ノンコーディングRNA(non-coding RNA、ncRNA、非コードRNA)タンパク質に翻訳されずに機能するRNA。
RNAには、酵素活性を持つリボザイム、があります。
更に、RNA複製には、1本鎖が2本鎖になる必要がありますが、二本鎖の二重鎖RNAというもあります。
これらがそろうと、RNAワールドが誕生しそうですね・・・
しかし、RNAはタンパク質と結合していたり、合成等にはタンパク質酵素も関わったりしますので、
RNPワールド、とではどちらが先にできたのでしょうか?
さて、ノンコーディングRNA(ncRNA)は、タンパク質に翻訳されずに機能するRNAです。
20ヌクレオチド程度の低分子量のものから、100 kbもあるものまで、様々なものがあります。
ncRNAを発現する遺伝子を、(nc)RNA遺伝子といいます。
RNAの構造は、
一次構造(塩基配列)、
二次構造(相補鎖形成によるステムループ、バルジ、シュードノットなどの構造)、
三次構造(分子の全体または一部がとる立体構造)、
があります。
ncRNAの一部は、進化的に保存された一次構造や二次構造を含み、構造の特徴が、ncRNAの機能に重要のようです。
最も有名なncRNAは、翻訳過程で機能する転移RNA(tRNA)と、リボソームRNA(rRNA)ですが、
基本的な代謝から個体発生や細胞分化まで、様々な生命現象に関与するncRNAが発見されています。
tmRNAという、1分子でtRNAとmRNAの両方の性質を持つものまであります。
転移RNA (tRNA)
リボソームRNA (rRNA)
核内低分子RNA (snRNA)
核小体低分子RNA (snoRNA)
マイクロRNA (miRNA)
二重鎖RNA (dsRNA)
転移伝令RNA (tmRNA)
転移RNA (transfer RNA、tRNA) マイクロRNA スプライシング
73〜93塩基の長さの小さなRNAであり、翻訳反応において、ポリペプチド鎖にアミノ酸を転移させるためのアダプター分子です。
アミノアシルtRNA合成酵素の働きにより、それぞれ特定のアミノ酸と結合してアミノアシルtRNAとなります。
tRNAに含まれるアンチコドンは、リボソーム中でmRNA上の塩基配列(コドン)を認識し結合します。
この過程でmRNA上の塩基配列に対応した正しいアミノ酸がポリペプチド鎖に取込まれます。
また、ある種のtRNAは、レトロトランスポゾンの逆転写反応のプライマーとして機能するようです。
リボソームRNA (ribosomal RNA、rRNA)
リボソームは40種類以上のリボソームタンパク質を含むリボ核酸複合体で、mRNAの情報からタンパク質への翻訳を行います。
rRNAは、リボソームの主要な構成成分で、細胞内で最も大量に存在するRNAです。
タンパク質合成の触媒反応での活性中心を形成していると考えられています。
原核生物には、
大サブユニット(50Sサブユニット)に23S, 5Sが、
小サブユニット(30Sサブユニット)に16Sが含まれています。
クレンアーキオータ(5Sが独立している)を除き、16S, 23S, 5Sの順に並んだオペロン構造を持っています。
ペプチド結合の生成反応は、大サブユニット中で進行し、23S rRNAが触媒活性に関与します。
真核生物では、
大サブユニット(60Sサブユニット)に28S, 5.8S, 5S RNAが、
小サブユニット(40Sサブユニット)に18Sが含まれています。
ヒトでは、このうち28S、5.8S、18S RNAは一つの転写単位に由来します。
これは、rRNA前駆体という約2 kbのRNAであり、RNAポリメラーゼIによって核小体で転写されます。
転写されたrRNA前駆体は、snoRNAなどの様々なRNAやタンパク質の働きにより、不要な部分が取り除かれたり、修飾を受けたりして、rRNAになります。
rRNAは、それ自体の加水分解及びスプライシングを触媒することによってリボザイムとして作用します。
一方、5S RNAはRNAポリメラーゼIIIにより転写されます。
mRNA型ncRNA (mRNA-like non-coding RNA)
poly(A)鎖を持ち、しばしばスプライシングを受ける高分子量(数百塩基〜)のncRNAです。
ショウジョウバエの遺伝子量補償に関与するroX RNAや、
