市民後見人と相談
  ※ ご相談や悩みについてはご一緒に考えましょう メール (シニアライフアドバイザー 岡島貞雄)

 記号  「市民後見人」歩く相談室


  前期高齢者と言っていた私が、残りの人生と活動できる時間を考えるような年齢に
 なりました。若い時代には、プラス人生、即ち、これからできることを多く考え
 プラス的思考でしたが、現在はマイナス思考的、即ち後何年と思うようになりました。
 今から数年前にホスピスの話を聴きこころに深く残っている言葉があります。
 「ホスピスは、死を待つ場所でなく、生きる場所です」というお話を終末ケアに
 こころを込めている医師からお聴きしたことがあります。
  残りの人生を数えるのでなく、「生きる」を考えて日々を送りたいと考えています。
 昨年もいろいろと相談事がありました。特に、成年後見制度、相続、遺言書、介護
 が主な相談ですが、主要な事例に絞り書いてみます。
 多くの相談から思うこと。「あなたは安心して高齢期を迎えることができますか」
 「安心して高齢期を迎えるために高齢期の私達も応分の社会貢献を共に考えましょう」

 
記号 成年後見制度関係と相談

@  相続と成年後見申し立て
   (相談内容)
   二人の兄妹で兄が死亡し、兄には配偶者はいない。
  子供3人が負債相続を放棄する旨伝えてきた。負債の相続は、実の妹
  (仮にOさんとする)に負債が相続されることになる。
   Oさんは、要介護度5であり、相続に関する判断は全くできない状態。
   どのようにすれば負債の相続を放棄できるか、以上の相談を受けた。

  (私のアドバイス)
   相続には、単純承認、放棄、限定相続の三通りの方法がある。
  相続を放棄しようとする甥と姪に限定相続にするように提案するも、放棄するの
   一点張りである。
   もう一つの方法は、民法643条の委任契約の方法であるが、Oさんは
  委任契約を結ぶだけの意思能力が既に失われていることなどから、
  成年後見制度の申し立てを行うこととする。
  書類の取り揃えは難しいことはないが、Oさんには三人の子供があり、
   長女を後見人候補とすることとしたが、家庭裁判所より、Oさんの相続人である
  兄二人の同意書を求められたことである。
   後見人となれば絶大なる権限を持つようになると誤解している、二人の兄弟に
   対して、成年後見制度の説明に時間がかかったことである。
   いまだに成年後見制度が社会的に認知されていないということを痛感した。
   
※参考 限定相続とは
      相続人は、相続される人が背負っていた借金などの負債(債務)や遺言で
      他人に与えるもの(遺贈)は遺産の限度内でしか支払わないという条件を
      付けて、相続を承認することができる。
      共同の相続人がいる場合には、全員の共同でなければ限定承認することは
      できない。


A 成年後見制度とボランティア
 (相談内容)・・ 成年後見制度の説明会の質問の一つである。

  「私は、現在近所の認知症の方をボランティアとしてお世話をしている」
  「この法律ができたのであれば法律違反となるか」との質問を受けた。

 (私のアドバイス)
  「法律よりは、人間としての誠意/好意は上位にあると判断するが、現在
   折角こころを尽くしてお世話をしていても他人から見れば人の財産を好き勝手に
    しているように言われる可能性があります。法に則りお世話をする環境を作られ
   たらどうでしょうか」
 (後日談)
  成年後見制度の説明会は、四国の15万人位の市の社会福祉協議会の主催で
  あったが、そこの職員から次のような電話があり嬉しさでこころが弾んだ。
  「市長申し立てにより3名の方が成年後見制度を利用するようになった。
   質問したご婦人は、市会議員です」議員の立場の方が一人でも多くこの制度に
   興味を持ち、恵まれない人々の人権を守ってくれることを望みたい。

B 成年後見制度の申し立てをしたい
  (相談内容)
   母親に成年後見人の申し立てをしたい。
   私(姉)と妹の二人で後見人となりたい。妹は、東京在住、姉と母は神戸在住。

  (私のアドバイス)
   複数後見はできるが、「東京の妹さんとどうして二人で後見人となりたいのか」
   よく聴いてみると、ここでも後見人になれば絶大なる権利を持ち、相続財産を
   一人で後見人の思うようにするとの考え方が双方にあるように感じられた。
  「成年後見制度は、被後見人の幸せを一番に考え実行することであり、
   姉妹二人で本当の母親の幸せを話し合いそれを解決してからもう一度相談に
   のりましょう」ということにした。

C その他の相談
  a. 入院時の保証人の問題
  b. 被後見人が亡くなった場合に相続人がどこにいるか所在が不明の場合は
   後見人が相続人を探す必要があるかどうか
  c. 銀行預金の通帳の書き換え
  d. 被後見人が入院中である。もう少し財産があると思われるが家の中を後見人
   の私が一人で探していいか・・・
      利益相反の可能性がある。監督人がいる場合には、監督人と監督人が
     いない場合には家庭裁判所にお願いし、特別代理人を派遣してもらう。
 ※ 親族後見人は、困った場合に備えて家庭裁判所、司法書士、弁護士など何時
   でも、相談ができる人などとつながりを作っておくことが大切である。


