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1982年に富士通のFM−8(エフエムエイト)の後継機としてFM−7(エフエムセブン)が登場します。1981年に富士通が初めて発売したパソコンがFM−8なのですが、近所の電気屋のパソコンコーナーには置いていなかったので、FM−8の実物を見たことはありません。当時の8ビットパソコンはCPUにZ80系のCPUを使っているものが主流ですが、このFM−7はモトローラの68B09を使っていました。FM−7・FM−77シリーズは、広告にタモリを起用していたのが印象に残っています。
1984年にFM−7の廉価版となるFM−NEW7が発売になります。FM−7の本体価格12万6000円から9万9800円と価格が下がり、FMシリーズではヒットモデルとなりました。
FM−7シリーズは一度キーを押すと次に他のキーを押すまで、そのキーが押されたままとして認識されるため、ゲームなどの操作が難しかったようです。例えばゲームでキャラクターを右に進ませるために右キーを押すとキーから手を離してもキャラクターは止まらず、次に何かキーを押すまで右方向に進み続けてしまいます。この特徴はパソコン雑誌でも取り上げられていたので、FM−7はゲームがやりにくいパソコンだというイメージで捉えていました。しかし、当時はコマンド入力形式のアドベンチャーゲーム全盛時代だったので、アドベンチャーゲームをする分には問題なかったと思います。私が持っていたパソコンがX1だったため、FM−7やPC−8801でしか発売されていないアドベンチャーゲームを見ては羨ましいと思っていたことが思い出されます。
CPU | メイン | MBL68B09(クロック周波数4.9/8MHz切換機能付) Z80A(オプション) |
サブ | MBL68B09 | |
メモリ | ROM | 44KB(BASIC、ブートモニタ、サブモニタ) |
RAM | 117KB(メインメモリは、64KB標準実装。BASIC使用時においてもウラRAMが利用でき、64KBフルに利用できます) ※ウラRAMとは、BASIC ROMと同一アドレスにあるRAMエリア(32KB)のことです |
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ブートローダ機能 | ブートROMプログラム(480B)を、システム媒体に応じて、スイッチ切換可能 1.F-BASIC(ROM/Diskモード) 2.DOS(ミニフロッピィディスク) |
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CRT表示能力 | テキスト表示 | ANK文字 80字×25行/80字×20行/40字×25行/40字×20行(いずれかをソフトにて選択可能) 家庭用カラーテレビアダプタ使用時は、40字×20行表示が最適 |
グラフィック表示 | モノクロ 640×200ドット 3画面 カラー 640×200ドット 1画面(ドットごとに8色のカラー指定が可能) |
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文字構成 | 8×8ドットマトリクスによる文字パターン 英数字、特殊記号 69種 カタカナ、句読点 63種 グラフィックパターン 62種 |
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カラー表示 | 8色(青・赤・緑・マゼンダ・シアン・黄・白・黒)、パレット機能有り | |
日本語表示(漢字ROMカードが必要です) | テキスト表示 | 最大40字×12行 |
文字構成 | 16×16ドットマトリクスによる文字パターン 漢字 2,965種(JIS第1水準) 非漢字 453種(JIS非漢字) |
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キーボード | キー配列 | JIS標準配列に準拠し、PFキー、エディットキーなどを追加 キー総数 98個 |
キー読取り | 4ビットワンチップマイコン(MB88401)によるソフトウェアスキャン方式 Nキーロールオーバー方式を採用 |
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機能 | リピート機能有り(解除も可能です) | |
CRTインタフェース | カラーCRT | R.G.B同期信号分離出力(TTLレベル) |
グリーンCRT | コンポジットビデオ信号出力 | |
家庭用テレビ | カラーCRT信号をTVアダプタ(RFモジュレータ)経由で接続 | |
オーディオカセットインタフェース | 専用ケーブル添付、転送速度1,600BPS。リモートコントロール機能有り | |
プリンタインタフェース | 8ビットパラレル(TTLレベル)、セントロニクス仕様準拠 | |
回線インタフェース (RS-232Cインタフェースカードが必要です) |
ミニフロッピィインタフェース(MB22407)経由にて接続 薄型ミニフロッピィディスクユニット(MB27607)が使用可能(320KB/1ドライブ) |
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システム拡張 | 内部 | 本体内にI/Oスロットとして、2スロット用意されており、次のカードが使用できます。 ●漢字ROMカード●RS-232Cインタフェースカード ●ミニフロッピィインタフェースカード |
外部 | I/O拡張ユニット(MB26002)を接続して、外部拡張が可能です | |
サウンド機能 | 専用LSIの採用により、三重和音まで可能。音量調整、外部スピーカの使用可能 | |
電源 | AC 100V 50/60Hz 25VA | |
使用条件 | 温度 0〜35℃、湿度 20〜80% | |
外形寸法・重量 | 430(W)×288(D)×100(H)mm、約4.5kg | |
発売年 | 1982年 | |
標準価格 | 126,000円 |