哺乳類の遺伝子量補償に重要な役割を果たすXist RNAなどがあります。
マウスでは、44,147種類のpoly(A)+ RNAが同定されており、約半分がmRNA型ncRNAである可能性があります。
mRNAの非翻訳領域(untranslated region、UTR)
原核生物・真核生物を問わず、mRNAの中には、タンパク質として翻訳されない領域(非翻訳領域)の中に、
シスに(連結した配列上で)機能するシスエレメントを含む場合があります。
特に原核生物では、このような制御配列が多く同定されています。
リボスイッチや、SECIS(セレノシステイン挿入配列)があります。
核内低分子RNA (small nuclear RNA、snRNA)
真核生物の核にみられる小型RNAで、
RNAスプライシング(hnRNAからイントロンを除去)や、
テロメアの維持など、
様々な重要な過程に関わっています。
必ず特異的なタンパク質と会合しており、これらの複合体はsnRNP(small nuclear ribonucleoprotein)といいます。
核小体低分子RNA (small nucleolar RNA、snoRNA) rRNA
核小体に存在する低分子RNAで、タンパク質と、核小体低分子リボ核酸蛋白質(snoRNP)を形成します。
snoRNAは、配列によって主にboxC/Dと、boxH/ACAの二種に分けられます。
snoRNAは、しばしばリボゾームタンパク質のイントロンの中にコードされていて、RNAポリメラーゼIIによって合成されますが、
独立した(多シストロン性の)転写単位として転写されることもあります。
snoRNAは、rRNAや他のRNA遺伝子のメチル化やシュードウリジン化などの化学修飾に関与します。
シュードウリジン(psi/Ψ)は、水素結合のための別のオプションを加えます。
高度にメチル化されたRNAは、加水分解から保護されます。
snoRNAがターゲットとなるRNAと相補的に結合してsnoRNP複合体を標的RNA分子の修飾部位へ導き、タンパク質部分がRNA分子の修飾反応を触媒します。
マイクロRNA (microRNA、miRNA)
細胞内に存在する長さ20から25塩基ほどのRNAで、特定の遺伝子のmRNAに対する相補的配列を持ち、その遺伝子の発現を抑制します。
miRNAは約1,000種類以上存在しており、哺乳類では、miRNAは細胞の発生、分化、増殖、ガン化及びアポトーシスなどの細胞機能に関わっているようです。
miRNAの生成機構
miRNAの元になるDNA配列はmiRNAより長く、miRNAの配列と、それにほぼ相補的な逆向きの配列とを含みます。
このDNA配列が1本鎖RNAに転写されると、miRNA配列とその逆相補配列は相補的に結合して2本鎖になり、
全体としてヘアピンループ構造(tRNAに似た形)をとった、primary miRNA(pri-miRNA)になります。
核内にあるDroshaという酵素が、pri-miRNA分子の一部を切断してpre-miRNA(miRNAの直接の前駆体)を作ります。
次いでpre-miRNA分子は、Exportin-5というキャリアタンパク質によって核外に輸送され、
ダイサーにより、20-25塩基の成熟miRNA(mature-miRNA)が切り出されます。
植物では、pri-miRNAが直接ダイサーによって処理されます。
miRNA は一部のmRNA(多くは3'側非翻訳領域)に相補的な配列を持ちます。
mRNAとmiRNAとの結合により、
翻訳が阻害される場合や、
RNA iのようにmRNAの分解を引き起こす場合がある、と考えられています。
細菌にも、mRNAに結合してmRNA量や翻訳を調節する遺伝子が発見されていますが、ダイサーは関与しないので、一般にはmiRNAとは考えられていません。
miRNAとsiRNAの違い
miRNAは、内因性の核酸分子であり、1つ以上の複数のmRNA配列に部分相補的に結合することで、複数の異なるmRNAの遺伝子発現量を同時に抑制します。
siRNAは、外因性の核酸分子であり、標的mRNA配列に完全相補的に結合し、そのmRNAを分解に導くことで遺伝子発現を強力に阻害します。
2本の相補的な配列を持つRNA鎖がDNAにみられるような二重鎖を組んだものです。
ある種のRNAウイルスの持つ遺伝情報部位や、
