ヒトの祖先をたどる。
ヒトは、人類の進化で述べたように、霊長目(サル目)に属します。
現生の霊長目は、主に熱帯域に生息する動物ですが、
ヒトが進化した時代は、氷河期で、氷期と間氷期を繰り返しており、環境が激変した時代です。
(尚、現在も、氷河がみられるので氷河期(の間氷期)です。)
ヒトは、霊長目の中では大型ですので、身体を維持するのに食料が大量に必要と思います・・・
ヒトの特徴である脳は、氷期の厳しい環境を生存するのに役立ったと思いますが、
本来は、非常にエネルギーを消費する器官ですので、環境が厳しく食料に乏しい時は、非常に不利です。
脳の発達は、直立二足歩行が可能になったことが大きいようですが、これも、
エネルギー効率が悪い、難産で胎児が未熟な状態で生まれる、成熟するのに時間がかかる、など環境が厳しい時には非常に不利です。
体毛の薄さは、暑さに適応的と思いますので、寒冷な時代は非常に不利ですね。
ちなみに、第二次性徴後に発達する体毛もあるので、一部は、性的成熟に関係するのかもしれません。
後、哺乳類の顔面にみられる、感覚器官としての毛「洞毛(どうもう)」が、ヒトでは完全に消失しているのはなぜでしょう・・・
以上から考えると、ヒトが進化した時代は、温暖で食料が比較的豊富にある間氷期のような気がしますが・・・
氷河期でも、熱帯やサバンナが少しは残っていたので、氷河期にも進化は可能です・・・
ベースは、間氷期にできていて、氷期の厳しい環境に鍛えられて、進化したのでしょうか・・・
ヒトが、現在まで生き残れたのは、
身体を環境に適応させる代わりに、道具を使って、環境を自分に適したものに変化させることができるようになったことが大きいように思います・・・
つまり、環境の変化に応じて、道具を変化させるだけで済むので、体を変化させるコストが減りますね。
ヒトの体は、温暖な環境に適していますので、寒冷な時に、服を着ることで耐えることができます。
また、住居(巣)を作ると、気温など、外界の変動を緩和できます。
更に、火を利用できるようになると、体を温めたり、食物摂取のレパートリーを増やしたりもできます(元々雑食でレパートリーが広いですが)。
更に、言語などによるコミュニケーションが可能であり、
長命で育児期間が長いので、子孫に、生存に重要な手段を、文化として伝えることができることも重要と考えられます。
ちなみに、FOXP2という遺伝子は、文法能力を含む言語発達との関連が示唆されています。
また、脳以外にも、肺や腸などの発達における遺伝子の発現制御に関与しているようです。
尚、FOXP3は、免疫に関係しているようです。
その他、
サル目の中で最も多産で、一個体のメスが生涯で産む子の数は最大で15人前後だそうです。
後、生殖可能な年齢を過ぎた後の生理的寿命が非常に長いです・・・おばあさん仮説、というものもあります。
さて、ヒトの祖先を、哺乳類(有胎盤類)までたどってみると・・・
霊長目(ヒト亜族を除く)
→ヒト族→ヒト亜科→ヒト科→ヒト上科→狭鼻下目→真猿下目→直鼻猿類→霊長類→
哺乳類以前は、以下の通りです。尚、更に祖先をたどっていくと、共通祖先という全生物の祖先型生命にたどり着くと思います。
ただし、遺伝子の水平伝播、という現象がありますので、特に原核生物では、注意が必要です。
哺乳類(→哺乳形類)→キノドン類→獣歯類→獣弓類→盤竜類→単弓類→有羊膜類→両生類→硬骨魚類(肉鰭綱)(→軟骨魚類?)→無顎類→
→脊索動物→左右相称動物(後口動物)→三胚葉動物→真正後生動物→ホロゾア→オピストコンタ(→ユニコンタ→アモルフェア(詳細不明))→真核生物
→共通祖先
第四紀 :〜約258万年前。更新世・完新世
新第三紀 :約258万年前から、約2300万年前。中新世・鮮新世
古第三紀 :約2300万年前から、約6500万年前。暁新世・始新世・漸新世
人類について。
ホモ属(ヒト属)は、直立二足歩行していたヒト亜族のうち、脳が発達した種を意味します。ホモ・サピエンス以外の種は全て絶滅しました。
ヒト亜族(猿人)からは、直立二足歩行が可能となりました。
ホモ属(ヒト属)
16万年前、ホモ・サピエンス・イダルトゥが、エチオピアで生息していたと考えられています。最も古い新人段階の現代人です。
25万年前、現生人類のホモ・サピエンスが現れました。
25万から40万年前、旧人段階であったホモ・サピエンス(ホモ・ヘルメイ?)は、石器技術を発達させたようです。
47万年から66万年前に、ホモ・ネアンデルターレンシスとの共通祖先(ホモ・ハイデルベルゲンシス?)から、古代型サピエンス(ホモ・ヘルメイ?)が分岐したと考えられています。
ホモ・ネアンデルターレンシスは、3万から25万年程前に生息していた、旧人です。
40万から60万年前に、ホモ・ハイデルベルゲンシスが生息していました。彼らが、現生人類の直接の祖先と考えられています。
約7万から180万年前に、ホモ・エレクトスが生息していました。
125万から180万年前の初期段階は、別の種ホモ・エルガスター、または亜種ホモ・エレクトス・エルガスター、とされることがあります。
