準結晶とウイルスの意外な関係

 

 

ウイルスの形

 

準結晶

 

結晶

液晶

アモルファス

 

結晶構造

 

平面充填

空間充填

 

対称性

 

シュレーフリ記号

 

ペンローズ・タイル

 

双対多面体

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ウイルスの殻カプシド)は、

カプソメアというタンパク質が集まってできています・・・

どうやって集まるのかは、謎ですが。 →界面について

 

ウイルスの形には、変わったものありますが・・・

 

ウイルスの中には、正二十面体のものがあります・・・

なぜ、正二十面体になるのでしょう?

 

余談ですが、正二十面体は、正十二面体と双対ですね。

 

正二十面体といえば、I準結晶があります・・・

そういえば、準結晶の構造は、高次元空間の結晶構造を、

低次元空間に射影することで得られますが・・・

まさか、ウイルスは、高次元空間生命(の射影)!?

 

正二十面体の対称性は、結晶には存在しないようですが・・・

ウイルスは、単なる結晶(非生命)ではなく、

ある種の生命だからでしょうか?

 

準結晶は、へき開面を形成し難く、強靭なようですが、

このことが、ウイルスの形と関係するのでしょうか??

 

更に、準結晶には、I相の他に、10角柱と同じ対称性をもつD

8角形相12角形相があるようですが・・・

このような形のウイルスが存在するのでしょうか???

 

謎は、深まるばかりです。

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準結晶

結晶とも、アモルファス(非晶質)とも異なる、

第三の固体物質ともいうべき状態です。

 

並進対称性を欠くにも関わらず、

X線を回折する高度に規則的な構造を持っています。

 

数学的には、高次元結晶の、空間への射影、として記述されます。

 

結晶を定義づける、並進対称性は持ちませんが、

原子配列に高い秩序性を有しています。

 

結晶は、並進対称性を持つことから、

電子線回折等の回折像は、1回、2回、3回、4回及び6回のいずれかの回転対称性を示します。

 

一方、準結晶の回折像は、5回、8回、10回または12回対称を示します。

 

また、準結晶の回折図形には、鋭い回折スポットが現れており、

アモルファスのようにランダムな構造ではなく、

高い秩序度を有していることを示しています。

 

このように、並進対称性(周期性)を持ちませんが、

高い秩序性が存在する構造として、

一次元における、フィボナッチ数列や、

二次元における、ペンローズ・パターンが知られます。

 

このような構造は、高次元空間の結晶構造を、

その結晶構造の対称軸に平行でない、低次元空間に射影することで得られます。

 

準結晶の構造

準結晶の電子線回折図形には、

結晶には存在しない、5回回転対称性を示し、

20面体icosahedron )の対称性を持つものがあります。

このような対称性をもつ準結晶は、Icosahedral相( I相 )といいます。 ウイルスの形

I相準結晶の構造は、

3次元ペンローズ・パターンに、原子を修飾したものとして理解されています。

 

Al-Ni-Co等、

10角柱と同じ対称性をもつDecagonal相( D相 )と呼ばれる準結晶相も存在します。

D相の準格子は、

2次元ペンローズ・パターンであり、

この面が積層した構造をもちます。

すなわち、平面方向には、準周期構造、

これと垂直な軸方向には、周期構造を有しています。

 

この他、8角形相、12角形相の準結晶が見つかっています。

 

準結晶に特有な物性

準結晶は、金属としては、異常に高い電気抵抗があります。

 

また、温度が低くなると、抵抗が上昇する、

欠陥が存在する場合の方が、抵抗が低い

(通常の金属の性質と逆)等の特殊な性質を示します。

 

準結晶のフェルミ面には、擬ギャップと呼ばれる、状態密度の落ち込みがあり、

これが特異な電気的性質の原因となっていると考えられています。

擬ギャップが存在することで、系全体のエネルギーを引き下げ、

準結晶の構造を安定化しているようです。

 