ミトコンドリアDNA内のrRNA、tRNAなどにみられます。
真核生物ではRNA干渉(RNAi)の引き金となったり、siRNA生成の中間体となったりしています。
未成熟miRNAなどでは、1本鎖であっても分子内でヘアピン構造を取る部分があります。
siRNA(small interfering RNA)
21-23塩基対からなる、低分子二本鎖RNAです。
RNA干渉に関与しており、mRNAの破壊によって配列特異的に遺伝子の発現を抑制します。
この現象は、ウイルス感染などに対する生体防御機構の一環として進化してきたと考えられています。
siRNAは、通常21塩基対の二本鎖RNAですが、各RNA鎖の3'部分は2塩基分突出した構造をとります。
siRNAは、ヘアピン状のRNAまたは長鎖の二本鎖RNAから、ダイサーという酵素によって切り出されて産生されます。
それぞれの鎖は、5'末端にリン酸基と、3'末端にヒドロキシル基を持った構造となっています。
細胞内に存在する長鎖の二本鎖RNAまたは細胞外から導入されたものは、ダイサーによって切り出されて低分子(21-23塩基対)のsiRNAへと変換されます。
二本鎖だったsiRNAはヘリカーゼの働きを受けて1本鎖に解離し、
標的mRNAに対するエンドヌクレアーゼ活性を示す、アルゴノートタンパク質等と複合体(RISC)を形成します。
この複合体の中で、siRNAは標的mRNAへと導くガイド役として機能しています。
siRNAはmiRNAと混同されやすいですが、siRNAは二重鎖で、miRNAは1本鎖です。
転移伝令RNA (transfer-messenger RNA、tmRNA)
1分子でtRNAとmRNAの両方の性質を持つRNAです。
tmRNAは、Small Protein B (SmpB)、Elongation Factor Tu (伸長因子。EF-Tu)、ribosomal protein S1、
などと複合体(tmRNP)を形成しており、核タンパク質として細胞内に存在します。
tmRNAはtrans-translation(トランス翻訳)反応を触媒する事でリボソームに作用し、
mRNAの終止コドン欠落などによる異常な翻訳反応中断により機能を休止したリボソームのペプチド合成を終了させ、リボソームの機能を回復します。
真正細菌のtmRNAは、ペプチド合成に行き詰まり、機能を失ったリボソームを再生する分子で、
合成途中にあるペプチド鎖に分解タグを付与する、
異常mRNAの分解を促進させる、
といった複数反応の媒介を1分子で担っているようです。
また、2分子のRNAが結合されることで、機能をもつtmRNAに成熟する場合もあるようです。
酵素活性を持つリボ核酸 (RNA)です。
RNA鎖の切断や結合を行うRNA触媒もあり、ペプチド鎖の合成を行うリボソーム中でもRNAが触媒活性中心となっています。
初めて発見されたリボザイムは、テトラヒメナのrRNAのグループIイントロンです。
リボザイムは、それだけでRNA自身を切断したり、貼り付けたり、挿入したり、移動したりする活性・能力(自己スプライシング機能)を持っています。
つまり、RNAが自分で自分を編集することを可能にしています。
リボザイムの発見は、RNAが遺伝情報と反応の両方を扱うことができることを証明し、RNAワールド仮説を生み出すきっかけとなりました。
mRNA分子の一部分で、低分子化合物が特異的に結合することで遺伝子発現を調節するものです。
リボスイッチを含むmRNAは、標的分子の有無に応じて直接それ自身の活性調節を行っています。
ほとんどが真正細菌で発見されましたが、植物と一部の菌類でもTPPリボスイッチが働いています。
古細菌にも予測されていますが、詳細は不明です。
いくつかのリボスイッチは、RNAワールドのリボザイムの結合ドメインだけが保存された、古い調節システムの名残、とする説もあります。
リボスイッチの作用機序
リボスイッチは、アプタマーと、基本機能の2つの部分があります。
アプタマーは、低分子を直接結合する部分です。
基本機能は、アプタマーの構造変化によって、構造が変化し、遺伝子発現を調節する部分です。
典型的なものでは、低分子により遺伝子発現をオフにしますが、逆にオンにするものもあります。
基本機能には、以下のものがあります。
ρ因子によらず転写を終結させる、ヘアピン構造の形成。
