しわの研究 (4)
1、 折り目の効果
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NO4
紙袋には広げると直方体になるような折り目がついているものが多い。
そんな紙袋を注意深く観察すると不思議なことに気付く。
紙袋の端、つまり直角に折り目の入った袋の縁にはしわの波が及んで
いないように見えるのである。
実験2で観察したように、しわはある規則的な現れ方をする。
しかし紙袋の縁にはその規則的なしわの線が及んでいかないのである。
それはあたかも、紙袋の縁(90度の折り目)がしわを遮断しているようにも
見える。
実際にはどうなのか、以下そのことを考えてみたい。
2、 折り目の実験
実験3(折り目の強さとしわに関する実験) 折り目をつけた紙をそれどれ上のような方向に力を加えて押しつぶす そのときの抵抗の強さと、そこに出来たしわを観察する.............................. |
(結果)
(イ)は折り目の方向に押した場合である
押す指に紙の痕がつくほど大きな抵抗をうけた。
そのまま押しつずけると紙は砕けるようにしわみ、不規則なちいさなしわがたくさん出来た。
(ロ)は山になった折り目を下に折り曲げようと力を加えた
その結果は下図のとおり、2箇所で折れた。
(ハ)は山になった折り目を上に折り曲げようと力を加えた
その結果は下図のとおり、3箇所で折れた。
(ニ)は山になった折り目を横に折り曲げようと力を加えた
その結果は下図のとおり、1箇所で折れた。
これをまとめると次のようになる
不規則で稜線は砕けたような形
3箇所の折れ曲がり
2箇所の折れ曲がり
1箇所の折れ曲がり
図でも分かるように、折れ曲がった稜線の数で、そこに加えられた力の大きさを
推測することが出来る。
この結果は何度実験をやってみてもほぼ同じ結果になった。
したがってここからも、現れたしわの形から力の動いた様子を想像することが
出来るのである
このことから分かるように、折り目は一枚の紙に出来た強い堤防、あるいは柱のよう
なものである。
方向によって抵抗力は上の実験のとおり違うが、それをこわすには相当大きな力を
要するのである。
逆から言えば、折り目が壊れない程度の力の範囲であれば、そこに生ずるしわに対
して壁のような働きをするのである。
以下そのことを実験を通してみていくことにする。
なお、紙このような折り目をつけることを閉鎖するといい、
その線を閉鎖線と呼ぶことにする