160万から190万年前に、ホモ・ルドルフエンシスと、ホモ・ゲオルギクスが生息していました。
約140万から230万年前に、ホモ・ハビリスが南アフリカと東アフリカで生息していた、と考えられています。
ヒト亜族(猿人)
約200万年から約400万年前に、アウストラロピテクスが、アフリカで現れました。
約440万から約580万年前、アルディピテクス属(アルディピテクス・ラミドゥスとカダッバ)が現れました。
580万から610万年前のケニヤの地層から、オロリン属(オロリン・トゥゲネンシス)の化石が発見されました。
約700万年前にアフリカ中部に生息していた、サヘラントロプス(サヘラントロプス・チャデンシス)が、ヒト亜族のうち最も初期の可能性があるようです
人類以前の霊長類について。
487万年前±23万年(800万から700万年前という説もあります。)に、ヒト族から、ヒト亜族とチンパンジー亜族に分岐したと推定されています。
656万年前±26万年に、ヒト亜科から、ヒト族(チンパンジー、ヒト)とゴリラ族が分岐しました。
1300万年前に、ヒト科から、ヒト亜科(ゴリラ、チンパンジー、ヒト)と、オランウータン亜科に分岐したと推定されています。
1600万年から2000万年前に、ヒト上科から、ヒト科(オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ヒト)と、テナガザル科に分岐したと推定されています。
2200万年前、東アフリカの樹上生活に適応した初期の狭鼻猿類が、その後の多様化のきっかけとなりました。
2400万年から2800万年前に、狭鼻下目が、ヒト上科(テナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ヒト)と、オナガザル上科に分岐したと推定されています。
3000万年から4000万年前に、真猿下目から、狭鼻下目(オナガザル、テナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ヒト)と、広鼻下目に分岐したと推定されています。
3400万年前、新生代後期氷河時代に入りました。この時、アフリカと南アジア以外の霊長類は絶滅しましたが、生き残った集団は、現生の全霊長類の祖先となりました。
(年代は不明)直鼻猿亜目は、真猿下目(オナガザル、テナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ヒトと、広鼻下目)と、メガネザル下目に分岐します。
約6300万年前に、寒冷化による森林の減少で北アメリカの霊長類は絶滅し、旧世界を舞台に霊長類の進化が進み、
直鼻猿亜目と、曲鼻猿亜目(キツネザル等)の分岐が起こったと考えられています。
直鼻猿類は、オモミス類から、
曲鼻猿類は、アダピス類から、進化したと考えられています。
オモミス類とアダピス類は、北アメリカとヨーロッパに生息していました。
約6500万年前、白亜紀末期頃に、霊長類(サル目)の進化が始まったと考えられています。
霊長類の最古の化石は、白亜紀末期の北アメリカ西部から発見された、プレシアダピス類とされます。
霊長類以前についてです。
霊長類は、真主獣類(霊長類、ツパイ類、ヒヨケザル類)に属します。
真主獣類は、真主齧類(真主獣類と、グリレス類(ネズミとウサギ)に属します。
真主齧類は、北方真獣類(真主齧類と、ローラシア獣類(モグラやコウモリ、牛、クジラ、馬、犬))に属します。
北方真獣類は、哺乳類の有胎盤類(北方真獣類、アフリカ獣類、異節類)に属します。
諸説ありますが、以上が、いわゆる人類です。
ホモ属 霊長目
現生人類(ホモ・サピエンス)のみで、
他(ホモ・エルガステル、ホモ・エレクトスなど)は、約1万年前から7万年前に起こった、最終氷期(ヴュルム氷期)頃には絶滅しました。
火山噴火(トバ山噴火等)による気候変動(寒冷化)による、という説などもあります。
現在、人類の総人口は70億人を超えていますが、当時は現生人類も激減したようです。
人類の遺伝的多様性は、他の種に比べると非常に小さいそうですが、
これは、現世人類が極めて少ない人口(1000組から1万組ほどの夫婦)から進化したことによる、ボトルネック効果、と考えられています。
16万年前、ホモ・サピエンス・イダルトゥが、エチオピアで生息していたと考えられています。
亜種として扱われていますが、解剖学的には現代人であり、最も古い新人段階の現代人です。
彼らの直接の子孫がネグロイドであり、モンゴロイド・コーカソイドはネアンデルターレンシスとの混血種、という説があります。
25万年前、現生人類のホモ・サピエンスが現れました。
現生人類とイダルトゥには、亜種レベルの相違があるとみなして、亜種ホモ・サピエンス・サピエンスとすることもあります。
25万から40万年前、中期更新世の第二間氷期までの間に、旧人段階であったホモ・サピエンス(ホモ・ヘルメイ?)は、石器技術を発達させたようです。
