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日本ミツバチ

初歩の日本ミツバチ飼育1

養蜂を始めて未だ年数も経ってない私が養蜂の仕方を説くのは、おこがましい限りですが、私の経験から知りえた事を述べたいとおもいます。
主旨は、自然環境の保全を目的として、これから始めようと思っておられる人たちへの一助になれば幸いかと思います。
未熟な私には一度に完成できません。長き時間をかけ失敗、経験をもとに追々編集していきます。

日本ミツバチ養蜂のメリット

1   耐寒性、耐湿性が高い(春先、梅雨に強い)
2   外敵抵抗性(ミツバチヘギイタダニ、スズメバチ類)
3  耐病性に優れる(アメリカフソ病、チョーク病)
4  小群での生存に強い(個体の自己調整性に優れる)
5  訪花スペクトルが広い(夏の蜜枯れ期に強い、低利用
   の樹木蜜源等の利用に優れる)
6  プロポリスを集めない(扱いやすい)
7  攻撃性が低い(扱いやすい)
8  クン煙器がいらない 

 日本ミツバチ養蜂のデメリット

1  貯蜜量が少ない(セイヨウの5/1以下、商売に不向き)
2  高い分蜂性と逃去性(逃げられやすい)
3  神経質で騒ぎやすい(逃げられやすい)
4  巣板の強度が低い(巣がこわれやすい)
5  体サイズの地域差がある(蜂具の規格化が難しい)
6  ローヤルゼリーの採乳に向かない
7  プロポリスが採れない(生産物として)
8  危険を感じると狭いところに潜り込む(扱いにくい)


日本ミツバチのメリット・デメリットを考慮すると

● 趣味で飼う(生産性は無視)
● あまり世話をしなくていい
● 近所との共存可能(庭の隅で飼える)
● 日本の風土に適している(放っておいてもいい)
● 初心者に向いている




日本蜜蜂と西洋蜜蜂の違い
      写真左は日本ミツバチで、胴体の縞模様が均等ではっきりしている。
      写真右は西洋ミツバチで、胴体の縞模様は均等ではなく、境目もぼんやり
      していて、黄色がかっている(イタリアン系)
               
 以下は摂丹日本ミツバチの会会長北野氏の編集によって作られたもので重複するところもあります。 
 日 本 蜜 蜂    西 洋 蜜 蜂
 大昔から東北から九州までの広い地域に住んでいる野生の蜂です。大きい木の幹の空洞、石垣の隙間、お墓の下、天井裏、床下、お宮さんの祠などに巣を作り、案外たくさん住んでいる。やや小型。  特徴   外国産の蜂を輸入して、品種改良をした収蜜力の高い蜂です。少し大きい。
逃げて野性化したものがいる場合があるが非常に少ない
 おとなしいが、元来野生なのでなかなか人間の自由にならない。巣箱が気に入らぬと途中で逃げてしまう  性格   闘争心は在来種より強い。品種改良をして家畜のようになっているので上手に扱えば比較的飼いやすい。 
  収蜜力が低いので営業的には魅力がないが、趣味として飼育?する人がほとんど。
病気、寄生虫などはほとんどない。
天敵はスズメ蜂。
 能力   日本蜜蜂に比べて約10倍以上の収蜜力があるので、養蜂業者が飼うケースが多い。
病気、寄生虫に弱い。
天敵はスズメ蜂。
  木製の空き箱を手作りするだけ(昔のリンゴ箱ぐらい)なので安上がり。杉の木の丸太の芯を抜いたものが理想的だが、手に入りにくいし重くて取り扱いが不自由。  費用  1セット(蜂1群、巣箱、巣枠、巣礎、遠心分離機…)15万円ぐらいですべて必要なものが手に入る。 
  蜂は殆んど購入できない。巣箱だけは購入可。
簡単に手作りができるので楽しい。
 入手方法  蜂、巣箱、その他必要なものがセットで販売されているので簡単に入手できる。 
  1年に1回しか蜜が採れないので、いろいろな花の蜜がミックスされている。1つの巣箱から年1回8リットル採れる年もあるが、全くゼロの年もあり、不安定だがそれも楽しみの一つ  採蜜  1ヶ月に2〜3回、れんげ蜜、アカシヤ蜜など一種類の花の蜜が採れる。
花を追いかければ比較的安定的に採取できる。
 
