mRNA・・・起源は一本鎖プラス鎖RNAウイルス?

 

mRNA・・・起源は一本鎖プラス鎖RNAウイルス?

 

ウイルス分類・・・DNAウイルスとRNAウイルス

 

 

伝令RNAmRNA

mRNA前駆体

5' 非翻訳領域

3' 非翻訳領域

5'キャップ

poly ( A )

 

オープンリーディングフレーム

転写減衰

RNAエディティング

 

Aluエレメント

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伝令RNA(メッセンジャーRNAmRNA RNAエディティン

タンパク質に翻訳される可能性がある塩基配列情報と構造を持ったRNAです。

RNAの起源

RNAは、元々はエネルギー貯蔵庫?

 

ちなみに、ncRNAという、タンパク質に翻訳されずに機能するRNAもあります。

 

長さは、DNAに比べて短いです。

 

DNAからコピーした遺伝情報を担っており、

遺伝情報は、特定のアミノ酸に対応する、コドンという3塩基配列という形になっています。

 

mRNAは、DNAから転写された遺伝情報に従ってタンパク質を合成します。

タンパク質の起源

 

翻訳の役目を終えたmRNAは、すぐに分解されます。

 

古細菌、真正細菌では、転写されたRNAは、ほぼそのままでmRNAとして機能します。

 

一方、真核生物では、転写されたmRNA前駆体は、

いくつかの切断、修飾といったプロセシングを受けた後に、成熟mRNAになります。

 

真核生物のmRNAは、RNAポリメラーゼIIによって転写されたRNAに由来します。

 

5'末端には、m7Gキャップがあり、

3'末端は、一般にポリアデニル化されます( poly ( A ) で終了します)。

これらの構造やmRNAの塩基配列は、翻訳活性やmRNAの分解を制御する機能も持っています。

 

古細菌と真正細菌も、3'末端に短いpoly ( A ) 鎖を持ちますが、5'末端のキャップ構造は持ちません

 

poly ( A ) は、rRNAtRNAには存在しない、mRNAの特徴とされています。

 

また、mRNAを鋳型にして、DNA逆転写酵素によって合成することができ、これをcDNAといいます。

 

遺伝子発現とRNA

転写は、細胞核内で行われます。

DNAに刻まれた遺伝情報(遺伝子)は、RNA合成酵素により、mRNAに転写されます。

DNAがすべて転写されるのではなく、必要な分だけ転写されます。

遺伝情報は、mRNAの塩基によってコドンの形式でコードされ、アミノ酸に対応しています。

遺伝情報を受け継いだmRNAは、核から細胞質へ出て、リボソームに付着します。

ここで、mRNAの遺伝情報に従い、特定のタンパク質が合成されます。

 

RNA 中の翻訳領域

翻訳段階において、mRNA の情報は、一部分しか解読されません。

 

mRNA のタンパク質翻訳領域は、コーディング領域と呼ばれ、

1つのコーディング領域は、1つのタンパク質を指定しています。

 

翻訳は、開始コドンから始まり、終止コドンで終了します。

mRNA の両端には、

開始コドン上流に、5' 非翻訳領域 5' UTR )があり、

終止コドン下流に、3' 非翻訳領域 3' UTR )が存在します。

 

真核生物におけるmRNA のほとんどは、モノシストロン性mRNAで、1 つのタンパク質を翻訳する一方で、

原核生物mRNA の多くは、ポリシストロン性mRNAで、いくつかのタンパク質を翻訳します。

 

また、poly ( A ) 鎖や、5' 末端のキャップ構造を持ちながら、

コーディング領域を持たずに、ノンコーディングRNA として働くRNA もあります。

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mRNA前駆体

スプライシング等の、様々な加工を受けて成熟した mRNA になる前の RNA 分子です。

 

真核生物では、タンパク質をコードする遺伝子の多くが、イントロンを持ちます。

 

これらの遺伝子は、細胞核内でRNAに転写され、一次転写産物となります。

これは、ヘテロ核 RNA ( hnRNA ) ともいいます。

 

その後、5' 末端へメチル化された、グアノシンが付加する5'キャップ

RNAスプライシングによる、イントロンの除去

3' 末端に、多数のアデニル酸が付加する、ポリA尾部

といった修飾を経て、成熟mRNAとります。

 

このようにしてできた mRNA は、核外に輸送され、翻訳されます。

 

一方で、酵母や植物のトコンドリア葉緑体のゲノムにも、

タンパク質をコードする遺伝子に、自己スプライシングイントロンを持つものがあり、

これらの一次転写産物も、 mRNA 前駆体の一種です。

動くイントロン

ップ

 

 

5' 非翻訳領域5' UTR

成熟mRNA のコーディング領域の上流にある、タンパク質に翻訳されない領域です。

 

5' 非翻訳領域は、転写開始点から始まり、

開始コドン一つ手前の塩基で終了し、

タンパク質発現を調節する部位を含んでいます。

 