ホモ・ヘルメイは、ホモ・ハイデルベルゲンシスから進化した人類ですが、ホモ・ハイデルベルゲンシスに含む、という説もあります。
また、進化段階が原人であるホモ・ハイデルベルゲンシスから旧人に進化したホモ・サピエンス、
または原サピエンスへの移行型人類、として別種に扱うこともあります。
47万年から66万年前に、ホモ・ネアンデルターレンシスとの共通祖先(ホモ・ハイデルベルゲンシス?)から、
古代型サピエンス(ホモ・ヘルメイ?)が分岐したと考えられています。
ホモ・ネアンデルターレンシスは、3万から25万年程前に生息していた、旧人です。
男性の身長は約165cmで、体重は80kg以上と推定されています。
脳容量は現生人類より大きく、男性の平均が1600 ccです。(現代人男性の平均は1450 cc)。
特徴的な石器類や、洞窟内で火を利用していたようです。
彼らは、現生人類の直接の祖先とは違うようですが、現生人類との間に、混血の痕跡があるとする説もあります。
40万から60万年前に、ホモ・ハイデルベルゲンシスが生息していました。
彼らが、現生人類の直接の祖先と考えられています。
大柄で、大人の男性では身長1.8m、体重100kgです。
ホモ・エレクトスに比べ脳容量が大きく(1100cc から 1400cc)、より人間的な行動をとることができたようです。
約7万から180万年前に、ホモ・エレクトスが生息していました。
125万から180万年前の初期の段階は、別の種ホモ・エルガスター、または亜種ホモ・エレクトス・エルガスター、とされることがあります。
ホモ・エレクトスは、直立二足歩行をしていた事が明らかな最初の人類(原人)です。
直立二足歩行は、しっかりはまる膝蓋骨と、大後頭孔の位置の変化によって可能になったようです。
加えて、肉を調理するために火を使った可能性があります。
脳容量は950 ccから1100 ccで、現生人類の75%程度です。
ホモ・エレクトスが、アフリカから他の地域へ移住した間に、アフリカで種分化が起きたことで、エレクトスからホモ・サピエンスが分かれたようです。
その後、アフリカとアジア、ヨーロッパで、エレクトスがホモ・サピエンスに入れ替わった、という説があります。(アフリカ単一起源説)
尚、北京原人もホモ・エレクトスですが、現生人類の直接の祖先ではありません。
160万から190万年前に、ホモ・ルドルフエンシスと、ホモ・ゲオルギクスが生息していました。
ホモ・ルドルフエンシスは、ケニヤで発見されました。ホモ・ハビリスの一種である可能性がありますが、詳細は不明です。
ホモ・ゲオルギクスは、グルジアで発見されました。ホモ・ハビリスとホモ・エレクトスの中間か、ホモ・エレクトスの亜種と考えられています。
約140万から230万年前に、ホモ・ハビリスが南アフリカと東アフリカで生息していた、と考えられています。
彼らは、ヒト属の最初の種と考えられています。
身長は130cmで、長い腕を持っていました。 霊長目
約200万から250万年前に、アウストラロピテクスの一つから分化したと考えられています。
ホモ・ハビリスは、アウストラロピテクスよりも小さな臼歯と大きな脳を持っており、石と動物の骨から道具を製造したと考えられています。
487万年前±23万年(700万から800万年前に分岐したという説もあります。)に、ヒト亜族は、ヒト族からチンパンジー亜族と分岐したと推定されています。
ヒトのDNAはチンパンジーのDNAと98.4%同一です。
ヒト亜族になると直立二足歩行が可能となりました。
約200万年から約400万年前に、アウストラロピテクスが、アフリカで現れました。
アウストラロピテクスは、いわゆる華奢型の猿人で、身長は120 cmから140cm、脳容積は500cc程度(現生人類の約35%)であり、
チンパンジーとほとんど変わりませんが、骨格から直立二足歩行を行っていたと考えられています。
アウストラロピテクス属から、ホモ属(ホモ・ハビリスなど)と、パラントロプスに進化したと考えられています。
パラントロプスは、体長は130 cmから140cmで、アウストラロピテクスよりひと回り大きいです。
硬い植物性の食物などを常食としていたようですが、約100万年前に絶滅しました。
約240万から330万年前にA.アフリカヌス、
約300万から390万年前にA.アファレンシス、
約390万から440万年前にA.アナメンシス、が現れました。
約440万から約580万年前、アルディピテクス属が現れました。
アルディピテクスは、エチオピアに生息していた原始的な猿人の一種で、アルディピテクス・ラミドゥスと、カダッバの2種からなります。
約440万年前に、アルディピテクス・ラミドゥス(ラミドゥス猿人)が、生息していました。
以後の猿人と違い、まだ足の指が手の指の様に物をつかめる構造になっていました。
直立二足歩行を行うことはできていたようです。
約520万から580万年前に、アルディピテクス・カダッバ(カダバ猿人)が、生息していました。
580万から610万年前のケニヤの地層から、オロリン属(オロリン・トゥゲネンシス)という化石が発見されました。
