x1
x1X1Cx1csX1FX1Gx1twin

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 シャープのパソコン事業部ではなく、テレビ事業部から発売されたX1(エックスワン)です。パソコンテレビという愛称を覚えている人もいると思います。X1が発売された1982年には、富士通のFM−7やNECの初代PC−9801が発売になっています。このパソコンの特徴としては、TV画面とパソコン画面を合成できるスーパーインポーズ機能があります。他にもPCG(プログラマブル・キャラクタ・ジェネレータ)という、8×8ドットのグラフィックパターンを256個定義しておき、テキストの代わりに表示させるという機能がゲームを製作する上で非常に便利で、ゲームを作りやすいパソコンとして認識されていました。この当時は赤い色のパソコンは珍しく、デザイン的にもかっこよかったので、電気屋のパソコンコーナーでは結構目立っていました。スターウォーズのデス・スター攻撃シーンを模したようなCMが印象に残っています。初代のX1はグラフィック用V-RAMが別売りなので、標準ではグラフィックが表示できないというのがかなり衝撃的だと思います。

 わが家が最初に購入したパソコンは、1984年に発売されたX1CSになります。本体と標準モニター共にローズレッドで私的にはかなりかっこいいと思っていました。外部記憶装置としてカセットレコーダーが内蔵されていました。このカセットレコーダーは他メーカーのパソコンのものよりも速く、2700ボーという高速でデータを読み書きできるということでしたが、他のカセットレコーダーのスピードを知らなかったので速いかどうかはわからず、むしろカセットテープは遅いと思っていました。せっかくパソコンがあるのだからプログラムを自分で組むことに興味がいけばよかったのですが、当時の私はX1をゲーム機としてしか使っていませんでした。パソコン雑誌に掲載されているBASICのゲームプログラムを打ち込んだりはしていましたが、結局プログラム技術は身につかなかったので、もったいない話です。

 フロッピーディスクドライブを内蔵したX1Fは1985年に発売されました。 この機種には上位機種であるX1turboに付属しているBASICからフィードバックした技術を使った、NEW BASIC(CZ-8CB01/8FB01 V2.0)が付属していました。従来のX1シリーズに付属しているBASICはグラフィックの描画速度が非常に遅かったのですが、このNEW BASICではかなり高速化され簡単なコマンドで中間色を扱うことも出来る様になりました。翌1986年にはX1Gが発売されました。X1Fには標準でフロッピーディスクドライブは1基しか搭載されていませんでしたが、X1Gには標準で2基搭載されています。これまでと違い縦置き可能な筐体になっているのが特徴です。

 X1シリーズは発売以降マイナーチェンジを繰り返しますが、X1シリーズには5年間その基本設計を変えないという方針があったそうで、見た目は変わるが性能は変わらない機種が発売されていきました。1987年に登場したシリーズ最終機種のX1twinでは、当時のライバルNECが発売していたPCエンジンというゲーム専用機とX1を合体させたものが発売されました。さすがに長期間基本設計を変えないというのは無理があったということでしょうか、主役の座は上位機種のX1turboシリーズに奪われていくことになります。

