遊離砥粒ラップ/湿式
細目次 |
●鋳物製工具 |
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●なぜ鋳物製か? |
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●鋳物製ラップ工具の「限界」 |
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●ラップ工具としての人白砥石 |
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●人白砥石をラップ工具とする「鏡面」 |
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●ダイヤモンド砥粒を使う場合の問題点 |
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●アルカンサス砥石のラップ工具 |
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●軸棒を磨く(ちょっとしたノウ・ハウ)
(201506 本項追記) |
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●遊離砥粒ラップ/湿式のための鋳物製工具
遊離砥粒ラップ/湿式の技法の歴史はハサミゲージ製作の歴史とともにあったと言って良いのかどうか判断のしようもないのだが、ハサミゲージ製作の技法として、ゲージの国産化と同時に移入・普及されたものであったことは確かなことであった。
この技能が普及した理由というのは、@ハサミゲージ製作のための必須の技能であった、A技能の扱いが簡便で確実なものであった、B道具製作が簡単で、素材を購入するにしても容易であった、という点にあったと想像するに難くない。
一般的な取り合わせは、鋳物製ラップ工具+WAラップ砥粒+ラップ油で、ラップ由としては灯油、スピンドル油、マシン油、もしくはこれらの混和油である。
ラップ工具は、ラップ工具本体は鋳物の薄片(15W×50L×4T、その他いろいろ)で製作し、それをSK5板で製作した握り柄に接着剤で接着する。
ラップ工具の大きさは作業者の体格や運動能力によっていろいろと可能なのだが、長さについてはラップ動作のストローク長さによって決まる。私の場合は動作ストローク長は30mm程で、従って、工具部分の長さは50〜55mm程度になる。幅については、若い頃は15mm前後のもの、あるいはそれ以上のものでも使いこなせたのだが、現在では10〜13mmとしてきている。
ラップ工具用定盤も鋳物で製作する。
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●なぜ鋳物製か?
鋳物製がなぜ当然か?ということを改めて問わなければならないのは、一般的な遊離砥粒ラップ/湿式の方式の原理的な説明に基づけば、必ずしも鋳物製と結びつかないからである。
一般的な説明に基づけば、鋳物製の定盤上に均等に塗布されたラップ砥粒とラップ油の上をワークが前後にスライドすると、ラップ砥粒が転動してワーク表面を研磨していく。その場合に、ラップ砥粒は上下から加圧されるために潰れていくのだが、このことはラップ砥粒に新しい切り羽を生じさせることになるから、ラップ力が持続する。併せて、ラップ砥粒は定盤とワークの両面に対してイーブンに作用するから、ワークがラップされると同時に定盤面も摩滅されていくという訳なのであるが、このような説明が妥当であるならば、定盤の材質としてはいっそう耐摩耗性に優れたもので構わないことになる。
実際の定盤ラップの具体的な作業を説明すると、仕立て上げられた定盤上にラップ油とラップ砥粒を置いて、それを定盤上に均等になるようにアルカンサス砥石で擦り込む。鋳物製定盤の場合に特質的なことは、この「擦り込む」ということが出来ることにあって、つまり、鋳物製定盤の場合には表面凹凸があって、その凹部分(微細なピンホール状)にラップ砥粒が擦り込まれるのである。しかる後に、定盤表面上にあるラップ油とラップ砥粒を払拭し、定盤面上をワークをストロークさせる。払拭の度が過ぎればうまくワークをストロークさせられないし、払拭が不十分な場合はワークの側に「面だれ」を生じさせて、ワークのラップ面が丸くなる。
