第4回サマーコンサート

インフォメーション

日時  平成15年7月13日(日)
場所  ひこね市文化プラザグランドホール
指揮  加藤完二   ピアノ独奏 渡部真理

モーツアルト 「後宮からの逃走」序曲
ガーシュイン ラプソディーインブルー
チャイコフスキー 交響曲第6番 悲愴
 
9

ピアノ独奏 渡部真
 愛知県立芸術大学音楽学部器楽(ピアノ)専攻卒業、同大学院修士課程修了。ピアノを横山千代子、桜井秀、久保みち、故小津恒子、故三宅洋一郎、ディーナ・ヨッフェの諸氏に師事。また伴奏法を三浦洋一、土肥みゆきの各氏に師事。在学中より学内外の作曲作品発表会にて新作の多くを初演。静岡県音楽コンクールピアノ部門第1位。1998年かやぶき音楽堂ピアノDuo連弾コンクール第3位・1999年朝日室内楽シリーズ出演(ピアノ二重奏)。ピアノ協奏曲を国内外のオーケストラと協演。リサイタル、ピアノ二重奏の他、数多くの合唱団のピアニストとして演奏会やコンクールに出演。最近では独唱、各種室内楽の共演者として幅広く活躍している。現在、桜花学園大学および愛知学泉短期大学非常勤講師。名古屋音楽学校講師。

 
モーツアルト 「後宮からの逃走」序曲
歌劇はトルコの太守に売られてしまった恋人を宮殿から取り返そうとする話で、トルコ風の音楽が使われています。トルコは異国の象徴として、当時盛んに取り上げられていました。曲は中間部にゆっくりとした第一幕アリアの旋律を使用し、前後に軽快な音楽をはさんで構成されています。

ガーシュイン ラプソディーインブルー
1924年に自身のピアノにより初演されています。ジャズの手法をクラシック音楽の中に取り入れ、シンフォニック・ジャズといわれるジャンルを確立しました。聴衆は、クラリネット独奏でこの曲の虜となり、華やかな独奏ピアノ、垢抜けたオーケストラとの掛け合い、ファンキーなリズムで、ガーシュインの世界に酔いしれます。

チャイコフスキー 交響曲第6番 悲愴
「いま、なんとなく愉快な気持ちでいる。こんどの新しい交響曲は標題音楽だが、その標題はすべての人たちにとって謎となるような標題である。旅行中にわたしは頭の中で作曲しながら、しばしばむせび泣いた。帰宅してからさっそく書きはじめ、素晴らしい速さで進捗し、四日もたたないうちに第一楽章はできあがり、残りの楽章も頭の中で完全に書き上がっているほどだ。形式の点ではいろいろと新しい方法を試みている。たとえば、終楽章など、響きの大きなアレグロではなく,非常にゆるやかなアダージョとなる。わたしは、自分がまだまだ働けることを知って、とてもうれしい。。。。」 出来上がったのは、「悲愴」交響曲でした。 初演は1893年、ペテルブルグで行われました。チャイコフスキーは、ペテルブルク初演のわずか9日後に亡くなります。急死してから12日後、「悲愴」はモスクワにて名指揮者ナプラブニクにより再演されました。終楽章も最後の方になると、客席のあちこちからすすり泣きや嗚咽が聞こえ、オーケストラの音が聴こえなかったほどでした。最後の低弦が鳴り止んだあと、誰一人拍手もせず、時間のみが流れていきました。誰もが疑いなく、この曲を彼の「最高傑作」と認めた瞬間でした。


加藤先生からのメッセージ
もう何年前になるか、ある日突然、ひこね第九オーケストラの練習をお願いしたいという電話がかかってきました。スケジュールの都合で1回だけの練習でし たが、何か他のアマオケと違った熱いものを感じました。以来「第九」のトレーニングをするようになり、3年前からサマーコンサート本番の指揮もするように なりました。本番の彼らのエネルギーは、それはもうすごいです。(今日もそれを実感して頂けると思います)今日のプログラムは、モーツアルトに始まり、 ガーシュイン、チャイコフスキーと演奏スタイルがそれぞれ違う作品が並んでいます。どう料理するかは私の腕の見せどころです。モーツアルトは前菜風に「さ らっ」としていますが、ちょっとスパイスの効いたトルコ風に仕上げてみたいと思っています。特徴のある香りも存分に残せますかどうか・・・続きましての ガーシュインは、ちょっと大人のお酒(ブランデー?)といったところ・・・ピアノと、オーケストラの織りなすハーモニーとリズムは、陶酔(泥酔?)の世界 に導きます。メインディッシュのチャイコフスキー、これは濃厚な「ドラマ仕立てボルシチ風」に仕上げています。

