しわの研究 (6)

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1、 閉鎖線としわの関係は鏡と光の関係に似ている

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目次

NO6

←この実験は閉鎖線に平行になるように、二つの点から力を加えたものである。

その結果は次のとおりであった。

両側から押された紙は、その中心に力が集まり、
閉鎖線に対して垂直なしわが出来る。

この図でも明らかなように、そのしわは完全に
閉鎖線によって遮断されていることが分かるだろう。

閉鎖線としわのぶつかったところにきれいな三角形が
出来ている。

この三角形は力の均衡を表している。
すなわち、閉鎖線に対して垂直に進んできた力の線
が、閉鎖線の抵抗を受けて先に進めず、しわの力と
閉鎖線の反作用が均衡して止まったものと考えられ
るのである。

しわの力についてはすでに取り上げてきたが、再度確認しておくと次のとおりである。

正方形の紙を、

このように押すと、右のように紙は
しわみ、その力の方向と垂直にしわ
が広がっていく。
このとき図の太い矢印がしわの力の
大きさと方向になるのであった。

この力が閉鎖線によって抵抗を受けたとき、どのような力関係が生まれているのか、
それを作図すると、次の図のようである。

しわの力をaで表し、xを閉鎖線とすると、x上の2点からaを押し返す(反作用)
が生まれ、力のベクトル
bcで表されるような力が生まれる。
このとき、x
かかる力が大きくなれば、xとベクトルbcの接点に力が集中して
たわみ、やがて力は
xで反射するようにBCに抜ける。
aの力と、bcの合力がつりあっている場合、そこにxを底辺にした三角形が出来る。
この場合しわは
上で止まり、しわの反射はない。

たとえaの力の方が大きくても、その力をx上で反射させている間は、
力は
x を突き抜けられないため、閉鎖線の向こう側は何の変化もないのである

さらにしわの力aに対して斜めに進んだ場合の作図は下の通りである。

斜めのしわは、xとの角度が小さくなるほどの抵抗が小さくなる傾向がある
当然であるが、閉鎖線と平行に進むしわは、まったく抵抗を受けることはない。

しわaの力がx面で反射するしわの作図は次の通りである

aに抵抗してつりあうbcの力はxを越えてしまうが、図のように、
反射する。光の反射と同じ形になっているのが面白い