鋳物製定盤上に遍在するピンホールにラップ砥粒が刷り込まれるということは、実質的には固定砥粒ラップであり、定盤面はラップ砥粒でコーティングされているような状態だからラ定盤面がラップ砥粒によって直ちに研磨されてしまうということはなくて、ラップ砥粒のラップ力はワーク表面に向かうのである。
この定盤を使って鋳物製ラップ工具表面の仕立て直しをするという場合、鋳物製定盤面上の凹凸の凹に置かれたラップ油とラップ砥粒は、ワーク(この場合は、鋳物製ラップ工具)のストローク摺動によって
「巻き上げられ」て(注)、遊離砥粒分としてワーク表面に作用する。つまり、ラップ油によって工具表面に固着しているラップ滓が溶解され、ラップ砥粒によって除却され、あわせて、ラップ工具表面が仕立て直される。
仕立て上げられたラップ工具面でワーク(焼き入れたSK工具高等)をラップするというメカニズムは、ラップ工具面上のピンホールに固着させられたラップ砥粒が固定砥粒としてワーク面をラップし、ラップ油はその際の潤滑の役割を果たす。
ラップ工具として鋳物を使うということはこう言った理由からであって、逆に言うと、こういったメカニズムを実現できる素材があるならば、必ずしも鋳物でなければならないという一義的な理由は成り立たない。
(注)「巻き上げられ」て
この点が遊離砥粒ラップ/湿式の根源的な特質と言うべきであって、「運動体は吸引力を生む」という言い方が出来る。定盤とラップ工具面との2面間、ラップ工具面とワーク表面との2面間の場合、いずれも、鋳物の表面に固定された遊離砥粒が2面間に浸み出してくることによってラップ作用が持続されるのであるが、この場合には、遊離砥粒というのは動作方向(水平方向)にのみ転動するのではなくて、垂直方向に対してワーク表面に対する加圧力に伴う切り込み力が作用するだけでなく、砥粒の「巻き上がり」による反作用と言うべき力が生み出される。そのため、2面間が隔離される。
従って、2面間の「距離」というのは、砥粒粒径寸法+ラップ油の油膜厚さだけにとどまらず、もう少し大きなものものとなる。
こういったメカニズムがあるため、ラップ作業者のラップ工具の操作に際してワン・クッション置かれたことになるため、例えば0.1μmラップして摺り下ろしたつもりでいても、必ずしもその通りにはならないということになる。
遊離砥粒ラップ/湿式の技法では、いわゆる「ジャスト寸法ゲージ」というものが著しく困難なもので、常に、ゲージの仕立て上がりの寸法が幾分かの曖昧さを伴う原因となっていると言える。
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●鋳物製ラップ工具の「限界」
上記のメカニズムが正しいと見た場合、ラップ工具面上のピンホールの「大きさ」よりもラップ砥粒の粒度が小さい場合、ラップ砥粒はその穴に嵌り込むだけで固定されないから、その砥粒本来のラップ力が発揮されないということになるだろう。
実際、鋳物製ラップ工具では#2500~#3000で高度なラップ能力を発揮するのだが、#6000ではラップ工具面が直接ワーク面に接触してしまってラップ作業にはならない。
このことが、ゲージ業界にあっては、ハンドラップ加工の熟練を幾ら重ねても「鏡面ラップ」の仕立て上げが出来ないままで来た理由であったし、なぜ出来ないかの理由の把握が、参考にすべき文献を幾らあたってみても、出来てこなかったのだった。
従って、鋳物製ラップ工具のこの「限界」を超克しようと試みるならば、表面凹凸がいっそう微細な素材があるか、その素材が目的に応じて容易に入手できるか、という観点から求めれば、「人白砥石」に行き着く。
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●ラップ工具としての人白砥石
