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後に8ビットパソコン最大のベストセラーシリーズとなるPC−8801シリーズの最初の機種は、1981年に発売になりました。PC−8001シリーズとソフトの互換性があり、グラフィック機能が強化されて見やすい漢字表示が可能となったのが特徴です。640×400ドットという解像度は、当時としてはモニターに漢字を見やすく表示させるには十分な大きさでした。
好評だった初代の後継となるPC−8801mkIIは1983年に発売になりました。性能的には初代とさほど違わないのですが、5インチフロッピーディスクドライブが2機まで内蔵可能になりました。この頃からPC88にはゲームソフトが多く発売されるようになりますが、もともとビジネス用として発売されたので、音声出力がBEEP音のみでした。ゲームをするにしてもBGMがどうしようもなく貧弱なので、かなりつらいものがあります。その他にもグラフィックの書き換え速度が遅いので、ゲームを作るのは難しいパソコンだったようです。ホビーパソコンとして大成するには次の機種を待たなければなりませんでした。
歴史に残る名機PC−8801mkIISR(ピーシーハチハチマルイチマークツーエスアール)は1985年に登場します。当時のイメージキャラクター武田鉄矢のCMを覚えている人も多いと思います。この機種はFM音源を搭載し、表示速度も飛躍的に改善され先代の弱点を見事に克服した名機です。この機種が登場してからはハチハチといえばSR以降の機種がスタンダードとなり、mkII以前の機種のゲームソフト等は発売されなくなっていきます。640×200ドット、512色から8色を選んで表示できるグラフィックは当時は結構きれいで、電気屋のパソコンコーナーでは目立つ位置にディスプレイされていました。印象に残っているデモは美しく青きドナウをBGMに流していたデモとビバルディの四季をBGMに流して、四季折々の風景グラフィックを切り替えていたものです。
SR発売当時はパソコンゲームの全盛期で、多種多様なゲームがPC88用として発売されていました。ゲームといえば任天堂のファミリーコンピュータはすでに発売されていましたが、当時はパソコンゲームの方が主流だったと思います。ゲームの主流がパソコンではなくゲーム専用機に取って代わられるのは、スーパーマリオブラザーズが発売されて以降だったと思います。SR以降もFR/MR,FH/MH,FA/MA,FE,MCとマイナーチェンジした機種を発売していき一世を風靡します。
1987年に発売されたPC−8801MA/FAは、倍速のCPUを搭載しサウンド機能が強化されて登場しました。これまでのFM音源3音(モノラル)からFM音源6音(ステレオ)+リズム6音(ステレオ)に強化されています。このサウンド機能はオプションのサウンドボード2を増設することで、従来の機種でも強化されたサウンド機能を利用することが出来ました。PC−8801MA/FAでは、斉藤由貴が歌を歌いながらパソコンを操作しているCMが印象に残っています。
PC88最後の機種となるPC−8801MCは1989年に発売されました。CD−ROMドライブを搭載し縦型の筐体を採用したPC88としては異色の機種ですが、パソコンの主流が16ビットへ移行したためヒットせずに消えていきます。私も今回調べてみて、そういえばそんなハチハチがあった気がするといった程度の記憶しかありませんでした。
CPU | μPD780C-1(Z-80Aコンパチブル)、 4MHz | |
ROM | N-BASICおよびモニタ 32KB N88-BASIC 40KB スロット内増設可能 最大56KB(8KB×7バンク) |
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RAM | ユーザーズメモリ 64KB <N88-BASIC動作時> テキストエリア 32KB 変数・ワークエリア・テキストVRAM 31KB グラフィック用VRAM 48KB スロット内増設可能 32KB単位でバンク切り替え |
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表示能力 | テキスト表示 | 80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行 ※上記のいずれかを選択可 リバース、ブリンク、シークレット(キャラクタ単位に指定可) カラー8色(キャラクタ単位に可能) |
グラフィック表示 | 640×200ドット 3画面 640×400ドット 1画面(専用高解像度ディスプレイ使用時) ※上記のいずれかの画面を選択 画面合成可(グラフィック、テキスト合成) カラー8色(キャラクタ単位に可能) |
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カラーグラフィック表示 | 640×200ドット 1画面 カラー8色(ドット単位に指定可) 画面合成可(カラーグラフィック、テキスト合成) ※カラーグラフィック、グラフィック表示はN88-BASIC動作時 |
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バックグラウンドカラー | 8色指定可 | |
ボーダーカラー | 8色指定可(専用高解像度ディスプレイ使用時を除く) | |
ビデオ出力 | R.G.B.セパレート出力方式(カラー) コンポジットビデオ信号出力方式(輝度変調、モノクロ) 家庭用TV(TVアダプタ経由)に接続可 2画面独立表示可 |
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漢字ROMボード(オプション) | 文字構成 | 16×16ドット |
文字種類 | JIS第一水準の漢字(2965種) 非漢字(約700種) |
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画面構成 | 40文字×20行(専用高解像度ディスプレイ使用時) | |