オロリン属は、森林に住んでいた可能性があるようです。
約700万年前にアフリカ中部に生息していた、サヘラントロプス(サヘラントロプス・チャデンシス)が、ヒト亜族のうち最も初期の可能性があるようです
身長は約150cmで、脳の容積は約350ccと推定されています。
尚、オロリン属とサヘラントロプス属は、ヒト属とチンパンジー属(ヒト族)の共通の祖先、という説もあります。
ヒト亜族を除く、霊長目(サル目)について。
→ヒト族(ヒト亜族とチンパンジー亜族)→ヒト亜科(ヒト族とゴリラ)→ヒト科(ヒト亜科とオランウータン)→
ヒト上科(ヒト科とテナガザル)→狭鼻下目(ヒト上科とオナガザル上科)→真猿下目(狭鼻下目と広鼻下目(クモザルなど))→直鼻猿類(真猿下目とメガネザル下目)→
霊長類(オモミス類(直鼻猿類の祖先)とアダピス類(曲鼻猿類(キツネザルなど)の祖先))→
霊長目は、約220種が現生し、主に熱帯域に生息する動物です。
東アジアには温帯域まで分布する種があり、最も北に分布するサルは、ニホンザルです。
狭鼻猿類は、アジア・アフリカの熱帯域から温帯域の一部、
広鼻猿類は、中南米の熱帯、
メガネザル類と曲鼻猿亜目は、アジア・アフリカの熱帯域、に分布しています。
ヨーロッパにはほとんど生息せず、北アメリカには分布しません。
体重100g以下のコビトガラコから、200kgを超すゴリラまで、多様な種があります。
曲鼻猿類は、キツネザル類を除けばほぼ夜行性ですが、
直鼻猿類は、メガネザル類とヨザル類を除いて、昼行性です。
樹上性のものが多く、地上性のものはそこから派生したと考えられています。
食性も、昆虫食、果実食、草食など、多岐にわたります。
特徴
5本の指をもち、親指が他の4本と多少とも対向しているため、物をつかむことができます。
指の爪は、ヒトを含めた狭鼻下目では、平爪です。曲鼻猿亜目と広鼻下目の一部では、平爪の他に鉤爪をもつ種もあります。
両目が顔の正面に位置しており、遠近感をとらえる能力に優れています。
これらの特徴は、樹上生活において、正確に枝から枝に飛び移るために不可欠な能力です。
平爪は、鉤爪を用いる代わりに、指で樹につかまるためのものですが、それが指先の器用さにもつながっています。
狭鼻下目は、3色型色覚を有し、緑色の葉の間から、様々な色をした果実などを見つけるのに有利とされます・・・尚、雑食のものも多いです。
その他の霊長類は、特にオスで2色型色覚にとどまっている種が大半です。
また、大脳がよく発達し、個体間で、表情や声によって情報交換をするものが多いです。
脳容積は、チンパンジーで、約400mL(体長、オス85cm)、ホモ・ハビリスで640mL(ヒト属最初の種。身長、130cm)、
ホモ・サピエンス(現生人類。体長、オス160-180cm)で1350mLです。
ただし、体が大きいと脳も大きくなると思います。(ゴリラ(体長、オス170-180cm)は、約500mLとチンパンジーより大きいです。)
656万年前±26万年に、ヒト族は、ヒト亜科から、ゴリラ族と分かれたと、推定されています。
ヒト族には、ヒト亜族とチンパンジー亜族があり、現生はヒト、チンパンジー、ボノボの三種のみです。
人類とチンパンジーの共通の祖先は、プロコンスルと考えられており、外見上、尾を持たないという共通点が見られます。
(オロリン属とサヘラントロプス属(ヒト亜族)という説もあります)
プロコンスルは、東アフリカの中新世中期初頭の地層(ヴィクトリア湖。2300万年から1700万年前)から化石が発見されました。
アフリカヌス、ニャンゼ、マジョール、の3種があります。
アフリカヌスの身長は約70cm、体重は約10Kgで、チンパンジーよりやや小さく、樹上生活をしていたとされます。
アフリカに生息します。
体長、オス85cm、メス77.5cm。
体重、オス40-60kg、メス32-47kg。
脳容積は、397 mL前後です。
昼行性で、地上では、前肢の指関節外側を接地して四足歩行(ナックルウォーク)します。夜は樹上で休みます。
雑食で、母子間では食物分配がよく見られます。肉食の際には大人同士でも分配されることが多いです。
胎生で、生後8-11年で性成熟し、生後14-15年で初産を迎えます。
寿命は50年と考えられ、57年の飼育記録もあります。
複数頭の異性が含まれる20-100頭ほどの群れ(コミュニティ)を形成して生活しますが、
普段は、主に母子関係やオス間の同盟を元に構成される小さい集団(パーティ)に分かれて遊動します(頻繁に「離散集合」を繰り返します)。
群れ内の個体間には順位差があり、オス間には順位を巡った争いがあります。
オスは産まれた群れに一生留まりますが、
性成熟したメスは、産まれた群れを離れて別の群れに移籍することが多いです。
群れ間の関係は敵対的で、集団で他の群れの行動圏にのりこみ、殺し合いになることもあります。
チンパンジーには笑いがあり、くすぐったり、追いかけ合ったりして笑い声を出します。
蟻塚に棒を差込み、シロアリを捕食するなど、様々な用途で道具を使います。
