胚発生・・・多細胞動物進化の軌跡?

 

 

動物の発生過程

卵割

胞胚期

原腸形成

胚葉の分化

形態形成

 

形成体 

 

 参考

  母性mRNA

  モルフォゲン

  転写因子

  細胞接着

 

 

 

 胚発生とは、多細胞生物が、受精卵から成体になるまでの過程です。

 

正常な発生には、DNAメチル化が重要です。

 

ヘッケル反復説によると、個体発生は系統発生を反復する、とされます。

異論もありますが、後生動物では、原腸胚までは、発生過程を共有しているようです。

 

多細胞生物の発生は、卵割から始まります。

 

卵割は、受精卵の細胞分裂のことです。

 

卵割が、通常の細胞分裂より早く進行するのは、

母親から、母性mRNAが与えられており、それを使ってタンパク質合成が行われるからです。

胚自体のゲノムからの転写が始まるのは、両生類では胞胚期中頃とされます・・・

 卵割開始の刺激があれば、正常な核がなくとも、胞胚期までは、卵割が進行する、ということでしょうか?

 

卵割が進行すると、分化しない一層の細胞が卵の外側に配列し、内部に空洞ができます。

この時期を、胞胚期といいます。

 

胞胚は、

極体が付いている側の動物半球と、

卵黄を多く含む側の植物半球、という極性があります・・・

なぜ、極体ができるのでしょう?

細胞質の量を減らさないのに役立っている、という説がありますが・・・

 

稀に、極体が消滅せず、極体に精子が受精すると、極体双生児が発生することがあるようですが、

これは、正常に発育しないようです・・・

正常な発生には、DNAメチル化が重要ですが、これと何か関係あるのでしょうか?

 

尚、ウニでは、表面に繊毛が生じて、遊泳を始めます(遊泳胞胚)・・・

ちなみに、ウニ(棘皮動物)は、脊索動物(新口動物または後口動物)に近縁とされています。

 

胞胚は、原腸陥入が起きると、原腸胚となります。

この段階からは、その場で分裂するだけでなく、細胞間での移動がみられます。

更に、体軸がほぼ決定します。

 

原腸によって生じる口は、原口といいます。

新口動物では、原口が肛門になります・・・

なぜ、口と肛門が反対になったのでしょう?

 

原腸が形成されると、胚葉の分化もみられます。

胚葉には、三種類(神経冠を含めると四種類)あります。

外胚葉からは、表皮と神経が形成されます。

内胚葉からは、消化管が形成されます。

 中胚葉からは、体腔に加えて、筋肉、骨格、結合組織等が形成されます。

 

尚、神経誘導を行う形成体は、中胚葉により誘導されます。

 

そして、形態形成により、組織、器官、更に生物全体の形態が作られます。

これには、モルフォゲン転写因子細胞接着分子が重要です。

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卵割

卵の種類

卵割様式

割球の配置

 

 

多細胞生物の発生は、卵割から始まります。

卵割は、受精卵の細胞分裂のことです。

 

 まず、受精卵の表面にくびれが生じ、2つに分割されます。

 更に、その2つが分割されていきます。

 通常は2細胞期に左右に、4細胞期に前後に、8細胞期に腹背に分かれます。

 卵黄の多い卵では、動物極(卵黄が少ない)側の細胞が小さくなります。

 

基本的には、体細胞分裂ですが、以下の特徴があります。

 分割された細胞は、成長せず、卵割を経るごとに個々の細胞の大きさが次第に小さくなります

 母細胞から分割してできた娘細胞のことを、割球(かっきゅう)といいます。

 

 細胞分裂がほぼ同調的に行われるため、卵の細胞数は倍加します。

 分裂が連続して行われます。

 

卵割が通常の細胞分裂より早く進行するのは、そのための準備がなされているためです。

卵割における細胞分裂に必要なタンパク質を生成するためのmRNAが、卵の成熟の間に母親から与えられており(母性mRNA)、 参考へ

それを使ってタンパク質合成が行われます。

 胚自体のゲノムからの転写が始まるのは、両生類では胞胚期中頃とされます・・・

 卵割開始の刺激があれば、正常な核がなくとも、胞胚期までは、卵割が進行する、ということでしょうか?