キーボード | JIS標準配列準拠 10キー、コントロールキー、5ファンクションキー、キャピタルロック可 HELP、COPYキー セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) |
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拡張スロット | 4スロット内蔵(PC-8012バス上位コンパチブル) | |
オーディオカセットインタフェース | 600ボー/1200ボー | |
汎用I/O | 入力4ビット、出力1ビット、割込1ch ※オーディオカセットインタフェースとコネクタ兼用(切り換え方式) |
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プリンタインタフェース | パラレルインタフェース(セントロニクス社仕様に準拠) | |
シリアルインタフェース | RS-232C規格に準拠 | |
8インチフロッピィディスク | 本体内スロットに内蔵可 | |
ミニフロッピィディスクインタフェース | 内蔵(PC-8031用) | |
ライトペン | PC-8045使用可 | |
カレンダ時計 | 電池にてバックアップ | |
電源 | AC100V±10%、50/60Hz | |
使用条件 | 0〜35℃、20〜80%(但し結露しないこと) | |
外形寸法 | 本体 496(W)×342(D)×107(H)mm キーボード 464(W)×214(D)×72(H)mm |
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発売年 | 1981年 | |
本体標準価格 | 228,000円 |
CPU | メインCPU μPD780C-1(Z-80Aコンパチブル) 約4MHz サブCPU μPD780C-1(ディスクコントロール用) 約4MHz |
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ROM | メイン | N88-BASIC 40KB N-BASICおよびモニタ 32KB スロット内増設可能 最大56KB |
サブ | ディスク・コントロール用 2KB | |
RAM | メイン | ユーザーズメモリ 64KB <N88-BASIC動作時> テキストエリア 32KB 変数・ワークエリア・テキストVRAM 31KB グラフィック用VRAM 48KB スロット内増設可能 32KB単位 |
サブ | ディスク入出力バッファ・ワークエリア 16KB | |
表示能力 | テキスト表示 | 80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行 ※上記のいずれかを選択可 リバース、ブリンク、シークレット(キャラクタ単位に指定可) カラー8色(キャラクタ単位に指定可) |
グラフィック表示 | 640×200ドット 3画面 640×400ドット 1画面(専用高解像度ディスプレイ使用時) ※上記のいずれかの画面を選択 画面合成可(グラフィック、テキスト合成) カラー8色(キャラクタ単位に可能) |
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カラーグラフィック表示 | 640×200ドット 1画面 画面合成可(カラーグラフィック、テキスト合成) カラー8色(ドット単位に指定可) ※カラーグラフィック、グラフィック表示はN88-BASIC動作時 |
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バックグラウンドカラー | 8色指定 | |
ビデオ出力 | R.G.B.セパレート出力方式(カラー) コンポジットビデオ信号出力方式(輝度変調、モノクロ) 家庭用TV(TVアダプタ経由)に接続可 |
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漢字ROM 本体標準装備 |
文字構成 | 16×16ドット |
文字種類 | JIS第一水準漢字 2965字 非漢字 885種 |
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画面構成 | 40文字×20行(専用高解像度ディスプレイ使用時) | |
キーボード | JIS標準配列準拠 薄型軽量 ステップ・スカルプチャータイプのキートップ キーボード・本体分離のセパレートタイプ 10キー、コントロールキー、5ファンクションキー キャピタルロック、HELP、COPYキー |
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ミニフロッピィディスク | 本体内に実装可(最大2基)5インチ両面倍密度 拡張用ミニフロッピィディスクインタフェース内蔵(PC-80S32用) |
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8インチフロッピィディスクインタフェース | 本体内スロットに内蔵可 | |
汎用I/O | 入力2ビット、出力3ビット、割込1ch | |
拡張スロット | 3スロット内蔵(PC-8012/13、PC-8801、PC-8001mkII上位コンパチブル) | |
オーディオカセットインタフェース | 600ボー/1200ボー | |
プリンタインタフェース | パラレルインタフェース(セントロニクス社仕様に準拠) | |
シリアルインタフェース | RS-232C規格に準拠 割込み/ボーリング制御可 | |
ライトペン | PC-8045K使用可 | |
カレンダ時計 | ニッカド電池でバックアップ(月、日、時、分、秒) ※年の部分はシステムディスク上に登録 |
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電源 | AC100V±10%、50/60Hz | |