バルクとしての準結晶(安定相)は、

非周期性のため、へき開面を形成し難く、比較的硬くて強靭です。

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結晶 準結晶 液晶 アモルファス ウイルスの形

原子や分子が、空間的に繰り返しパターンを持って配列している物質です。 参考、単結晶

 

離散的な空間並進対称性を持ちます。

 

現実の物質の大きさは有限であるため、

理想的な物質は、存在し得ませんが、

物質を構成する繰り返し要素(単位胞)の数が、十分大きければ(アボガドロ定数個程度)、結晶と見なせます。

 

原子の並びは、

X線程度の波長の光に対して回折格子として働き、X線回折という現象を引き起こします。

このため、固体にX線を当てて回折することを確認できれば、結晶していると判断できます。

 

現実に存在する結晶には、

格子欠陥という原子の配列の乱れが存在し、

理想的な性質から外れた状態となっています。

格子欠陥は、

「欠陥」として物性を損ねる場合もありますが、

逆に、物質を特徴付けることもあります。

 

定義(国際結晶学連合:IUCr

結晶             : 本質的に離散的な回折を与える固体

非周期的結晶: 三次元の格子の周期性を持っていない結晶

 

これにより、3次元の周期性は悪すぎますが、

非周期的結晶の解析のために開発された結晶学的方法によって議論ができる、

変調された構造体、

ポリタイプ、

不整合(インコメンシュレート)相、

複合結晶、

準結晶

も結晶と呼ぶこととなりました。

 

種類 化学結合

共有結合結晶

イオン結晶

金属結晶

分子結晶 ファンデルワールス結晶(分子性結晶)

水素結合結晶

 

結晶を形成する結合は、一種類だけとは限らず、

複数の結合が混在している場合があります。

二ホウ化マグネシウム等、共有性とイオン性両方を示す場合はよくあります。

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液晶

結晶と液体の中間状態として現れる状態です。

 

液晶は、厳密には、結晶と液体の中間状態のうち、

分子の方向に秩序は保っているものの、

3次元的な位置の秩序を失った状態です。

 

液晶には、

異方性を有する液体、

1次元的な重心秩序をもった、2次元液体、

2次元的な重心秩序を持った、1次元的な液体、

3種類があります。

 

中間状態には、液晶の他に、

柔軟性結晶プラスチック・クリスタル)があります。

これは、3次元的な位置の秩序を保っているものの、

粒子の方向の秩序が失われた状態です。

 

液晶の分類

サーモトロピック液晶と、リオトロピック液晶に大別されます。

 

サーモトロピック液晶は、

熱や圧力によってのみ、相変化をするものです。

 

リオトロピック液晶は、

多成分からなり、温度と成分の構成によって相変化します。

ネマティック液晶や、スメクティック液晶等があります。

ネマティック液晶は、

異方的液体に対応する液晶です。

位置の規則性がないので、液体と同様の流動性を有しています。

液晶表示装置に用いられています。

スメクティック液晶は、

層状構造を有する液晶です。

 

キラリティ(掌性)の効果

液晶を構成する分子が、不斉炭素を持ち、

系がラセミではなく、キラリティを有する場合には、

巨視的にラセン構造が出現します。

 

ラセン周期は、分子種により異なりますが、

周期に対応した光を反射する性質があるので、

ラセン周期が、可視光の波長となると、呈色します。

液晶によっては、温度により、ラセン周期が変化します。

これを活用したのが、液晶温度計です。

 

ラセン構造を持つネマティック液晶を、

コレステリック液晶といいます。

これは、コレステロール誘導体で最初に発見されたためです。

コレステリック液晶は、熱力学的には、ネマティック液晶と区別がないので、

キラルネマティック液晶と呼ぶこともあります。

 

スメクティック液晶で、不斉による影響が出る場合は、キラルスメクティック液晶といいます。

 

