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更新日 2009-05-30 | 作成日 2008-01-17

岩手・遠野への旅

 「遠野」。言わずとしれた『遠野物語』の舞台であり、その昔、文学少年(?)だった私にとっては、特別な響きを持つ「あこがれの場所」です。いつか機会があれば訪れたいと思っていましたが、今回、丁度岩手への出張があり願いが叶いました。

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出張先での仕事が済んで、夕方の飛行機までに残された時間は六時間。盛岡でレンタカーを借りて、一路、遠野市を目指します。紅葉も終わりかけでしたが、暖かく、11月中旬とは思えない陽気。一時間ほどクルマを走らせると、遠くの山に風力発電の風車が見えてきました。目指す遠野はもうすぐです。

まず最初に訪れたのが佐々木喜善記念館(伝承館)佐々木喜善は柳田国男に遠野に伝わる昔話を説話した人物として知られ、『遠野物語』は彼の口述を柳田国男がまとめたものです。佐々木自身も多くの民話を蒐集し、後世に伝えた文学者・民俗学者でした。記念館には、直筆の書簡や、年表などがひっそりと展示されていました。

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伝承館の側には東北の代表的な曲がり家と、東北の神様として信仰されているオシラサマの部屋(オシラ堂)があります。薄暗い部屋にはこんな感じで一千体のオシラサマが集められています。伊豆の吊し雛を思い出しました。ここに来られたことを感謝して、用意されている前掛けにお願い事を書いて着せました。

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伝承館から歩いてすぐのところにカッパ淵があります。常堅寺の山門を抜け左手奥に進むとカッパ淵がありました。水量が少なく、淵というより小川でした。(笑)カッパが身を潜める場所も無さそうな...

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地元のケーブルテレビ(遠野テレビ)ではライブカメラ映像でカッパ淵の様子を見ることができます。東北の日暮れは早く、2時すぎだというのにこの夕方感。先を急ぎます。

カッパ淵からの帰り道、道沿いにホップ畑がありました。珍しいなあ、と思っていましたが、家へ帰って飲んだビールに使われていてビックリ。ああ、なんだか不思議な縁を感じました。

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今回の旅のもう一つの目的地は早池峰山です。早池峰山は山岳信仰の山であり、遠野物語にもに名前を多く見ることができます。レンタカーを借りたときにもらった地図を見ると、県道25号線が早池峰山のすぐそばを通っています。「道は曲がりくねっているけど何とかなるだろう」くらいの気持ち出発しました。
しばらく行くといすゞのボンネットトラックを発見(たぶんTS)しました。離島とか、山間部ではまだ古いタイプのボンネットトラックが現役で働いてますね。日が翳り初めて、ようやく早池峰が近くに見えてきました。予想以上に道が曲がりくねっていて、時間がかかっています。気持ちが一寸焦ります。

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県道という名の峠道を走ること1時間と少し、やっと山頂付近に到着しました。日は沈み、外は寒く、人影もありません。(あたりまえです)というか、すごい山の中。初夏なら気持ちいいでしょうけど、もの悲しさ倍増。

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日没寸前にガスも晴れて、なんとか山頂を拝むことができました。「なんだ、ただの山じゃん」などといってはいけません。あこがれの山を見られて、俺的になんか幸せ。

今回のレンタカー・Passoの後ろは早池峰野道向かいにある薬師岳。Passoは上り坂では結構がんばってくれました。が、下り坂はハードなブレーキングでフェードが起きかけてました。(ヤバイいニオイがしてました)
 タイヤをきしませながら、猛スピードで峠を下り、出発40分前にいわて花巻空港に到着。ふう、何とか間に合いました。(笑)