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 MZ−1500は1984年にMZ−700の後継機種として発売されました。強力なPCG機能やPSG6重和音のサウンド機能などゲームを作るのに適したスペックのパソコンでした。このパソコンの特徴としては、QD(クイックディスク)ドライブの搭載があげられます。MZ−1500発売時はまだフロッピーディスクドライブが高価だったため、カセットテープレコーダーの方が記憶装置としては主流だったと思います。このQD(クイックディスク)は片面64KB/両面128KBの容量を持ち、カセットテープに比べて読み込み速度が速かったので、当時カセットレコーダ搭載のX1CSを持っていた私はQD(クイックディスク)の読み込み速度をうらやましいと思っていました。しかし、QD(クイックディスク)の優位性も1980年代後半に入ると、フロッピーディスクドライブ標準搭載のパソコンが次々と登場したため、失われてしまいました。

 MZ−1500は当時の他の8ビットパソコン(PC-8801・X1・FM-7等)と比べるとグラフィック性能は劣っていましたし、パソコンの入門機としての位置にはMSXが存在したので、大きなシェアを得ることは出来ませんでした。

 MZ−2500は1985年にSuperMZの愛称で発売されました。記憶が曖昧ですが、当時のパソコン雑誌Oh!MZでは火の鳥という呼称をしていたと思います。当時は同じシャープのX1シリーズの方が知名度が上がっていたのでMZシリーズとしては起死回生のシリーズでした。高速なCPU、標準で256色表示できるグラフィックやFM音源を搭載し、性能面でX1シリーズや他の競合機種を上回る高性能パソコンでした。しかし、同年に先行して発売されたPC−8801mkIISRや他の競合機種の勢いを止めるまでには至らず、勢力図を変えることは出来ませんでした。市販のソフトウェアもMZシリーズとしては充実していましたが、この機種ならではの機能を活かしたソフトはあまり発売されず、シェアも伸びなかったので次第にソフトも発売されなくなっていきました。

 1986年にRAMやVRAM等のオプションを標準で搭載し、価格を下げたMZ−2500V2が発売されましたが、同年に発表されたX68000のインパクトの前ではかすんでしまいX1turboZと同様、X68000の陰に隠れてしまいました。MZ−2500は、発売時期がもっと早ければよかったのにと思わせるパソコンです。

MZ-1500 スペック
CPU Z80A(3.58MHz)
ROM モニタ 12KB、キャラクタジェネレータ 4KB
RAM メインメモリ 64KB、ビデオRAM 4KB
PCG(プログラマブルキャラクタジェネレータ)24KB (RGB-8KB×3)
キーボード ASCII準拠、アイウエオ配列、キー数69
(4カーソルコントロール、5ファンクションキー、1コントロールキー、1インサート、1デリート)
表示能力 テキスト 40字×25行
グラフィック 320×200ドット+24文字のPCG(8色)
または1000文字のPCG(8色)
パレット機能 瞬時色変換機能
ビデオ出力 RGB端子
コンポジット端子
RF端子(家庭用カラーTV接続端子)
サウンド 6オクターブ3重和音のPSG2チャンネル内蔵
スピーカ1個内蔵
外部オーディオ端子2チャンネル
QD(クイックディスク) 片面64KB、両面128KB、64KBのロード時間 約8秒
ボイスボード 本体内蔵オプション(MZ-1M08)
RAMファイル 本体内蔵オプション(64KB・MZ-1R18)
ソフトウェア 漢字対応BASIC(QD)
住所録、パターンエース、ミュージックエース
デモエース、その他ユーティリティ
外部端子 プリンタ/MZモードとセントロモード切換
一般テープレコーダ端子/データレコーダ(MZ-1T03)端子
ジョイスティック端子/2個、I/Oバス/1個、I/Oスロット/1個
ボイスボードI/Oスロット/1個、RAMファイルI/Oスロット/1個
拡張ユニット 2スロット(オプション)
時計機能 内蔵
電源 AC100V±10% 50/60Hz
外形寸法 幅440×奥行305×高さ109mm
重量 5kg
発売年 1984年
標準価格 89,800円



MZ-2500 スペック
CPU Z80B(6MHz)
ROM システム:32KB
漢字:256KB(JIS第1水準漢字2965字・非漢字535字/JIS第2水準漢字3388字)
RAM メインメモリ:128KB(最大256KB)
グラフィック:64KB(最大128KB)
PCG他:14KB
表示能力

注)専用カラーディスプレイMZ-1D22使用時
テキスト画面(タテ方向にスムーススクロール可能)
表示文字数 80桁×25行/20行/12行(8色)
40桁×25行/20行/12行(最大64色)
PCG機能 1024個(キャラクタ単位に8色の色指定可能)
1024個(キャラクタ単位に64色の色指定可能)
256個(ドット単位に8色の色指定可能)
128個(ドット単位に64色の色指定可能)
日本語表示 40桁×25行/20行/12行・8色
グラフィック画面(タテ・ヨコ方向にドット単位のスムーススクロール可能)
ドット数 同時表示色 最大画面数
標準 拡張*1
640×400 4 1 -
640×400 16 - 1
640×200 16 1 2
320×200 16 2 4
320×200 256 1 2
別売のカラーパレットボードの装着により
640×200ドット4096色中の15色/1画面
640×400ドット4096色中15色/1画面(*1)の表示が可能
*1 別売の増設ビデオRAMボードが必要。
特殊機能 16色パレット機能
4096色中の15色パレット機能
別売のカラーパレットボード使用時
外部記憶装置 3.5"マイクロフロッピーディスクドライブ640KB/基
(Model20/1基・Model30/2基搭載)
5.25"フロッピーディスクドライブ(別売)接続可能
キーボード JIS配列シリンドリカルステップスカルプチャータイプ、98キー
カナはJIS配列/50音配列切り替え可能
インターフェイス FDD 3.5"、5.25"共用
RS-232C 2チャンネル(9ピン/25ピン)
プリンタ セントロニクス社準拠/MZ方式
マウス 内蔵
ジョイスティック 2チャンネル(アタリ社仕様)
CRT リニアRGB、RGBI、B/W(コンポジットビデオ)
ボイスレコーダ データのリード/ライト機能(2000bps)に加え音声の録再機能付き
音楽機能 FM音源8オクターブ3重和音、SSG8オクターブ3重和音
カレンダ・クロック機能 時計精度:日差±1秒以内(20℃、1日8時間運転にて)
I/Oポート 2スロット(別売)
電源 AC100V 50/60Hz 消費電力50W
使用環境 仕様温度10℃−35℃ 仕様湿度20%−80%(非結露)
寸法 本体:350(幅)×345(奥行)×128(高さ)mm
キーボード:410(幅)×196(奥行)×38(高さ)mm
重量 本体:7.9kg(Model20)、8.6kg(Model30)
キーボード:1.4kg
発売年 1985年
標準価格 Model20:168,000円
Model30:198,000円

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