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関数電卓の使い方(座標計算/カシオ)を解説します!【土地家屋調査士の書式対策】

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土地家屋調査士の関数電卓の使い方(座標計算)

関数電卓の使い方(座標計算)

 土地家屋調査士試験では、関数電卓の持ち込みが認められていますので、書式問題を解くためには、電卓を有効に活用して座標計算や面積計算をする必要があります。

 このページでは、土地家屋調査士の書式問題を解くために必要となる関数電卓(カシオ)の使い方について解説します。

※ 複素数計算は使用しません。ノーマルな計算方法で解説しますので、ご了承ください。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。宅建士、行政書士、司法書士、土地家屋調査士などの国家資格に合格し、15年以上にわたって当サイトで情報発信している。
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おすすめの関数電卓

 まずは、当ページで使用する関数電卓と、おすすめの電卓についてご紹介します。

カシオ fx-JP500

カシオ関数電卓 fx-JP500

 土地家屋調査士試験のおすすめの関数電卓は、カシオのfx-JP500という機種です。

 東京法経学院やLEC、アガルートもすべて、カシオの「fx-JP500」の使用を推奨しています。

 現在、fx-JP500は、それまでのfx-991シリーズとは一線を画す新型電卓として、土地家屋調査士の定番の電卓となっていますね。

 なお、fx-JP900という上位機種もありますが、土地家屋調査士試験では、JP500で十分です。

土地家屋調査士用の電卓 カシオ 関数電卓 fx-JP500
(高精細・日本語表示 関数・機能500以上)

サイズ: 16.7 x 8.2 x 1.8 cm
参考価格:
3,168円

当ページで使用する関数電卓(カシオ fx-991MS【絶版】)

カシオ関数電卓 fx-991MS

 当ページで使用する関数電卓は、CASIOのfx-991MSという機種です。

 現在、この機種は絶版となっていますが、基本的な操作方法は、最新の機種でも同じです。

 ただし、キーの配列や、SHIFTを押すか押さないかなど若干の違いがありますので、キーの読み替えについては、下表を参考にしてください。

fx-991MSとfx-JP500のキーの読み替え表

fx-991MS fx-JP500
RCL SHIFTRECALL
SHIFTSTO STO
SHIFTPol( SHIFTPol
SHIFTRec( SHIFTRec
Pol(Rec(の記憶先がEF PolRecの記憶先がxy
SHIFT

 また、JP500では、初期設定が分数表示になっているため、SHIFTSETUP14 と押して、少数表示に切り替える必要があります。

  こんな読み替え表を作るぐらいなら、さっさと本文を書き換えろ!と言われてしまいそうですが。。

関数電卓の使い方(座標計算/カシオ)

 それでは、実際に事例を使って、座標計算のためのカシオ関数電卓の使い方を解説していきます。

座標計算の事例

座標計算の事例

「土地」に関しては、下記の座標値を使用します。(H19 本試験問題)

筆界 X座標 Y座標
218.55 215.11
207.51 220.79
205.68 216.45
204.73 211.98
216.88 208.43

M1 200.00 200.00
M2 206.10 224.47

※ 上記の筆界の並びが、FEDCGとなっていて、CDEFGとなっていないことについては、下記の(3)をご参照ください。

(1) 2点の座標値から距離と方向角を求める

2点の座標値から、距離と方向角を求める。

 まずは、M1点とM2点の座標値が与えられた場合に、その2点間の距離と方向角を求める方法です。 

M1(200.00 , 200.00) M2(206.10 , 224.47)

 SHIFT  Pol(  206.10  -  200.00  ,  224.47  -  200.00  =

と電卓をたたくと、「25.21886001」という値が出ます。 ← M1点、M2点間の距離

 ※ この時点で、メモリーEに2点間の距離、メモリーFに2点間の方向角が記憶されています。 

 次に、メモリーFに記憶されている数値を呼び出すため、 

 RCL  F  =

とたたくと、「76.00232841」という値が出てくるので、これを60進数(度分秒)の表示に切り換えるため、

 °′″

とたたくと、「76°0°8.38」となります。 ← M1点からM2点への方向角

(2) 2点間の距離と方向角から座標値を求める

 次は、M1点の座標値は与えられているが、B点の座標値が与えられていない場合で、M1点からB点への距離と方向角が与えられているときの、B点の座標値の求め方です。 

M1(200.00 , 200.00) B(   ,   ) 