リボソーム結合部位を抑制することで翻訳をブロック。
十分なリガンド濃度下で自分自身を開裂する、リボザイムとしての機能。
pre-mRNAのスプライシングを促進するようなフォールディング。
リボスイッチのタイプ
TPPリボスイッチ(THI-ボックス)
TPPを結合し、チアミンの合成と輸送、類似代謝産物の輸送を調節します。
FMNリボスイッチ(RFN-エレメント)
FMNを結合し、リボフラビンの合成と輸送を調節します。
コバラミンリボスイッチ(B12エレメント)
アデノシルコバラミン(ビタミンB12の補酵素形)を結合し、コバラミンの合成、コバラミンや類似代謝産物の輸送、また他の遺伝子を調節します。
SAMリボスイッチ
S-アデノシルメチオニン(SAM)を結合し、メチオニンとSAMの合成と輸送を調節します。
SAM-I、SAM-II、及びSMKボックスという、3つの異なるSAMリボスイッチがありますが、配列や構造に類似点はみられません。
SAM-Iは、真正細菌に広くみられます。
SAM-IIは、α-、β-、および一部のγ-プロテオバクテリアでのみ、みられます。
SMKボックスは、ラクトバチルス目にだけみられます。
SAM-IVは、SAM-Iリボスイッチとリガンド結合中心だけは似ていますが、全体の骨格は異なります。
SAHリボスイッチ
S-アデノシルホモシステイン(S-アデノシルメチオニンがメチル化に使われたとき生じます)を結合して、この化合物のリサイクルに関わる遺伝子を調節します。
PreQ1リボスイッチ
キューオシン(tRNAにある特殊塩基)の前駆体プレキューオシン1を結合し、キューオシン合成または輸送に関わる遺伝子を調節します。
PreQ1-IとPreQ1-IIという全く異なる2つのクラスがあります。
PreQ1-Iの結合ドメインは、天然のリボスイッチの中では非常に小さいです。
PreQ1-IIは、ストレプトコッカス属とラクトコッカス属の一部の種にだけみられますが、大きくて全く異なります。
プリンリボスイッチ
プリンと結合してプリンの代謝と輸送を調節します。
グアニンまたはアデニンと結合する、異なる形があります。
グアニンとアデニンに対する特異性は、リボスイッチのY74位のピリミジンとのワトソン・クリック型相互作用(A-U、G-Cの相補的結合)によります。
グアニンリボスイッチではこの位置は常にシトシン(C74)であり、
アデニンリボスイッチでは常にウラシル(U74)です。
デオキシグアノシンを結合するタイプのプリンリボスイッチもありますが、一塩基置換ではなくもっと大きな違いがあります。
サイクリックdi-GMPリボスイッチ
シグナル分子である環状GMP二量体を結合することで、シグナル分子により制御される様々な遺伝子を調節します。
グリシンリボスイッチ
グリシンと結合することで、グリシンのエネルギー源化を含むグリシン代謝遺伝子を調節します。
協同的結合を示し、同じmRNAに隣り合って存在する2つのアプタマードメインにより行われます。
リジンリボスイッチ(L-ボックス)
リジンを結合してリジンの生合成、分解、輸送を調節します。
glmSリボスイッチ
十分な濃度のグルコサミン-6-リン酸がある場合に自己開裂します。
転写はされますが、最終的に機能する転写産物からスプライシングによって除去される塩基配列で、アミノ酸配列には翻訳されないものです。
真核生物だけでなく、古細菌や真正細菌、ウイルスからもイントロンが発見されています。
最終的にアミノ酸配列に翻訳される部位は、エクソンといいます。
タンパク質によって切り出されるイントロン
ヌクレアーゼによって切り出されるタイプです。
古細菌と真核生物のtRNA、rRNAに主に見られます。
スプライセオソーム型イントロン
スプライソソームによってスプライスされるものです。
真核生物の遺伝子に見られます。
グループIイントロン
自己スプライシング型(リボザイム)。
制限酵素をコードする領域があります。
真正細菌と、真核生物の葉緑体やミトコンドリアから主に発見されています。核遺伝子では稀です(rRNAのみ)。
グループIIイントロン
自己スプライシング型。
逆転写酵素をコードする領域があります。
スプライセオソーム型イントロンと同様の反応様式をもち、祖先が同一と考えられています。
真核生物の葉緑体とミトコンドリア、真正細菌で発見されています。古細菌では稀です。