原核生物では、5' 非翻訳領域にある、シャイン・ダルガノ配列が、リボゾームと結合する部位になっています。

 

真核生物の場合、5' 端にキャップ構造の付加が、リボゾームを呼び込む働きに関わっています。

また、開始コドン近傍のコザック配列が、翻訳の開始に関与しています。

 

5' 非翻訳領域での、タンパク質発現制御部位

IRES internal ribosome entry sites )は、翻訳を開始させる機能を持ち、リボゾームを呼び込む構造を持っています。

リボスイッチによる、mRNA 自身による発現調節。

uORF Upstream open reading frame )による、翻訳活性の調節。

 

このような、非翻訳領域での遺伝子発現の調節は、

生物の代謝の調節や、細胞分化等に重要な役割を果たしていると考えられています。

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3' 非翻訳領域3' UTR

成熟mRNA のコーディング領域の下流にある、タンパク質に翻訳されない領域です。

 

3' 非翻訳領域には、mRNA の安定性やタンパク質の翻訳を調節する、標的(認識)部位が存在しています。

 

ポリアデ二レーションシグナルAAUAAA )は、

mRNA 3' 末端へのpoly ( A ) 付加のシグナルとなり、poly ( A ) 付加によって、mRNA の安定性を高めます。

 

タンパク質のmRNA 標的部位である、

adenine/uridine-rich elements AREs )や、GU-rich elements等は、

mRNA の安定性や、タンパク質の翻訳の調節に寄与しています。

 

Aluエレメントの繰り返し領域は、

mRNA 二本鎖構造を取らせ、ADAR 酵素によって、アデニンが修飾を受けやすくなり、

mRNA 細胞核に局在化させます。

 

miRNA 標的部位による、タンパク質の翻訳抑制またはmRNA の分解。

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5'キャップ(m7Gキャップ)  mRNA前駆体 

真核生物の細胞質mRNA等の5'末端に見られる修飾構造で、

成熟mRNAの安定性と、翻訳開始等に関与しています。 5' 非翻訳領域

 

ミトコンドリア葉緑体mRNAには、キャップ構造は存在しません。

 

真核生物のmRNA分子の5'末端には、

三リン酸結合を介して、グアノシンが結びついており、

他では通常みられない、5'-5'結合となっていることが特徴的です。

 

グアノシンのグアニン塩基は、

7位がメチル化されるので、7-メチルグアニル酸( m7G )キャップともいいます。

 

多細胞生物や、ある種のウイルスでは、

cap-0に加えて、mRNAの最初1つまたは2つのリボース2'位がメチル化されます。

最初1つがメチル化されているものを、cap-1

最初2つがメチル化されているものを、cap-2といいます。

 

snRNAは、特殊なキャップ構造を持っており、

SmRNAは、トリメチルグアノシンキャップ

LsmRNAは、モノメチルリン酸キャップ、となっています。

 

5'キャップの機能

核外への輸送の制御

キャップにキャップ結合複合体(CBC)が結合し、それが核膜孔複合体に認識されて、核外へと輸送されます。

 

エキソヌクレアーゼによる分解の抑制

5'キャップにより、RNA5'端の水酸基がブロックされているため、

5'3'エキソヌクレアーゼに対して抵抗性を持ちます。

加えて、キャップ結合複合体等が、5'末端を遮蔽する効果もあり、分解が抑制されます。

 

翻訳の促進

キャップ結合複合体が、翻訳開始因子に置き換わることで、翻訳の促進に関わります。

最も5'端に近いイントロンのスプライシングを促進します。

 

形成

RNAポリメラーゼII( polII )に、キャッピング酵素複合体が結合しており、

polIImRNAを転写し始めると、転写が終了するよりも前に、以下の過程を経て、キャップが付加されます。

 

RNAトリホスファターゼが、合成中のRNA5'末端にある三リン酸から、リン酸基1つを取り除きます。( 5'(ppN)[pN]n

 

mRNAグアニリル転移酵素によって、5'-5'結合が作られます。

GTPからピロリン酸が取り除かれ、RNA末端とグアノシンの間には、三リン酸結合が生じます。( 5'(Gp)(ppN)[pN]n

 

mRNAグアニンN7メチル基転移酵素によって、グアニンのN7原子がメチル化されます。

メチル基は、S-アデノシルメチオニンに由来します。( 5'(m7Gp)(ppN)[pN]ncap-0

 

場合によって、RNA末端1つまたは2つのリボースが、メチル化されます( cap-1/cap-2 )

 

RNA末端がアデニン塩基の場合は、N6原子もメチル化されます。

 

盛んに翻訳が行われているmRNAは、

翻訳開始因子がキャップを保護しているため、キャップの除去が起こりにくくなっています。

 