温湿度条件 | 10〜35℃、20〜80%(但し結露しないこと) | |
外形寸法 | 本体 350(W)×345(D)×125(H)mm キーボード 412(W)×195(D)×32(H)mm |
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重量 | model10 9.5kg/model20 10.9kg/model30 12.3kg、キーボード1.4kg | |
消費電力 | model10 38W、model20 42W、model30 46W | |
発売年 | 1983年 | |
本体標準価格 | model10:168,000円 model20:225,000円 model30:275,000円 |
CPU | メインCPU μPD780C-1 4MHz サブCPU μPD780C-1(ディスクコントロール) 4MHz |
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ROM | メイン | N88-BASIC 64KB N-BASICおよびモニタ 32KB |
サブ | ディスクコントロール用 2KB | |
RAM | メイン | ユーザーズメモリ 64KB <N88-BASIC動作時> テキストエリア 32KB 変数・ワークエリア・テキストVRAM 31KB グラフィック用VRAM 48KB テキストVRAM 4KB(ハイスピードモード時のみ使用) スロット内増設可能 32KB単位でバンク切り替え |
サブ | ディスク入出力バッファワークエリア 16KB | |
表示能力 | テキスト表示 | 80文字×25行、80文字×20行 40文字×25行、40文字×20行 ※上記のいずれかを選択可 リバース、ブリンク、シークレット(キャラクタ単位に指定可) カラー8色(デジタルRGBディスプレイ使用時) 512色中8色(アナログRGBディスプレイ使用時) |
グラフィック表示 | 640×200ドット 3画面 640×400ドット 1画面(専用高解像度ディスプレイ使用時) ※上記のいずれかの画面を選択 画面合成可(グラフィック、テキスト合成) カラー8色(デジタルRGBディスプレイ使用時) 512色中8色(アナログRGBディスプレイ使用時) キャラクタ単位に可能 |
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カラーグラフィック表示 | 640×200ドット 1画面 カラー8色(デジタルRGBディスプレイ使用時) 512色中8色(アナログRGBディスプレイ使用時) ドット単位に指定可 画面合成可(カラーグラフィック、テキスト合成) ※グラフィック表示およびカラーグラフィック表示は、N88-BASIC動作時 |
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バックグラウンドカラー | 8色中1色指定可(デジタルRGBディスプレイ使用時) 512色中1色指定可(アナログRGBディスプレイ使用時) |
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ビデオ出力 | RGBセパレート出力(TTLインタフェース、カラー) アナログRGB出力(75Ωアナログインタフェース、カラー) コンポジットビデオ信号出力(輝度変調、モノクロ) 家庭用TVに接続可(TVアダプタ経由またはアナログRGBインタフェース) 2画面独立表示可(テキスト画面、合成画面) |
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漢字ROM 標準装備 |
文字構成 | 16×16ドット |
文字種類 | JIS第一水準の漢字(2965字) 非漢字(約700種) |
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画面構成 | 40文字×20行(専用高解像度ディスプレイ使用時) | |
キーボード | JIS標準配列準拠 テンキー、コントロールキー、5ファンクションキー キャピタルロック可、HELPキー、COPYキー セパレートタイプ(本体とカールケーブルにより接続) |
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拡張用スロット | 3スロット(PC-8012、PC-8013、PC-8801、PC-8801mkII上位コンパチブル) | |
カセットテープインタフェース | 600ボー/1200ボー | |
汎用I/Oインタフェース | 入力4ビット、出力1ビット、入出力2ビット | |
プリンタインタフェース | パラレルインタフェース(セントロニクス社仕様に準拠) | |
シリアルインタフェース | RS-232C規格に準拠 割込み/ボーリング制御可 | |
ミニフロッピィディスク | 本体内に内蔵もしくは内蔵可。(最大2台) model10のみ外部接続可能(インタフェース別売) |
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カレンダ時計 | 月、日、時、分、秒。 Ni-Cd電池でバックアップ |
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オーディオ出力 | FM音源 3音3色 SSG音源 3音(GI社PSGコンパチブル) |
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8インチ標準フロッピィディスクインタフェース(オプション) | 本体内スロットに内蔵可 | |
電源 | AC100V±10%、50/60Hz 消費電力 平均 54W(モデル30)、最大90W(最大定格時) |
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使用条件 | 10〜35℃、20〜80%(但し結露しないこと) | |