強誘電性液晶

キラルなスメクティックC液晶相(分子が傾いた層状構造をもつ液晶相)において、

分子間で電気双極子の整列が起こり、

巨視的に自発分極が生じて、強誘電性が生じる場合があります。

高速な電場応答(1msを切る)や、

メモリ効果(電場を切っても分子配向が維持される)、

といった特徴があります。

 

天然の液晶

生体膜は、

主にリン脂質からなり、

二分子膜構造をとる、一種のリオトロピック液晶です。

構造的には、スメクティック相です。

 

甲虫の羽根には、

コレステリック液晶と同様に、一方の円偏光を選択的に反射するものがあります。

構成する成分は、キチン等の高分子であるため、流動性は失われていますが、

ラセン状の分子配列が、円偏光反射の原因です。

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アモルファス(非晶質)  準結晶

結晶のような長距離秩序はありませんが、短距離秩序がある物質の状態です。

 

熱力学的には、非平衡な、準安定状態です。

 

amorphous は、morphous(形を持つ)に、「非」の意味の接頭辞 a‐ が付いた語です。

 

急冷や不純物が混じった状態でできた固体は、

規則的な原子配列が取れず非晶質となり、不定形です。

 

アモルファス状態は、非金属だけでなく、金属にも存在します。

 

特徴

均質で等方性です。

結晶が存在しないため、

結晶粒界や格子欠陥のような、弱い構造が存在しません

 

電気伝導性や熱伝導性等、

結晶状態とアモルファス状態では、同じ材料でも物性が大幅に変わることがあります。

 

潜晶質

アモルファスのうち、

光学的には結晶構造が見られない場合でも、

X線解析では弱い回折を示すものです。

ただし、潜晶質は、結晶質と解される場合もあります。

 

オパール等があります。

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結晶構造

結晶中の原子の配置構造です。

 

結晶構造は、「基本構造」と「格子」の2つからなります。

 

基本構造とは、

一つの格子点に付随する構造です。

 

格子点とは、

周囲の環境が同一である点です。

 

格子点は、並進操作により、無限に再現され、格子を作ります。

 

格子点を結んだもののことを、単位格子といいます。

 

単位格子の中で格子点が頂点だけのもの、

つまり、格子点を平均で1つ含むような単位格子を、基本単位格子(単純単位格子)といいます。

 

結晶格子

結晶の並進対称性を特徴付ける、空間上の格子です。

 

実空間において、基本並進ベクトル a1, a2, a3 により、

実格子ベクトル Rn は、

R n = n 1a 1 + n 2 a 2 + n 3 a 3

で表されます。

ここで、n = (n1, n2, n3) は任意の整数の組です。

 

a1, a2, a3 が作る平行六面体が、単位格子(単位胞)であり、

この単位格子を3次元的に繰り返し並べたものが、結晶です。

 

この結晶を形作る格子が、結晶格子であり、

実格子ベクトル Rn の終点が、格子点です。

 

結晶系

結晶系は、対称性を定めることで、

以下の7つの結晶系に分類されます。

 

単位胞の中に、一つの原子を含むものを、単純格子といいます。

 

単純格子と、単位胞の中心や、単位胞の面の中心に原子を配置してできる格子を考えると、

格子は、3次元の場合、7 (対称性) × 4 (単純・底心・面心・体心) 種類ありますが、

ここから、より小さな単位胞を使って記述しても、単位胞の対称性を損なわないものを除くと、14種類になります。

このような14種類を、 (3次元) ブラベー格子といいます。

 

7つの結晶系と14の結晶格子(ブラベー格子)

三斜晶系:三斜晶

単斜晶系:単純 底心

直方晶系斜方晶系):単純 底心 体心 面心

六方晶系:六方晶

三方晶系菱面体晶系):菱面体晶系

正方晶系:単純 体心

立方晶系等軸晶系):単純 体心 面

 