道具使用や挨拶行動を含め、様々な文化的行動が報告されています。
ここでの「文化」の定義は、ある行動レパートリーが集団の多くのメンバーによって共有され、世代から世代へと社会的に情報が伝達される現象、です。
チンパンジー属に分類され、コンゴ民主共和国中西部固有種です。
昼行性で、低地にある熱帯雨林に生息します。
樹上棲ですが、ナックルウォークをすることもあります。
チンパンジーよりも直立二足歩行が得意で、食物を運ぶ時などに数十m、二足で歩くことがあります。
体長オス73-83cm、メス70-76cm。
体重オス39kg、メス31kg。
雑食。
授乳期間は4年で、赤ん坊は、か細く、頼りない状態が長く続きます。
生後8-11年で思春期を迎え、生後14年で初産を迎えます。
寿命は40年。
複数頭の異性が含まれる50-120頭の群れを形成して生活しますが、6-15頭の群れに分散することが多いです。
チンパンジーとは異なり、ボノボ同士の闘争はほとんど観察されていません。
知性はチンパンジーよりも高いと考えられていますが、野生での道具使用は報告されていません。
しかし、英語を理解するものも確認されており、
以下の事を自ら、または人間に声のみによる指示を受けて行うことができるようです。
薪を集め、マッチで火をつけ、たき火をする。
そのたき火でマシュマロを焼く。
特殊なキーボードを使い、人間と会話する。
複雑なルールを正確に理解し、パックマン(ゲーム)で遊ぶ。など。
1300万年前、ヒト亜科は、ヒト科から、オランウータン亜科と分岐したと推定されています。
ヒト亜科には、ヒト族と、ゴリラ族があります。
アフリカの多湿林に生息します。
昼行性で、地表で生活します。
体長オス170-180cm、メス150-160cm。
体重オス150-180kg、メス80-100kg。出産直後の幼獣は体重1.8kg。
植物食傾向の強い雑食です。
ナックルウォークをします。
胎生で、交尾は一年を通じて行われ、発情期による「交尾の季節」は存在しません。
妊娠期間は平均256日、出産間隔は3-4年。
寿命は40-50年で、53年の飼育記録があります。
1頭のオスと複数頭のメスからなる約10頭の群れを形成します。
マウンテンゴリラでは、息子が成長しても群れに残って複雄群となることもあります。
群れ同士は敵対的ですが、縄張りを持たず、お互い避け合います。
交尾の時期を除けば、温和で繊細な性質です。
群れの間では多様な音声を用いたコミュニケーションを行い、餌を食べる時などに鼻歌のような声を出しているのが確認されています。
1600万年から2000万年前に、ヒト科は、ヒト上科から、テナガザル科と分岐したと推定されています。
ヒト科には、ヒト亜科とオランウータンがあります。
インドネシア(スマトラ島北部、ボルネオ島)、マレーシア(ボルネオ島)など、アジアの熱帯のみに生息します。
低地の熱帯雨林で、樹上生活をします。世界最大の樹上動物です。
体長オス97cm、メス78cm。
体重オス60-90kg、メス40-50kg。
腕の長さは脚の2倍です。
指とつま先が曲がっていて、枝を上手につかむことができます。
地面を歩く時は、ナックルウォークをしません。
雑食。
食物を効率的に探すルートをとることから季節、食樹の位置を把握しているようです。
樹洞にたまった水を手ですくって飲むことができます。
妊娠期間は260-270日。1回に1頭生まれます。出産間隔は通常6年で、短くても3年です。
授乳期間は3年、幼獣は母親と4-5年は一緒に生活します。
生後3-7年で母親から離れて行動し始めるようになり、
生後5-10年で、思春期を迎えたり、母親が次の幼獣を産んだりすることがきっかけで独立することが多いです。
メスは生後12年で初産を迎えます。
寿命は30年ですが、50年生存した個体もいます。
飼育下では、道具を使用します。
スマトラ島では、枝を木の洞に差し込んで、アリやシロアリなどを釣って食べます。
ボルネオ島では、道具使用の報告はほとんどありません。
群れを作らず単独で生活しますが、
採食の際に1つの樹木に複数個体が集まることもあり、幼獣や若齢個体では集団で遊ぶ、ペアで行動する、子連れの母親の後をつけることもあります。
オスは大きな叫び声を上げ、縄張りの主張やメスへの求愛の役割があると考えられています。
大人のオスは、社会的地位に応じて、形態を大きく変えるという生態を持ちます。
オスの顔の両脇にあるでっぱりは、フランジといいます。これは強いオスのしるしで、弱いオスではフランジが大きくなりません。
またオス間の関係では、フランジをもつオス同士は非常に敵対的で、時には殺し合いに発展するような激しい闘争を行います。
一方、フランジのオスは、アンフランジに対しては非常に寛容で、同じ木で一緒に採食することもあります。
アンフランジ同士の間にも、敵対的な関係はほとんどみられません。
2400万年から2800万年前に、ヒト上科は、狭鼻下目から、オナガザル上科と分岐したと推定されています。
ヒト上科には、ヒト科とテナガザルがあります。