 

卵割が進んだ受精卵は、割球の数が増加し、桑実胚から、胞胚となります。

 

卵の種類 卵割 胞胚期

卵黄は、細胞分裂を妨げるため、その量と分布は、卵割の様式に影響を与えます。

等黄卵(とうおうらん)       :卵黄の量は少なく、全体にかけて均一に分布しています。全割等割します。ウニ

端黄卵(たんおうらん)      :卵黄の量が多く、端に偏って分布しています。卵黄の量が少ないと、全割不等割両生類。)ですが、

                                     鳥類のように量が多いと、部分割盤割)となります。

心黄卵(しんおうらん)      :卵黄が中心に分布しています。表割を行います。昆虫

 

卵割の型は、卵割様式と、割球の位置、に関係するものが重要です。

 

卵割様式 卵割

全割と、部分割があります。

 

全割は、卵が全体にかけて分割する様式です。

 等割(卵割後の割球の大きさが全て等しいもの。ウニ。)と、

 不等割(割球の大きさが異なるもの。両生類。)があります。

 

部分割は、卵が部分的に分割する様式です。

 盤割(ばんかつ。動物極側だけが卵割するもの。爬虫類鳥類。)と、

 表割(ひょうかつ。内部で核が分裂した後、卵の表面に移動して表面だけが卵割するもの。昆虫。)があります。

 

割球の配置 卵割

放射卵割     両生類でみられます。

らせん卵割   軟体動物環形動物でみられます。

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胞胚期(ほうはいき)

腔胞胚

盤胞胚

中実胞胚

周胞胚

 

ほぼすべての後生動物に共通する発生段階です。

 

受精卵は、卵割によって細胞数を増やし、ある程度細胞数が増えると、

分化しない一層の細胞が卵の外側に配列し、内部に空洞ができます。

この時期を、胞胚期といいます。

 

胞胚の内部の液体に満ちた空洞は、卵割腔(らんかつこう)または、胞胚腔(ほうはいこう)といいます。

 

胞胚は、

極体が付いている側の動物半球と、

卵黄を多く含む側の植物半球、という極性があり、

各々の頂点を、動物極植物極といいます。

 また、各半球の中間領域を赤道面、と呼びます。

 

 両生類では、

動物半球は、後の外胚葉に、

植物半球は、内胚葉に、

赤道面の内部組織である帯域は、中胚葉に、それぞれ相当します。

 

卵割の開始から胞胚期までは、胚の内部での移動や変形等が少なく、見かけ上は均一な細胞の列で、ほぼ球形です。

しかし、細胞分裂が遅くなり、同調性も弱くなります。

 

 また、後の分化や形態形成に向けた活動も、起こり始めていることが知られています。

 

ウニでは、この時期に表面に繊毛が生じ、受精膜から脱出して遊泳を始めます(遊泳胞胚)。

 

胞胚は、原腸陥入が起きて、原腸胚へと発達します。

 

胞胚の型 :系統の関係と、卵黄の量が関係します。

腔胞胚 胞胚期

中央に胞胚腔がある中空の型。

 

ウニナメクジウオ等では、細胞層は単層ですが、

両生類では、多層になっています。

両生類では、動物極側と植物極側で細胞の大きさが極端に異なり、胞胚腔は動物極側に大きく偏ります。

 

盤胞胚 胞胚期

は虫類鳥類魚類では、卵黄が非常に多く、細胞質は動物極側に極端に偏り、卵割はその部位でのみ起こります。

 その結果、卵黄の表面に盤状の細胞層が乗った形となり、卵黄との間にわずかな隙間を作ります。

 この細胞層を胚盤といい、卵黄との間の隙間を胚盤下腔といいますが、これが胞胚に当たります。

 

 胚盤下腔は、胞胚腔に相当します。

 

ほ乳類の場合、卵割が進んだ胚は、ほぼ中空の構造を作り、特に胚盤胞といいます。

 尚、中央の空洞は、胞胚腔と同じではなく、外周に一層の細胞層があり、その内側の一カ所に細胞集団があります。

 前者を栄養芽層(栄養外胚葉)、

後者を胚結節(内部細胞塊)といいますが、

胚を形成するのは胚結節のみで、栄養芽層の方は胚膜等になります。

 

 これは、ほ乳類は、は虫類的な祖先から進化したもので、

盤胞胚の形から胎生への移行によって、卵黄を失い、変形した結果、と考えられています。

 

中実胞胚(実胞胚無腔胞胚) 胞胚期

中央に胞胚腔を持たない型。

 