副格子

結晶格子を構成する原子または分子の中で、

同じ性質や状態を持つもの同士が形成する、部分的な格子部分格子)です。

 

従って、種類の異なる原子、分子からなる副格子も、定義可能です。

 

反強磁性体での、

上向きスピンを持つ原子と、下向きスピンを持つ原子が、それぞれ副格子を形成しています。

 

フェリ磁性体等のような磁気構造を持つ場合も、副格子が存在します。

 

超格子構造でも、副格子が重要です。

 

最密充填構造

原子を間隙が最も少なくなるように配置させた構造です。

六方最密充填構造 hcp

面心立方格子構造 fcc )または立方最密充填構造 ccp

 

最密充填ではない構造

単純立方格子構造 cubic-P

体心立方格子構造cubic-I, bcc

 

主な結晶構造

塩化ナトリウム型構造         NaCl

塩化セシウム型構造          CsCl

ペロブスカイト型構造          CaTiO3

閃亜鉛鉱型構造                ZnS

ウルツ鉱型構造                 ZnO

スピネル型構造                 MgAl2O4

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平面充填平面敷き詰め、タイル貼り、タイリング、テセレーション

平面内を、有限種類の平面図形(タイル)で、隙間なく敷き詰める操作です。

 

敷き詰めたタイルからなる平面全体を、平面充填形といいます。

 

平面充填は、広義の空間充填の一種で、2次元ユークリッド空間の充填です。

 

多面体は、多角形による球面充填(曲面充填の一種)と考えることができます。

そのため、多角形による平面充填は、多面体と共通点が多く、

便宜上、多面体に含めて論じられることもあります。

 

1種類のタイルによる平面充填

 

複数種類のタイルによる平面充填

 

充填の双対

多角形(特に正多角形)による平面充填には、

多面体に対する双対多面体のように、双対を考えることが可能です。

 

1種類の正多角形による平面充填の双対は、次の通りです。

シュレーフリ記号の数値が入れ替わっています。

正方形 { 4,4 } ⇔ 正方形 { 4,4 }

正三角形 { 3,6 } ⇔ 正六角形 { 6,3 }

 

アルキメデスの平面充填の双対は、

1種類の(鏡像は同じと考えます)多角形による充填となります。

 

特殊な充填

非周期充填

周期的なパターンによる充填以外に、非周期な充填も可能です。

ただし、周期充填の非周期な変形による充填は、非周期とは考えません。

 

現在最もタイルの種類が少ない非周期充填は、

SocolarTaylor tileという、一種類の非連結なタイルによるものです。

 

連結な1種類のタイルによる非周期充填は発見されておらず、

連結なものに限れば、ペンローズ・タイルによるものが最小です。

 

中心のある充填

平面上に中心を定め、

そこから放射状にタイルを敷き詰める、放射充填や、

ラセン状にタイルを敷き詰める、ラセン充填です。

 

放射充填は、

中心を通る放射状の直線で平面を楔形に分割し、

そのそれぞれを三角形タイルで充填したものの変形です。

 

直線の1つについて、その両側をタイル1つ分だけずらせば、ラセン充填となります。

一見、複雑に見えますが、回転対称性等の対称性を持つ、周期充填です。

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空間充填空間分割充填) 

空間内を図形で隙間なく、埋め尽くす操作です。

 

広義のテセレーションとも言いますが、

テセレーションとは、本来平面充填のことを指し、

これを、より高次の次元にまで当てはめたものが、空間充填です。

 

空間充填によって構成された立体を、空間充填立体と言い、

空間充填によって埋め尽くされた空間を、空間充填形といいます。

 

定義からいえば、空間はどんな空間でもよいですが、

単に空間充填・空間分割といえば、3次元ユークリッド空間の充填であることが多いです。

 

n 次元超球面の多胞体による充填は、n + 1 次元多胞体とみなすことができます。

そのため、超球面以外でも

n 次元の空間充填は n + 1 次元多胞体と共通点が多く、

便宜上、多胞体に含めて論ずることもあります。

 