  春に蜂が分封(分家)する時期に空き箱を置いて蜂が来るのを待つだけ。確率は約25%から40%ぐらい。  増殖  春に蜂が分封(分家)する時期に自分で新しい巣箱に誘導することが出来る。 
 明治初期まではハチミツと言えば日本ミツバチのもので、貴重な甘味品だった。  歴史   明治6年に外国から養蜂書と蜂が輸入された。エジプトのツタンカーメンの墓(3500年前のもの)から蜂蜜が腐らずに見つかった。
  コスト高から国内産は2%以下。
産地は東北、信州、紀州、中国地方など樹木の多い所。
現在   98%が輸入蜜(中国産が多い)。
値段の安いものは水あめなどを混入したものがある。

先ず、準備する事

@ 飼育する場所 A  用具 B 巣箱

@ 飼育する場所
人里離れた場所で暮している人や、広大な土地を持っている人でしたら問題はありませんが、普通の人が
養蜂を始めようとする時、この問題がやっかいであり、これをクリアすれば、後は簡単です。
自宅の庭が幾分余裕があって、自分では充分蜂にたいする知識もあり、蜂が危険で無いと熟知していても、近所に無知識な人がいることを心得て置くべきでしょう。
親戚、知人等に山林、農地等を所有している人がいれば、巣箱を置かせてもらう等準備が必要です。

都市部で、高いビルの屋上が有れば最高です。周りから蜜蜂の飼育が覗かれない場所であれば、蜂の飛行速度が速いのでわからないでしょう。また、街路樹が蜜源として最高です。

下の写真は日本ミツバチの飼育に適した2つの場所です。右は銀座のビルの上で飼われている写真 をお借りしました。ミツバチの大敵スズメバチはいるのでしょうか?また、病気の面でも良いでしょね。
   


最近の養蜂振興法の改訂により、日本ミツバチの飼育でも届けが必要になりました。

A  用具

西洋みつばちを飼育するときと日本ミツバチの場合とは違います。
下記は大手養蜂具販売会社が販売している初心者用西洋みつばち飼育一式の一覧表です。


1 交配種5枚群(新巣箱入)(3号) 1群
2 継箱(窓付)(3号) 1個
3 10枚用隔王板 1枚
4 くん煙器(トタン製) 1個
5 金網式面布 1枚
6 巣礎枠組立完成品 5枚
7 円形蜜こし器(ステン) 1個
8 蜂ブラシ(1行) 1本
9 上等巣脾 5枚
10 木製給餌器 1個
11 蜜刀(上製) 1本
12 プラスチック製分離器 1台
13 ハイブツール 1個
14 ゴム手袋 1双
15 養蜂のスタート 1冊

初めて日本ミツバチの飼育をする場合、一番肝心の種蜂は近くに棲息している群から仕入れることを大概の人はします。又、巣箱にしても最初から巣枠式ではなく、単純な箱型いわゆる伝統的巣箱から始め、それから重箱式巣箱に入る人が多いです。
従って、上記用具の内絶対必要品は 覆面布、蜂ブラシ、ゴム手袋、他に長靴等です。勿論養蜂書は読んでおくべきでしょう。
特に 西洋ミツバチに必要なクン煙器及びハイブツール等は必要はありません。日本ミツバチにクン煙器を使用してはいけません。また、日本ミツバチはプロポリスを作りません。従って、ハイブツールも必要ありません。

日本ミツバチを飼育するときの
用意する用具
覆面布   常時着けるようにしましょう。時々中に蜂が入り蜂がパニックになっています。あわてないよう覆面布をは      ずし蜂を出します。
蜂ブラシ  巣箱を内検する時等に使います。
ゴム手袋  これも常時着けるようにしましょう。手首は最も多く刺されるところです。
長靴    蜂は飛来して着いた所から上え上えと這い上がる習性があり、ズボンの中に入らないように長靴を履きます。
巣箱    次項に移ります。