テナガザルを含めた現生類人猿では尾は失われています。
インド東端を西限、中国最南端を北限としますが、千年ほど前には黄河以北にも生息していたようです。
東南アジア地域では熱帯雨林、
アジア本土では半落葉性モンスーン林、
で樹上生活します。
ほとんどの種では頭胴長 45-65 cm、体重 5.5-6.7 kgですが、
フクロテナガザルは、頭胴長 75-90 cm、体重約10.5 kgです。
1夫1妻で、子供を含めた4頭程度の群れを形成しています。
2-3年ごとに1頭の子供を産みます。
生後6年目ぐらいに性成熟、
8年目までには社会的にも成熟します。
テナガザルは、歌を歌うことでき、歌で家族間の絆を深めたり、他の群れに対してなわばりを主張したりする、ようです。
3000万年から4000万年前に、狭鼻下目は、真猿下目から、広鼻下目(新世界サル)と分岐したと推定されています。
狭鼻下目には、ヒト上科とオナガザル上科があります。
3400万年前、新生代後期氷河時代に入り、気候が不安定になりました。
この時、アフリカと南アジア以外の霊長類は絶滅しましたが、生き残った集団は、現生の全霊長類の祖先となりました。
アジア南部とアフリカ(旧世界)に分布しており、旧世界ザルともいいます。
長い尾をもつことが特徴ですが、ニホンザル等、二次的に尾が退化したものもあります。
また、広鼻下目(新世界ザル)のように、5番目の手足として尾で体重を支えることなどはできません。
オナガザル亜科
マントヒヒ、ニホンザルなどが属します。
多くは母系社会を構成しており、オスは一定の年齢に達すると群れを離れます。
ただし、マントヒヒはオスを中心としたハーレムを形成しています。
ヒトと同じ32本の歯をもちます。
頬袋をもちます。
手足共に親指が他の指と対向することができ、ものをつかむ他、毛づくろい等、社会的行動にも役立っています。
オナガザル科マカク属に分類され、ヒトを除いた全世界の霊長類の中で、最も高緯度に生息しています。
昼行性で、常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息します。
体長47-60cm。
尾長オス7-11cm、メス6-11cmで、尾が短いです。
体重オス6-18kg、メス6-14kg。
植物食傾向の強い雑食です。
胎生で、主に秋季から冬季にかけて交尾を行います。
妊娠期間は161-186日で、春季から夏季に1回に1頭の幼獣を、2-3年に1回産みます。
授乳期間は11-18か月。
メスは生後5-7年で性成熟します。
野生下での寿命は、25年以下ですが、30年以上の生存が推定されているものもあります。
複数の異性が含まれる十数頭から100頭以上の群れを形成して生活します。
群れは母系集団で、オスは生後3-8年で産まれた群れから独立し、近くにある別の群れに入ったりすると推定されています。
文化的行動を認めます。
「餌を海水に浸す」という文化は、若いメスザルにより始まりましたが、
文化の伝播は、序列に従い、まず若いオスザル、次に年取ったメスザル、最後にボスザルが真似をするようです。
ボスは権威を維持するために、若いメスザルによって発祥した文化を容易に模倣することが出来ない、とされます。
ニホンザルの社会の仕組みについて。
群れを構成するのは成体のオスとメス、及び子供と若者ですが、オスは、離れザルとなることがあります。
群れの個体は、力の強弱による順位があります。
順位が高いものに対しては尻を向け、上位者がその後ろから乗りかかる「マウンティング」という行動があり、これによって順位が確かめられると同時に、争いが回避されます。
リーダーは、大人オスの1 - 数頭で、群れの中央に位置し、その周囲にメスと赤ん坊、その外に若者オスが位置します。
オスがリーダーとなり群れの中央に入るためには、メスグループの了承が必要です。
メスは、終生群れの中央にいます。順位はありますが、はっきりとした階級はありません。
しかし、白山にすむ野生群などでは、ボスザルの存在は認められず、群れは仲間意識によって支えられた集団である、という説もあります(伊沢ら)。
コロブス亜科
テングザル(体長約65cm。カリマンタンに生息・植物食)、
ハヌマンラングール(体長約70cm。インド、スリランカに生息)、などが属します。
頬袋がなく、親指が退化しています。
真猿下目は、直鼻猿類から、メガネザル下目と分岐したと推定されています。
真猿下目には、狭鼻下目と広鼻下目があります。
南米に生息するため、「新世界ザル」ともいいます。
クモザル、マーモセットなど、約50種が現生します。
3000-4000万年前、南米大陸は、海によって周囲から隔絶された島大陸でした。
当時、北米大陸でサル類が既に絶滅していたため、南米の新世界ザルの祖先は、アフリカ大陸から大西洋経由で南米大陸に渡って来たとの説が有力ですが、
北米のサル類が絶滅する直前に南米に渡ってきて、進化した可能性もあります。
尚、当時大西洋は、現在より狭かったようですが・・・新世界ザルの祖先は泳ぐのが上手だったのでしょうか?