距離 11.21m 方向角 67°0′8″

 SHIFT  Rec(  11.21  ,  67  °′″  0  °′″  8  °′″  = 

とたたくと、「4.379695729」となります。 ← M1点からB点へのX座標の増分 

※ この時点で、メモリーEにX座標の増分(儿)、メモリーFにY座標の増分(兀)が記憶されています。 

 次に、M1点のX座標に、B点までの増分(儿)を加えるため、 

 +  200.00  =

とたたくと、「204.3796957」となるので、四捨五入して 「204.38」 ← B点のX座標 

 次に、メモリーFに記憶されている数値を呼び出すため、 

 RCL  F  =

とたたくと、「10.31902928」という値が出ます。 ← M1点からB点へのY座標の増分

 そして、M1点のY座標に、B点までの増分(兀)を加えるため、 

 +  200.00  =

とたたくと、「210.3190293」となるので、四捨五入して 「210.32」 ← 点BのY座標 

【注意!】 上記のRCL  F と押しただけでも、メモリーFの数値は呼び出されますが、その後、=を押さずに、その数値を次の計算に使用すると、計算結果がおかしくなってしまうので、メモリーを呼び出した後は、必ず=を押す習慣をつけておくのがよいと思います。

(3) 座標値から地積を求める

座標値から地積を求める。

 次は、多角形FEDCG の各点の座標値が求められた場合の、地積の計算方法です。

筆界 X座標 Y座標
218.55 215.11
207.51 220.79
205.68 216.45
204.73 211.98
216.88 208.43

 ここで、筆界の並びが、FEDCGとなっていて、CDEFGとなっていないのは、面積を計算するときの計算方法の違いによって、計算結果がマイナス表示となるか、プラス表示となるかの違いが出てくるためです。

 私の計算方法では、多角形の筆界を、時計回りに記載していくと、計算結果がプラス表示となるため、このようにしています。

 下表の一番右の欄の値を、上から順に算出していきます。

 218.55 (  220.79 - 208.43 M+

とたたくと、「2701.278」と表示され、独立メモリーMに記憶されます。 ←下表@の数値

以下、同様にたたいていくと、独立メモリーMに加算されていきます。

 207.51 (  216.45 - 215.11 M+ 

とたたくと、「278.0634」 ←下表Aの数値

 205.68 (  211.98 - 220.79 M+

とたたくと、「-1812.0408」 ←下表Bの数値

 204.73 (  208.43 - 216.45 M+

とたたくと、「-1641.9346」 ←下表Cの数値

 216.88 (  215.11 - 211.98 M+

とたたくと、「678.8344」 ←下表Dの数値

ここまでで、メモリーMへの加算は終わりましたので、加算の結果を呼び出します。

 RCL M+ =

とたたくと、「204.2004」 ←下表Eの数値(2A:倍面積) 

これは倍面積なので、面積を求めるため、

 ÷ 2 =

とたたくと、「102.1002」 ←下表Fの数値(A:面積) 

これが宅地であれば、地積は102.10uとなります。 

 

(4) 辺長を求める

辺長を求める。

 上述の「(1) 2点の座標値から、距離と方向角を求める。」の計算方法を活用します。 

 まず、計算を始める前に、小数点以下の桁数の設定をします(解答の指示で、「辺長は、小数点以下第3位を四捨五入する」となっている場合)。

 MODE ボタンを5回たたき、Fixの「1」をたたき、2桁の「2」をたたきます。これで、計算結果は、小数点以下第3位を四捨五入した値となります。

fx-JP500では、SHIFT→SETUP→3:表示桁数→1:Fix→2

 まず、FE間の辺長を求めてみます。F(218.55 , 215.11) E(207.51 , 220.79)
 2点間の距離と方向角を求める要領で、

 SHIFT Pol( 207.51 - 218.55 , 220.79 - 215.11 =

とたたくと、「12.42」という値が出ます。 ← FE間の距離 (少数第3位で四捨五入) 

 次に、ED間も同様に、E(207.51 , 220.79) D(205.68 , 216.45)

