中生代

 

 中生代(ちゅうせいだい)は、約25000万年前から約6500万年前までの、約18500万年続いた地質時代です。

 三畳紀(さんじょうき)、ジュラ紀(ジュラき)、白亜紀(はくあき)に区分され、恐竜が繁栄した時期です。三畳紀末と白亜紀末に、生物の大絶滅がみられました。

 

 三畳紀は、約25100万年前から約19960万年前までの、約5100万年続いた地質時代です。

 古生代最後のペルム紀末には、地球史上最大の大量絶滅がありました(ペルム紀末の大量絶滅)。

 三畳紀には北極から南極にまで広がるパンゲア大陸という超大陸が形成されました。

内陸部には平野が広がり、乾燥気候の影響で砂漠化の進行が著しかったようです。

パンゲア大陸の周囲には、パンサラッサという海洋があり、大陸の東側にはテチス海という湾状の海が広がり、一部は珊瑚礁になっていたと考えられています。

 

 古生代終期に寒冷化した気候は、三畳紀を通じて気温は徐々に上昇していったようです。

ペルム紀に30%もあった酸素濃度はP-T境界で10%程度まで低下しました。

三畳紀に入り、酸素濃度は一時回復しましたが、三畳紀の終わりから再び減少し、

ジュラ紀末頃までの約1億年間、酸素濃度が13-15%(現在の60-70%)しかない低酸素状態が続いたとされています。

 

 三畳紀の生物についてですが、以降は、主に陸上の生物について記述します。海の生物は省略します。

 植物は、シダ植物や裸子植物が繁栄しました。湿地帯では、石炭紀に現れた古代リンボクがみられ、シダやトクサも繁栄していました。

また、マツやスギの遠祖となる針葉樹や、イチョウやソテツ類も出現しました。

 動物は、ペルム紀において、主竜類等の爬虫類は、すでに陸上生活に適したものも増加していましたが、三畳紀には体が大きなものも出現して繁栄しました。

爬虫類は、完全な肺呼吸を行い、種類によっては皮膚をウロコでおおうことによって乾燥した陸地への生活に適応していきました。

 三畳紀中期には、主竜類の中からエオラプトルやヘレラサウルスなどの恐竜が出現しました。

この時代の恐竜(初期恐竜)は、陸生脊椎動物の中で特に大型というわけではなく、初期恐竜以外の爬虫類の中には、恐竜よりもはるかに大きく個体数が多い種もあったようです。

 三畳紀には、単弓類から最初の哺乳類も出現しました。哺乳類は、中生代を通じて小型であり、多くの種はハツカネズミ程度の大きさしかありませんでした。

 

 三畳紀の終わりにも大量絶滅がありました。海洋生物の20%と、恐竜、翼竜とワニ以外の祖竜(主竜類)、獣弓類が絶滅(衰退)し、巨大な両生類もほぼ絶滅しました。

キノドン類、ディキノドン類の大半の種等、大量の単弓類も絶滅しました。原因として、中央大西洋マグマ分布域における火山活動との関連が有力視されています。

その他、隕石衝突など様々な説が提唱されています。三畳紀の終末を生き延びた恐竜など陸生脊椎動物は、繁殖様式(卵など)や生活様式から、

乾燥に強いタイプのものと考えられています。まだ比較的小型だった恐竜は、三畳紀末期には竜脚類のような大型種も出現し、その後急速に発展していきます。

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 ジュラ紀は、約19960万年前から約14550万年前までの、約5400万年続いた地質時代です。ジュラ紀の開始は三畳紀末の大量絶滅から始まりました。

 ジュラ紀初期に、パンゲア大陸は、北のローレンシア大陸と南のゴンドワナ大陸とに、南北に分裂し始めました。

温暖であったため海水準が高く、ローレンシア大陸はしばしば浅海により東西の陸塊に分かれていました。

ジュラ紀の北大西洋は現在に比べて狭く、南大西洋はゴンドワナ大陸の分裂が始まる白亜紀まで開かなかったようです。テチス海は閉じ、新テチス海盆を形成しました。

 

 ジュラ紀の気候は温暖であり、氷河があった痕跡は認められません。三畳紀と同様に、極付近に陸地はなく氷冠の成長もありませんでした。

降水量も多く、湿度も高かったです。そのため動物、植物はともに種類が増え、大型化していきました。

 

 植物は、イチョウ、ソテツなどの裸子植物が非常に繁栄し、それまで植物が無かった内陸部まで生育範囲を広げていきました。またジュラ紀の後半には被子植物も現れました。

 動物は、特に絶滅を生き残った恐竜が繁栄しました。小型の恐竜の獣脚類から鳥類に進化し、古鳥類の始祖鳥も出現しました。

古鳥類は、白亜紀に全盛を迎えましたが、白亜紀末期にほとんどが絶滅しました。

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 白亜紀は、約14550万年前から6550万年前までの、約8000万年続いた地質時代です。白亜紀は温暖な気候と高海水準で特徴付けられます。

 白亜紀は超大陸パンゲアの分裂が更に進行し、地理的な隔離が起きました。そのため、陸上生物の多様性が更に高まりました。

白亜紀の終わりには、パンゲア大陸は完全に分裂し、配置は異なりますが、現在ある大陸と同じ構成になりました。

ローラシア大陸は、北アメリカとヨーロッパに分かれて大西洋が広がり、ゴンドワナ大陸は、南極大陸、オーストラリア大陸、アフリカ大陸、南アメリカ大陸に分割されました。

インドやマダガスカルは、まだアフリカと陸続きでしたが、末期には分裂し島大陸となりました。

 

 ジュラ紀から白亜紀の境界では大絶滅はなく、白亜紀も長期にわたり温暖で湿潤な気候が続きました。

白亜紀前期において、一時的な寒冷化が見られるものの、おおむね現在より高い海水温で安定していたようです。末期には気候帯が現われました。

 

 植物は、主流であった原始的な裸子植物やシダなどが減少し、被子植物が主流となって進化、繁栄しました。

 動物は、恐竜やワニなどの爬虫類がジュラ紀に続いて全盛期でした。白亜紀前期までは、アロサウルスやステゴサウルスなどジュラ紀に栄えた恐竜の系統も健在でしたが、

白亜紀後期になると多くが絶滅しました。代わって、ティラノサウルス、トリケラトプスなど、ジュラ紀にはあまり目立たなかった系統の恐竜が新たな進化を遂げました。

しかし末期には恐竜は衰退を始めました。

 鳥類も繁栄し、白亜紀前期には現生鳥類の直系の祖先(真鳥類)も出現しました。

 哺乳類は白亜紀に形態を大きく進化させ、やはり小型のものが多いものの、胎生を行うようになり、有袋類と有胎盤類へ分化しました。

有胎盤類は、白亜紀後期には既に多くの系統へと分岐していたようです。

 

 白亜紀末には、規模としてはP-T境界に次ぐ大規模な絶滅が起きました(K-T境界)。

この大量絶滅では、陸上生物の約50%、海洋生物の約75%、生物全体で約70%が絶滅したと考えられています。

哺乳類・爬虫類・鳥類の多くが絶滅し、特に恐竜は(現生種につながる真鳥類を除いて)全てが絶滅しました

(アラモサウルスは、70万年生き残った可能性があるようです)。

絶滅の直接の原因は、ユカタン半島に衝突した隕石(小惑星)によるものであるという説が有力です。 

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