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たんぽぽ通信 2007.11

神戸市の台所は・・・赤字?それとも黒字?

9月から10月末まで、「決算特別委員会」が開かれました。神戸市議会では、常任委員会と異なり、特定の事件の審査のためにいくつかの特別委員会が設置されます。その一つが、今回の「決算特別委員会」です。

昨年度の神戸市の一般会計・特別会計・企業会計の歳入・歳出について、議会の場で各局別に審査をします。
昨年度の一般会計決算では、9,265万円の黒字になりました。しかし、それは、職員の削減などによる15億円の財源対策をおこなった結果であり、神戸市の財政は、本当は、依然として厳しい情況にあります。しかも、その上に、港湾事業や高速鉄道事業などの過去の事業で膨らんだ起債(借金)の償還(返済)の資金繰りが、今後、最大の課題となってきます。とりわけ、2009年からは、空港島造成事業での償還が始まります。

2011年からはポートアイランド2期での償還も始まることから、年間の償還額が多額となることが予想されます。このような現状から考えても、神戸市財政は、さらに厳しい情況に置かれると言っても過言ではありません。神戸市は一般会計と企業会計は、別会計だと言います。でも、市民の目から見れば、同じ一つの財布です。大切な税金の使い途しっかりチェックしなければなりません。

「たんぽぽの会事務所」℡078-802-1125を設置しました!

場所は、水道筋商店街の中です

常時、事務所が開いている訳ではありませんが、お買い物帰りに、通院帰りにちょっとお立ち寄りください。

勉強会に、健康班会に、趣味の場に、交流会に、そして小規模作業所の物品販売コーナーに、狭いスペースですが、

どうぞご自由にお使いください。11月11日(日)午前10時~オープンです!


敬老パスは、高齢者の市民の『宝物』

♪メールが届きました♪
介護予防事業として、バスの無料化を継続していただきたいと思っています。 私の母親の場合、国民年金受給者で、2ヶ月13万円の支給です。そこから介護保険料が引かれています。月々約6万円で生活をしている状態です。持ち家なので家賃はいりませんが、修繕費の積み立ては必要です。食費・光熱水費等を差し引くとわずかな額しか残りません。わずかなお小遣いで、老人向けの運動教室等に週2回バスで通っています。時には外部での講習もあるので、地下鉄にも乗ります。教室で知り合ったお友達と、たまにはお昼ご飯を一緒に食べて、色んな話をして帰ってきたりもします。月に何回か通っている病院へもバスで行きます。近隣にあったスーパーがなくなってしまったので、日々の買い物もバスに乗って行きます。年齢と共に重たいものを持つのが難しくなり、何回かに分けて購入します。ある日は牛乳、ある日は大根というように。
敬老パスが有料になると、外出の頻度を控えなければ生活がなりたたなくなってきます。買い物は必須ですから、楽しみである運動教室等を減らすことになります。出かける機会が減ると、人との会話の時間も機会も減ります。閉じこもりがちになると認知症が進みます。歩く量も自然と減り、筋力の低下が心配されます。買い物の回数を減らすことになると、栄養状態も悪くなる可能性があります。近所に同年代友人のいない、要支援にもならない高齢者は、行き場を失っていくのではないでしょうか。結果として要介護者が増え、市の負担は別の部分で大きくなるのではないかと思われます。敬老パスは、その存在だけで十分介護予防になっているように思います。昼間にバスに乗ると、敬老パスで出かける高齢者にたくさん会います。彼らが閉じこもらずにバスにも乗らず、歩いて行ける距離で楽しく過ごすことができる、そういう場所を何カ所も、画一的にならずに設定することは難しいでしょう。もっと全体で考えて欲しいですね。(高齢者施設勤務:ヘルパーKさん)

バス画像


神戸市では現在、「敬老優待乗車制度」のもと、70歳以上の高齢者を対象に、敬老パスを交付しています。この制度は、「高齢者の移動を支援し、社会参加を促進するための福祉制度」として、1973年から始められたものです。しかし神戸市は財政難を理由に、敬老パスの見直しに着手しました。昨年末から、「敬老優待乗車制度検討懇話会」が設置され、5回にわたって、いわゆる有識者(?)とやらで、議論されてきました。そして、先日、「懇話会」の最終結論が出され、今後は、その答申を受けて、神戸市がどのような判断をするかに委ねられます。その「懇話会」がだした最終結論とは、「利用者が乗車時に一定額の自己負担をする」とうものです。つまり、高齢者が、バスに乗るたび、電車にのるたび、50円とか100円とか、一定額のお金を払うという方法です。万が一そうなれば、高齢者の負担が増えます。度重なる増税の上にさらにです。通院も買い物も控えるようになってしまいます。ボランティアに行くのも、いきがいづくりに行くのも控えてしまい、結局は閉じこもりがちになり、様々な病気を誘発するもとにもなりかねません。介護予防効果、経済波及効果など、様々な利点を持っている敬老パスは、高齢者にとっては、『宝物』同然です。このささやかな楽しみさえ奪おうとする今回の見直しに、多くの高齢者が署名を通して声をあげています。11月から12月が、運動の山場になります。敬老パスが、今まで通りその趣旨・目的が尊重される制度として、維持、存続できるように皆さんの署名へのご協力、よろしくお願いします。(*同封の署名用紙をご利用ください)

 

