しわの研究 (8)

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1、 しわの出きる条件

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NO8

紙面を貫く一本の折れ線、この直線をしわの原型としよう。
このしわが途中で消えたり曲がったりしないで紙片の端から端まで貫くための条件は、
しわが紙の端の2点を通り、その2点は閉鎖されていないことである。

この2点を可動点と呼び、それどれP、Qとすれば、直線のしわは必ずこのP、Qを通る。

また、可動点P、Qは閉鎖線に遮られる形では存在しない

すると次のようなことが分かる。

@ 閉鎖線のない紙面の場合、P、Qは自由に紙の紙片を動き、しわは無数にできる。

1辺をa個とすると
(1+2+3)(a×a)通りのしわができる

A 1辺を閉鎖された紙面の場合、P、Qは3辺を動く

1辺をa個とすると
(1+2)(a×a)通りのしわができる

B 2辺を閉鎖された紙面の場合、PQは残された2辺を動く。

1辺をa個とすると
(1)(a×a)通りのしわができる

C 3辺を閉鎖された紙面の場合、PQは1辺の上に並ぶだけになる

直線のしわは出来ない

D 4辺を閉鎖された紙面の場合、可動点PQは存在せず紙面全体が緊張している

紙面はピンと張り詰めてしわが入る余地はない

全体として、紙片に力を加えてしわができる状況を観察すると、
しわが沢山できるのは、逆に閉鎖線の多い紙である。

@の場合は、どの方向にもしわはできるが、出来たしわは他に波及することがない
しかしA以降、紙面に閉鎖線ができると、そこで力が反射してしわの数が倍増する
だけでなく、よりくっきりとしたしわが生まれるのである。
Cなどはどこに力を加えても、しわの力が外に逃げられないために、加えられ力が
すべてしわに集中し、くっきりしたしわが現れる。
そしてしわは容易に閉鎖線を越えるのである。