 海綿動物刺胞動物の一部では、球形の卵を放射状に区分したような形の胞胚となります。

 

 環形動物では、植物極側の大型細胞の上に、動物極側の小型細胞が張り付いたような形となって、間に腔所がありません。

 

 少なくとも後者は、本来は腔胞胚だったものが細胞層の肥厚で腔所を失ったもの、とみなされています。

 

周胞胚 胞胚期

甲殻類昆虫に見られる型。

 

卵黄が、卵細胞の中央に集中します。

 

核は卵黄の中で分裂を繰り返し、その後卵細胞の周囲に移動し、ここで細胞質が分裂すると、胞胚期になります。

胞胚腔は生じません。

 

尚、細胞質分裂が始まる間、卵の表面に核が並んだ状態を、多核性胞胚(当初は、核は細胞膜で区切られていません)、

細胞質が分裂した段階を、細胞性胞胚、といいます。

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原腸の形成 胚葉の分化 形態形成

原腸胚は、胞胚の後に当たります。

嚢胚(のうはい)とも呼ばれます。

その形成を原腸胚形成、といいます。

 

この段階までは、それぞれの細胞がそのままの位置で分裂するだけでしたが、

この時期からは細胞間での移動が激しくなります。

 

胚は、単純な細胞の集合体から構造を持つようになり、体軸がほぼ決定します。

 

原腸が形成され、胚葉の分化もみられます。

 

また真体腔動物では、体腔の分化もみられます。

 

胞胚における細胞層の一部が、卵割腔の内部に入り込み(陥入)、袋状の構造(原腸)が形成されます。

原腸によって生じる口は、原口といいます。

 

刺胞動物や扁形動物では、消化管には一つしか出入り口がありません。

 

その他の動物(左右相称動物)では、消化管は管状で、原口の反対側に新たにもう一つ出入り口ができます。

 

軟体動物、節足動物、環形動物等の原口動物先口動物)では、原口が口になりますが、

 棘皮動物や脊椎動物等の新口動物後口動物)では、原口は肛門になります。

 

原腸形成に関する運動

原腸の形成では、様々な細胞の運動が起きています。

 

ウニの場合、間充織が変形し、糸状の仮足を出しています。

この仮足が原腸の先端に面する外胚葉の内面まで届き、これを引き込むように働くとされます。

ただし、原腸壁自体の変形運動も大きく関与するようです。

 

仮足による運動は、アクチンの重合が細胞の推進力の源のようです。

ちなみに、アクチンは、筋収縮にも関わります。

 

両生類の場合、原口背唇部の細胞由来のびん形細胞が、原腸形成運動の主力、とされます。

 

陥入による原腸の形成 :植物極側の細胞層の潜り込みと、動物極側の細胞層による覆い被せが起こります。その様子は様々です。

 

潜り込みを中心とする型。

ウニ等は、植物極側の細胞層の潜り込みが明瞭です。

 

覆い被せを中心とする型。

植物極側が動きにくい、卵黄が多い卵で目立つ型です。

 

軟体動物腹足類の一部では、

動物極側の細胞が、植物極側の細胞層を巻き込むような形で外側を下に進み、細胞群は二層となります。

ただし、原腸はわずかなくぼみ程度です。

 

両方が見られる型

ナメクジウオ等、脊索動物でみられます。

 

両生類では、さらに卵黄の量が多いので、動物極側の細胞による覆い被せ運動がより顕著ですが、

基本的にナメクジウオと同じとみなせます。

 

陥入がない場合 :甲殻類やクマムシ類、刺胞動物の一部では、陥入運動を伴わずに原腸が形成されます。

 

原腸が形成されない場合

刺胞動物の一部では、内側に空洞が生じないものがあり、これを中実胞胚といいます。

 

 それが内外の細胞に分かれる形で複数層の細胞層を持ち、内部に原腸を持ちません。

 後に内部の細胞分裂によって、改めて原腸が形成されます。

 

脊椎動物の羊膜類等、原腸が変形によって見えなくなったようなものもあります。

 

鳥類は、盤割であり、原腸の陥入は、その円盤の一端から周囲の細胞群が表面の細胞層の下にもぐり込む形で行われます。

この時、侵入した細胞層は平面的で、袋の形を取りません。

この部分は中胚葉となり、この細胞層の下、卵黄の表面に散在する細胞群が内胚葉となります。

 

