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MSX(エム・エス・エックス)とは、1983年に米マイクロソフトとアスキーによって提唱されたパーソナルコンピューターの共通規格の名称で、色々なメーカーからたくさんの機種が発売されました。当時パソコンといえばメーカーが違えば互換性はなく、ソフトウェアもそのメーカーのパソコン専用となり、他メーカーのパソコンでは利用できませんでした。しかし、このMSX規格のパソコンであればどこのメーカーが作ったパソコンであっても互換性があり、ソフトウェアも共通して使うことができたので、画期的な出来事でした。まさに現在のWindowsパソコンと同じように、どこのメーカーのパソコンであれWindowsが動作するパソコンであればソフトウェアや周辺機器が共通で利用出来るということが、1983年当時に実現していたのです。
MSXの性能自体は他のパソコンやファミリーコンピュータと比較して見劣りするものでしたが、専用モニターではなく家庭用のテレビにも接続することができたことは、パソコンを購入する際のハードルをずいぶん下げたのではないかと思います。
後継機で上位機種となるMSX2は1985年に登場しました。グラフィック機能が強化されメインメモリも最初から64KB搭載されていたので、他の競合パソコンと比べても遜色ない性能になってきた機種です。MSX2のパソコンで印象に残っているのは、1987年に登場したパナソニックのFS−A1FとソニーのHB−F1XDの2機種です。3.5インチのフロッピーディスクドライブを1基内蔵して、定価はいずれも5万4800円という低価格で販売されました。しかし、MSXはパソコンというよりはゲーム専用機というイメージのほうが強く、そのゲーム専用機のファミリーコンピュータと比較して価格的には高価だったので、ファミコンほどは普及しませんでした。パソコンの主流が8ビットから16ビットへ移っていくに従い、参入メーカーも徐々に撤退していき終焉を迎えました。MSX2で面白い話は、ソニーのMSX2・HB−G900が旧ソ連の軌道宇宙船ミールに搭載され、画像処理などの用途に使われていたという話があります。
1990年にMSXturboR(エム・エス・エックス・ターボアール)という、16ビットパソコンとなったMSXがパナソニックから発売になったそうですが、この当時の私の興味はゲーム専用機の方へ傾倒していて、パソコンへの興味が薄れていたので、MSXturboRが発売されていた事に気が付きませんでした。
CPU | ザイログ社 Z80A相当品(クロック周波数3.579545MHz、割り込みはモード1) |
ROM | 32KB(キロバイト) BIOS、MSX-BASIC |
メインメモリ(RAM) | 8〜64KB(キロバイト) |
画面制御(VDP) | テキサス・インスツルメンツ社 TMS9918相当品、VRAM16KB(キロバイト) |
画面モード | SCREEN0:テキスト40×24文字(1文字6×8ピクセル) 文字・背景とも固定16色中1色 スプライト使用不可 SCREEN1:テキスト32×24文字(1文字8×8ピクセル) 文字・背景とも固定16色中1色 単色スプライト使用可能 SCREEN2:グラフィック256×192ピクセル 固定16色(横8ドット内2色まで) 単色スプライト使用可能 SCREEN3:グラフィック64×48ピクセル 固定16色 単色スプライト使用可能 |
サウンド | ゼネラル・インスツルメンツ社 PSG(AY-3-8910) |
PPI(周辺機器インターフェース) | 8255相当品 |
CPU | MSX1準拠 |
VDP | ヤマハV9938 |
画面モード 〔〕内はVRAM64KBの機種の場合 | SCREEN0:テキスト40×24または80×26文字(1文字6×8ピクセル) 文字・背景とも(512色中)16色パレット中1色 スプライト使用不可 SCREEN1〜3:MSX1準拠に加え、固定16色ではなく512色中16色を選択可能 SCREEN4:グラフィック256×192ピクセル 512色中16色(横8ドット内2色まで) ライン単位色指定のスプライト使用可能(以下の画面モードも同じ)スプライト機能以外はSCREEN2と同一。 SCREEN5:グラフィック256×212ピクセル×4画面〔2画面〕 512色中16色 SCREEN6:グラフィック512×212ピクセル×4画面〔2画面〕 512色中4色 SCREEN7:グラフィック512×212ピクセル×2画面〔使用不可〕 512色中16色 SCREEN8:グラフィック256×212ピクセル×2画面〔使用不可〕 固定256色 SCREEN9:韓国版MSX2にのみ搭載(ハングル表示用のモードで、日本国内版を含め他国版には搭載されていない) |
メインメモリ | 64KB〜 |
VRAM | 64KBまたは128KB |
サウンド | MSX1準拠 |
PPI | MSX1準拠 |
CPU | Z80+R800(7.6MHz) |
ROM | システムROM(160KB) |
RAM | 256KB以上 |
VRAM | 128KB |
VDP | アスキー/ヤマハV9958 |
最大発色数 | 19268色 |
最大画面解像度 | 512×424ドット(インタレース時) |
スプライト | モード1/モード2 |
スクロール | 縦横 |
PSG音源 | 8オクターブ3重和音(AY-3-8910相当) |
FM音源 | MSX-AUDIO(YM8950) MSX-MUSIC(YM2413) |
PCM音源 | 8ビット(モノラル) |
MIDI IF | オプション |
FDD | 2DDドライブ1台以上 |
HDD | オプション |
メモリーディスク | あり |
映像出力 | RF、ビデオ、アナログRGB |
プリンタ | セントロニクス社準拠 |
スロット | 2スロット以上 |
ジョイスティック | 2ポート |
内蔵時計 | あり |
BASIC | MSX-BASIC ver.4.0/4.1 |
MSX-DOS | MSX-DOS1/2 |