3次元空間充填は、ブロック積みハニカムということもあります。

 

充填に使う図形は、ブロックといいます。

 

平面充填との関係

平面充填図形を、柱体・斜柱体にしたものは、全て、空間充填可能です。

 

逆に、空間充填を平面に投影すると、平面充填が得られます。

尚、投影の角度を変えれば、別の平面充填が得られます。

立方体 → 正方形

菱形十二面体 → ペンローズ・タイル

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対称性シンメトリー) 準結晶 結晶

ある変換に関して不変である性質です。

 

結晶構造は、

並進対称性、

回転対称性、

鏡像対称性、

の組み合わせで表現することができます。

 

並進対称性

並進操作に対して対称であること、及びその性質です。

連続的対称とは、

並進操作において、いかなる距離を取っても対称であることです。

離散的対称とは、

並進操作において、最少距離(の正数倍)において対称であることです。

 

回転対称性

ある図形を、ある回転角で回転した時に、もとの図形に重なる場合、

その図形は回転対称性を持っています。

 

一般に、回転対称は、離散的対称です。

 

あらゆる図形は1回転(360°)すると元の図形に重なりますが、これは恒等変換にすぎません。

 

1/n 回転して元の図形に重なるものは、n 回対称であるといいます。

 

任意の回転について対称、または微小回転について対称であるものは、等方的です。

 

鏡像対称性

ある鏡映面に関する鏡像が、元の図形と一致するならば、その図形は鏡像対称であるといいます。

 

平面上の図形が鏡像対称であるとは、線対称であることを意味します。

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シュレーフリ記号 Schläfli symbol ) 平面充填

正多胞体を、 { p,q,r,... } の形で記述する記法です。

 

正多胞体とは、

正多角形・正多面体を、一般次元へ一般化したものです。

 

線分1次元、

正多角形2次元、

正多面体3次元の、正多胞体とみなします。

 

また、星型正多胞体正空間充填形を、正多胞体に含めます。

ただし、正空間充填形は、1つ上の次元の正多胞体とみなします。

 

拡張シュレーフリ記号を含めて、シュレーフリ記号と言うこともあります。

 

狭義のシュレーフリ記号は、

次のように再帰的に適用されます。

1. 線分のシュレーフリ記号は、 { } です。

2. p角形のシュレーフリ記号は、  { p } です。

3. n 3 の時、

各ピークに、

n - 1 次元正多胞体のファセット { p1, p2, ... ,pn 2 } q 個集まった、

n 次元正多胞体のシュレーフリ記号は、 { p1, p2, ... ,pn - 2, q } です。

 

ピークリッジファセットとは、

n 次元多胞体の、それぞれ、

n - 3n - 2n - 1 次元要素です。

 

多面体3次元多胞体)に対しては、頂点(0次元要素)・辺(1次元要素)・面(2次元要素)、

4次元多胞体に対しては、辺・面・セル(3次元要素)です。

 

ある低次元要素に集まるファセットの様子は、要素の次元が高いほど単純です。

 

ただし、最も高次元なリッジに集まるファセットは、

単純すぎて常に2個であり、正多胞体の性質を現しません。

そこで、次に高次元であるピークに集まるファセットの個数を使えば、

最も簡潔に多胞体の性質を表すことができます。

 

非整数は、 5/2 のように、スラッシュを使った分数で記述します。

分母(2)は、星型多角形の密度を表します。

 

ピークに集まるファセットも、星型多角形のように密度を持ちえ、

その場合、分数表記されます。

 

性質

n次元正多胞体と、そのシュレーフリ記号 { p1,p2 , ... , pn 1 } には、以下の性質があります。

数値の個数は、 n - 1 個です。

正多胞体では、数値は全て整数ですが、

星型正多胞体では、1つが分数です。

 