ほ乳類では、更に変化した形が見られます。

卵は卵割が進むと中空となり、その後外胚葉となるのは、内側の片方に集まった細胞層です。

 この部分から内部の空洞の中で細胞の移動が生じて、ここに新たに内部に空洞を持つ細胞層が作られると内胚葉となります。

 原腸は区別できません。

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胚葉の分化

外胚葉

内胚葉

中胚葉

神経冠

 

 

胚葉とは、多細胞動物の初期胚において、卵割によって形成される多数の細胞が、次第に規則的に配列してできる、各上皮的構造です。

 

原腸が陥入したことで、それまで平等に並んでいた細胞が、内側と外側に分かれます。

 

外に残った細胞群を外胚葉

内側に入った細胞群を内胚葉といいます。

 

外胚葉からは、主に表皮と神経が、

内胚葉からは、消化管が形成されます。

 

海綿動物は、1つの胚葉しか作らず、細胞の分化(襟細胞等)はあるものの、真の組織は形成しません。

 

真正後生動物(海綿動物を除く後生動物)は、2または3種の胚葉を形成します。

 

刺胞動物と有櫛動物では、外胚葉と内胚葉を形成し、二胚葉性といいます。

二胚葉性動物では、より複雑になり、組織の区別が生じます。

 

更に高等な左右相称動物では、中胚葉が形成されて、三胚葉性といいます。

 

特に脊椎動物では、3種類の胚葉の区別が著明です。

各胚葉はその後、動物の全ての組織・器官を形成します。

 

外胚葉 胚葉

外胚葉は、皮膚の表皮や、男性の尿道末端部の上皮、毛髪・爪・皮膚腺(乳腺・汗腺も含む)、

感覚器(口腔・咽頭・鼻・直腸の末端部の上皮を含む、唾液腺)、水晶体等を形成します。

 

 外胚葉の一部は、発生過程で溝状に陥入して、神経管を形成し、

脳や脊髄等の中枢神経系のニューロンや、メラノサイト等の元にもなります。

 また末梢神経系も形成します。

 

内胚葉 胚葉

内胚葉は、はじめ扁平な細胞からなり、次第に柱状構造を造ります。

これが食道から大腸までの消化管(口腔・咽頭や直腸の末端部を除く)、となります。

 

 その他、肺、甲状腺、膵臓、肝臓等の器官の組織、消化管に開口する分泌腺の細胞、

腹膜、胸膜、喉頭、耳管や気管・気管支、尿路(膀胱、尿道の大部分、尿管の一部)、等も形成します。

 

中胚葉 胚葉

中胚葉は外胚葉と内胚葉の間の、胞胚腔の中に形成されます。

 

 中胚葉が進化したことにより、複雑な器官が発達し、体腔も成立しました。

 

 体腔内に形成された器官は、体壁と独立に発達することができる一方、体液により保護されることとなりました。

 

 中胚葉は、体腔及び、それを裏打ちする中皮、筋肉、骨格、皮膚真皮、結合組織、

心臓・血管(血管内皮も含む)、血液(血液細胞も含む)、リンパ管や脾臓、

腎臓、尿管、性腺(精巣、子宮、性腺上皮)、となります。

 

また、原腸胚期に原腸陥入の先端に立ち、神経誘導を行う形成体は、植物極側の細胞によって動物極側が誘導されて分化します。

これを、中胚葉誘導といいます。

 

神経冠(神経堤) 胚葉

脊椎動物の神経系の発生過程で、神経管背側から現れ、

末梢神経、グリア細胞や一部の神経節等の元になります。

 

これは4の胚葉と呼ばれることもあります。

 

それ以降の変化

脊索動物においては、この時期の後に神経管が背面から入り込む変化が大きく、この時期を神経胚といいます。

 

それ以外の動物では、独特の幼生期となります。

 

つまり、多くの群に共通するような普遍的な形はなく、個々の群で独特の形態となります。

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形態形成

形態形成は、生物の形態が形成される過程です。

 

形態形成は、組織、器官、生物全体の形と、様々に特殊化した細胞形式の配置に関連します。

 細胞の空間配置の組織化が調節され、それによって組織、器官の形態が、そして全体的な形態が作られます。

 

ヒトの胚では、胞胚の段階では、ほとんど同じ細胞の集まりです。

原腸形成後は、組織と器官が構成されるようになりますが、

これは遺伝的なプログラムによって調節され、さらに環境要因により変わります。

 