人白砥石はアルカンサス砥石の代替砥石として開発されたものと言われているのだが、ここでは、砥石としての研磨力に何か期待するというものではなく、表面の仕立て上げによって表面に形成される凹凸を活用するものである。
鋳物製ラップ工具では#6000WA砥粒の利用は無理だったのだが、人白砥石では#3000〜#20000のGC砥粒が活用できる。そもそもが、#6000という粒度では、ハンドラップではWA砥粒はラップ能力に欠ける傾向があり、従ってGC砥粒を使う。
GC砥粒よりもいっそうラップ力がありそうなcBN砥粒が活用できるのではないかと思えるのだが、実際には、ラップ工具面の人白砥石を簡単に研磨してしまうために、工具としての平面度が充分に維持されない。
人白砥石をラップ工具とする場合、採用するべきラップ砥粒の粒度がいっそう微細なだけに、仕立て上げるべきゲージ測定部の寸法精度はいっそう向上する。
鋳物製の丈夫さや強さということは改めて指摘するまでもないのだが、#6000以上に微細なラップ加工に際しても、精密なラップに際しては、この頑丈さが必須であると考えるのは何かの思い込みとしか言いようがない。
言うまでもなく、鋳物に比べれば人白砥石は柔弱な工具素材であって、砕けやすいものである。しかしながら、SK工具鋼等に対するラップ作業においては充分な強度を持ち、むしろ、その柔弱さがラップ作業に際して作業者の指・手・腕の関節・肩に対する反作用を緩める結果、作業者の心身に対する負担をかなり緩和する。GCラップ砥粒のラップ力に対する焼き入れたSK工具鋼というものの耐磨抵抗というものは特に困難を伴うものではない。
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●人白砥石をラップ工具とする「鏡面」
人白砥石を使うということは、ラップ砥粒として#6000〜#8000のGC砥粒を使いこなせるということを意味するから、これはもうほとんど「鏡面ラップ」のレベルに達する。他方、もう少し「鏡面加工」のレベルを上げようとすると、1μm粒径〜0.5μm粒径のダイ
ヤモンド砥粒砥粒の採用に至る。
このような場合、ラップ工具表面はそれなりの面品質を持たなければならないから、事前の準備を心掛ける必要がある。
ハンドラップの場合、ラップ工具は円運動の軌跡を辿って動作するから、ラップ工具面は、動作方向に対してはこの円運動の軌跡を辿るべき凸Rになり、動作方向に直角に対しては、かなり精密な直線度で仕立て上げられないといけない。
よく誤解されていることは、ラップ加工とはラップ工具の平面を対象ワークの加工面に移していく加工作業であるというのがあるが、従って、ラップ工具面は三面ラップで仕立て上げられるべき平面でないといけないとまで言い切る立場もあるのだが、そんなことは嘘っぱちである。手作業でのラップ加工の場合、どうしてもラップ工具表面は「捻り(ひねり)」の動作要素が反映されてくるから、それに対応して、ラップ工具の動作方向に対する直角方向は、その「捻り」の要素を逃がすために、僅かに凸R面の要素を帯びる。
このことが実に煩瑣で具体的な調製を要するラップ工具の仕立て上げではないかと考えられるのであるが、そうではなくて、同じく良好な平面に仕立て上げられた人白砥石定盤面でラップ工具を摺り合わせていけば、その作業者特有の動作に応じたラップ工具表面に仕立て上がる。特に意識しなくても、動作方向への凸R面仕立ては成り上がるのである。
ただ、人白砥石定盤+ラップ油+GC砥粒という組み合わせで人白砥石でのラップ工具面を仕立て上げようとした場合、ラップ工具面の幅方向(ラップ工具の動作方向に対して直角方向面)が過度な凸Rになりがちなので、その凸Rぶりが甚だしい場合は、GC角砥石で直接是正する。
ラップ工具表面は作業者それぞれに応じた「特性」を持つから、収斂を重ねることによって、どのようにラップ工具表面が仕立て上がれば良いかは、自ずから見えてくる。
人白砥石のラップ工具の場合、ダイヤモンド砥粒を使う場合の砥粒のあり方は、工具表面の凹凸の凹に砥粒が嵌り込むという点と、ダイヤモンド砥粒が人白砥石表面に刺さり込むということもあって、実質的には固定砥粒として機能する。GC砥粒の場合はその「劈開性」によって砥粒粒径が崩壊していっそう微細なものとなるため、人白砥石表面に「刺さり込む」ということは認めがたいのであるが、ダイヤモンド砥粒を使う場合は、この点が特質的なことになる。