広鼻下目(新世界ザル)は、狭鼻下目(旧世界ザル)とは独立して進化しましたが、両者には社会構造や習性などに共通点が見られます。
これは平行進化によるものです。
狭鼻下目(旧世界ザル)と、広鼻下目(新世界ザル)のホエザルは、3色型色覚を再獲得しています。
(ほとんどの哺乳類は2色型色覚です。また、ほとんどの広鼻下目は、メスのみが3色型色覚です。)
旧世界ザルのフクロテナガザルと、新世界ザルのホエザルは、発声器官が発達し、非常に大きな声を発します。
旧世界ザルのチンパンジー・(ヒト)と、新世界ザルのオマキザルは、知能が非常に発達しており、道具を使用します。
約6300万年前に、霊長類は、直鼻猿亜目と、曲鼻猿亜目との分岐が起こったと考えられています。
直鼻猿亜目には、真猿下目とメガネザル下目があります。
東南アジアの島嶼部(とうしょぶ)に生息します。
夜行性で、樹上で生活します。
主に昆虫や小型の脊椎動物を捕食します。
体重100g程度の小型の霊長類です。
体の割に大きな眼を持ち、眼球1つの重さは3gと、脳の重さとほぼ同じです。
この大きな眼は夜行性に適したもので、夜行性の哺乳類に存在するタペータム(網膜裏側の反射膜)を持たないためとされます。
これは、彼らがかつて一時期昼行性となったために、不要となったタペータムを失い、その後再び夜行性へと戻った際にそれを再生できなかった、という説があります。
後肢が長く、跳躍が得意で、枝から枝に跳び移ることができます。跳躍の距離は体長の25倍もあります。
手足の指は長く、それぞれの指先には鋭い爪と、肉趾(にくし)という円盤状のふくらみがあり、枝からぶら下がることに役立ちます。
尾は体より長く、ほとんど毛がありません。
一年中繁殖可能であり、妊娠期間は約180日、1子を出産します。
子供は体毛が生えそろった状態で生まれ、すぐに自力で枝にしがみつくことができます。
群れを作らず、単独で生活します。
約6500万年前、白亜紀末期頃に霊長類の進化が始まったと考えられています。
霊長類の最古の化石は、白亜紀末期の北アメリカ西部から発見されており、プレシアダピス類といいます。
(ただし、直接の祖先ではなく近縁という説もあり、偽霊長類ともいいます。真主獣類に分類されています。)
プレシアダピス類は、樹上生活をしており、リスぐらいの大きさで、長い尾と物をつかむことができる手を持ち、葉や果実を食べていたと考えられています。
つまり、霊長類は、北アメリカで誕生し、新生代の暁新世と始新世の温暖な時代に、ユーラシアとアフリカに広まっていったようです。
暁新世になると、霊長類は、オモミス類とアダピス類が登場し、約6300万年前に、
オモミス類は、後の直鼻猿類に、
アダピス類は、曲鼻猿類(マダガスカルのキツネザル、東南アジアのロリス、アフリカのガラゴ)に、
進化したと考えられています。
オモミス類とアダピス類は、北アメリカとヨーロッパに生息していましたが、
北アメリカの霊長類は、寒冷化による森林の減少で絶滅し、旧世界を舞台に霊長類の進化が進みました。
キツネザル、アイアイ、ロリス、などが属します。
霊長類の中では、原始的なグループです。
キツネザル・アイアイは、マダガスカル島と周辺の島々にのみ生息します。
ロリスは、サハラ以南のアフリカ、インド、スリランカ、および東南アジアに生息します。
夜行性動物特有の特徴をもちます。
タペータムという網膜裏側の反射膜があり、弱い光でも感知できます。
鼻が湿っていて嗅覚が優れています。
形態的には、
顔面に眼が正面を向いて並びますが、口先がとがる、
ほとんどの指が平爪ですが、鉤爪が混在するなど、
サルの特徴と、サルになりきれない部分とが混在します。
マダガスカルに生息します。
夜行性で、湿潤林や竹林、マングローブ林などで生活します。
体長36-44cm。
尾長44-53cm。
体重2-3kg。出産直後の幼獣は体重0.1kg。
歯列は計18本。グリレス類のように、門歯は伸び続けます。
指は細長く、第1指(親指)は平爪ですが、第2-5指は鉤爪です。
雑食。
胎生で、妊娠期間は158日、または170-172日という説があります。
10-11月に1回に1頭の幼獣を2-3年に1回だけ産みます。
授乳期間は7か月。
オスは生後1年、メスは生後2年で性成熟します。
最高寿命は23年。
オスは同性間で優劣の関係があると考えられています。メス同士では激しく争います。