ただし、能動的にキャップの除去を行う、様々な機構があります。

キャップ除去酵素によって、キャップ構造が除去されると、

5'リン酸末端が生じて、エキソヌクレアーゼによる分解が可能になります。

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オープンリーディングフレーム ( ORF )

DNA またはRNA 配列をアミノ酸に翻訳した場合に、

終了コード配列(終止コドンを含まない

読み取り枠( Reading Frame )がオープンな( Open )状態にある、

(タンパク質に翻訳される可能性がある)塩基配列です。

 

ORF が長い塩基配列には、遺伝子が存在する可能性が高くなります。

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転写減衰

遺伝子発現の制御機構の一つで、

DNAから転写されるmRNAの配列が、RNAポリメラーゼの作用に干渉し、mRNA転写を中断させることで、

自分自身である、mRNAの発現が抑制される仕組みです。

 

転写のアテニュエーションともいいます。

 

原核生物である細菌で多くみられますが、真核生物でも一部でみられます。

 

転写減衰により中断しているmRNAの転写は、

調節タンパク質が、RNAポリメラーゼと干渉している配列に結合すると、転写減衰が解除されます。

そうすると、中断していたmRNAの転写は再開され、完全なRNAが生成するようになります。

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RNAエディティング

転写されたmRNAにおいて、

特定の塩基が他の塩基へと変換されたり、

ウリジン U )等の塩基の挿入・欠失が、起こったりする現象です。

 

RNAエディティングの種類

陸上植物や哺乳類でみられる、塩基変換型と、

トリパノソーマでみられる、塩基挿入欠失型が存在します。

塩基変換型

シチジン( C )とウリジン( U )の双方向の変換 (陸上植物)

アデノシン( A )からイノシン( I )への変換 (哺乳類)

 

塩基変換型における塩基の変換では、塩基の置換が起きているわけではなく、

塩基のアミノ基の付加・除去によって、塩基の変換がなされています。

 

RNAエディティングの意義として、

タンパク質の機能に必要な、アミノ酸配列の回復

ランダムにRNAエディティングを起こすことによる、進化速度の向上、

1つの遺伝子から、複数のタンパク質を合成するための機構、が提唱されています。

 

RNAエディティングの機構については、詳細不明ですが、

シス配列の認識、

mRNAの特異的な高次構造を認識、等の仮説があります。

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Alu element3' 非翻訳領域

Alu エレメントは、Alu ( Arthrobacter luteus ) 制限酵素の作用で特徴づけられる、短いDNAです。

 

Aluエレメントは、

RNAポリメラーゼIIIと、エンコードされたRNA からなる、レトロトランスポゾンSINE です。

逆転写酵素をもつ原核生物

DNA修復機構はトランスポゾン?

トランスポゾン・・・起源はDNA修復機構?

 

 

タンパク質産物をコードしておらず、複製は、LINEに依存します。The study of Alu elements thus reveals details of ancestry because individuals will only share a particular Alu element insertion if they have a common ancestor.

 

シグナル認識粒子の成分である、small cytoplasmic 7SL RNA に由来します。

7SL RNAのコピーが、Alu エレメントの前駆体となったイベントは、

超霊長類(真主齧上目の祖先のゲノムで起こりました。

 

ヒトの集団遺伝学の解明と、

ヒトの進化を含む、霊長類の進化の解明に重要です。

 

Alu エレメントは、霊長類のゲノムで大量に生じ、

ヒトゲノムで、最も豊富な転移因子です。

 

ヒトゲノム全体に散在するAluエレメントは、100万以上あり、

ヒトゲノムの約10.7%が、Alu配列からなると推定されます。

 

ほとんどのヒトAluエレメントの挿入は、

他の霊長類におけるゲノム中の対応する位置で見つけることができますが、

7,000Alu挿入は、ヒト固有です。

 

Aluエレメントは、ヒトにおける共通の変異源ですが、

変異は、しばしば非コード領域に限定されており、

変異は、個体の表現型に、ほとんど差異を引き起こさないようです。

 

Aluファミリーは、ヒトゲノムで、反復エレメントを持つファミリーです。

 

現在のAlu エレメントは、300塩基対の長さです。

 

典型的な構造は、

5' Part A- A5TACA6 - Part B - PolyA尾部 - 3'で、

Part A Part Bは、よく似たヌクレオチド配列です。

polyA尾部の長さは、Aluファミリー間で変化しています。However, less than 0.5% are polymorphic (ie they occur in more than one form or morph). [ 4 ] In 1988, Jerzy Jurka and Temple Smith discovered that Alu elements were split in two major subfamilies known as AluJ and AluS, and other Alu subfamilies were also independently discovered by several groups. [ 5 ] Later on, a sub-subfamily of AluS which included active Alu elements was given the separate name AluY.

 

Aluのサブサブファミリーの発見は、マスター/ソース遺伝子仮説を導きました。

転移因子(アクティブエレメント)と、散在する反復DNA(アクティブエレメントが変異したコピー)は、関連するようです。

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