記号 高齢者と会話

@ ホームヘルパーと相性が悪い
 80歳を過ぎているご夫婦から次のようなお話を聴きました。奥様が要介護2の方で
 ホームヘルパーを利用しているご夫婦。
「ホームヘルパーと相性が悪く、こんなことを言うこと自体が贅沢で生意気でしょうか」
「決して贅沢ではありません。家の中に入り込むのです。相性は大切です」
 早速担当ケアマネジャーと話し合い、ヘルパーの交代を申し入れました。
 当初は、あまり気が進まない様子であったが、ヘルパーの交代を実現することが
 できました。
  
介護保険を利用している高齢者は、ものすごく気を使っている。そこのところを
 ケアマネージャーは気づいてほしいと思う。


A 元気は病気のもと、病気は元気のもと
  この言葉は、私が独り言でよく呟く言葉である。
 元気なうちに健康に気をつけ、病気になった場合には早期治療をこころがけ、病気の
 次には元気が待っているとプラス思考で考えるようにしている。
 このようなことは、成年後見制度や介護保険制度の勉強と利用でよく聴く言葉である。
 「私はまだ若い」「認知症ではない」など等。
 しかし、認知状態になるともう一人では利用ができない状態となる。
 常日頃より勉強し、親族・子供などによく話しておくことが大切。
 
そのためにも元気なうちに勉強し、家族や友人に自分の希望をよく話し合い、
 理解を求めておくことが必要である。
 (任意後見制度が対応)

B 介護予防の話
  高齢者との会話で最も心配していることは、「認知症になりたくない」
 ということである。認知症予防は、生活習慣病予防とよく似通っている。
 というよりは生活習慣病に気をつける生活、即、認知症予防とさえ考えている。
 規則正しい食生活・適当な運動は、よく言われることであるが、具体的に記します。

 1)1日一度は外出し歩く・・適度な運動
 2)新聞や雑誌を読む。頭を使うことである。これはデーター的に実証されている。
  買物と料理を作ることはいいことである。買い物に出て頭を使う、暗算でお金の
  計算をするなど等、料理と買物は、運動と脳を使うことが一杯含まれている
 3)1日に3人の人と会話を楽しむ時間を持つ
 4)食生活 
・・豆類 ・・ゴマ類 ・・肉 ・・わかめ海藻類
      
・・野菜類 ・・魚 ・・しいたけなどキノコ類 ・・イモ類
      
・・ヨーグルト
  「
まごにはやさしいよ」をバランスよく食べることである。高齢者は肉は良くない
  いう人が時々いるがそれは間違いである。バランスよくが大切であるが・・・。
  何事も程よいことが大切であり、「いいかげん」に気をつけている。
  いい加減とは、物事を加えたり、減らしたり、程よさが大切ということである。
  適当な運動のはずが、苦痛と感じるほどの運動となってしまったらマイナス要因が
  多くなる。何事も「・・ねばならない」とならないことである。

記号 介護の話

@ 施設利用者のわがままを受け入れる
  
施設の職員からよく聴く言葉である。私はこの言葉があまり好きではない。
 誰から見てわがままなのか、認知症や体が不自由な方達の本音かも知れない。
 職員の一方的な思いでわがままとか、すなおとか決めて欲しくないものだ。
 
動きさえ不自由な方、自分の意思を伝えることさえもできない高齢者の切実な望み
 ではないか。 高齢者の一人一人の心情を理解してほしいと考える。

A 施設職員の嬉しい話

  
Aさんは、施設での生活がもうすぐ6年になる。2008年2月に終末ケアを
 ということを宣言され、お世話しているBさんは半分あきらめていたが、
 食事等に工夫と、素晴らしい専門職員に恵まれて元気になり、食欲もでてきたようだ。
  特にリーダーである女性職員は、生活を考え、食事を考え、Bさんが落ち込めば
 声を掛け、精神的にリラックスできるように心掛けている様子がよく判った。
  介護専門職の方々の素晴らしさに感動し、命を慈しみ大切にし、人を尊ぶ気持ちが
 溢れている施設だと感動している。
 Bさんは、Aさんがこの世を去る時に自分に悔いがないように工夫したお世話を
 したいと考えている。親を世話することは自分のためですと私に話してくれる。
 

B 開かれた介護と閉ざされた介護

  介護疲れによる事件の多くは、独りで抱え込み親の介護に真面目に尽くしている
 人が多いような気がする。高齢者虐待事件も同じようなことがいえる。
 近所では、介護疲れに気づいていない。介護していることさえ知らないともいう。
 これらを閉ざされた介護と呼んでいるが、「助けて」の言葉が出せるような
 社会環境を創りたいものと考え続けている。
 
近隣の人に介護していることを話せるような状態こそが「開かれた介護」であり、
 声かけあい、情報の提供、行政のサービスを利用することを促したい。


C 認知症について

  
認知症は、中核症状周辺症状に分けて見守ってほしい。
 
中核症状は医学的説明の対象であり、記憶障害・見当識障害・言語障害等である。
 
一方周辺症状は、誰にでも現れるというものでなく、周りの人による理解の対象とも
 言われている。幻覚妄想状態・抑うつ・意欲障害・徘徊・収集癖・攻撃性など。
 周辺症状に対応することは大変なことである。
 特に要員が少ない職員は時間的に無理があることは十分に理解できるが、
 家族と力を合わせることで周辺症状の裏にある精神状態を理解し、対応したいものだ。

 家族の協力が必要である。
  家族会での風景は、施設に対する感謝の気持ちを伝えることも大切ではあるが、
 施設と家族会の協力体制を作り上げることも求められていると思考する

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