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2011.8月号

一人ひとりの “いのち”が 大切にされる社会を 

3月11日東日本大震災から5ヶ月を経ました。1万5683人の人が亡くなられ、4830人の人が今尚ご不明な中、9万人弱の人が不自由な避難生活を強いられています【8月8日現在】。想像を絶する災害に遭い、命を家族を仕事を職場を奪われ、今まで生きてきた“証をも奪われた人々の絶望感を思うと胸が痛みます。それでも人は生きていかねばなりません。16年前に震災を経験した私たちができること・・・被災地に思いを馳せ、被災者の思いに寄り添うこと、つながる努力だと思います。そして、今もこれからも一人ひとりの”いのち“を大切にすることを考え続けることだと思います。支援を続けます。

 

 

今年も、「都賀川水難事故犠牲者を偲ぶ会」に参加し5本のひまわりを供えました。早いもので3年。いつまでも忘れない、忘れてはいけないと、その思いをつないできた「7月28日を『子どもの命を守る日』に」実行委員会のメンバーの企画です。当日、ささやかなそれでも心のこもった会に様々な思いを抱いている人々が集まりました。
会のメンバーは、この間、当日の川の様子や天候などを地域の人から聞き取り、このたび一冊の記録集『都賀川水難事故 経験を記録する2011』をまとめあげました。この活動はこれからも続けられていきます。あのような事故を二度と起こさないために、川の危険性について伝え続けて行こうとしています。当時のことを明らかにすることは、一人ひとりの存在を明らかにすることになります。そしてそれは、一人ひとりの“いのち”を大切にすることにもつながるものだと思います。
【問い合せ先】
「7月28日を『子どもの命を守る日』に」実行委員会
(℡090-2704-0546谷口さん)

 

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【議会発信】請願を採択するよう求めました

今定例会でもたくさんの陳情・請願が出されました。一度は常任委員会で不採択になったものを再度本会議の場で採択を求めるよう働きかけることができます。私は二つの請願について討論しました。
 一つは、「生活保護制度の抜本的改革の提案の撤回を求める請願」です。6月、厚生労働省は、生活保護受給者が200万人を超えたことを発表しました。東日本大震災での被災者が、住まいを失い、仕事を失い、義援金の配分も遅々として進まない中、生活保護に頼らざるを得ないという厳しい現実も、生活保護受給者急増に一層の拍車をかけることになりました。
そのような中、全国指定都市市長会が提案した『生活保護制度の抜本的改革案』は、国に対し全額負担を求めた一方で、就労指導の結果、3~5年で自立できなければ生活保護を打ち切ったり、医療費の一部自己負担導入というものです。
今の生活保護制度は、最後のセーフティネットとして良い制度だと思います。制度そのものに問題がるのではなく、そこに至るまでの雇用や年金での社会保障が不十分なことにこそ問題があるのだと思います。全国指定都市市長会は、社会保障の充実はもちろん、生活保護費の全額国庫負担やケースワーカーなどの増員、並びに人件費負担こそ国に対して求めなければならないのではないでしょうか。


もう一つは、「市会・議場における国旗掲揚の中止を求める請願」です。日の丸掲揚を求める陳情については、今までにも、何度か常任委員会に提出されてきましたが、慎重な対応がとられ「審査打ちきり」とされてきました。にもかかわらず、3月の市会運営委員会の場で十分な審議もなされない
まま採決で簡単に決定されてしまいました。また、日の丸掲揚の中止を求める請願が出された常任委員会においても、当該部局がないということから全く審議もされず、意見決定で「不採択」に終わりました。市会運営委員会や常任委員会の審査のあり方についても大いに問題があると思います。
日の丸掲揚については、国民の間にある程度浸透していますが、今尚国民的合意を得られているとは言えません。60数年前、日本で唯一地上戦が闘われた沖縄で、原爆が投下された広島・長崎で、終戦間際に日本各地を襲った度々の空襲で多くの尊い命が奪われました。また、中国・朝鮮・東南アジアなどにおいては、被害者としてだけでなく加害者としての戦争が繰り返され、民間人を含め多くの尊い命が奪われてしまいました。この60数年間、ある人は悲しみを背負い続け、ある人は自責の念にかられ、長い間、「戦争」を引きずって生きて来られた人が多数おられます。
その一方では、未だに中国人・朝鮮人強制連行問題や従軍慰安婦問題など、国の十分な謝罪と補償がなされないまま、長い間被害者として「戦争」を引きずって生きて来られた人も多数おられます。
これら一連の「戦争」を想い起こさせるのが日の丸です。国が過去の歴史的事実に真摯に向き合うこともないまま今に至った結果、今尚日の丸に対しての複雑な感情、「負」の感情を抱き続けている市民、在住外国人は決して少なくはないはずです。
そのような背景から、議場での日の丸掲揚は、それだけで、市民の在住外国人の、そして私たち一部の議員の憲法で保障された「内心の自由」を侵すことにつながります。
今尚、国民的合意を得られたとは言えない日の丸を議会制民主主義の最も重要な機関である議場に掲揚するべきではなく、強要するべきものでもないと考えます。