 SHIFT Pol( 205.68 - 207.51 , 216.45 - 220.79 =

とたたくと、「4.71」となります。← ED間の距離

 この要領で、順に求めていけばよいです。

 なお、小数点以下の桁数を元に戻すには、MODE ボタンを5回たたき、Normの「3」をたたき、「1」をたたくと、元に戻ります。(または、設定をリセットする。→ SHIFT CLR 3 =

fx-JP500では、SHIFT→SETUP→3:表示桁数→3:Norm→1

(5) 2直線の交点を求める

二直線の交点を求める

 冒頭の事例の中には書ききれませんでしたが、直線IGと直線BDという2直線があったときの、その交点の座標の求め方です。(この事例では、直線IGの延長線と、直線BDとが交わります。)

I(226.66 , 205.57) G(216.88 , 208.43)
B(204.38 , 210.32) D(205.68 , 216.45)

 直線の方程式は、Y=aX+b と表されます。 この直線の傾き「a」は、上述の「(1) 2点の座標値から、距離と方向角を求める。」の計算方法を活用して求めます。

 まず、IG間の方向角を求めるため、

 SHIFT Pol( 216.88 - 226.66 , 208.43 - 205.57 =

とたたくと、メモリーには2点間の方向角が入っているので、

 tan ALPHA F =

とたたくと、「-0.292433537」となります。 ← 直線IGの傾き「a」 

これを、メモリーAに記憶させるため、

 SHIFT STO A

とたたきます。

 次に、切片「b」を求めるため、式を変形します。 b=Y−aX
 I点でもG点でもどちらでも構いませんが、例えば、G点の座標値を代入するとして、

  208.43 - ALPHA A × 216.88 =    ※左記の×は、掛け算のカケルです。

とたたくと、「271.8529857」となります。 ← 直線IGの切片「b」 

 これを、メモリーBに記憶させるため、

 SHIFT STO B

とたたきます。 ここまでで、直線IGの方程式は、Y=AX+B となっています。

 次に、直線BDの方程式についても同様に、メモリーCD を使って、Y=CX+D となるようにします。(メモリーCには「4.715384618」、Dには、「753.4103082」が入ります。)
 この方程式の解は、

(Y=AX+B)-(Y=CX+D) 0=(A-C)X+(B-D)

で求められるので、 まず、AC を求めるため、

 ALPHA A - ALPHA C =

とたたくと、「-4.715384618」となり、これを、メモリーXに記憶させるため、

 SHIFT STO X    ※ 左記のXは、メモリーのエックスです。

とたたきます。

 次に、BD も同様にして、メモリーYに記憶させます。(「961.8403082」) 

 これで、上記(ア)の式が、0=XX+Y となったので、式を変形して、X=−Y / Xとし、

  (-) ALPHA Y ÷  ALPHA X    ※ 左記のXは、メモリーのエックスです。

 とたたくと、「204.7325326」となるので、四捨五入して、「204.73」← 交点のX座標 

 これを、Y=AX+B の式に代入すれば、 

 ALPHA A × 204.73 + ALPHA B =    ※左記の×は、掛け算のカケルです。

 「211.9830675」となり、四捨五入して、「211.98」となります。← 交点のY座標

関数電卓の使い方(床面積の求積/カシオ)の解説

関数電卓の使い方(床面積の求積)の解説

 土地の座標計算については以上です。

 次は、建物について、カシオ関数電卓の使い方を解説します。

 建物の書式問題を解く際は、土地の座標計算のような特別な電卓操作は求められませんので、床面積を求める方法のみ記載しておきます。

2つの四角形に分けて床面積を求める

2つの四角形に分けて面積を求める

上図のような場合、四角形2つに分けて面積を求めますので、

求積
 12.50×10.00=
 8.00×12.50=
として、メモリーMに加算しながら、計算をします。

 12.50 × 10.00 M+

とたたくと、「100」となるので、「100.0000」と書き込み、続いて、

 8.00 × 12.50 M+

とたたくと、「125」となるので、「125.0000」と書き込みます。そして、メモリーを呼び出すため、

 RCL M =

とたたくと、「225」と出るので、計 「225.0000」となります。

 

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