グループIIIイントロン
詳細は不明です。ユーグレナ(ミドリムシ)の葉緑体等で発見されています。
尚、グループI〜IIIは、可動性であり、転移現象を起こします。
トランスポゾンの一種で、自分自身を RNA に複写した後、逆転写酵素によって DNA に逆転写されることで移動(転移)します。
この時、DNA 配列の複製が起こり、ゲノムサイズが大幅に増大します。
また、遺伝子近傍や遺伝子内へ挿入されることで突然変異が起こることもあります。
多くの真核生物のゲノム内に普遍的に存在します。
レトロトランスポゾンは、LTR (long terminal repeat) 型と、非 LTR 型レトロトランスポゾン、に分類されます。
LTR 型レトロトランスポゾンは、端末には、100 bp 程度から5kb超の長く続く反復配列があります。
更に、Ty1-copia 群と、Ty3-gypsy 群に分類されます。
LTR 型レトロトランスポゾンは、ヒトゲノムの約8% を構成します。
非LTR 型レトロトランスポゾンは、
「長鎖散在反復配列」(long interspersed nuclear element LINE) をもつものと
「短鎖散在反復配列」(short interspersed nuclear element SINE) をもつものがあります。
LINEは、逆転写された RNA 分子を表現する長いDNA配列であり、
本来なら RNA ポリメラーゼ IIにより mRNAに転写されるべきものです。
LINE は、偽遺伝子と呼ばれることもあり、イントロンやプロモータを含みませんが、
内部に逆転写酵素やインテグラーゼ(トランスポザーゼの等価物)のコードを持ち、これにより、自分自身を複写できます。
自分自身の複写により移動するので、ゲノムを増大させます。
LINEは、ヒトゲノムの 21% を占めます。
SINEは、逆転写された RNA 分子を表現する短いDNA 配列であり、
本来なら RNA ポリメラーゼ IIIにより tRNA、rRNA、その他の核内低分子 RNA に転写されるべきものです。
SINE は、逆転写酵素のコードを持たず、転移は他の可動因子に頼っています。
Alu 配列などがあります。
SINE は、ヒトゲノムの 13.5% を占めます(ほとんどがAluです)。
LINE と SINE は、その目的が不明で、「利己的な DNA」やジャンクDNAともいわれます。
レトロウイルスは、レトロトランスポゾンのように振る舞います。
同一分子上の遺伝子発現を調節する、DNA またはRNA の領域です。
一般にシスエレメントは、遺伝子上流部の転写因子が結合する領域を指す場合が多いです。
シスエレメントに結合して転写を調節する、転写因子は、トランスエレメントといいます。
mRNA 分子上でその安定性や翻訳に影響を与えるシスエレメントもあります。
シスエレメントの再編成は、生物の形態を変える能力を持っており、生物進化に大きな役割を果たしているようです。
一つの転写因子によって同時に発現が制御される複数の遺伝子が存在するゲノム上の領域、
または、その複数の遺伝子の組のことです。
RNAi(RNA interference、RNA干渉) miRNA dsRNA
二本鎖RNAと相補的な塩基配列を持つmRNAが分解される現象です。
この機構は、酵母からヒトに至るまで多くの生物種で保存されています。
ある直鎖状ポリマーから一部分を取り除き、残りの部分を結合することで、主にRNAでの反応をさします。
尚、転写でスプライシングが起きるのは、真核生物の場合のみで、原核生物の転写ではこの過程はありません。
pre-mRNA スプライシング(狭義のスプライシング)
真核生物において、DNAから転写されたmRNA前駆体には、イントロンがあります。
このイントロンを除き、残りの部分を結合して完全なタンパク質配列を示すmRNAを作ります。
いくつかのtRNA前駆体は、アンチコドンループにイントロンを持ちます。
ヌクレアーゼによってこれが切断除去され、リガーゼによって再結合されます。
この他に自己スプライシングイントロンを持つtRNAもあります。
真正細菌や古細菌でもみられます。
タンパク質因子が必須ではなく、イントロン自身が自己の配列のスプライシングを行う反応です。
グループ Iの反応には、Mg2+ とグアノシンが必要です。