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【地域発信】子どもたちにやさしい地球を!

東日本大震災は、地震と津波、そして放射能汚染という三重苦を被災者にもたらしました。当初の情報を「隠す」「ぼかす」「遅らせる」国や東京電力の体質から、汚染は見る見る間に広がってしまいました。今、福島の子どもたちは、年間1ミリシーベルトを目標としながら20ミリシーベルトを許容範囲とされる、とんでもない安全基準の下で暮らしています。すでに福島では1万人以上の子どもたちが県外避難していると聞いています。神戸市にも多くの被災者が移り住んで来ています。一日も早く福島県民を救済しなければなりません。と同時に、原発の「安全神話」が崩れた今、この日本からこの地球から、あの危険な原発を無くしてしまわなければなりません。
今、全世界的に、全国的に“脱原発”のうねりが起きています。数々の講演会や集会、パレードが盛んに開催されています。その中心となっているのは、小さな子どもさんのいる親御さんや妊婦さんです。原発建設を停めることのできなかった私たちの力の弱さを反省しつつ、これから子どもや孫にやさしい地球を残していくためにできることを皆さんと一緒に取り組んでいきます。


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   ★さようなら原発1000万人署名にご協力を!

このたび、内橋克人さん、大江健三郎さん、落合恵子さん、鎌田慧さん、坂本龍一さん、澤地久枝さん、瀬戸内寂聴さん、辻井喬さん、鶴見俊輔さんの呼びかけで全国署名『さようなら原発1000万人署名』に取り組むことになり、先日、兵庫県実行委員会が結成されました。同封しています署名用紙での署名集めにぜひご協力ください。署名用紙が足りない場合は『たんぽぽ事務所』(水道筋2丁目)や取り扱い団体『憲法を生かす会・灘』(灘区天城通3丁目新社会党内)にお声かけ下さい。(第1次集約8月末 第2次集約11月末)

 

★DVDで知ろう“原発”、ぜひご参加ください!

今、様々な団体が脱原発の講演会を開いています。まずは知ることから・・・と、原発問題について分かりやすいお話が収められているDVDを皆さんと一緒に観て、学びたいと下記の日程で企画しました。お時間のご都合のつく方はぜひご参加ください。
● 日時  9月10日(土)午後2時~3時半 於:灘区民ホール1階
● 日時 10月15日(土)午後2時~3時半 於:六甲道勤労市民センター5階あじさい

―福島っ子プロジェクトー『ろっこう医療生活協同組合』の取り組みから

 

被災地・福島への医療支援を継続している『ろっこう医療生活協同組合』は、夏休み中の福島の子どもたちを3泊4日で神戸に招待しました。屋外で遊ぶことも制限され、長袖長ズボン、マスク姿を強いられている子どもたち、友だちが転校しバラバラになった子どもたちをわずかな時間でも思いっきり遊ばせてあげたい・・・という思いから企画されたものです。子どもたちは王子プールで泳いだり、王子動物園や須磨海浜水族園に、そして『アトリエ太陽の子』(代表:中嶋洋子さん)の子どもたちと一緒に絵を描くことなどで交流しました【写真】。この取り組みは今後も継続するそうです。 
 