さて、以上のことを踏まえて、いわゆる「鏡面ラップ」について。
「鏡面」というのは、ラップ加工の際にはラップ痕がいわゆるヘアー・ライン状にワーク表面に刻まれていくのだが、この加工痕の凹凸の高低差が非常に小さいこと、つまり平坦度が極めて良好であることと、ラップによる刻線が微細であって、刻線それ自他の幅が微少であり、かつまた、線刻間の隔たりが極小であって、人の視覚の分解能では刻線を分別し視認できない加工レベルをいうと要約できる。
この要約に従えば、ラップ砥粒は出来るだけ微細なものを採用すべきということに結びつくのだが、実務的には、多少大きな粒径のダイヤモンド砥粒であっても、ラップに際して加圧力を弱めて砥粒の先端切り羽だけがワーク表面に作用するようにすると、実質的に極く微細な砥粒粒径のものを使っているのと同じ結果をもたらすだろうという話にはなる。ラップ工具表面が一定の大きさの粒径のダイヤモンド砥粒までしか保持できない場合には、こういう技法にならざるを得ない。
しかしながら、そうではなくて、ラップ加工に際して、作業の加圧力を高めた場合、ラップ工具に「弾性」があれば、その加圧力によって「砥粒の頭が揃う」ということが可能になって、ワーク表面に対する均一・均等なラップ加工が可能になる。これが概ね1μm粒径のダイヤモンド砥粒を用いての鏡面ラップの技法で、人白砥石をラップ工具とする場合、この「弾性」がうまく活用できる。
この方法の場合、ラップ工具表面に保持されるダイヤモンド砥粒の「濃度」が充分である必要がある。
SK工具鋼製ハサミゲージの製作に際しては、#6000程度のGC砥粒で仕立て上げたゲージ測定面を1μm粒径のダイヤモンド砥粒を用いて鏡面仕立てをする。
GC砥粒を用いてした仕立てをすると、そのラップ痕は非常に浅いから、下地のラップ痕を残すことなく鏡面仕立てが出来上がる。
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●ダイヤモンド砥粒を使う場合の問題点
一般的な遊離砥粒ラップ/湿式の技法でダイヤモンド砥粒を使うという場合、ダイヤモンド砥粒のラップ力というのはワーク表面に対する切り込み力のことになるから、その切り込み力が発揮され得ない場合は、単にワーク表面を磨く(光らす)ことだけに終始する。従って、ダイヤモンド砥粒のラップ力が発揮されるためにはラップ工具の加圧力というものが特に重要な指標になるだろう。
他方で、一定の加圧力の下で、ラップ工具面とワーク面との間での潤滑ということが大事なことになって、潤滑がうまくいかないとスクラッチの原因になるし、ラップ加工ということ円滑には行かなくなる。
ハンドラップの場合、作業者が可能な加圧力というのは指・手・肘・肩の力に基づくものであるから、この弱劣な加圧力をうまく統御しようとすると、ラップこぐそれ自体を小さなものとして(具体的には、ラップ工具の幅をちいさくして)、加圧力の集中を図るということになるのだが、これにも自ずから限度がある。
ラップ工具に人白砥石を使うというのは、実態的には「固定砥粒ラップ/湿式」の技法を意味するのだが、砥粒のラップ力という点では、遊離砥粒ラップよりも固定砥粒ラップの方が遙かに凌駕するものであるから、むしろ、率直に固定砥粒ラップの技法に全面的に移行した方が利点が大きい。
ゲージ屋がダイヤモンド砥粒を遊離砥粒ラップ/湿式の技法で製作作業をすると、ブロックゲージを酷く損耗させる。加工面に残存するラップユニはダイヤモンド砥粒が含まれているのだが、それを完璧に除却するとか払拭するということは無理なことだから、どうしてもその弊害が生じる。
その対処として超硬製の保護ブロックゲージを使えば良いのではないかという話になるのだが、超硬でもダイヤモンド砥粒に対しての耐摩耗性は余り期待できる程のことにはならないから、要するに、ハサミゲージ製作に際してダイヤモンド砥粒での遊離砥粒ラップ/湿式という技法は採るべきではないという結論に至る。
