。これで、地積測量図の完成です。
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