【地域発信】東日本大震災被災地を訪ねて

「一日も早く被災地へ」という思いばかりが募り、ルートがないことでなかなか実行できずにいた被災地訪問。ようやく5月18日から21日にかけて、福島県小名浜市、宮城県仙台市・石巻市、山形県米沢市を訪ねる機会を得ました。被災地の現状把握はもちろん、被災地で活動する労働組合への激励、そして16年前の労働相談での経験交流を主な目的とする『神戸地区労』や『神戸ワーカーズユニオン』の支援行動に私も便乗させてもらいました。

 

●ひとっけのない壊滅的な小名浜港・・・


    
車で高速を乗り継ぎ乗り継ぎ19日の朝早く小名浜漁港に着きました。信号機は消えたまま、道路もあちこちに亀裂が入り凸凹状態でした。沿線の木々も塩害で枯れていました。漁港では、漁船が陸に打ち上げられている光景があちこちに見られ、漁も出来ず、施設も壊れていました。

周辺の食堂などの店舗も壊れたままの状態で、人気も全くといって良いほどありませんでした。唯一一軒だけ開店している食堂を見つけ入りました。仕事で訪れているらしい二人の客がいただけでした。私たちは日替わり定食を注文しましたが、そこで捕れる魚ではなく、さけやしじみ汁などが出てきました。この店の人に聞くと、1.7メートルぐらいの津波が押し寄せたそうで、たまたま定休日だったことで全員助かったものの店が壊れ、1週間前に再開できたそうです。


●16年前の阪神淡路大震災で経験したことが少しでも役に立てば・・・と

 

小名浜地区労働組合協議会の入っている小名浜港湾労働者福祉センターは、小名浜港の傍にありました。津波の向きによって被害の差がバラバラで、幸いにも津波による被害は少なかったものの、埋立地であることから液状化現象で建物の周辺には亀裂が入り、おおきく段差ができていました。ガントリークレーンも潮水につかり使えなくなっており、仕事がない、できない中で、200人の従業員のうち30人から
 50人だけが働いており、その他の人は自宅待機していることでした。以前、取り組んだ労働相談では、賃金保障もなく自宅待機を命じられ、解雇予告もなく当たり前のように解雇されたという相談や原子力発電所20km圏内にある会社で立ち入れないことを理由に全員解雇されたという相談が寄せられていました。

 

    

その後、港周辺から被害のひどかった地域、薄磯地区に案内していただきました。地元の皆さんやボランティアの皆さんが片づけをしていました。16年前に、私たちは逆の立場で見ていたことを思い出しました。被災地外から来て写真を撮ること、それだけでもはばかれるようでした。家の土台ばかりが残った、消えた町並みの中を歩きながら浜のほうへ向かいました。大津波が押し寄せ、引き戻す時に、全てを奪い去ってしまったその光景に声が出ませんでした。

 

    
      
● いったん災害が起きると、そのしわよせは働く人に・・・
次に訪ねたのは仙台市にある宮城合同労働組合でした。仙台市役所前にあるビルの小さな事務所でした。ちょうど相談者が来ていました。その間にも余震があり、ここは、は昭和56年以前、つまり新耐震基準前のビルということで、やや不安でした。宮城合同労働組合は今、大震災は不可抗力によることから「休業手当は支払わない」、また、解雇予告解雇制限除外認定を受けていることから「解雇予告手当は支払わない」という悪質な会社と団体交渉を繰り返しています。実は、全員解雇をしていないにもかかわらず、全員解雇・事業継続不可能の虚偽申請をしていたことで、除外認定を受けていたのです。まさに便乗解雇と言わざるを得ません。雇用保険失業給付や雇用調整助成金の特例処置を活用することがすすめられています。

 