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●アルカンサス砥石のラップ工具
アルカンサス砥石それ自体の研磨力はほとんど期待できないものであるから、専らダイヤモンド砥粒を表面に固着させて用いる。
ただ、もう掘り尽くされてきている事情のためか、不均質なものも散見され、このような場合には鏡面ラップは無理ということになるから、ラップ工具とする場合には気をつけないといけない。
アルカンサス砥石の成形にはGC砥石を使う。
ダイヤモンド砥粒を固着させたものであっても、GC砥石はダイヤモンド砥粒を剥ぎ取っていくから、成形には支障は生じない。
人白砥石が自由にラップ工具として活用できる準備があれば、アルカンサス砥石をわざわざ使わなければならない必要性というのは無いだろう。
アルカンサス砥石をラップ工具として用いる場合、人白砥石ではカバーしきれない、あるいは、カバーすることが難しいダイヤモンド砥粒の微小粒度に対して有効ではないかと考えられるのだが、その場合、ラップ工具面とワーク表面との間の「潤滑」が難しい。
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●軸棒を磨く(ちょっとしたノウ・ハウ)
一般的に「ドリル・ロッド」と指称されている小径の棒材を加工した際、その周囲がさまざまな加工痕が入ることがよくある。あるいは、購入時のロッドの表面粗さが気になる場合がある。
そのような場合、軸表面を再研磨加工するとなると大袈裟なことになり、あるいは、h7の精度で既に加工されているロッド外径の寸法精度をぶち壊しにしてしまう心配が生じる。
こういう場合に、砥粒を使って軸表面を磨くこと試みる。
寸法的には、マイクロメータでその作業前後の寸法変位が読み取れないレベルでのことだから、「磨くとワークが痩せてしまう」と心配するまでもない。
要領は簡単なことで、研磨材としてWA砥粒#600程度、磨き油としてマシン油、磨き工具としてアート紙を使う。
「ドリル・ロッド」と呼ばれている丸棒材の材質にはいろいろあるそうなのだが、ここでの例では、その材質を問わない。焼き入れ材であっても特に問題は生じない。
磨き工具として用いる紙については、原理的にはその紙質は問わないのだが、アート紙では、紙の繊維の間に土類が詰まっているために、磨き砥粒が徒に紙の厚さに潜り込むことを防止できる。
一定の大きさに畳み込んだアート紙の表面にWA砥粒とマシン油を混和したものを塗りつけ、それを、ボール盤等にセットして回転させた軸棒を挟み込むようにして磨く。
ほとんどこれだけの作業で、軸棒表面のキズは除却され、鏡面と言えるほどに磨き上げることができる。
「磨く」という作業の場合、ラップ油が灯油もしくはスピンドル油といった幾分「軽い油」であるのに対して、この場合はマシ油とかグリース類の「重い油」の方が効果が大きい。
たったこれだけの、ノウ・ハウとも言えないようなことなのだが、利用価値は大きい。
紙以外に例えば「革」を使ってみるというのも一つの方策だし、砥粒の粒度や種類をいろいろと試してみると、それぞれで表面の磨き上げの結果が微妙に違ってってくる。
上の例示は、棒軸の外径を磨くという作業なのだが、応用として、ワークの「内側」を磨くことにも適用できる。ワークを回転させる必要があるから、轆轤(ろくろ)をベースにして、ワークを固定しつつ回転させるべき道具が必要になるが、大した設備というほどのことにはならないだろう。
一般的に言って、「磨く」という作業にチャレンジしてみたいと考えても、必要な砥粒を例しに購入しがたいという点で二の足を踏むという事例がある。
市販の砥粒は5s(粒度によって2s)のパック入りが最少購入単位とされているのだが、研磨材屋さんによっては、300〜500g程度で小分け販売を世話してくれる所がある。砥粒の種類は、WA・GC・C・Aのそれぞれ#3000まで。
ダイヤモンド砥粒については、チューブ入りの磨き油に練り込んだものが一般市販されている。
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