しわの研究 (12)

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1、 カールさせた紙に力を加えた場合のしわの形

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NO12

このように力を加えた場合、カールした紙の抵抗は最大になる。
その力を破って出来るしわは次の通りであった。

結果は

となったり

となったりして

様々なバリエーションが見られた。
しかしよく見ると、これらの複雑なしわの中に同じようなしわの形が随所に見受けられることに気付くだろう。

その形が

こういうしわであり、それが様々につながって複雑なしわをつくっているのである。

たとえば

のようにつながっているのである。
これはカールした紙を縦に押しつぶしたときに出来るしわの特徴といえるものである。

このひし形のしわは

この部分が最も鋭いしわになっており、この両端ででしわの力が遮られたことが分かる。
このためにそれより先に進められない力が横に逃げて上下に三角形を作り落ち着いたのである。

唇のようで面白い。この唇こそ、複雑なしわを作る単位となるしわなのである。

またこのように、カールした紙を折るように力を加えても以下のように同じような結果が得られる。

上の実験と比べると、しわの鋭さはないものの、
同じ唇が現れているのを見ることが出来るだろう

しわの唇は、三角形を重ねた格好になっていて、明らかに面を構成する最小単位だということに注目すべきであろう。
この唇が現れたしわは、面が力によって粉々に砕かれたことを意味しているのである。
すなわち、
唇の多いしわほど、紙が受けた力が大きかったことを意味しているのである。