    
沿線には、広大な田畑の中に散乱する船や乗用車、道の両側に掃き寄せられたがれきの山、魚の異臭が鼻につく漁港の町、土葬なのだろうか花が手向けられた墓、そして、土埃の中を行きかう復旧車両・・・移動途中の車中から、芦屋市、加東市、兵庫県警などの車両を見かけました。
そういう中、石巻市立湊小学校前をたまたま通りかかりました。実は、数週間前に、神戸土木建設労働組合のKさんから「湊小学校に大工道具を送って良いものやら、問い合わせしたいのだが連絡がつかない」という話を持ちかけられていたのです。電話連絡は不通で、あらゆる手段を通してやっと湊小学校の対策本部長につながり、「送ってほしい」という確認がとれKさんに伝えていたのでした。さっそく車を停めてもらい、運動場を走り抜け避難所へ。大工道具が届いていました。対策本部長にも出会え、神戸のボランティア「チーム神戸」のメンバーにも出会えました。しかし、移動時間があまりなかったことで、激励の言葉だけを残して、その場を去りました。

 

 

あまりに遠く、あまりに広い、そしてあまりに悲惨な被災地に、様々な人が様々な形で支援に入っています。しかし、やがて自治体もボランティアも去っていきます。それを待たずして、被災地では、格差が格差を呼び、問題はより深刻化、複雑化してきます。そして、強い者が生き残り弱い立場の者が切り捨てられていきます・・・16年前の阪神淡路大震災がそうだったように。
しかし、だからと言って諦めてはなりません。『神戸地区労』や『神戸ワーカーズユニオン』は、今回その足がかりをつけ、第2弾、第3弾と、被災地での長期的な労働相談活動の取り組みを始めています。あの震災を経験した私たちだからこそ、長期的につなげ拡げていく努力をしなければならないのではないかと思います。

 

【紙面の都合上十分にご報告できなかったことをお詫び致します】


      

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【倶楽部発信】お知らせ  恒例の秋のリサイクルバザー、今年も行ないます

春のリサイクルバザーが、選挙の都合でできず、ご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありませんでした。さて、恒例の秋のリサイクルバザーを下記の日程で行ないます。目的は活動資金つくりですが、収益金の一部は、東日本大震災被災地支援のためのカンパ金にさせていただきます。当日のご参加はもちろんですが、ご自宅で眠っている品物がございましたら、ぜひご提供お願いします。ご協力宜しくお願いします。


● 日時 9月18日(日)・9月19日(祭)午前10時~午後4時
● 場所 たんぽぽ事務所

* 尚、ご提供いただける品物は9月1日から受けつけます。「持っていけないから取りに来てほしい」という方は、連絡いただければお伺いします。ご協力宜しくお願いします。
【連絡・問い合わせ先】℡802-1125(月・水・金曜日、午後1時~5時)

 

 

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好評の黒豆狩ツアーにご一緒しませんか!!

黒豆5株 ドッサリ タップリ 


 楽しくておいしい企画をしました。「黒豆狩ツアー」です。秋の一日をご一緒しませんか。

●日 時 10月23日(日)(午前9時30分集合、於:灘区民ホール前)
●行き先 篠山町 坂東農園
●参加費 4,000円
●参加者 先着50人
●持ち物 弁当・飲み物・敷物・はさみ・軍手・ビニール袋(大)など

●申込み たんぽぽ倶楽部(℡802-1125、月・水・金曜日、午後1時~5時)まで

前金でお願いします。
申し込み締切日は9月30日(金)まで
キャンセルは4日前までです。
* 弁当は途中のコンビニでも購入できます。
* 帰途、篠山町散策や
キリンビール工場見学なども予定しています。

 

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【編集後記】

残暑お見舞い申し上げます。
“原発”推進派が煽っているかのような“節電キャンペーン”。節電、節電、節電で、人間らしく働き暮らすことさえも奪われてしまっているような・・・毎日。原発がなくても十分に電気が足りると言われています。そもそも電気が足りようが足りなかろうが、まずはあの危険な原発を無くすことが先です。安全で安心な地球を残すこと、これが私たち大人が子どもや孫にできることだと思います。
まだまだ暑い日々、お身体ご自愛ください。

(小林るみ子)

   

ブログアドレスは「http://www.tanpopo-club.net/

もしくは「小林るみ子たんぽぽ倶楽部」でみることが可能です。

ご意見やご感想がございましたらお聞かせください。

   

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