形態形成の反応は、ホルモンや、他の生物や環境由来の化学物質、放射性核種等によって誘発されます。

 

形態形成における、モルフォゲンや転写因子、細胞接着分子の役割について

 

モルフォゲンは、

可溶性の分子であり、拡散して濃度勾配を作り、濃度に応じて細胞分化を決定する信号を伝達します。

 通常は、特定のタンパク質受容体への結合を通じて働きます。

 

 DecapentaplegicHedgehogWinglessNotch、上皮増殖因子、繊維芽細胞増殖因子、といったタンパク質の他、

レチノイン酸も、モルフォゲンとして作用します。

 参考へ

 

転写因子は、

DNAとの相互作用によって、他の遺伝子の転写を活性化したり、不活性化したりして、細胞の運命を決定するタンパク質です。

 

 転写因子により発現した二次的遺伝子は、制御カスケード内の、さらに別の遺伝子の発現を調整することもあります。

 

  ホメオボックス遺伝子は、他の遺伝子のカスケードをスイッチする、転写因子をコードします。

この遺伝子は、ホメオボックスという、動物、植物及び菌類の発生の調節に関連する、相同性の高いDNA塩基配列をもちます。

 これは、約180塩基対があり、DNAに結合しうるタンパク質部位(ホメオドメイン)をコードします。

  

 ホメオドメインを含むタンパク質は、

Hox 遺伝子群に由来する、Hox タンパク質 Hox ) と、

non-Hox 遺伝子に由来する、non-Hox ホメオタンパク質があります。

 

 ホメオティック遺伝子群( Hox )は、動物の胚発生の初期において、組織の前後軸と体節を決定する遺伝子です。

 この遺伝子は、胚段階で体節に関わる構造(脚、触角、目等)の適切な数量と配置について、決定的な役割を持ちます。

 

 non-Hox 遺伝子には、NK-2ファミリーや、MSXファミリーがあり、これらも様々な発生分化過程に関わります。

 

出芽酵母の性決定を支配する、MAT遺伝子も、ホメオボックスを持ちます。

参考へ

 

 細胞接着は、細胞同士、または細胞と細胞外マトリックス、に付着することです。

 

 細胞接着分子は、細胞接着を担う分子です。

 

 上皮組織では、

 上皮細胞の細胞-細胞接着で、

接着結合(アドヘレンス・ジャンクション)、

密着結合(タイトジャンクション)、

接着斑(デスモソーム)、等の接着装置を形成します。

 

 細胞-基質接着で、細胞外マトリックスである基底膜に接着し、

半接着斑(ヘミデスモソーム)と呼ぶ接着装置を形成します。

 

 基底膜は、 IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、等からなります。

 

 結合組織等の間質細胞は、

 細胞-基質接着で、細胞周辺の細胞外マトリックスコラーゲン繊維等)に接着します。

 接着装置は、接着結合です。

 

 細胞接着分子には、

 接着結合では、

細胞-細胞接着では、カドヘリン等があり、

細胞-基質接着では、インテグリン等があります。

 

 密着結合では、クローディン等があります。

 

 接着班では、デスモグレイン等があります。

 

 半接着班では、ラミニンや、インテグリン等があります。

 

 接着装置を支える細胞骨格にも違いがあり、

接着結合は、細胞骨格がアクチンフィラメントです。

接着斑と接着斑は、中間径フィラメントです。

 

 血液細胞のように、普段は浮遊性で、細胞接着しない細胞でも、

細胞分化や機能発現時には、血管内皮細胞に接着し、組織へ侵入するものもあります。

 血管内皮細胞に接着する接着装置は、接触結合です。

 接触結合の細胞接着分子には、セレクチン等があります。

参考へ

 

原腸胚形成期では、幹細胞の凝集塊が、細胞間の接着を無効化して遊走性となり、

胚内で新たな場所を占めて特定の細胞接着タンパク質を活性化し、新たに組織や器官を作ります。

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形成体オーガナイザー 胞胚期 中胚葉

シュペーマンは、イモリ胚での移植実験(1924年)から、原口背唇部(げんこうはいしんぶ)に分化を引き起こす作用を発見し、

これを形成体と名付け、未分化の細胞群に分化を促す作用を誘導と呼びました。

この実験において、原口背唇部の誘導の後に次々と組織・器官が形成されたことから、誘導の連鎖が推測されました。

 

形成体の誘導には、Wntシグナル経路が重要ですが、不明な点も多いです。

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