X1 CZ-800Cスペック
CPU Z80A、4MHz
80C48(キースキャン用)
80C49(テレビコントロール、カセットコントロール用)
ROM モニター(IPL)(4KB)
キャラクターゼネレーター(2KB)
RAM プログラム用(64KB)
テキスト用V−RAM(4KB)
ユーザー定義キャラクターゼネレータ(6KB)
グラフィック用V-RAM(48KB・オプション
表示能力 80文字×25行、40文字×25行(選択可)
反転文字、点滅文字、タテ2倍・ヨコ2倍・タテヨコ2倍可能
カラー8色(赤・緑・青・黄・水色・紫・白・黒、文字毎に色指定可能)
グラフィック表示 640×200ドット 1画面
320×200ドット 2画面
プライオリティ機能 テキスト画面とグラフィック画面の各色に対して優先順位がつけられる
バックグラウンドカラー 8色指定可
ビデオ出力 RGBセパレート出力方式
プログラム言語 SHARP-HuBASIC
キーボード (セパレートタイプ)
カナ付ASCII準拠、
メインキー、テンキー、ファンクションキー
テレビコントロールキー、テープオペレーションキーの
5ブロック構成
補助記憶装置 カセットデータレコーダー
APSS機構搭載電磁メカ内蔵
データ転送方式/シャープPWM方式
データ転送速度/2700ボー
サウンド出力 8オクターブ3和音
プリンタインターフェイス セントロニクス社仕様に準拠8ビットパラレル
ゲーム用スティックインターフェイス アタリ社仕様2個使用可
拡張I/Oポート・ボックス(オプション) 4ポート(本体内に収納可能)
時計機能 内蔵(電池にてバックアップ)
消費電力 28W
外形寸法・重量 本体:幅390×奥行331.5×高さ108(mm)、5.7kg
キーボード:幅391×奥行188.5×高さ52.5(mm)、1.35kg
カラー ローズレッド、スノーホワイト、メタリックシルバー
発売年 1982年
標準価格 155,000円



X1F CZ-811C/812Cスペック
CPU Z80A、4MHz
80C48(キースキャン用)
80C49(テレビコントロール、カセットコントロール用)
メモリ ROM モニター(IPL) 4KB
キャラクタゼネレータ 2KB
RAM プログラム用 64KB
テキスト用V-RAM 4KB
ユーザー定義キャラクタゼネレータ 6KB
グラフィック用V-RAM 48KB
表示能力 テキスト表示 80文字×25行、 40文字×25行(選択可)反転文字、点滅文字
タテ2倍・ヨコ2倍・タテヨコ2倍可能カラー8色(赤・緑・青・黄・水色・紫・白・黒、文字毎に指定可能)
グラフィック表示 640×200ドット1画面 320×200ドット2画面
プライオリティ機能 テキスト画面とグラフィック画面の各色に対して優先順位がつけられる
バックグラウンドカラー 8色指定可
ビデオ出力 RGBセパレート出力方式
日本語表示 CZ-812Cのみ漢字ROMを標準実装
画面構成 40文字×12行
文字構成 16×16ドット
文字種類 JIS第1水準漢字2965種を含む3707種
キーボード セパレートタイプ(本体とカールコードで接続)
カナ付ASCII準拠
メインキー、テンキー、ファンクションキー
テープオペレーションキー(CZ-811Cのみ)の4ブロック分割
プログラム言語 SHARP-HuBASIC
カセットベーシック CZ-8CB01 V1.0 V2.0(CZ-811C)
ディスクベーシック CZ-8FB01 V1.0 V2.0(CZ-812C)
フロッピーディスク(CZ-812C) 5インチミニフロッピーディスクドライブ1基内蔵 (増設により2ドライブ可能)
記憶方式/両面倍密度
カセットデータレコーダー(CZ-811C) APSS機構搭載電磁メカ内蔵
データ転送方式/シャープPWM方式
データ転送速度/2700ボー
サウンド出力 8オクターブ3重和音
インターフェイス プリンタ セントロニクス社仕様に準拠 8ビットパラレル
ジョイスティック アタリ社仕様2個使用可
専用カセット(CZ-812C) フルロジック電磁メカ方式
拡張I/Oポート 2ポート内蔵
時計機能 内蔵(電池によるバックアップはできません)
消費電力 CZ-811C:29W、CZ-812C:38W
外形寸法 本体:幅390×奥行390×高さ112(mm)
キーボード:幅390×奥行185×高さ35(mm)
重量 CZ-811C:5.7kg
CZ-812C:7.5kg
キーボード:1.3kg
カラー オフィスグレー、ローズレッド
発売年 1985年
標準価格 CZ-811C:89,800円
CZ-812C:139,800円

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