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公立保育所を民間に移管、公立図書館まで 

神戸市は「官」から「民」へという大きな流れのもと、民間委託・民間移管・指定管理者制度・PFI方式などの手法を通して財源対策を行おうとしています。
その一つが、公立保育所の民間移管です。一保育所で5000万円、20箇所で10億円という資金を生み出すために既に6保育所、来春移管予定の3保育所、さらに、21年度移管予定保育所の名前が既に挙げられるなど、移管予定保育所数の半分を超えた保育所が民間移管されつつあります。保護者に対しての説明も決して十分とは言えず、結果として、保護者には不信感を、子どもたちには、心不安定な情況をつくってしまいました。神戸市は、短期間に、次々と、強引にすら思えるようなやり方で民間移管を進めてきています。どれだけ多くの禍根を残してきたでしょうか。保育を受ける子どもたちの権利、保育を託す保護者の権利、保育所を選択する権利を奪うもの以外の何ものでもありません。これは、まさに公的責任の放棄と言わざるを得ません。本来ならば、公立の保育所と民間の保育所と、それぞれの特性を生かし、バランスよく存在する状態が最善です。むしろ民間移管よりも、官民問わず、保育所数自体を増やすことこそが必要だと考えます。
もう一つが、公立図書館(大倉山図書館を除く)への指定管理者制度導入です。指定管理者制度とは、「多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間事業者の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図ると共に、経費の節減等を図ることを目的とするもの」だと言われています。民間参入で、図書館間や学校との連携は保てるのか、無料の原則は崩れないのかなど、多くの課題が生まれてきます。

無意味な事態想定よりも自然災害に向けた訓練を   災害      

神戸市国民保護計画にもとづいて、現在、計画実施のための「爆破テロ対策編」のマニュアルが作られています。

神戸市は、「大規模テロ」への対応は、自然災害や事故災害との違いはあるものの、市民の安全を確保する方策は共通する点も多いとし、地域防災計画や各種防災マニュアルをできる限り取り入れようとしています。しかし、「大規模テロ」がどういう背景や要因で引き起こされるかの指摘はなく、ただ市民の不安や危機感を煽るだけとしか言いようがありません。さらに、11月3日には、マニュアルの実効性を検証するための図上訓練が行われました。このような無意味な事態想定をするよりもむしろ「災害大国日本」自然災害や事故災害を想定しての訓練を考えるべきだと思います。

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ベイ・シャトル、撤退する勇気も必要なのでは ベイシャトル

2年前に、市民の反対を押し切って開港に至った神戸空港は、「必要性」をはじめ、「財政計画」「需要予測」「安全性」「海岸環境」など、未解明・未解決の課題が残されたままです。にもかかわらず、神戸空港事業は軌道に載ったという理由から、今年度、「新産業・空港特別委員会」は廃止されました。しかし、今尚、「港湾・交通委員会」の場には、神戸空港をめぐる多くの課題についての請願や陳情が提出され続けています。
それらの課題のうちの一つが、「海上アクセス」ベイ・シャトルの運行開始です。既に経営破綻しているベイ・シャトルは、本来ならば、縮小、廃止を検討しなければならないものを、今年度予算で、神戸市は、「海上アクセス」に対し、2億3700万円の補助金を出しました。さらに、来年度以降も補助金を出すことが予想されます。この夏、私は、あわはら市会議員(中央区)と「海上アクセス」の現状を検証するため、神戸空港・関西空港間をベイ・シャトルに乗船し、往復視察を行いました。夏休み中で、しかも関西空港第2滑走路オープンもあり、一番旅行客の移動のあるときであるにもかかわらず、往復とも採算ラインに達しない乗客数でした。将来の乗客数増加の見通しが立たず、さらなる赤字の増大につながりかねないベイ・シャトルの「勇気ある撤退」が必要なのではと思います。

各局ごとに、こんな質疑をしました 鉛筆画像

【水道局】
1、水道メーター検診業務の民間委託での公的責任について
2、「水の科学博物館」の有効活用について
【建設局】
1、自転車の専用道の整備促進について
2、高齢社会での安全・安心な道の整備について
【保健福祉局】
1、C型肝炎患者への高額治療費の救済について
2、神戸市独自の父子健康手帳の作成・配布について
【環境局】
1、アスベスト関係資料の保存期間延長について
2、「ごみステーション」の設置基準の遡及適用について
【保健福祉局(病院)】
皆さん!傍聴してください

1、市民病院の医師・看護師に対してのメンタルケアについて

今後の主だった議会日程

11月29日 第4回定例会はじまる―本会議
11月30日~12月4日 常任委員会
12月6日~7日 本会議
    
傍聴制度とは・・・、会議公開の原則の一つであり、市民が本会議の模様を直接見聞できる制度です。神戸市の場合は、常任員会や特別委員会も傍聴できることになっています。傍聴の手続きは、所定の場所において、お名前や住所などを書いていただくことにより、先着順に傍聴章が交付されます。定員が決められていますので、傍聴希望者が多数の場合は、抽選で交付されます。ちなみに、直近4年間の傍聴者数は下記のとおりです。

 

  2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 年間平均
本会議
700人
404人
504人
721人
約580人
委員会
1,236人
1,037人
1,279人
1,162人
1,180人

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編 集 後 記 たんぽぽ画像

 紅葉の季節になりました。春の選挙から半年あまり、はや今年もわずか二ヶ月足らずとなりました。ようやく議員としての活動が、議会の場で、あるいは地域の中で、少しずつ定着できるようになりつつあります。その一つが、ご紹介させていただきましたように、多くの方の活動の「場」として、事務所が設置されたことです。また二つめは、このような議会報告を兼ねたニュースを発行できる体制がとれるようになったことです。事務所も、議会報告もより充実したものになるよう、皆さんの貴重なご意見をいただければ幸いです。
季節の変わりめです。十分にお身体にお気をつけください。(小林るみ子)

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