3次元以上の狭義の正多胞体では、数値は 3, 4, 5 3種類しか現れません。

尚、星型正多胞体では、5/2

ユークリッド空間充填形では、6が加わります。

 

5次元以上では、3, 42種類しか現れません。

 

m 次元要素は、 m 次元正多胞体 { p1, p2 ,..., pm 1 } です。

 

m 次元要素の近傍の適切な、 n - m - 1 次元超断面

n - m - 1 次元超平面との共通部分、断面の一般次元への拡張)は、

 n - m - 1 次元正多胞体 { pm + 2, pm + 3, ..., pn 1 } です。

 

双対多胞体は、 { pn - 1, pn - 2, ..., p1 } です。

 

特に、正多面体と、そのシュレーフリ記号 { p, q } には、以下の性質があります。

面は、正 p 角形です。

各頂点には、 q 個の面が集まっています。

つまり、頂点近傍の適切な平面での断面は、 q 多角形です。

つまり、頂点を切頭すると、正 q 多角形が現れます。

 

双対多面体は、 { q, p } です。

 

拡張シュレーフリ記号は、

一様多胞体を表すことができます。

 

一様多胞体とは、

各ファセットが1次元低い一様多胞体(必ずしも合同ではありません)で、

各頂点の近傍が、合同な多胞体です。

 

一様多面体3次元一様多胞体)には、

正多面体、半正多面体、アルキメデスの正角柱、アルキメデスの反正角柱、

及び、それらを一般化した星型多面体が含まれます。

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ペンローズ・タイル 準結晶

ペンローズ氏が考案した平面充填形です。

 

二種類の菱形によるものです。

 

他の平面充填とは違い、周期的なパターンがないため、

平面充填しようとすると、非周期的な並べ方が強制される、非周期的平面充填の一種で、

二種類のみを使う唯一のものです。

 

尚、正多角形を利用した充填の場合、周期的なパターンが現れます。

 

使用する菱形の形は、

鋭角72°、鈍角108°のものと、

鋭角36°、鈍角144°のものを使います。

 

これは、等面菱形多面体による空間充填形の二次元の投影図にもなっています。

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双対多面体 平面充填

ある立体の頂点と面を入れ替えた立体です。

 

3次元における双対多胞体で、

多面体について述べていることが自明な時は、単に双対といいます。

 

双対多面体の双対多面体は、元の多面体です。

 

自身と双対関係にある多面体を、自己双対多面体といいます。

 

正多面体の双対は、正多面体になります。

正四面体⇔正四面体(自己双対

正六面体⇔正八面体

正十二面体⇔正二十面体 ウイルスの形

 

その他の正多面体

星型正多面体、ねじれ正多面体、正平面充填形)でも、双対は正多面体になります。

小星型十二面体⇔大十二面体

大星型十二面体⇔大二十面体

四角六片四角孔ねじれ正多面体⇔六角四片四角孔ねじれ正多面体

六角六片三角孔ねじれ正多面体⇔六角六片三角孔ねじれ正多面体(自己双対

正三角形による平面充填形⇔正六角形による平面充填形

正方形による平面充填形⇔正方形による平面充填形(自己双対

 

半正多面体の双対のことを、

アルキメデス双対またはカタランの立体といいます。

 

アルキメデス双対は、

半正多面体の各面の中心を結んだ立体ではなく、

アルキメデス双対の面の中心を結ぶと元の半正多面体になる立体です。

全ての面が合同で、全ての二面角が同じ、という性質も持ちます。

このうち、切頂n面体の双対は、

もとの正n面体の双対である、正m面体の各面の中心を持ち上げた形で、pm面体といいます。

 

角柱の双対は、

双角錐(重角錐、両角錐)になります。

三角柱⇔双三角錐

四角柱(特別な場合として、立方体)⇔双四角錐(正八面体

五角柱⇔双五角錐

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