キツネザル科に属し、頭胴長1.5m、頭骨長30cmもあった、大型のサルです。
2000年ほど前に絶滅しました。
一般的なキツネザルと異なり、四肢がそれほど長くなく、尾が極端に短かったようです。
霊長類、プレシアダピス類(絶滅)に加えて、ツパイ類、ヒヨケザル類が含まれます。
東南アジアの熱帯雨林に生息します。
樹上性で、脳や目が大きい点でサル目に似た外観をしていますが、サル目に比べ原始的な頭骨をしています。
その形質は、非常に原始的な哺乳類の特徴をよく残したものとされています。
東南アジアの熱帯地方に生息します。
樹上で生活し、体長約35-40cm、体重1-2kg。
頭部は小さく、両目が顔の正面に位置しており、遠近感をとらえる能力に優れています。
最大の特徴は、飛膜をもつことで、100m以上滑空し、森林の樹から樹へと移動します。
真主獣類に加えて、グリレス類(ネズミ目とウサギ目)が含まれます。
約8500–9500万年前の白亜紀に、北方真獣類から、ローラシア獣上目と分かれたようです。
真主齧類に加えて、ローラシア獣類(モグラやコウモリ、牛、クジラ、馬、犬)が含まれます。
哺乳類の有胎盤類
北方真獣類に加えて、アフリカ獣類、異節類が含まれます。全部で18目あります。
完新世: 約1万年前〜
最終氷期終了後から現在までの期間です。後氷期ともいいます。
更新世: 約1万年前から約258万年前までの、約257万年。
ほとんどが氷河期で、氷期と間氷期を繰り返し、総計15回の氷期がありました。
主な要因は、地球の回転軌道の変化で生じる、太陽放射量の周期的な変動のようです(ミランコヴィッチ周期)。
氷河期(年代は1000年BP。過去約60万年)。尚、BP 0は、1950年です。
後氷期 :間氷期 15–
ヴュルム 氷期 : 15– 70 。5.5万年。
間氷期 : 70–130 。6万年。
リス 氷期 :130–180 。5万年。
間氷期 :180–230 。5万年。
ミンデル 氷期 :230–300 。7万年。
間氷期 :300–330 。3万年。
ギュンツ 氷期 :330–470 。14万年。
間氷期 :470–540 。7万年。
ドナウII 氷期 :540–550 。1万年。
間氷期 :550–585 。3.5万年。
ドナウI 氷期 :585–600。1.5万年。
ヴュルム氷期は、最終氷期といわれ、2〜1.8万年前が、最寒冷期でした。
新第三紀: 約258万年前から、約2300万年前までの、約2000万年。
鮮新世: 約258万年前から約500万年前までの、約242万年。
気候は寒冷化しており、南極大陸はさらに氷床を拡大しました。
北半球での氷床の発達も始まりました。
中新世: 約500万年前から約2,300万年前までの、約1800万年。
新第三紀以降から現在までの期間では、最も気温が高い時代です。
2200万年前、東アフリカに生息した初期の狭鼻猿類は、その後の多様化のきっかけとなりました。
一般的に温暖でしたが、寒冷化が徐々に進行しました。
約1200万年前、更に寒冷化が進行し、中新世の終わりには、氷床が大陸のほとんどを覆うようになりました。
古第三紀: 約2300万年前から、約6500万年前までの、約4200万年。
漸新世: 約2,300万年前から約3,400万年前までの、約1100万年。
3400万年前に、最初の南極の氷が形成され、新生代後期氷河時代に入り、気候が不安定になりました
この時、アフリカと南アジア以外の霊長類は絶滅しましたが、生き残った集団は、現生の全霊長類の祖先となりました。
中期以降は、温暖で安定した気候になりました。
始新世: 約3,400万年前から約5,600万年前までの、約2200万年。
新生代では最も高温の時代で、湿度も高かったです。
始新世の初期に、現存哺乳類のほとんどの目が出現しました。
始新世末から、一時的に気温が急に低下しました。
暁新世は、約5,600万年前から約6,600万年前までの、約1000万年。
白亜紀末に引き続き、気候はやや不安定でしたが、気温は高めで、湿度も高かったようです。
北極・南極とも温暖で、氷河の形跡はありません。
新生代の始まりであるK-T境界に、恐竜など大型爬虫類の多くが絶滅しました。
絶滅した恐竜のニッチを埋めるように、哺乳類が陸上で放散進化を行いましたが、まだ原始的で小型のものが多かったです。