■第1楽章  戦争を体験し、大変苦労した1人の老人が昔のことをつぶやくようにしゃべっている様子。思い出していくうちに、悔しさやむなしさがよみがえり、興奮していきます。  ■第2楽章  市民たちがワルツを踊り楽しんでいる様子。しかし、4分の5拍子という不安定なリズムで戦争が近いかな、という不安感を表しています。 ■第3楽章  戦争がおきるぞ!との噂で、街中の人達が騒然としている様子。そのうちに遠いところから軍隊が街に攻め入り、大砲の音とともに戦争が始まってしまいます。そして戦火の中へと入り込んでいきます。最後に大きな爆弾が落ちて気を失うのでした。 ■第4楽章  奇跡的に助かったあの老人が、廃墟になった周りを見て嘆き狂う様子。力なく、あてもなく、夕日の中にさまよい歩いて消えていき、この曲が終わります。ドラマの味付けは、皆様のお気に召しますでしょうか。あっ、それからデザートは出てからのお楽しみです。(拍手が少なければお出しできないかもしれませんが・・・)それでは、お楽しみ下さい。

指揮者 加藤完ニ 

演奏会を終えて
 今回も多くの方々に聴きに来ていただき、ご声援いただきありがとうございました。加藤先生の熱意のある指導をうけて、良い曲づくりができ、本番を迎えることができました。チャイコフスキーは熱演になったと思います。モーツアルトははじめて演奏会に取り上げたので、モーツアルトらしさという部分ではもっと物足りなかったと思われました。地方のオーケストラは人集めが大変です。どうしても人の集まらないパートはエキストラをお願いしなくてはなりません。また運営上、ごくわずかな方に仕事が集中していまい、毎回多くの負担をかけてしまいます。演奏会を積み重ね、安定した基盤のあるオーケストラになっていく上で、運営の面も固めていく必要を感じました。

 演奏では、アンサンブルの面で難しい1楽章に練習の比重がかかりました。細かいところを正確に弾くポテンシャルは高くはないですが、一音一音を練習において、みがきあげる努力は演奏に表れてくると思います。1楽章での金管、トロンボーンの絶望的な咆哮、3楽章のエネルギーの発散、4楽章の暝い慟哭から終結へ、聞かせどころは多かったと思います。さらに多くの方に演奏会を聴きに来て頂ければと思います。クラシック音楽が文化の中心であるとか、アマチュアのオーケストラが、ほかの音楽あるいは文化団体とは一線を画しているとか、そう云う大上段考えはありませんが、100人近いメンバーが集まって、これだけの練習時間を費やして一つの目標に向けて精進しているという事は、文化の一つとして、決して軽視して欲しくないと想うこの頃です。 cb.E.K.


第4回サマーコンサート練習

3月23日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 弦分奏−澤純子 悲愴全楽章
18:00〜20:50 澤純子 悲愴全楽章
4月 6日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 全体練習−澤純子 モーツァルト・ガーシュイン
18:00〜20:50 加藤完二 ガーシュイン・悲愴
4月13日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 全体練習−加藤完二 悲愴1.3楽章
18:00〜20:50 加藤完二 悲愴2.4楽章
4月20日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 管分奏−余語徳雅 悲愴
18:00〜20:50 加藤完二 モーツアルト、ガーシュイン
5月 4日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 木管分奏−加藤完二 悲愴 ガーシュイン
18:00〜20:50 加藤完二 悲愴2.4楽章
5月11日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 管分奏−余語徳雅 ガーシュイン
18:00〜20:50 加藤完二 ガーシュイン(ソリスト)
5月18日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 弦分奏−加藤完二 悲愴2.4楽章
18:00〜20:50 加藤完二 悲愴1.3楽章
6月15日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 弦分奏−澤純子 悲愴・モーツァルト
18:00〜20:50 加藤完二 悲愴ヒソウ2.4楽章
6月22日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 全体練習−加藤完二 モーツァルト・ガーシュイン
18:00〜20:50 加藤完二 悲愴全楽章 抜粋
6月29日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 弦分奏−澤純子 悲愴・ガーシュイン
               18:00〜20:50 加藤完二 ガーシュイン(ソリスト)全曲通
7月 6日(日) 彦根市民会館 13:30〜16:30 管分奏−余語徳雅 悲愴
               18:00〜20:50 加藤完二 全曲 
7月12日(土) 文化プラザ  18:00〜21:00 加藤完二 全曲(ソリスト)
7月13日(日) 文化プラザ   10:00〜12:30 リハーサル  本番

Top