外形寸法・重量 | 本体 406.5(W)×345(D)×127(H)mm 6.8(モデル10)、8.0(モデル20)、9.2kg(モデル30) キーボード 412(W)×195(D)×32(H)mm 1.4kg |
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発売年 | 1985年 | |
本体標準価格 | model10:168,000円 model20:213,000円 model30:258,000円 |
PC-8801FA機能仕様 | PC-8801MA機能仕様 | 備考 | ||
CPU | メインCPU | μPD70008AC-8 8MHz/4MHz切替え可 | ← | 起動時にスイッチにより設定 |
サブCPU | μPD780C-1 4MHz | ← | ||
ROM | メイン | 128Kバイト | ← | N88-BASIC、モニタ、その他 |
サブ | 2Kバイト | 8Kバイト | フロッピィディスク制御用 | |
辞書 | 512Kバイト | 約65,000語 | ||
漢字 | JIS第1水準、第2水準漢字 | ← | ||
RAM | メインメモリ | 64Kバイト | 192Kバイト | N88-BASIC動作時は テキストエリア 32Kバイト 変数・ワークエリア・テキストVRAM 31Kバイト |
グラフィック用VRAM | 48Kバイト | ← | ||
テキストVRAM | 4Kバイト | ← | V2/V1Hモードのみ使用 | |
サウンドRAM | 256Kバイト | ← | デジタルサンプリング用 | |
サブメモリ | 16Kバイト | ← | ディスク入出力バッファ、他 | |
ディスプレイ表示機能 | テキスト表示 | 英数カナ 80文字×20行、80文字×25行 40文字×20行、40文字×25行 ※上記いずれかを選択 リバース、ブリンク、シークレット (キャラクタ単位に指定可)又は、 カラー8色、512色中8色 |
英数カナ 80文字×20行、80文字×25行 40文字×20行、40文字×25行 ※上記いずれかを選択 リバース、ブリンク、シークレット (キャラクタ単位に指定可)又は、 デジタルRGBディスプレイ使用時、カラー8色 アナログRGBディスプレイ使用時、512色中8色 |
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グラフィック表示 | 640×200ドット(3画面) 640×400ドット(1画面) 上記いずれかを選択 |
← | テキスト画面のキャラクタ単位に8色、512色中8色指定可能 | |
カラーグラフィック表示 | 640×200ドット(1画面) カラー8色又は512色中8色 ドット単位に指定可 |
640×200ドット(1画面) デジタルRGBディスプレイ使用時、カラー8色 アナログRGBディスプレイ使用時、カラー512色中8色 ドット単位に指定可 |
||
バックグラウンドカラー | カラー8色中1色 又はカラー512色中1色 |
デジタルRGBディスプレイ使用時、カラー8色中1色 アナログRGBディスプレイ使用時、カラー512色中1色 |
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画面合成 | 可能 | ← | グラフィック画面、テキスト画面 | |
漢字表示 | JIS第1、第2水準漢字ROM標準実装 文字構成 16×16ドット 文字種類 第1水準 2,965字 第2水準 3,384字 非漢字 約700種 画面構成 最大40文字×25行※ |
← | ※専用高解像度ディスプレイ使用時 | |
キーボード | JIS標準配列準拠 10ファンクションキー、テンキー、コントロールキー 全角キー、変換キー、決定キー等 |
← | ||
ミニフロッピィディスク | 320Kバイトタイプ2台内蔵 | 1Mバイトタイプ2台内蔵 (320Kバイトタイプの読み取り/書き込み可能) |
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インタフェース | ディスプレイインタフェース | アナログRGB | デジタルRGB、アナログRGB | モノクロディスプレイは使用不可 |
プリンタインタフェース | パラレルインタフェース | ← | セントロニクス社仕様に準拠 | |
シリアルインタフェース | RS-232C規格に準拠 | ← | 割り込み/ポーリング制御可能 | |
マウスインタフェース | 入力4ビット、出力1ビット、入出力2ビット | ← | PC-8801mkIISR/TR/FR/MRの汎用I/Oインタフェースと互換性有り | |
カセットテープインタフェース | 別売(PC-8801-21) | ← | ||
拡張用スロット | 1スロット | 2スロット | ||
カレンダ時計 | 年、月、日、時、分、秒 | ← | Ni-Cd電池でバックアップ | |
オーディオ入出力 | FM音源 6音(ステレオ) SSG音源 3音、リズム6音(ステレオ) ADPCM(最大30秒〜120秒録音再生) スピーカ内蔵、ヘッドホン出力(ステレオ) LINE IN端子(2ch)、LINE OUT端子(2ch) |
← | ||
電源 | AC100V±10%、50/60Hz 消費電力 平均40W、最大55W |
AC100V±10%、50/60Hz 消費電力 平均45W、最大60W |
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使用条件 | 10〜35℃、20〜80% | ← | 但し、結露しないこと | |
外形寸法・重量 | 本体 385(W)×343(D)×110(H)mm 約8.5kg キーボード 462(W)×194.5(D)×33(H)mm 1.5kg |
← | ||
発売年 | 1987年 | ← | ||
本体標準価格 | 168,000円 | 198,000円 |